人が悩んでいれば精力的に相談に乗り、困っていればいの一番で手を差し伸べる。傍に居て欲しい時はなにも言わずとも寄り添い、人肌恋しい時は無言で抱き締め温もりを与える。
刹理紅音はそんな日だまりのような、誰にでも無上の優しさを注ぐ魅力的な人格の持ち主だった。
だからこそ彼女は皆から慕われ、好かれ、愛されていた。
勿論、和水芽依も例外ではない。
艶やかな紅蓮色の長髪が。
宝石のように美しい澄んだ瞳が。
きめ細かいすべすべの白い肌が。
適度に発育したふんわりした胸が。
むっちりした色気ある健康的な太股が。
陽光のように暖かい笑みが。
元気を与えてくれる快活な声が。
誰に対しても変わらない優しさが。
頭がくらくらするような甘い匂いが。
ふとした拍子に見せる大人びた雰囲気が。
気を許した相手にだけ見せる小悪魔のような一面が。
全部が全部。気付いた時には、刹理紅音を構成するあまねく要素を愛おしく感じていた。
「……ぇぐ……ひっ……く……なんで……なんで……酷い……こんなのって……ぇぐ」
そんな愛して止まない人が今、服も着ず毛布にくるまり、声を押し殺してすすり泣いている。普段泣き顔と無縁の人が見せるその悲壮な姿に芽依はごくりと生唾を呑んだ。
凌辱物を好んで読んでいた芽依にとって今の悲嘆に暮れる紅音は興奮材料以外の何物でもないのだ。
「紅音お姉ちゃ~ん」
「え……?」
だからもう限界だった。胸の内から際限なく沸き上がる情欲を止めることなどできなかった。既に紅音を犯していた四人は後処理を済ませ撤退し、この部屋に居るのは芽依と紅音のみ。
そんな状況で我慢しろというのが土台無理な話なのだ。極上の餌を前にした空腹の猛獣が餌に飛びかかざるを得ないように。体が自然と動いていた。
「め、芽依、ちゃん……な、なんで……」
引戸を開け這い出ると、紅音の顔はみるみる青ざめていった。
そのまま卒倒するのではないかと心配になるほど血の気の失せた紅音に芽依は満面の笑顔で応える。
「えへへへ。紅音お姉ちゃんこんにちは。洋服が散らばってるけどなにかあったの?」
「ッ! こ、来ないで! それ以上来たら、お、怒るからね!」
下着すら身に纏っていない状態だからか、それとも不穏な気配を察知したのか。
紅音はキッと芽依を睨み付けながら声を張り上げる。けれどぎゅっと毛布を握る手が僅かに震えていることと、紅蓮色の透き通る瞳に浮かぶ怯えの色からもそれが強がりであることは明白だった。
「人が折角心配してるのに酷い言い草~。……にしても怒るからね! って。本当紅音お姉ちゃんは可愛いよね」
にっこりと笑いかけて芽依は紅音へと接近する。まるで連動するように紅音は距離を取ろうとするけれど、毛布にくるまりベッド上で踞った状態から満足に動けるはずもなく簡単に目前まで迫ることができた。
「お、お願い……芽依ちゃん……お願いだから……来ないで……」
「えへへへ。紅音お姉ちゃんは本当可愛いな~。そんなに脅えちゃって。なにか怖い思いでもした?」
「そ、そんなこと……」
「な~んて意地悪してごめんね? でも別に隠す必要はないと思うな。むしろ芽依は紅音お姉ちゃんの口から直接聞きたいんだよね。『刹理紅音はさっきまで
「ーーーーッ!」
紅音は透き通る紅蓮色の瞳を見開き驚きを露にする。
次第にそれは怯えへと変換され、ただでさえ血色の悪かった顔色は更に悪化し身体全体が恐怖に震え出す。
芽依はそんな紅音の前で膝立ちになるとそっと右手を伸ばし、きゅっと逃げるように目を瞑る紅音の頬を労るように、慈しむようにゆっくりと優しく擦った。
「相変わらず紅音お姉ちゃんの頬っぺはすべすべして気持ちいいね。こんなに艶も触り心地も良いのに、紅音お姉ちゃんは特別なこと何一つしてないってのは聞く人が聞けば不公平だと感じるんだろうね。……ねぇ聞いてる? もうそんな怖がらないでいいのに。大丈夫だよ芽依は無理矢理犯そうとは思ってないから。……それにしても」
芽依はそこで一旦言葉を区切ると、すぅーっと指先を頬から桜色の唇へ移動させ、ぷにぷにした可愛らしい唇をなぞりながら微笑みかける。
「さっきまでこの可愛らしいお口にはおちんちんが突っ込まれてて、精液をこれでもかというほど
「……や、やだ……よ……」
か細い声で囁きながら紅音は力なく首を左右に振るった。
その普段の元気溌剌天真爛漫な彼女からは想像もつかない弱々しい姿に心が痛まないと言えば嘘になる。仮にも大好きな人が犯され、心身を衰弱させてるのだ。思うところは当然ある。
けどそれでもやはり、興奮と嗜虐心が理性を。良心を塗り潰し……抑えが効かなかった。
「えへへへ。そうだよね。嫌だよね。安心して、あの人達と違って芽依は紅音お姉ちゃんの意思を尊重するから、無理矢理犯したりしないからさ。でも本当にいいの? 芽依なら紅音お姉ちゃんにかけられた魔法解除できるよ」
「……え?」
「ずっと見てたから知ってるんだ。今、紅音お姉ちゃんの膣内にはあの人達の精液が残留してるよね? 魔法かけて精液を排出させないようにするなんて、よっぽどあの人達は紅音お姉ちゃんとの赤ちゃんが欲しいんだね。魔法が自然と解けるのは六時間後だっけ? えへへへ。お腹が膨らむほどの精液がそれだけの時間膣内を満たしてたら本当に妊娠しちゃうかもね」
言いながら芽依は個有魔法『識眼』を発動して紅音のステータスを覗き見る。他人のステータスは基本見れないものだけど、芽依にはそれを可能とする術がある。
そして今回注目すべきは状態の欄に記された健康の二文字。妊娠していれば『健康(妊娠中)』と表記されるため今はまだ身籠ってはいないようだが、このまま放って置けば表記が変化するのも時間の問題だろう。
「あ、そうだ。気が変わってるかもしれないからもう一回言うね? 芽依とエッチしよ、紅音お姉ちゃん。芽依を受け入れてくれるなら毛布をどかしてベッドの上で横になって……自分から誘ってね、紅音お姉ちゃん♪」