※この作品はR-18です。

DEVILMAN REBORN ~LOST DESTINY~   作:カナト

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堕天使の罪☆

 飛鳥了は、気づいた時には崖の上に立っていた。

 見えるのは、人間とデーモンの死体の山。

 それを見て覚えるのは、罪悪感。

 

 彼の筋書き通りに事が進んだ結果、犠牲になった者たち。

 しかし、それが本来は了…サタンの筋書きではなかった。

 

 サタンも演者に過ぎなかった。

 神に逆らおうとした意志は本物なれど、それすらも創造主に利用されたのである。

 デーモンを守ろうとするにも関わらず、そのシナリオに操られて多くの同志を失った。

 

(これがサタンの犯した罪……。それと俺は向き合わなければならない)

 

 サタンの力を使えば、自身の存在を削ることになる。

 魔神と恐れられた力も、今は多様できない状況にある。

 

(今の俺に、何ができると言うんだ……)

 

 自分の無力さを痛感していると、地面が崩れて落下する了。

 

「んなっ!?うわぁああああ!!!」

 

 倒れた先は暗黒へとつながる渦の穴。

 

 そこに堕ちれば、黒い床から無数の手が伸びては了を下に引きずりこもうとする。

 

『サタン……』『よくもぉ……』『俺たちが死んだのは、おまえのせいだぁ!!』『何故、人間を救うぅう!!』

 

 その手は悪魔や人間のものが混じっており、了の身体を掴んでは恨めし気な声をかける。

 

「これは……一体っ……!?」

 

「きゃぁああああ!!!」

 

 状況を察する時間もないまま、了の耳に聞き覚えのある女の声が届く。

 

「この声は……ジュン!?」

 

 顔を上げて前を見れば、そこには両手両足を鎖でつながれて地面に倒れている全裸のジュンが居た。

 彼女に迫るのは、禍々しい赤い肉の塊の巨大な悪魔。

 

(何だ、あれは……!?あんなデーモンは見たことがないぞ!?)

 

 悪魔は口からよだれを垂らし、長い舌を出してはそれを肉棒の形にする。

 

<ジュン……オマエガ……欲シイィイ!!>

 

 悪魔はジュンの股を強引に開き、舌の肉棒を近づける。

 

「いやぁあああ!!!来ないでぇえええ!!!」

 

 ジタバタと抵抗しようとするジュンだが、それを物ともせず、肉棒の先は彼女の陰部の入り口に接触した。

 

<1ツニナロウ……。愛シテルンダ……ジュゥウウウン!!!>

 

 肉棒が陰部に挿入され、ジュンは目の見開いた。

 

「うぁああああああ!!」

 

 舌の肉棒は前後に動き、悪魔の巨躯が小さくなり、人間の形になっていく。

 

「あんっ!んっ!んっ!あがっ!あぁ!!」

<ジュン……ジュンっ……気持チ良イゾォ!!モット、オマエノ愛ヲ感ジサセテクレェエ!!>

 

 人間の筋肉質な男の姿になり、腰を振って肉棒でオマンコの中を犯す悪魔。

 

 その悪魔の姿に、了は既視感があった。

 

 そして、了とジュンの目が合ってしまう。

 

「了っ……!!」

「ジュンっ……!!」

 

 ジュンの目から涙が流れ、彼女は叫んだ。

 

「いやぁあああああ!!!」

 

 その時、了の身体がバラバラに砕けて行った。

 

 

 -----

 

 

「ジュンっ!!」

 

 ベッドから起き上がり手を伸ばし、自身の身体には何の変化もないことを確認する了。

 彼の上半身は汗だくになっており、息も荒くなっている。

 

「今のは……夢……?」

 

 それにしては、妙に感覚がリアルだった。

 

(悪夢にうなされるとは、俺も人間らしくなってきたということかな)

 

 頭を押さえ、軽く溜め息をつく。

 

 デーモンは夢を見ない。

 まず最初に睡眠を必要としないのだ。

 常に戦いに身を置いていた彼らにとって、睡眠は隙を作ること以外の何者でもないのだから。

 

「どうしたの、了!?」

 

 血相を変えて寝室に入ってきたジュン。

 それを見て、了は安堵の笑みを浮かべる。

 彼の笑みを見て、ジュンは怪訝な顔になる。

 

「いきなり、私の名前を呼んだから驚いちゃったじゃない。何ともないのね?」

「ああ、大丈夫だ。……今、何してたんだ?」

「朝ごはんを作っていたの。もうそろそろでできるわ」

 

 キッチンに戻っていくジュンを見送り、了はすぐに着替えてリビングに向かう。

 

(さっきの夢が頭から離れない。あの男……どこかで……)

 

 何かの不安と危機感に襲われて仕方がない。

 了は自分の見たことがない悪魔のヴィジョンを思い出しながら、テーブルに着きテレビをつける。

 

 こんな崩壊した世界でも、報道はまだ働いている。

 

 ニュースのほとんどは、行方不明者や死傷者についてだが。

 

 自称悪魔の評論家が好き勝手なことを言ったり、宗教団体の理屈が通っていない論理のぶつけ合いも見ていて飽きない。

 

「こういうのを見ていると、本物の悪魔の専門家は笑っちゃうんでしょうね」

 

 トーストの乗った皿を2つ持ってきてジュンが言う。

 それを1つ受け取り、了は鼻で笑ってしまう。

 

「そうだな。しかし、こういう状況なんだ。何かにすがりたくなったり、自分の世界に引きこもりたくなる気持ちもわからなくはないさ」

 

 コーヒーを飲みながら2人でテレビを見ていると、不意にジュンが眉をひそめた。

 

「あれ?……あの宗教団体の先頭に立っているのは……」

「知り合いか?」

「え?う、ううん。昔の知人にね……似てたのよ」

 

 ジュンの顔色が悪くなっている。

 了も何気なく見てみると目を見開いた。

 

(あれはっ…!!)

 

 先頭で集団を率いている男は、先ほど夢に出てきた男だった。

 

 その宗教団体は、悪魔と人間の停戦を訴える者たちだ。

 

 平和を訴え、争いを否定する主張をテレビの中で繰り返している。

 

 団体の名は『共存の園』。

 

 代表の名は、黒崎あおい。

 

 黒崎はテレビの中で演説を繰り返す。

 

『我々人間と悪魔は戦うべきではありません。お互いの存在を尊重し、理解し、相互の問題を解決するために協力すべきなのです。悪魔に敵意を向けるのは、もうやめましょう。我々は人間も悪魔も拒みません。あるがままの自然を受け入れるのです。来るべき運命を、あるがままに受け入れるのです』

 

 了はその男の存在に、不気味さを感じていた。




黒崎あおいは、原作では女性として登場していますが、ここでは性転換させました。
カルト集団の長をしているみたいですねぇ。
さてさて、どうなる事やら。

ジュンさんとも何か関係がある……かもしれない。
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