徒然なるエロ小説〜ショートショート〜 作:更新は終了いたしました
勇者:タチ、真剣な時はカッコイイ。ふだんからそうしてりゃいいのに
魔王:ネコ、真面目な魔王様。葛藤とかある人
「魔王と言えどこの程度なのか。とは言え、この力も借り物……いつ無くなるか分からない。ここは魔王の力を徹底的に削いでおいた方が良いか」
「な、何を……っ?」
私は今まで魔族達の王として200年君臨して来たが、それも今日までのようだ。目の前にいる女は勇者であり、歴代最強と言われた私をあっさりと打ちのめした正真正銘の化け物だ。
「しっかし、魔王って言うわりには角以外に人と大して変わらないんだね。うわー、肌きれー」
「あ、当たり前だ。私達の祖先は人族からより魔力の濃い地域に生息出来るように進化したのだからな。それでもこの土地は住むには厳しい場所だが……」
勇者と相見えた時に相応しい格好であるために努力して手に入れた肌だが、当の勇者に不躾に撫で回されている。
「よし、私の力が魔王に通用するか心配だったけどこれならどうにかなりそうだな」
「何だ、先程から一体何をするつもりなのだ……?」
勇者に問う。勇者は突き抜けた笑顔で
「
そう答えた。思わず怖気が走り、思いっきり後ずさる。だが、それよりも速く勇者が詰めてきた。
(は、速い……っ!戦闘中よりも更に速くなっている!?)
「ダメだよ?逃げちゃあ。今から魔王様は勇者に犯されてアヘアヘいいながら力失っちゃうんだよ?」
「ひっ、お、お前本当に勇者なのか!?不審者そのものじゃないか!」
「酷いなぁ……でも、魔王様は快楽には勝てずに私のモノになっちゃうんだよ」
「くぎゅっ!?……な、何をんむっ!?」
玉座に押し倒され、唇を奪われる。直ぐに舌が絡み口腔内を蹂躙される。
(な、んで……ちから、抜ける……)
「ぷあっ、き、貴様ぁ……よくも……よくも私の初めてを……!」
勇者を睨みつけるが、手足に力は入っていない。本当に情けない。これでも魔王と名乗って良いものなのか……?
「良いね、その反抗心溢れる態度。特にその目がいい、屈服させたくてウズウズするよ」
ギリ、と歯をくいしばる。その様子に勇者は舌なめずりをした。
「さて、じゃあ次は……おお、メロンみたいだね。いただきまーす」
「なっ、ひゃあうっ!?やめろ、舐めるなぁっ!」
(なんでこんなに感じるんだ……!?おかしい、何時もならこんなの何ともないのに!)
乳首を吸われる度に、電気が走ったような快感を感じる。そのせいで思考が乱れ、意識が甘く混濁していく。
「さきっぽ甘噛みだめぇ……!クる、なんかキちゃうからぁ!」
「ふふ、もうイきそうなんだ。ならもっと責めてあげるね」
責めが激しくなった。既に顔は涙とヨダレでぐちゃぐちゃになっている。パチパチと視界が白く弾ける。気持ち悪いのに気持ちイイ。相反する感情が私の理性を蕩かしていく。
(やだぁ……イきたくない……!もう無理……!)
「ふやぁ……っ!い、いく、いくぅぅぅぅ!!」
身体がビクンっ!と跳ねた。洪水のように溢れ出した愛液と尿が玉座を汚していく。歴代の魔王の威光を汚しているようで申し訳なさと背徳感を感じてしまった。
「あはは、派手にイッちゃったね。いいよ、とっても可愛かった。それに、なにか気付かない?」
「……力が、減っている?」
先程から力が、特に魔力が減っていっているのに気が付いた。思わず顔を青くする。
「ピンポンピンポン!ご名答!これが私の能力、神様から貰った力じゃなくて私が最初から持っている力。心を許した相手から力を奪う能力、良いでしょ?今魔王様は私に心を許しかけてるんだよ?」
「そ、そんなはずは無い!それも貴様の出鱈目だろう!?」
頭に一瞬浮かんだモノをかき消すように大声で否定した。有り得ない。私が敵に心を許すなんてそんな事実存在していいはずがない。
「本当に出鱈目かな?今ちょっと思ったんでしょ?『敵である勇者に弄ばれて気持ちよくなりたい』って。嫌なら初めから舌でも噛んで死ねばよかったじゃない?それに自爆魔法だってある事は知ってるよ?そんな事知らないと思ってたの?」
「な、な……」
狼狽える私に対して勇者は楽しそうに続ける。
「いやー、イかされた後の魔王様の蕩け切ったお顔、たまりませんなぁ?」
「〜〜〜ッッッ!!『
自身の持てる最大火力で勇者を薙ぎ払う。何故私はここまで激昂しているのだろうか。認めたくない事実があるから?いや、そんな事実は有り得ない。他ならぬ魔王である私が許せない。
「うふふふ……図星?良いじゃない、快楽に素直になって私に忠誠を誓うんだよ。『快楽に負けたおまんこのウズウズ鎮めてくださーい』ってね」
「煩い!今ここで貴様を殺す!」
親指を噛み、指の腹を噛みちぎる。溢れた血を媒介に代々魔王に伝わってきた魔剣を呼び出す。
「さあ、さあ!処刑の時間だ!不届き者の誅伐を執行せよ!」
身体が軽い。怒りと血を喰らいながら魔剣は自在にその形を変えていく。
「わっ、ほっ……よっと。すごいすごい!曲芸みたいな剣だね。形のない剣って厄介だな……でも、割と避けるのは簡単だっ───!?」
剣はリボンのように勇者に巻き付き、そのまま棘だらけのリボンと化した。
「死ね、死ね!『
棘は鋭く、長くなり、勇者の体を滅多刺しにした。勇者はしばらくもがいていたが、やがて目から光が失せ、動きも止まった。
「……解除。ふ、ふふ。やったぞ……結局油断した貴様が悪いのだ。貴様の負けだ、名も知らぬ勇者よ」
酷い格好だが、今はそれでも許して欲しい。一世一代の大勝負だったのだ。勇者が油断してくれて助かった。出なければ本当に力を奪われて殺されていただろう。そうでなくとも屈辱的な生き恥を晒す事となるのは目に見えていた。
「……何故私は心苦しいと思ったのだろうか」
「それは私の存在が魔王様の中で大きくなっているからだよ」
「───っ!!?」
勇者の死体から声が聞こえた。いや、死体からは見る見るうちに傷が癒え、何事も無かったかのように勇者は立ち上がった。信じられない。確かに、確かに殺しただろう!?
「確かに鼓動は止まっただろう!?それに血液も致死量以上に流れ出ていた!何故だ!何故生きているんだ!?」
「知らないの?勇者は神に愛された者だよ?死んでも何度でも生き返るよ。心が折れるまで、何度死んでも必ず生き返る。ちゃんと痛いけどね」
嘘だ。それなら魔王は、私は絶対に勝てないではないか。今までの私はなんだったのか。道化なのか?私の生きる意味とはなんだったのか?
「───。」
涙が零れ落ちる。力が抜けて膝から崩れ落ちる。魔剣がカラン、と音を立てて手から零れ、そのままどこかへ消えた。
「今、魔王様はこう思ってる。『魔王が勇者に負けるシナリオしかないなら、私の生きる意味なんてなかったのではないか』かな。今までは意味なんてなかったかも知れないけど、私は今魔王様を欲している」
「そんな言葉に惑わされる程私も落ちぶれて等いない。貴様が諦めるまで殺し続ければいいだけのはなっ───!?」
ま、またキスを……!思わず突き放そうとするが、全然動かせない。
「私の能力、忘れてたの?魔王様の中で私の存在が大きくなる度、力が奪われているんだよ?」
「んぐっ!?ぷはっ、う、嘘だ……私はそんな言葉、信じない……!」
だめ、考えるな。勇者と共に居たいなんて魔王の恥さらしだ。やだ、何も考えるな!
否定すればするほど心は勇者に惹かれていく。その度に力が抜け、勇者に惹かれている事実を突き付けられる。やがて、勇者がポツリ、と
「力、なんにも無くなっちゃったね」
「ぅうううう……!ごめんなさい、お父様、お爺様……ごめんなさい!魔族の長がこんな体たらくでごめんなさい!」
悲しい。戦って死ぬでもなく、犯されて絆されるのが心の底から悲しい。でも、私の身体が勇者を欲している。勇者と共に生きたいと願ってしまっている。
「良いじゃない。今まで自分を殺して生きてきたんでしょ?なら、どうせ負ける事は分かってるんだから自分に正直に生きてみたら良いじゃない?」
「煩い……私には魔王としての私しか無いのだ。そう願われて生まれたんだ。だから、私はもう生きる価値など……」
そこまで言って勇者に胸ぐらを掴まれる。なんだ、物凄い剣幕だ。何をそんなに怒っているんだ……?
「煩いじゃねぇ!私が!お前を欲しいって言ってんだよ!黙って私のモノになれ!生きる意味なんか後で考えろ!」
ドクン、と心臓が跳ねる。真剣そのものな表情にときめいてしまった。顔が赤くなる。
「好きだ。愛している。私に着いてきてくれ。今はそれだけでいい」
ドク、ドク、と心臓が高鳴っていく。
「……こんな私でもいいのか?力もお前に奪われて、魔王の責務も放り投げた女だぞ?」
「いいに決まってんだろ」
嗚呼、暖かい。今まで感じた事の無い気持ちだ。これが、相手を好きと想う気持ちなのか……?
「……好きだ。共に、生きたい。私をお前の側に置いてくれ」
勇者の胸元に頭を埋める。ただの女の子に負けるくらい弱くはなったが、それと引き換えに大事な物を手に入れた。そんな気がした。
〜〜〜
「魔族領はどうするのだ?」
「ん?そりゃ人族と統合するよ?大丈夫、あの地域の諸悪の根源は断ち切ったから」
どうやら地の底に魔力の吹き溜まりがあったのが原因らしく、それを消してしまえば魔族領は生きにくい土地では無くなるらしい。
「なあ、勇者よ。そろそろ名前を教えてくれないか?」
「ん?まだ言ってなかったっけ?私はクレア。元はただの娼婦だったけど、なんか勇者の力に目覚めちゃったただの女の子だよ」
「ただの女の子は魔王相手にそこまでの啖呵を切ったりしないぞ?」
「はいはい、じゃ、次は魔王様の番。お名前は?」
「私はテスタロッサ。魔族の世界は苗字はないからテスタロッサだけだ」
「ふーん、いい名前だね」
「クレアもな」
その後、二人は何処かへと姿をくらました。しかし、仲睦まじい二人を象徴するお話は後を絶えないそうで。
あけましておめでとうございます。今年もどうぞこの小説をよろしくお願い致します。
年末にスマホが2台壊れ、データの移行などに手間取ったため遅れました。特にメモ帳に書いていた小説が全部消えたのが痛い。この小説自体は三時間で書きあげました。なので恐らく誤字脱字があると思うのでそこら辺指摘お願いします。