出口に向かうエスカレーターの列の中に、さっきの面々を見つけることはできなかった。
「みんな、さっさと帰っちゃたんだろうな」浩二がいった。
「もう21時過ぎだもん。早く家に帰りたいんだよ」私も応じる。
「本当は、もうちょっと余韻に浸っていたいな・・・」
だが館内にある喫茶店はすでに閉まっており、中に入ることはできない。
「うーん、この近くの雰囲気のいい店を調べておけばよかったな」浩二がいった。
「お腹すいてないか?」
「うん、すいてる」
「ちょうどよかった、ラーメン屋が開いているから、そこで何か食べていこう」
「そうだね」
そして劇場近くのラーメンで、私たちは小腹を満たしたのだった。
「そういえば凛、最近引っ越したっていっていたな」
ラーメン屋を出た直後、浩二は私の前に出てきていった。
「うん、引っ越したよ。そういえば浩二、あなたはまだこっちに来たことなかったよね」
「今から、見に行っていいかな?」
時間が時間だから、彼の本当の狙いはミエミエだ。だがホンネでは、彼に今度の部屋を見てもらいたいと思って私は、即座にいいよと返事をした。
地下鉄に乗ること約10分、最寄り駅から10分ほど歩くと、そこが私の新居である。5階建てマンションの4階、間取りは1DK、バス・トイレは別構造。家賃は75,000円也。建築年数が古いために、壁がやや薄いのが不満だが、部屋はきれいに整っているし、交通の便の良さを第一条件にしていた私にとっては、必要十分である。
「へえ、結構小綺麗にしているじゃないか」部屋に入ってくるなり、浩二はいった。
「あたしゃオンナだよ。アンタみたいなズボラじゃない」負けずに私も言い返す。
「はいはい、僕はズボラですよ」浩二は身をすくめる。
「それよりも、何か飲むものない?喉が渇いた」
「冷蔵庫の中に、チューハイが入っていたはずだよ」
「ああ、あったあった」というなり、浩二は冷蔵庫の中からチューハイを一缶取りだし、手早くタブを開けた。
私は食器棚からグラスを2つ取りだし、テーブルの上に置く。それを見た浩二は、チューハイをグラスに注いだ。
「それじゃ、今日はお疲れ様。乾杯」
「乾杯」
私と彼はカチン、とグラスを合わせ、一気にチューハイを口の中に注ぎ込んだ。
「チューハイ、うめー」
そう言った後、浩二はごくごくと音を立てながら、おいしそうにチューハイを飲み干した。
「アルコールの一気飲みはよくないよ。急性アル中になっても知らないよ」
「そういうお前だって、結構飲んでるじゃん」と、彼も負けずにツッコミ返す。
チューハイを飲み干した浩二は、キョロキョロと私の部屋を見渡していた。
「窓のある部屋を見たいなあ」
「こっちだよ」私はコップをテーブルの上に置くと、窓のある部屋の方向を指さした。
「へえ、こういう部屋なんだ」浩二は窓から、夜景を眺めている。
「まあまあの景色じゃないか」
「えへへ。いいでしょう」私は若干自慢げに笑いかけると、しばらくの間二人で、夜景を眺めていた。
景色に夢中になっていた私は、浩二が私の後ろに回ったことに気がつかなかった。
彼は私の後ろから、ゆっくりと髪を上げては溶かすという行為を繰り返した。彼の指が動く度に、背中に快感が走る。
「アアッ・・・やめてっ」
フフフと彼はいいながら、今度は首筋に吐息を吹きかけた。
「ちょっと、なにしてるのよっ」と抗弁すると、今度は耳たぶを指でこちょこちょとくすぐりながら、耳たぶにも吐息を吹きかける。
「ちょっと、いい加減にして」と抗議したが
「いいから、もっと夜景を眺めていなよ」といいながら、彼は私が羽織っていたブレザーを脱がせた。
「へええ、今日は下にこんなのを着ていたのか」
私が今日来ていたのは、真っ赤なキャミソール型ドレスである。そのままヤツは一気にそれを脱がすのかと思いきや、右手の指を私の背中に滑らせてきた。
「イヤン・・・ヤダ・・・」ワタシは思わず、ずっ頓狂な声を出してしまった。
「その割には、嬉しそうな顔をしているじゃないか」彼はニヤリと笑うと、今度は背中の真ん中をこちょこちょと愛撫する。
「アア・・・イ・・・ヤダ・・・」
「お前、ずいぶん色っぽい声を出すなあ」
幾分驚いた、という表情を含んだ声を出した浩二だが、自分の愛撫が効いていると判断したのだろう。両方の掌を私の乳房の前まで回すと、ドレスの上からゆっくりと愛撫する。
「ダ・・・ダメ・・・だったら・・・イヤ・・・イヤッ・・・」
リズムと強弱を変え、彼は乳房を揉みしだく。
下からグイッグイッと強く乳房を愛撫すると、浩二は私の肩から、ドレスのひもを外す。赤いドレスは静かに、私の足下に落ちた。
背中越しに、浩二がズボンのベルトを外している音が聞こえる。私が後ろを振り向いた時は、彼はパンツごとズボンを脱いでいた。素早く着ていたシャツを脱ぐと、彼は私より早いタイミングで素っ裸になっていた。
「ちょ、ちょ、ちょっと」ワタシは思わず大声を出した瞬間、浩二の唇が私の唇に重なった。同じタイミングで、彼は私の深い谷間から、片方の手を静かに手を差し入れると、ゆっくりと愛撫をはじめた。
もう片方の手は私の腹部を経由して、パンティーに触れた。そしてその手を強引にこじ入れると、自分の気が済むまで秘部をいじくり回した。
「イヤ・・・バカ・・・感じちゃうでしょ」私は彼の唇を引き離すと、浩二に抗議する。
「なに言ってんだ・・・お前スケベだな・・・もうこんなにぐっしょり・・・」
彼は返事をしながら、片方の手でブラのホックを外すと、それはドレスの真上に、音を立てることなく重なった。
「こっちもカチカチじゃん・・・」
浩二の愛撫のおかげで、私の乳首はツンと硬くなっていた。調子に乗った彼は、乳首をつまんだりはじいたりしながら、私の反応を楽しんでいる。
興奮のためか熱を帯びた彼の唇は、私の唇から首筋、肩、胴体の側部へとなめらかに動いていき、お腹の部分でピタリと止まった。
「新しい命は、ここに宿るのか?」といいたげな表情を浮かべると、さらに私の太もも、ふくらはぎ、足首にも唇を滑らせた。唇で私の体に刻印をつけている間、彼の両手は私の背中を優しく愛撫している。
「イイ・・・イイ・・・キモチ・・イイ・・」
浩二が繰り出す背中への愛撫に、ワタシの口からはハレンチな喘ぎ声が止まらない。
「ベランダに出てみないか。今晩は寒くなさそうだし・・・」
浩二は、どうやらベランダで私と一戦交えることをご所望しているらしい。
「バ、バカッ!誰かが見ていたらどうするの!」顔を赤らめて、私は抗弁する。
確かに、私の部屋が見える道路は、人通りがほとんどない。見上げたところで、そこでなにが起きているかを理解する人もいないだろう。しかし・・・
「私はイヤよ。警官に見られたら、公然わいせつ罪で事情聴取されるじゃない。そんなのごめんだわ。出版社の社員がそれで雑誌のネタにされるなんて冗談じゃない」
「大丈夫だよ。誰も見ていないから」平然とした顔で、浩二は返事する。
「それに、私は青姦ってやったことがない。他人の目が気になって、快楽に浸れないのよ」
「あれ?『誰かに見られているかも知れない』という恐怖感で、逆に感じちゃうの』という女性もいるみたいだけど」しれっとした口調で、浩二は言葉を続ける。そして、私の腕を掴んで、ベランダに引っ張り込んだ。
「バカ!バカ!私たち犯罪者になっちゃうじゃん!」私は必死になって、彼に翻意を迫るが
「いけない子だね」といいながら、浩二は私の唇を自分のそれで塞ぎにかかる。
「凛、以前『一度でいいから、青姦というものをしてみたい』っていっていただろ」
笑いながら、彼は問いかける。そして
「大丈夫だよ。優しくしてあげるから。君がハレンチな声を我慢すればいいだけの話だ」
といいながら、彼は私の視線を道路側に向ける。そして私の両腕をベランダに掴ませると
「お尻を突き出してごらん」とつぶやいた。私はいわれるままの姿勢をとると、彼は両腕で、たわわな乳房を入念に揉みしだいた。そして勢いをつけて私の中に入ると、ずん、ズンと、私の中を思い切り突いてきた。
「アッ!アアッ!」
私はたまらず声を上げると、彼は乳房を愛撫しながら、何度も私を貫いてきた。