彼は逞しい腕を私の背中に回した。そして自分と同じタイミングで、私の上半身を抱きかかえて起こした。
「わかった。なるだけ君が痛がらないようにするから」
耳元で囁くと、ゆっくりと私にキスをした。
そして再び私をベッドに横にすると、素早くコンドームを装着した。
「最初は痛いかも知れないけど、すぐに気持ちよくなるから」
そして彼は私の中に入ると、ゆっくりと腰を動かした。
「ウウッ!ウウッ!!」
「ウグッ!ウグッ!!」
彼が私の中で動くたびに、強烈な痛みが走る。
彼の身体の深いところを突かれるたびに、衝撃と痛みと快感が入り交じった、なんともいいようのないものが、身体の至る所に走る。
情熱、快感、身体の重さが、彼の肌を通じて私に伝わる。
ああ、これが「男女の営み」というものなのか。
学生時代、夜遅くまで図書館で調べ物に没頭し、教室でレポートに取り組み、ゼミ仲間と楽しい一時を過ごし、社会人になってからも残業でヒーヒーいっている同じ時間に、同学年の級友や会社の同期は、彼氏や男友達と、ホテルや自分の部屋で快楽を貪っていたのだろう。
彼女達は、おそらく知っていたはずだ。
自分に好意を寄せる男性たちに抱かれることが、こんなにも気持ちのいいものだということを。
愛情の裏付けを伴った愛の営みは、長い時間を経た後も、心と体に刻みつけられていることを。
自分だけの世界に閉じこもっているのは損だよ、もっと広い世界にでてみようよ。
合コンに誘ってくれた知人・友人たちの心中を察することなく、自分の世界が楽しければいいやと思い込んでいた、自分の鈍感さを今頃になって後悔する。
私はベッドの上で、 彼にカラダを貫かれてかき回されるたびに
「あなたはお化粧とファッションセンスをもっと磨けば、男がドンドン寄ってくるよ」
といっていた友達の声が、私の脳裏に鮮やかに蘇ってくる。そういえば彼女達の多くは授業そっちのけで、やれ合コンだのサークルだのデートだのと、あれこれ遊びまくっていたな。あの娘たち、今いったいどこで何をしているのだろうか?ちゃんと就職活動をして、それなりの会社で務めているのかな?
気がつけば、舩見さんの腰の動きはだんだん速くなってくる。いつの間にか、私も彼のリズムに合わせて腰を動かし、足をばたつかせている。
そしてそれと同時に、私は部屋の中で、あられもない声を上げていた。
「 アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!」
「ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!」
私の喘ぎ声が激しくなるのを聞いた舩見さんは、腰のリズムを自由自在に変える。
時にゆったりと、時に速く、そして強烈に。
彼の攻撃の前に、私の理性は少しずつ溶け出していく。
「ウ────ッ!!ウ────ッ!!ウア────────ッ!!ウア────────ッ!!」
「アアァ───────────────────────────────ッ!!!!!!」
「ウァァァ────────────────────────────────ッ!!!!!」
彼に深いところを突かれ、かき回されるたびに、私は頭を左右に振った。か細くなった理性を保とうと、私は必死で彼の背中を掴む。同時に無意識のうちに足首を組んだら、これが彼に強烈な快感をもたらしたのだろう。彼は私を貫きながら
「ウッ!ウッ!ウッ!」
とうめき声をあげはじめる。
舩見さんが私の中で動き回るたびに、私の意識は「快楽」という名の波に飲み込まれ、意識が遠のいていく。
そして体内の一番深いところに走る衝撃で我に返り、私は無意識のうちに頭を前後に激しく振りながら
「ア───────────────────────────────────ッ!!!!」
「ヤダ──────────────────────────────────ッ!!!!」
などと、意味不明の叫び声を上げていた。
彼はそのたびに私の耳元で
「きれいだよ」
「素敵だよ」
と囁く。
後で舩見さんから聞いたのだが、このとき私は彼が囁くたびに、トロンとした表情で彼に視線を向き、にっこりと微笑んでいたという。もちろん、私はそんなことはまったく覚えていない。
そして舩見さんは最後の力を振り絞り、私に強烈な一撃をお見舞いすると、私はたまらず
「ゥグァァァ───────────────────────────────ッ!!!!」
という、ケダモノのような叫び声を上げ……そのまま意識が遠のいていった……。
「ア──ッア──ッア──ッア──ッ」
「ハ──ッ ハ──ッハ──ッハ──ッ」
再び意識が戻った時、私は身体全体で、荒い呼吸をしていることに気がついた。
舩見さんの身体の重み、動き回ったことによる疲れ、全身から湧いてでる、今まで味わったことのない興奮と快楽、そしてけだるさ。
その他諸々の現象が重なって、私はベッドの上から動けなかった。
なにをするのも面倒くさい。
極端な話、息をするのもかったるい。
なにも考えず、ただただベッドの上でぼーっとして、横になっていたい。
激しい呼吸音、心臓の速い鼓動、そして体内から止めどなく出る汗が、治まる兆候は未だに見えない。
私が絶叫してから、どのくらいの時間が経ったのだろうか。
私は、舩見さんがウェットティッシュで、私の目尻を拭いているのにようやく気がついた。
「動かないで」
舩見さんは私にいうと、新しいウェットティッシュで、今度は私の一番恥ずかしいところを、丹念に拭ってくれた。彼の手が私の花芯に触れるたびに、口から恥ずかしい声が出るのをこらえることができない。
彼は私の局部を丹念に拭き取ると、私の目に触れないように、備え付けのダストボックスにティッシュを捨てた。そして、静かに私を抱き寄せ、視線を私のそれに合わせた。
「きれいだったよ」
穏やかな口調で私に言うと、優しくキスをした。
「舩見さん……私……」
彼になにか言おうとしたが、いいたいことがうまく伝わらない。
彼は「なにも言わなくていい」といいたげに、指を私の唇に添え、丹念に私の髪を梳いた。
「とっても、よかったよ……」
微笑みながら、彼は私に囁くと
「君の燃えっぷり、凄かったな……こんな女性は初めてだ」
と呟いた。
私は彼の様子を、しばらく黙って窺っていた。
やがて彼は、私の背中に腕を回しながら
「シャワー浴びて来なよ。このままでは身体にさわるよ」
といってくれた。
「うん、身体ベトベトになっちゃったから、お風呂に入ってさっぱりしてくる」
「そうしなよ」
私は軽く頷き、バスルームに入って身体を洗い、バスタブに身を浸した。
初めての交わりの後のお風呂が、これほど気持ちいいとは思わなかった。
さっぱりした気分でバスタブをでて、バスタオルで身体を拭くと、私はそれを身体に纏い、部屋に戻った。
舩見さんはバスタオルを腰に巻いた格好で、外の景色を眺めていた。
私は音を立てないように足を運び、彼の隣に立った。そして彼と一緒に、夜景を見た。
どのくらいの時間がが経ったのだろうか。舩見さんは腕を、そっと私の背中に回し、私を自分のそばによせた。そして私を纏っているバスタオルを、そっと外した。
バスタオルは、音を立てずに私の足下に落ちた。
私が彼を見つめると、彼もまた全裸で立っていた。
彼は私をそばによせたまま、私の乳房を丹念に揉みしだく。ゆっくりと、静かに、愛情をこめて。愛情がこもった彼のそれは、再び私を陶酔の世界へと導いた。
彼は私を愛撫しながら、情熱のこもった口づけをする。額に、頬に、そして唇に。
さらに彼の湿り気を帯びた唇は、首筋を経て腋、乳房、おへそを通り、さらに私の太ももや足首に到達した。
「アゥッ……ハァ……」
彼の唇が私の身体に触れるたびに、私は顔をしかめ、両手を動かした。
そして彼の唇は、私の胸の芯を捉える。
彼は舌をコロコロと転がし、気が済むまで胸の芯を弄ぶ。小さく柔らかかったそれは、彼の攻撃で、私が思っていた以上に硬くなった。
私の乳首がつん、と立ったのを確認した彼は、ゆっくりとした動きで、私の果実を愛撫する。
彼が私の乳房を揉みしだくリズムに合わせて、彼の背中を丹念にさすってあげる。
やがて私はてのひらで彼の顔を引き寄せると、自分から彼にキスをした。
少しびっくりした表情を浮かべた彼。だが彼は一瞬間をおくと
「愛している」
といい、全身に愛の刻印をつけていった。
そしてゆっくりと私の中に入り……私を絶頂に導いたのだった。