※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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デビルマン・ゼロVSマジンカイザー

 目が覚めると、最初に感じたのは膨れ上がってくる力だった。

 そして、胴体を中心に感じる柔らかくも温かい感触。

 唇にもその感触があり、身体を起こして上に乗っているものを離すとそれは全裸の美佐樹だった。

 

「……夢じゃない……のか」

 

 俺自身は制服を着ていて、床には白装束が置いてある。

 美佐樹も意識が戻ったようで、俺の腕の中で目が覚めると安心した表情を見せる。

 

「明人……」

「心配かけたな、美佐樹。みんなの元に戻ろう」

 

 美佐樹に白装束を着させ、俺は彼女を片手で抱いて床に触れて意識を集中する。

 そして、右手から空間そのものを吸収する。

 白の次は黒を吸収していき、歩くよりもずっと早く外に出ることができた。

 

 外の世界はやはり、ゼロの中で見た時と同様に荒廃して崩壊していた。

 

 これを、俺がやったんだな。

 

 そして、近くで戦っている3人の戦士を見つける。

 

 2人のデーモンの戦士と、1人の青黒い鎧の剣士。

 

「あれは……!?」

 

 信じられない光景が広がっている。

 あの勇者アモンと魔将軍ガーラが、押し負けている。

 

 大きな長剣を持っている青黒い鎧の剣士。

 奴は一体……。

 

 俺のことに最初に気づいたのはアモンだった。

 剣士に吹き飛ばされ、俺の隣まで来るとフンっと鼻を鳴らす。

 

『遅すぎるぜ、デビルマン。何時まで寝てるつもりだったんだ?』

「まさか、あんたが俺を助けてくれるとは思わなかった。これが終わったら、あんたと戦わなきゃいけないのか?」

『フンっ……ここを生きて突破できれば、それも悪くないな』

 

 前を見れば、ガーラさんが強固なあの翼の盾で剣士の攻撃を防ぐがそれでも数十メートルも飛ばされる。

 

『奴は魔神カイザの力を宿した人間、兜甲牙だ。またの名をマジンカイザー。今の人類の希望となる存在だ』

「人類の希望様が、何であんたたちと戦ってるんだ?」

『最悪なことに、悪魔殲滅を目標としている戦士でな。自分の目的意識に囚われ、それが正しいことだと信じきっている。自分に絶対の自信があるんだろうな』

「……厄介なタイプだな」

 

 マジンカイザーはその長剣を右手に持ち、俺たちに近づいてくる。

 彼の雰囲気は、殺気と怒りに満ちている。

 

 おそらく、悪魔に何か恨みでもあるのだろう。

 それでも、デーモンを殲滅するなんてことは、俺はさせられない。

 

「美佐樹、アモンと一緒に居てくれ」

「えっ……」

『おい。貴様、今戦えるのか?』

 

 美佐樹をアモンに預け、彼の問いには頷いて答える。

 

「できれば、戦いたくない。だけど、結果的にそうなったら戦うしかないだろ」

「明人……」

「大丈夫だ。絶対に戻るから」

 

 俺は変身せずにマジンカイザーに近づき、彼に声をかけてみる。

 

「俺の名は内海明人。あんたは、マジンカイザー……人類の希望らしいな」

「内海明人……デビルマン・ゼロの本体か!!」

「その通り。……俺はあんたとは戦いたくない。ここは穏便にいかないか?俺たちは話し合えるはずだ」

「悪魔の力を持つ者と……話すことなどない!!おまえたち悪魔は、殲滅対象だ!!」

 

 その長剣を振るい、俺を斬ろうとしてくるデビルマン・ゼロ。

 アモンの言葉に確証が持てた。

 マジンカイザー……兜甲牙。

 危険な信念を持った戦士だ。

 言葉でわからないのなら、戦いの中でその信念を壊すしかない。

 

 俺は回避しながら距離を取り、腰に巻いているベルトに手をかける。

 

「変身……デビルっ!!」

 

 身体が発光し、純白の鎧を装着する。

 

 今、純白のデビルマンと青黒いマジンカイザーが対面する。

 

「悪魔は一匹残らず、俺が殺す。人類が生き残るために!!」

「デーモンだけが悪いのか?人間にだけ、善があるのか?それは偏見だと思うぜ」

「そんなことはない。デーモンは全て……悪だ!!」

 

 マジンカイザーが長剣を振るい、俺は両腕から漆黒の3本の刃を出して腕を十字にして防ぐ。

 力は互角か。

 

「デーモンの全てが悪なら、人間の全てが善とでも言うつもりか?随分と視野が狭いんだな!」

 

 長剣に力を集中させている間に、足にオーラを集中させて腹部を蹴り上げる。

 マジンカイザーの身体が前のめりになる。

 

「んぐっ!!」

「俺からしたら、デーモンも人間も似たような者だけどな!」

 

 前のめりになったのを、力を抑えて顔面を殴って少し遠くまで飛ばす。

 

「ぐへぁあ!!」

 

 マジンカイザーは踏ん張り、再度俺に向かってくる。

 

「人間を食らい殺すデーモンが、人間と同じなはずがない!!おまえたちに苦しめらえた俺たち人間が、悪魔を許すはずがないだろ!?」

「人間だけが被害者だとか、思い込みも激しいな」

 

 長剣を振るってくるのを白羽取りし、そのまま奪い取って誰も居ない方向に投げ捨てる。

 

「来いよ。武器なんか使わずに、拳で語り合おうぜ?」

「悪魔は殺すだけだ……語り合うことなど、ない!!カイザーナックル!!」

 

 マジンカイザーは拳を握って腕を回転させながら殴ってくる。

 それを避けずに顔面で受け止めるが、俺には微動だにしない。

 

「……何!?」

「軽いな。……おまえの拳からは背負うものを何も感じない。さっきの剣で、何も考えずに、おまえはどれだけのデーモンを殺してきたんだ?」

「っ……!!」

「聞いてんだよ。どれだけ多くのデーモンを殺した?おまえを見ていればわかるぜ。ただ、悪魔と言うだけで殺してきたんだろ。よく見極めもせず、悪魔と言う理由だけで……。それこそ、凶悪な悪魔が人間だからと言う理由で殺すのと同じだ!!」

 

 マジンカイザーの腕を掴み、そのまま反対の腕で何度も顔面を殴る。

 

「ぐふっ!んがっ!あがっ!ぶふっ!ぐがっ!」

「これは無残に殺されたであろう、良心のあったデーモンの分だ。人間を殺さず、食いもせず、共存できると信じていたであろうデーモンの分だ!!人間だけが悪魔から苦しめられていると思うな。デーモンとて、人間から苦しめられていると……知れ!!」

 

 最後の一撃は力をこめて、彼らの無念を背負って殴った。

 

「ぐぁあああ!!」

 

 地面に倒れ息を切らすマジンカイザー。

 しかし、すぐに立ち上がり、目から光線を発射した。

 

「光子力ビーム!!」

 

 後ろに居るアモンと美佐樹を守るため、俺は回避せずに技で対抗する。

 

「破壊者の光線(クラッシャー・ビーム)!!」

 

 黄色い光線と、白光の光線が衝突する。

 そして、拮抗することなく、俺の光線が相手の光線を押し切って直撃させる。

 

「うぁああああ!!!」

 

 膝をつくカイザーの頭を掴み上げ、マスク越しに睨みつける。

 

「俺の背後には人間の女が居た。今の攻撃が当たっていたら、おまえは人間を殺していたんだぞ!?」

「悪魔の味方をする人間など……人間じゃないっ……!!抹殺対象だっ!!」

「ふざけるな!!」

 

 地面に向かってカイザーの腹部を殴り、地面が揺れる。

 

「がぁはあ!!……あり……えないっ……!!俺は……マジン……カイザー……だっ……。俺は正義……なんだっ…!!人類を守る……ために……英雄になるためにっ……!!正義は、悪に屈してはいけないんだぁああ!!」

 

 今だに立ち上がるマジンカイザー。

 それはもはや、執念すら感じる。

 今の彼の言葉に、俺は怒りを覚えた。

 

「正義……英雄……?自分の考えだけで突っ走り、己の価値観だけで殺すおまえみたいな男は……悪魔以上の畜生だぜ!!」

「んぐっ……!!黙れぇえええええ!!!」

 

 マジンカイザーの全身を赤黒いオーラが包み、俺に向かってくる。

 その姿には最早、人類の希望といった風格は無かった。

 悪魔以上の巨悪だ。

 

 このままの状態で勝てるとは思えない。

 

 俺はベルトに手をかけ、3回ほど回転させる。

 

「……ゼロフォーム」

 

 マークを奥に押し込めば、回転したまま白と黒が螺旋状になり、白と黒の光が俺を包んで収まる。

 

 純白の鎧の所々に黒いラインが入り四肢が漆黒になり、胸部に黒い両翼のエンブレムが浮かぶ。

 ゼロ本来の姿を解放したのだ。

 

 右手に大量のオーラを集中し、白と黒の入り混じった光を発する。

 そして、その手で突進してきたマジンカイザーの頭部を掴んだ。

 

「おまえのその歪みきった独善、この俺が破壊する!!破壊の(ディストラクション)……衝撃拳(インパクト)!!!」

 

 マジンカイザーの身体は俺の発する光に包まれ、苦しみだす。

 

「ぐぅるるる……がぁああああああ!!!!」

 

 カイザーの中から、紫色のオーラがにじみ出てきては消えていく。

 そして、光が収まれば、俺は手を離してカイザーは倒れる。

 彼の変身は解除され、マジンカイザー……兜甲牙は虚ろな目を俺に向ける。

 俺はそれを見下ろすだけだ。

 

「……どうして……俺を……殺さない……?」

「おまえは人類の希望らしいからな。それに、おまえが死んだら悲しむ人も当然居るはずだ。その人たちを悲しませたくない」

「はんっ……バカだろ……おまえ?俺は敵なのによぉ。……なぁ、デビルマン・ゼロ……教えてくれ……」

 

 甲牙は仰向けに寝転がり、疲れ切った目に涙を浮かべる。

 

「俺は……どうすれば良い?悪魔を殺すことが、俺が英雄になるための近道だと思っていた。だけど……今、おまえに敗北して……わからなくなった。俺はどうすれば……英雄になれるんだ?」

「……そんなの知らねぇよ。おまえの思う英雄ってのがどういうものか知らないしな……。おまえには、守りたい人は居るか?」

「居る……大切な人が……多く居る」

「それなら……悪魔とかそういうのは関係ない。誰かのために強くなって、歯を食いしばって守り抜け続ける奴が……俺は英雄なんだと思う。おまえは力を持って、焦り過ぎたんじゃないか?英雄って言うのは、自分でそう思ってなる者じゃない。多くの人がそう思ってこそ、英雄なんだと思う」

 

 甲牙は目を見開き、じっと俺を見る。

 そして、急に清々しい顔で笑いだした。

 

「そうか……俺は英雄になりたいという願望で自分の中の正義に囚われて……焦っていたんだな」

「……そう思うぜ」

 

 俺も変身を解除して笑みを浮かべる。

 

「内海明人……デビルマン・ゼロ。その名前、覚えたぜ。マジンカイザーに敗北を教えた悪魔として……そして、俺を救ってくれた男として」

「俺も覚えておくぜ、兜甲牙。人類の希望として……これから英雄になる男としてな」

 

 俺は甲牙に背を向け、アモンとガーラさん、そして美佐樹の元に戻る。

 

「さぁ……帰るか、俺の居場所に」

 




 復活した明人くん、圧倒的やん!!ww。
 ゼロの力も制御できるようになってるし、こっちこそ最早敵が居ないんとちゃう!?

 と言う事で、デビルマン・ゼロの完全勝利。流石は主人公!!

 次からちょっと息抜き回かなぁ……。
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