妙と付き合い始めて、周りの環境がガラッと変わった気がする。もちろん、俺自身も変わった。毎日がとても充実しており、学校生活というものがようやく楽しく思えるようになった。
真壁と安達垣みたいにバカップルはやっていないので、学校中に俺達の関係が知れ渡っている訳ではない。ぶっちゃけ一々話すのもめんどくさいので、前々から俺達のことを知っている一部の人間にしか話していない。
真壁や藤ノ宮さんから素直に祝福され、小岩井からは興味無さげに反応され、朱里からはようやく付き合うことになったんだねと言われた。
待て。ようやくってどういうことだと思い、朱里を問い質してみると、何回か妙から相談を持ち掛けられていたらしい。何かニヤニヤして腹が立ったので、時間を止めてチャック全開にしておいてやった。後で妙から普通に怒られた。
俺の能力は、リア充になってからも使えている。大体こういうものは、自分や周りの環境が変わると、何かしらの弊害によって使えなくなったりするものだが、俺の場合はそうじゃなかったみたいだ。つまり、リア充でありながら様々な女の子に手出し出来るという、男に生まれてきてよかったと思える状況下に俺はいるのだ。
そんな訳で、妙という彼女がおりつつも、女子達への悪戯は続いている。しかし、時間を止めている筈なのに、俺が悪戯したということを、妙はすぐに見破ってくる。当然怒られたくないので否定する訳だが、そんな訳ないとしっかり目を見つめて言ってくるものだから、俺の方があっさり折れてしまうのである。だってそんな正面からまじまじと見つめられたら、どうしても目を反らしてしまうじゃないか。
「何で俺が悪戯したって分かるの?」
「悪い顔してるもん。すぐに分かるよ」
こんなことを言われてしまっては、誤魔化しようがない。それでもバレないように何度か悪戯を試みてはいるのだが、九割くらいはバレている。残りの一割はたまたまかもしれない。
「成実君、帰ろ?」
「ん、ああ。帰るか」
色々あったなあと思い耽っていると、その妙から誘いを受ける。まあ、俺にとって勿体無いくらいの彼女な訳だし、ちゃんと大切にしないとな。
「妙」
「うん? ……んっ」
十数秒の後、ゆっくりと唇を離す。
「はぁっ……ど、どうしたの急に」
「いや……妙が可愛くて我慢出来なかった」
「! も、もう……不意打ちはズルいよ」
「じゃあ、もう少し素直に伝えるようにするよ」
「ホント? 嬉しい」
時間停止も控えよう。その時間を少しでも妙の為に使っていこう。
――時間停止。
でも……もう少しくらい止めちゃっても良いよな?
ストップからのリベンジ 完
↓ここからは主人公の説明↓
【名前】
→伊達家家臣である伊達成実が由来。
【身長・体重】
171㎝、57㎏
【容姿】
身嗜みにはあまり気を遣っておらず、髪の毛も長めの為、かなり根暗な印象。加えて猫背なので、お世辞にも社交的には見えない。
ルックスは可もなく不可もなくといった感じだが、真壁などのイケメンの近くにいることをコンプレックスに感じており、容姿に自信は持てていない。
【双葉妙について】
「言葉で言い表せないくらい好き。毎日俺にお味噌汁を作って下さい」
【本編に登場しないどうでもいいこと】
玉ねぎをみじん切りしても涙が出ない。