※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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この話から、視点がバイオレンスジャックに変わります。


地獄への再来

 この世界に生を受ける者が居ることは、普通はあり得ない。

 ここは死した者をその罪によって永遠の苦しみを与え続け、前世での行いを裁く場所なのだから。

 周りには赤と黒が広がっており、常に悲鳴が響き渡る。

 

 その世界の名は地獄。

 

 誰もが恐れ、最も足を踏み入れたくない場所だ。

 その恐怖の象徴のような世界を、堂々と歩く巨体の男が1人。

 男には助けを求める亡者が何体もしがみついているが、それをものともせずに歩き続ける。

 そして、大振りに両腕を広げると、白い光を放って亡者を弾き飛ばした。

 

「……戻ってきたか。俺の居るべき場所に」

 

 その男の名はバイオレンスジャック。

 もちろん、本名ではない。

 しかし、彼にはそう名乗らなければならない理由があった。

 不動明。

 彼の魂は既に転生を果たしており、本来その前世であるジャックが精神体としてでも存在するはずがないのだ。

 

 ジャックがここに来た理由の1つは、この世界のデビルマン軍団のアジトを探し出すことだが、その他にも自身に起きていることを確かめることも重要なのである。

 

 彼が地獄に再来し、時間としてはどれだけの月日が経っただろうか。

 この世界は広く、デビルマンの姿は一向に見当たらない。

 しかし、目的の相手に近づいているのは感覚でわかる。

 あの時戦った闇の帝王の力が、徐々に近づいているのを感じる。

 

 そして、何かに引き寄せられているような奇妙な感覚もある。

 

「俺が捜しているのか、それとも向こうが俺を引き寄せているのか……」

 

 ジャックもハデスも、大切な者を失っている。

 そして、それを取り戻すために戦った。

 あの後の記憶は残っていないが、自分が魂だけの状態で残ったこととハデスが存在してデビルマンに取り込まれた所から、引き分けに終わったのだろう。

 

「ハデス……再度、おまえと戦うことになるかもしれない。これはもはや、了と同じように因縁なのかもしれない」

『では、その因縁をここで終わらせてやろうか?バイオレンスジャック!!』

 

 どこからか声が聞こえ、頭上を見れば翼を広げた紫色の悪魔がジャックに向かって落下してくる。

 大きく跳んで回避するが、地面の揺れに耐えるために踏ん張る。

 

「おまえは?」

『お初にお目にかかる。俺はデビルマン・ゴッド。デビルマン軍団が幹部の1人だ。おまえを俺たちの王の元に案内するように頼まれた。……が、ここで殺しても良いとも言っていた』

「どっちでも良いということか。おまえたちの王は、どうやら俺を試そうとしているようだな」

 

 懐から巨大なジャックナイフを取り出して構えるジャック。

 それを見て、ゴッドはバカにしたようにマスクの下で笑う。

 

『ギャハハハハっ!!人間の姿のままで俺と戦うつもりか!?』

「おまえ程度、今の状態で十分だ」

『言ってくれるじゃねぇか!!』

 

 掌に紫電を発生させ、ゴッドは4個の雷の球をジャックに向かって投げつけた。

 

『まずは小手調べだ。これをどう対処する!?世界で最初のデビルマンさんよぉ!!』

「ふんっ!!」

 

 ジャックナイフを大きく振るえば、ジャックに迫る雷の球が消滅する。

 そして、そのまま大きく跳躍し、ゴッドの足を掴んで地面に叩き落とした。

 

『ぐはぁ!!……がふっ!!ごぁああ!!』

 

 1度だけでなく、何度も地面に叩きつけ、ゴッドの身体が伸びてしまう。

 そして、ジャックは彼の首を掴んで持ち上げる。

 

『がっ!!ぐぅうううっ!!』

「どうする?このまま死ぬか?俺はそれでも構わないが」

『誰がっ……だぁああ!!!』

 

 ゴッドは全身から紫色の光線を発するが、それを受けてもジャックはびくともせず、逆に首を絞める力を強める。

 

『あがっ!あぁあああ!!!』

 

 圧倒的な力の差を感じ、ゴッドはジャックの腕を何度も叩く。

 

『わ、わがっだっ!!連れでいぐっ!!レクスの所に連れて行くから!!』

 

 その言葉でジャックの手の力が緩み、彼は手を離した。

 地面に倒れ、ゴッドは喉を抑えては何度も深呼吸をする。

 

(これが原初のデビルマンの実力なのか!?悪魔とかそう言う次元じゃない!!)

 

 ゴッドを見下ろすジャックの目はどこまでも冷徹だった。

 敵に対しては一切容赦しない。

 その精神は、魂だけの状態になっても変わらなかった。

 地獄に戻って肉体を得た今、彼の敵はそうは居ないだろう。

 

「デビルマン軍団のアジトに連れていくんだな?デビルマン・レクス、白藤隆一は俺の存在に気付いているんだな?」

『ああ、そうだよ!!それがどうした!?』

 

 切れ気味に言うゴッドの反応を見て、ジャックは目を細める。

 

(白藤隆一……何故、俺のことを知っている?)

 

 今のジャックは不安定な魂の状態であり、彼を認識できる物は極少数に限られる。

 彼を認識することを許した者のみだ。

 しかし、白藤にそういう操作をした覚えはない。

 

「会えばわかることか……」

 

 ゴッドに道案内をさせ、ジャックはデビルマン軍団のアジトに向かう。

 彼を待つ白藤は一体何を思い、何を彼に語るのか。

 

 バイオレンスジャックと白藤隆一。

 

 2人の邂逅により、1つの悲しい真実が明らかになろうとしていた。




内海明人とバイオレンスジャック、そして白藤隆一。

無関係ではないです。
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