お姉ちゃんてば、何の気配もなくいきなり彼氏を連れてくるとかビックリするわ。それも、結婚前提って、飛ばしすぎじゃない? そりゃあ、お婆ちゃんだってもう少し冷静になれってゆーわ。
そのために……まあ、うん、解ってる。毎週のように彼氏を家に連れてくるのは、如何に、その――立花瀧君、って彼氏が素晴らしいかを、家族に伝えたいんでしょ? 事実上の家族にしちゃう勢いで。ホントはふたりでイチャつきたいだろーに。
っつーか、ただのイチャイチャでなく、本気で子供
とはいえ、私もお婆ちゃんも――ただ、出逢ってからの期間が短すぎる、ってのを言いたいだけ。瀧君って人を疑ってるわけじゃないし、むしろ好感触。こっちの趣味とか、食事の好みとか、感心するほど熟知してるのよね。お姉ちゃんが全面的に協力してるんだとは思うけど……いや、ホント、逢って数ヶ月、って雰囲気じゃないわ。まるで
それで……私の方も、ちょっと親しくなりすぎたかもしれない。勿論、男としては興味ないけど……ちょっとした悪戯心が湧いてくるくらいには。
***
とある日曜日、今日もみんなで夕飯食べましょー、ってお姉ちゃんから言われてる。お婆ちゃんは町内会の旅行で留守だから、私と彼氏さんの三人で、だけど。こっちは朝から夕方まで試合があるとはいえ、寄り道とかしなければ食事には間に合うと思う。
……ってつもりだったのにねぇ。まさかの雨とは。
天気予報、降るってゆってたっけ? 家を出るときはしっかり晴れてたから、雨具って発想もなかったよ。学校に着いたあたりで雲が出てきたから、涼しくなるといいねー、なんて話してたんだけど、そんな呑気な期待は重い雨によって憂鬱へ。そして早々に、相手チームからも試合中止が通告された。
ちゃんと傘を持ってきてた人や、置き傘してた人ならノープロブレム。でも、私は……うん、いわゆる負け組だ。
そんな敗者たちに用意された選択肢はあまり多くない。まだ雨脚が弱い今のうちにソッコーで帰っておくか、雨が通り過ぎるのを学校で待ち続けるか。中には、電話して迎えに来てもらおう、って人もいるね。
だけど――
待ち続けて夕飯に遅れでもしたら、お姉ちゃんからブチブチ言われてしまう。それどころか、電話で呼び出しなんて――彼氏さん、昨晩からうちに泊まってたものね。絶対いま頃イチャイチャ中に決まってる。傘を持って来いなんて割り込んだら……どんな嫌味を吐かれることか。
ということで、悲しいまでの消去法。それに、ちょっとした妥協策も見かけたし。……なるほどねぇ……ユニフォームのまま全部の荷物を置いて帰れば、濡れたとしても、最小限の被害で済む。私もそれに倣って、半袖短パンで一か八かの賭けに出た!
まー……失敗だったんだけどね。雨はドンドン強くなって、信号待ちの間……うげぇ、この通りって雨除けになるお店とかなかったか。キョロキョロと辺りを見回し続けるも――青ランプが点灯した頃には悟りの極地。すべてがどーでもよくなっていた。
てかさ、何で私、こんなことになってんの。どうして待てなかった? どうして呼べなかった? ……デート中のお姉ちゃんに気を遣って、だよねぇ……。お姉ちゃんがイチャイチャするために、私はこんなズブ濡れに……!
あー、何か腹立ってきた。こーなったら、ヤツらに恥を掻かせてやろう。家に電話も入れてないし、もしかしたら雨で中止になったの気づいてないかもしれない。油断してまぐわってるところに、偶然を装い……ただいまーって! 突撃してやれ。ビショビショで焦ってたから! って言い繕えば、お姉ちゃんだって何も言えないはず。
きっと今頃あられもない姿で……彼氏さんに甘えてギシギシアンアン……
……セックス……かぁ……
エッチに興味がないはずはない。
それは、いまだけでなく、子供の頃から。
ただ、それをどうやって発散したらいいのか、昔は知る由もない。
燻る気持ちだけを拗らせて……我ながら変なことしてたなぁ……
……こうして、雨を意識するのは、糸守振りかも。
当時はまだ、小学生だった。それに、田舎住まいだったってこともある。
でも、いまは高校生。それに、衆目の詰まった都会暮らし。
子供だから許されることもある。
山奥だから隠せることもある。
どちらも失ってしまった今――それは、思い出として留めておかなきゃならない。
あんな、危険極まりないドキドキは――
モヤモヤしながら一心不乱に歩いていたら、いつの間にやら家の前。黒い門戸をキィと押し開いて、玄関の前で鍵を取り出そうとしたとき、今更ながら悪戯のことを思い出した。もう、お姉ちゃんを一泡吹かそうなんてどうでもいい。だけど、雨ざらしになっただけじゃ、単なる傘を忘れた間抜け、で終わってしまう。
ここまで来たら、単なる惰性。無理して帰ってきたのがもったいないので、成功したらおめでとう、てことでいいや。
不自然なまでにそっと鍵穴を回し、音を立てないようゆっくりとドアを引く。
すると――
「あっ、あっ、あぁんっ! もっとチンチンっ、瀧君もっとぉっ!」
ひ……ひえぇ……お風呂場は玄関入ってすぐだからね。反響した喘ぎがビックリするほどよく聞こえるわ。てか、お姉ちゃん、声大きすぎない? そのー……パンパンって音の方が掻き消されてるんだけど。
「三葉っ! 俺……
わっ、男のコってこんな声で悶えるんだ……。元々お姉ちゃんより年下で、社会人一年生、ってこともあったから……頼りなさそうなところが、ちょっと可愛いのよね。スーツが似合わないところとかも。
でも、一応男の人だし。
なのに……恋人の前でこんなに弱々しく……これはちょっと衝撃かも。いま顔を合わせたら恥ずかしくなっちゃいそう。
必死に声を絞っている彼氏に対して、お姉ちゃんは遠慮がない。
「いいよぉっ!
あー……やっぱり子供欲しいってのは、願望でなく思いっきり実行に移してたのね。でも、このままだと入籍前にお腹が膨らみ始めそう。だって、あのふたり……お風呂でさえも子作りしちゃうくらいだもの。
私としてはナンというか……こう、ね? 普通にベッドでの濡れ場をイメージしてたんだけど。お風呂場でなんて、まるでエロ動画じゃん! だって、私も毎日使ってる場所で……その……今まさにパコパコしてるんでしょ? 男のコと女のコの股間を擦り合わせて。私、これからそこでお湯に浸かって温まろうとしてるのに。
何だか凄く……生々しいな。そのペチペチゆってるの、彼氏さんの腰と、お姉ちゃんのお尻が裸でぶつかり合ってるんだよね。
私もいつか、そういうこと、するんだろうな。
彼氏と裸になって……ココを……
短パンの裾から指を入れ、股布をずらしてその奥へ。
「んくぅ」
濡れてる……にしては、ちょっとぬめぬめ。これ、多分雨水じゃない。
私……変な気分になってる……
「ん、ん……」
こんなトコで、なんてコトを! だけど……止められない! ダメだってわかってるけど……もう少しだけ……っ。
「
うぅ……感じてる……私のソコも、同じものを欲しがってる。
誰の、とかそんなんじゃなくて、ただ、ムズムズと、本能的に。
そして何より、そこへと通じるところを……硬くて、太くて、長くて、熱いもので貫いて……!
「三葉……ホントに……
情けない声を上げているけれども、そこにもちょっと愛嬌を感じてしまう。
とはいえ、彼氏にしたいとは思えないけれど。
良くてせいぜい、一夜の過ち。
その場限りの間柄で抱かれるのであれば――
瀧君って、いまでもバスケとかやってるって言ってたっけ。それなら、身体も比較的しっかりしてそう。
脂肪の少ない、硬い身体。
骨太で、肩幅も広くて、ズッシリとした筋肉で、私のことを抱きしめて……
「んっ、ん……んふっ、んふぅ……っ❤」
やだ……私、瀧君のことオカズにしてる。でも……うぅ……そんなにパンパン鳴らされたら、どうしても意識しちゃうもの。
でも、自分の指で初めてってのは、ちょっと。
だから、瀧君が超えさせてくれるのなら……私……っ
「
え?
瀧君じゃなくて、お姉ちゃんが?
出るって……何が……?
ジャァァァァァァっ
ナニこの蛇口でも捻ったような音!
でも、水道から流してるにしては短くて断続的。
ジャァァァァァァっ
「はぁん」
ジャァァァァァァっ
「
お、お姉ちゃん……オシッコしてるんだ……
彼氏さんの……男の人の前で……
ううん、男の人に撞かれながら……オシッコ……!
「もう全部
ふたりは子作りを仕切り直そうとしてるけど……もう無理!
このまま玄関に突っ立ってたら……私の方がどうにかなりそう!
せっかく帰ってきたのにバカみたいだけれど……
私はそっと、踵を返した。
一度帰ってきたのだから、当然家に傘はある。だけど……もう少しだけこうしていたい。傘を持たずに雨に降られた体裁で。
髪からは絶え間なく滴が垂れるし、靴の中はもうタポタポ。
ユニフォームから下着までこれ以上濡れようがないってくらいに濡れている。
だったら――
その思惑を満たすには、きっと、この区画を一周するだけでいい。四回左折して、再び自宅へと戻ってくる頃には……きっと、すべてが済んでいる。
本当は、ピタピタとまとわりつく上下も全部脱いでしまいたい。でも、それはさすがにね。
だけど……これだけなら、きっとバレない。
一度目の角を曲がったところで、私は早速……。こんなことするの……七年ぶり。いまでもできるのかな? とかドキドキしていると……あは、私、あの頃から全然変わってなかった。
変な目で見られないよう――傘を忘れて開き直っているだけのように、私は胸を張って、しっかりした足取りで。
だけど……あはぁ❤ つい気持ち良くてニヤニヤしちゃう。
今すれ違った傘の人は気づいてなかったでしょうね。私を濡らしているのは、空から降り注ぐ雨だけじゃない、ってことに。
この温かさは、人肌のもの。それがパンツの中に広がって、すぐに溢れて太腿へ。明らかに違うものが流れているのに、私は構わず歩き続ける。うっとりしそうな頬を引き締めながら。
「はぁ……はぁ……あぁ……❤」
こうしていても、
歩きながら……お漏らししてる……!
すべてを
「はぁっ、あぁんっ!」
もう、自分の気持ちを抑えられない! 雨でアソコを濯ぐように、しっかりと立ち止まってクニュクニュと肉ひだを掻き回す。だけど、ここは壁に囲まれた玄関じゃない。未だ午前中の道端だから……
「……っ!」
いくら夢中になってたとはいえ、さすがに車が来たらヒヤリとするわ。それで、ちょっと高揚も収まったみたい。とりあえず、せっかくだから予定通りのコースを辿って帰ろう。その間にオシッコも多少は洗い流せるだろうし。
二回目に左折したところで……うぅ、さっきのオナニーを邪魔されたのが未だに燻ってるのかも。まーた、変な気持ちが……ウズウズ、ウズウズ。オシッコの染み込んだパンツを穿いて帰っては臭うかもしれない。だから、簡単に応急措置……とか。アパートの軒下にそっと忍び込み……大丈夫だよね? うん、少しの間なら大丈夫!
先ずは短パンから。スーッと床へと静かに下ろす。パンモロの時点で結構ヤバイ。だけど、ここまで来たらやりきってしまいたい。トイレでオシッコでもするように、ショーツも同じようにズルーっと……!
ヒラヒラしたゼッケンじゃ、お尻も下の毛も隠せない。そんな恥ずかしい下半裸のまま……樋から勢いよく流れ落ちてくる水で、パンツをジャブジャブともみ洗い。中の住人どころか、外からも丸見えのこんなところで!
ヤバイヤバイ! ホントにヤバイ!
でも、このヤバさが……ドキドキする……!
ギュっと絞ったところで……もうちょっと……
だって、雨じゃないものに、私のアソコが濡らされてるから。
「んっ、くっ、ふぅ……んん……っ❤」
ど、どうしよう……堪らないほど気持ちいい……!
そうすると……
ビラビラも
「……っと」
また車が通りがかって、階段の裏に隠れた私はまたしても我に返る。アソコに熱を残したまま。
だから……私は短パンだけを穿き直す。洗ったばかりの方は、手元に残して。
でも……うぅ……私、スゴイことしてる……
今度こそ帰ろう、って道路に出たところで……サッ! サッ! なんてパンツを上げ下げする悪戯。誰も来ないので、もう一度……サッ! 今度は少し長めに。丸いお尻を後ろに向けてフリフリしながら、テクテク、テクテク、テクテクと……。でも、やっぱり危ないのですぐ戻しといた。
だけど……中途半端なことをしてると、もっと遊んでみたくなる。三つ目の曲がり角を過ぎたところで、別のアパートに入り込んでみた。そして、今度は……上も。ゼッケンを捲りあげれば、ブラが顕になってしまう。なのに、その最後の一枚にすら手を掛けて……
「あ、は、は、はぁ……❤」
短パンに上半裸なんて、まるで男子みたい!
胸も膨らませた、オトナの身体で。
私……何やってんだろ……でも……でもぉ……
ここで……もう少しだけ……!
さっきと同じように短パンを下ろしてみた。でも、ここまで来たら……足首まで! そして、輪になった生地を跨げば……ホントに……コレ……ホントにぃ……!?
「あっ、あっ、あんっ、はぁぁぁぁんっ❤」
ヤバイ! ヤバイ!
すごい! すごい!
私、こんなところで素っ裸になってる!
素っ裸で、おまんこ掻き回してる!!
でも、だけど、さすがに――っ!
子宮に意識を持っていかれそうになったとき、私は慌てて手を止めた。さすがにここで
大急ぎで脱いだ短パンを逆再生。そして……やっぱりブラは着けずに、ゼッケンだけ羽織る。通気性の良い薄手の生地は、乳首のあたりを透かしてしまっているような。でも……うちはすぐだし……!
最後――四つ目の角を曲がれば、ようやく我が家。一〇分少々の冒険だったけど、私はすっかり子供に戻ってしまった気がする。
……ううん、私はもう、子供じゃない。
子供じゃない遊び方を知っている。
ここまで、結局できなかった。
でも……!
うちの門戸は胸までしかない低さだけど、しっかりと目隠しにはなってくれる。
誰かに見つかりそうになったら、しゃがめば隠れられるし、いざとなったら家に逃げ込んでもいい。
玄関を濡らすとアレだから、外で絞ってきた……そんな、女子高生とは思えないような言い訳を用意したことで、私の気持ちも固まった。到着したばかりの玄関前で、私は、私は……!
「あ、あ、あぁぁぁぁ……❤」
脱ぐものは上下一枚ずつだったから、あっという間にこの格好。言い訳と辻褄を合わせるのなら、靴と靴下も脱がなきゃダメよね。そしたら……ホントに……!
髪を束ねてるゴム紐二本はそのままだけど、あとは、襟元からつま先まで……
家の外を……眺めながら……!
昔やらかしたときの、自然を臨みながらとはスリルが違う。開放感に加えて……イケナイことをしているって背徳感がハンパない!
あの頃は知らなかった。自分の身体には触れると気持ち良くなる性感帯があることを。ガニ股になって、乳首もクリクリしながら……クリちゃんをグリグリグリィっ!
「あ、あ、あん、すごいっ!」
どうせ誰も来ないはず。だったら……もっと……
せっかく目隠しにと閉めておいた低い扉を、自らの手で内側から……!
「あぁぁぁぁ……これ……ヤバイ……っ!」
誰かが通りがかれば、全部
今度はもう、快楽に流されちゃおう。このままだと
「ひっ、ふっ、んっ、あっ、あ……っ」
もうっ! もうっ! もうっ!
やれるとこまでやっちゃえーーーーーっ!
ドタドタと突撃した先は……歩道の真ん中! 幸い、そこには誰もいない。
だから、このまま――
「
ガクンっ、と私はその場に膝を突く。ホントはさっきもこうしてオシッコしたかったな、とか思っていたら……
ビチャァァァァァっ!
ふふ、どこに残されてたのかしらね。塊のような一筋が、水溜りの中へと勢いよく打ち出された。はは……やっぱり、こうやって裸で
なんて恍惚に浸るのはここまで。ヨタヨタと家の敷地に逃げ込むと、黒い扉を閉めて、そこに寄りかかって一休み。多分、ここなら外からは見えないだろうから。
空を見上げれば、一面の暗い雲から雨はいまも降り注いでいる。そんなところで……私はハダカ。頭で、肩で、それこそ、剥き出しのおっぱいで受け止めてしまっている。
「……ははっ♪」
あんなものは、子供の頃の悪い癖だと思っていたのに。
でも、いまでもちゃんと楽しくなれた。
ううん、子供の頃より、もっと深い楽しみ方を、知ってしまったかもしれない。
こんな危険なこと、やめた方がいいのは解ってる。
だけど……
一度思い出してしまったら、しばらくはクセになっちゃうだろうな。
さて、そろそろ家に入るのだけど……ま、どーせあのふたりも素っ裸でイチャついてんでしょ? だったら、私も当初の計画を続行。外でビチャビチャビチャァと一枚ずつ丁寧に絞って、それらを纏うことなく――そっと帰宅二回目。
「もっとっ! もっと欲しいの瀧君❤」
ヤレヤレ、まだヤってんのか、あのふたり。でも、さすがにこっちだって身体も冷えてるってことで遠慮なく。
足音を忍ばせて、ガチャリ! と開くのは、脱衣所の扉。瞬間、凍りつく社会人二人組。よっし、ドッキリ大成功♪
「どいてくれる? 雨に打たれて寒いから」
一応、左腕で胸は隠しつつ、下は隠すと見た目が間抜けだからあえてそのまま。見ちゃったようなら、それは瀧君の方が悪い。
「四葉ッ! アンタなんで――」
ってお説教する気? アソコにアレを突っ込まれながら。
「ったく、セックスならベッドでしなさいよね」
私はあえて素っ気なく、四つん這いになっているお姉ちゃんを見下ろす。繋がり合ってるふたりは邪魔だけど、壁との隙間に割り込めば通れないこともない。こうしてようやく浴室へと辿り着いたのだけど……お湯はすっかり抜かれてた。元々シャワーだけだったのかもしれないけれど、風呂上がりに遊んでたとしたら……ハァ、お盛んなことね。
……と、いまではお姉ちゃんを笑えない。ここまで正気を保ってきたけれど……あー……ああああああっ! 思わず膝を抱え込み、脳裏に焼き付いてしまった映像を……消したい! 消さなきゃ……このままのぼせちゃいそうだもん!
いやっ、お姉ちゃんを覗くだけなら平気だけど……何でそのことを考えなかったんだろ! うっかり忘れていたのか、意図的に考えないようにしていたのか……セックスしてるのなら、彼氏さんだってスッポンポンに決まってんじゃん!!
アソコはお姉ちゃんに埋め込まれてて見えなかったけど。でも、おへそも胸も……何より、裸の男の人とあんなに近づいちゃったってこと自体が死ぬほど破廉恥。瀧君の方もビックリして、放心して――私の身体に釘付けだったなぁ。お姉ちゃんの前なのに。
そのぼんやりした表情は……私よりも年下みたいだった。身体も引き締まってたし。あの
だけど……目を閉じればしっかりとその姿が思い浮かんでしまうし、むしろすぐ隣にいるような気持ちになってしまう。素っ裸の……瀧君が❤
妄想するだけならいいよね? さすがにお姉ちゃんたちも脱衣所からは早々に撤退してるし。
「ん、ん、んふぅ……」
お風呂が響くのは、さっき私自ら外で聞いている。だから、声は本気で抑えて……でも……
(ジャァァァァァァっ)
さっき、お姉ちゃんがされてたこと……私も、されてみたい……
撞かれながらオシッコすると……あんなふうになっちゃうんだな、って。
初めてが、オモチャってのはちょっと嫌。
だけど、あの
そんなことを考えながら、お肉の蕾を撫で回していたら……
「んっ、んっ、んっっっっっ❤❤❤」
ビクビクっ! ビクビクビクンっ!
あ、あぁ……また
こんな連続で二度も
私、もっと普通だと思ってたのに。
あー……なんだか、色んなものが吹き出してきちゃった気がするなぁ……
***
ふぅ、さすがにゆっくりしすぎたかも。寒かったから、温まりたかったしね。
で、リビングに入ってみると……はぁ、相変わらずベタベタしとるわ、あのふたり。さすがに服は着てるけどね。
何も言わずに自室に引っ込もうとした殊勝な私に、お姉ちゃんはキッと睨みを利かせてくる。
「四葉……さっきのアレはどーいうつもり?」
さっきのアレ……全裸乱入のことよね。
「こちとら雨に降られてビショビショだったんだよ? 家の廊下濡らしたら後が面倒だし……っつーか、風呂場でセックスしてる方が悪い!」
私からのド正論に、お姉ちゃんは口籠る。
「だっ、だとしても一声かけるとか、そのー……あるでしょ、色々!」
言ってて厳しいと思わない? 寝室や私室ならともかくお風呂だよ? どこまで気を遣ってもらえると思ってんだか。この家は子作り中心に動いてるんじゃないっての。
だから、これには反論を必要とせず、溜息一つで私の圧殺してやった。
大好きな彼氏の前で論破されて、お姉ちゃんは悔しそう。それで、妙なことをボソリと呟いた。
「……ったく、アンタ、雨の中を歩くの好きなクセに」
「えっ?」
と驚きの声を上げたのは私でなく……何故か彼氏さんの方。この意外な反応に、お姉ちゃんは私の昔話を瀧君に教えてあげた。
「四葉ね、雨が好きで、そういう日にわざわざ散歩に出てた時期があったのよ」
それについては古い話だからいいけど……ん? 彼氏さんの反応が、ちょっと変。
「ふ、ふーん……珍しいな」
深く突っ込んだ事情を知っているはずがない。なのに……どうして赤くなるの?
まさか……
ずっと、疑問に思っていたことがある。うちに来るようになって数ヶ月、それも、ほとんどお姉ちゃんからの伝聞のはずなのに……何で私たち家族のこと、そんなによく知ってるのかな、って。
時々、軽く探りを入れてたけど、ずっと東京育ちだったことは間違いなさそう。でも……
何らかの理由で、糸守にいたことがあったとして、
そして、それを
たかだか雨が好き、ってだけで、こんな反応されるのは明らかに異常。さっきの行為は実に七年ぶり――都会暮らしの彼氏さんとは接点はないのに。
試しに……今度は、こっちの方向から……揺さぶってみる?
「だけど、雨の中だって傘
お姉ちゃんの隣にコッソリと視線を送ると――
……どうしよう。真っ赤になって俯いちゃった。
私が言わんとしていることを、しっかりと理解してるみたい。
いつ、どこで、どういう形で――それはわからない。
だけど……私の
一方のお姉ちゃんは、本当に何も知らない。
「そりゃあ、傘くらいは差すでしょーよ。カッパ着るのでもなければ」
うん、それが普通の反応だよね。だから、彼氏さん……アウトだよ。
どこまで知られているか、正確なところはわからない。でも、
「明日まで降り続けるようなら、今夜、ちょっと散歩に出てみよっかな~?」
チラっ、と彼氏さんに再び目線。これ……我ながら、絶対誘ってるよね。彼氏さんだって、見つめられたのをぜんぜん違う方向いて誤魔化そうとしてるもん。
そんな彼氏の異変に気づかず、お姉ちゃんは相変わらず姉の顔をしている。
「お婆ちゃんが旅行中だからって……。都会の夜は危ないのよ?」
「わかってるって。まー、寝る前に軽く、ってだけだから」
私の寝る時間、先週うちに来たとき話したの……覚えてるよね? その後、自分は何時だ、お姉ちゃんは何時だ、と睡眠時間談義に発展したもの。私だって、三人分の就寝時間は記憶してる。……まあ、瀧君はあまりに不規則すぎて、もう少しシャンとしろ、って私たちから咎められる結果になったけど。
私が寝るのは、午前一時。そのときまで雨が降り続けていたら……そのときは、どうなるんだろ?
あまりに恥ずかしすぎて、考えようにも頭が真っ白になってしまう。
だけどこの好奇心を、私には抑えることなどできそうにない。
私の頭の中には、今宵やらかす羞恥プレイのことと……瀧君の