※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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魔神パワー☆

 目の前に居るのは、マジンカイザーとして最初に戦った相手の1人。

 

 暗黒の騎士、デビルマン・ダークネス。

 

 バカな、あいつはここまで強くなかったはずだ。

 それがどうして、俺が押されている?

 今思い返しても、カイザの能力で圧倒できていた相手なのに。

 

 剣鉄也……デビルマン・ダークネスは冥刀の刃に膝をついている俺の姿を映す。

 

「確かに俺はあの時、貴様に敗北した。おまえに折られた我が愛剣も残してある。戦場で敵を侮るという愚行を犯した、我が戒めとして。もう、俺が貴様を侮ることはない、加減もしない。闇の帝王より賜りし、この冥界の力を宿した刀で、貴様を斬る!!」

 

 ダークネスの覚悟は本物だ。

 本気で俺を殺しに来ている。

 今のマジンカイザーの力で、この誇り高い騎士に勝てるのか。

 

「違う……勝てるのかじゃない……勝たなきゃ、いけないんだっ!!」

 

 痛みに耐えながらもカイザーブレードを両手で構え、ダークネスと相対する。

 

「その意気は認めよう。それでこそ、俺が宿敵と認めた戦士だ。さぁ、俺を楽しませてくれ」

「何が楽しませてくれだ……ふざけるな!!」

 

 俺のカイザーブレードとダークネスの冥刀ジレンがぶつかり合う。

 2つの刃は何度も衝突するが、その度に弾かれた時の反動は俺の方が大きい。

 つばぜり合いが起こるが、ダークネスのパワーに押されてしまい、薙ぎ払われてしまった。

 

「がぁあああ!!!」

「こんなものではないはずだ!!さぁ、俺を追い詰めたあの力を見せろ!!マジンカイザー!!!」

 

 ダークネスは距離を詰め、床に俺の背中が付く前に斬り上げてきた。

 そして、自身も跳躍し、頭上から斬撃波の雨を降らせてきた。

 

「ぐぁ!!がふっ!!あがっ!!がはっ!!うるあぁああ!!」

「……哀れな」

 

 鞘に刃を収めるダークネス。

 それと同時に、落下する俺を四方向から十字に囲む青い剣。

 

「興覚めだ」

「がわぁああああ!!!」

 

 剣が交差して俺を斬り刻み、そのまま身体は床に落下した。

 

 歯が立たない。

 ゼロとの戦い以上に苦戦している。

 いや、もはや戦いにすらなっていないのか。

 

 こうなったら、さやか1人だけでも……。

 

 頭をダークネスの方に向け、マスクの目を金色に光らせる。

 

「光子力……ビームっ!!」

 

 目から光線を発するが、ダークネスは冥刀の刃で防ぐ。

 

「小賢しい。無意味な攻撃だ」

「はぁ……はぁ……それでも…俺はっ……!!」

「貴様にはもう、俺と戦う価値もない!!」

 

 4つの剣が俺の四肢に刺さり、身動きが取れなくなる。

 

「ぐぁあ!!」

 

 ダークネスは俺を見下ろし、刃の先を向けてくる。

 

「おまえは英雄になりたかったそうだな。しかし、無力な貴様には儚い目的だ。マジンカイザー、兜甲牙。力なき貴様には、英雄となる資格はない!!諦めて、ここで果てるが良い」

 

 冥刀を両手で握り、俺に振り下ろしてくるダークネス。

 それはスローモーションに見え、ただ無感情になってしまう。

 抵抗することもできず、自分でも信じられないくらいに諦めに満ちていた。

 例え抵抗することができたとしても、今のダークネスには無意味だ。

 

 このまま、殺されてしまうのか。

 

 さやかを助けることもできずに、ミネルバとの約束を破って。

 

 倒すべき敵も、倒すことができずに―――。

 

「諦めないで、甲牙っ!!」

 

 絶望に意識が沈みそうになった瞬間、その声は耳に届いた。

 誰の声なのかは、考えるまでもない。

 ダークネスの刃が目の前で止まり、奴はさやかの方に視線を向けた。

 

「目を覚ましたか、小娘」

 

 さやかの声は止まない。

 

「あなたは強い!!あなたが戦う姿で、多くの人が希望を持てた!!それは、あなたがマジンカイザーだったから!!兜甲牙という希望が、私たちに勇気を与えたの!!だから……甲牙自身のために、甲牙を信じている人のために、立ち上がって!!マジンカイザー!!」

 

 その言葉に、胸を打たれた感じがした。

 

 俺はこれまで、ずっと自分のことしか考えていなかった。

 敵を倒しさえすれば、それだけで英雄になれると思っていた。

 だけど、それは大きな勘違いだった。

 

 何かの命を奪うだけの存在が、英雄になるんじゃない。

 そんなことで英雄になっても、それはただの破壊の化身だ。

 

 俺がなりたいのは、そんな存在じゃない。

 

 今、やっと内海明人の言っていた意味がわかった。

 

「黙れ、小娘が!!」

 

 ダークネスが斬撃を飛ばし、さやかの服と下着を全て切り刻み全裸にする。

 そして、彼女の身体に3体の白い影が張り付く。

 影は人型をしており、さやかの身体を弄び始める。

 彼女の首筋を舐める者、後ろから胸を揉みしだく者、両足を掴んでは陰部を舐め者。

 全てが、さやかの身体を求めている。

 

「きゃぁあああ!!やめてぇええ!!!」

「それは亡者の魂だ。亡者に犯され、苦しむが良い!!」

 

 身体を凌辱されながらも、さやかは俺に力を振り絞ってこう言った。

 

「あなたはっ……絶対にっ……あっ!成れるっ!!……真の英雄にっ!!……破壊の魔神なんかじゃなくっ……みんなに生きる希望を与え、守ることができるっ……守護神にっ!!」

 

 守護神……そうだ、俺はっ……!!

 

「希望?勇気だと!?そんなもので、圧倒的な力に勝てるはずがないのだ!!必要なのは力のみ!!それ以外は、全て不要だぁ!!」

 

 さやかに向かって突撃し、冥刀で彼女を串刺しにしようとした瞬間、その前に傷ついた魔神が立ちはだかり、刃を片手で掴んで止めた。

 鎧の下から血は流れており、両手両足には剣が刺さったままだ。

 

 それでも、全ての痛みに耐えて俺は立っている。

 

「さやかに……手は……出させない!!俺の女に、手を出すなぁああ!!!」

「くっ…!!」

 

 俺が全身から黄金の炎のようなオーラを発すると白い影が消えていき、ダークネスは距離を取って刀を構え直す。

 

「何だ……その力は知らん……。何なのだ、その底知れぬ力は!?」

 

 ダークネスが問うてくるが、そんなものに答えている余裕はない。

 

「甲……牙…?」

 

 後ろに居るさやかが、静かに俺の名を呼んだ。

 マジンカイザーではなく、俺自身の名前を。

 

「大丈夫だ、さやか……。必ず、おまえを助ける…から……」

 

 マントを引きちぎって、さやかに投げ渡し、そのままダークネスに身体を向ける。

 そして、床に落ちていたアタッシュケースを一瞬で回収して中を開いた。

 その中に入っていたのは、白いM字のマークが付いた腕時計型の装置だ。

 

 これが魔神化を制御するための装置『マジントリガー』。

 

 それをZのブレスレットの上に重ねるように装着してM字のマークを回転させた。

 

「誰かのために強くなって、歯を食いしばりながって守り続ける……。俺は英雄になることを辞めない。だけど、それは敵を倒すための英雄じゃない……。俺は……マジンカイザーはっ……!!守りたい者を全て護る者になるんだっ!!そのためならっ……!!」

 

 頭の中にカイザの声が流れる。

 

『……覚悟はいいか?』

 

 それはあらゆる意味を含んでいることだろう。

 

 魔神の力を使う覚悟。

 人間じゃなくなることを受け入れる覚悟。

 自分の本当の目的を果たす覚悟。

 

 すべてを理解した上で、俺は呟いた。

 

「できてるぜっ……!!」

 

 それが魔神の鎧が聞き届いたのか、オーラの流れが安定し、黄金のオーラを身体にまとう。

 身体の傷や痛みが、立ちどころに消えていく。

 

「面白い。やっと、本当の意味での戦いだ!!」

 

 ダークネスが冥刀を振るってくるが、それを黄金のオーラを右手に集中させて防ぐ。

 その時、オーラがドリル状になった。

 

「何だと!?」

「これが魔神パワーだ。今、その中の2つを使った。『自己再生』と『強化』だ。そしてっ……!!」

 

 冥刀を振り払い、オーラのドリルが光速で回転して放たれる。

 

「ギガドリルブレイカー……パァアアアンチっ!!!」

 

 ドリルの拳を受け止めるダークネスだが、冥刀を使っても押し切られている。

 奴がこのまま終わるはずがない。

 さらに畳みかける。

 

 マスクの口に空気を吸引し、5つの竜巻を放出しては光のドリルを追し込む。

 

「ルストテンペストォオオ!!!」

 

 ダークネスは周りに亡者を出現させては自身を後ろから押さえさせるが、それでも攻撃の勢いを止めることができず、冥刀が弾かれ、胴体にドリルが鎧に達して削る。

 

「ぐるぁあああああ!!!」

 

 そのまま胴体を貫通するかと思ったが、流石はダークネスだ。

 これだけの攻撃を受けても、それを耐えきった。

 しかし、その場に膝をつき、息を荒げている。

 

「これこそが……戦いだ……。はぁ…しかし、ここは引かせてもらおうか……。これで、2度目……。3度目はないっ!!次こそ……雌雄を決する、血で血を洗う決戦を期待するぞ……我が宿敵、マジンカイザーっ!!」

 

 床に落ちた冥刀を拾い、十字に斬っては空間を開き、ダークネスはその中に消えていった。

 俺も奴を追う気力はなく、そのまま前に倒れてしまい、変身が解除されてしまった。

 

 左手を見ると、マジントリガーは壊れていた。

 流石に、試作機だと強度が薄かったか。

 それでも、これが無かったら魔神パワーは使えなかった。

 

 魔神の力を抑えながらもその力を使うための装置。

 

 これから先の戦いでも、これが必要になるかもしれない。

 

「甲牙っ!!」

 

 さやかが駆け寄ってきては俺の上半身を抱え、頬に手を添えてくる。

 その目には、涙を浮かべていた。

 

「バカッ!バカバカっ!!甲牙のバカッ!!」

 

 こんなに感情的になっているさやかを見るの、久しぶりな気がする。

 

「ボロボロになる無茶してっ……どうして、こんなになるまでっ…!!」

「……そんなの……決まってるだろ…?」

 

 身体は首から下が動かず、頭をさやかに向けては精一杯の笑顔を向ける。

 

「さやかを護りたい。ただ、それしか考えられなかったから……」

「……甲牙……」

 

 さやかは俺を強く抱きしめ、そのまましばらく、時が止まったような気がした。

 

 あとでミネルバが救援に着て、さやかが正気に戻って俺を恥ずかしさを隠すために壁がめり込むくらいの強さで投げ飛ばすまでは。




※魔神パワーって言ったら、マジンガーZEROが出てくるかもしれませんが、この作品は真マジンガーZEROとは全然関係はありません。
マジンカイザーZERO……想像しただけで恐ろしいっ!!

とりあえず、マジンカイザーは精神的にも能力的にも完全復活でーす。

主人公食いに来てんなぁ、甲牙くん……。
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