徒然なるエロ小説〜ショートショート〜 作:更新は終了いたしました
アノン:実験で女アバターを使うハメになった男。
とある作品から着想を得ました。
「やるか」
スイッチを押す。頭に被っていた汎用電子世界接続ギア───通称VRギアと呼ばれる機械が起動を開始し、瞬時に身体が動かなくなる。毎回ながら、これだけは慣れない。
『起動を確認しました。ホームエリアに接続します。ネットワークの切断や電源を切らないようにしてください』
いつもの音声が流れ、俺の意識は真っ白な光とともにVRギアの中へと入り込んでいった。
光が消え、薄暗く落ち着いた空間に出る。俺にとっては非常に心地よい空間だと思うが、他人にはあまり受けは良くない。
『おかえりなさいアノン様。十時間ぶりのログインですね』
日課となっている自身の身体を確かめる作業をしていると、淡い白色の光だけのアバターがこちらへとやって来て、そのまま俺の目線あたりをフヨフヨと浮きはじめた。
こいつは俺が設定したナビゲーションシステムで、俺はこれを
「ただいま、ディム。何かイベントは無いか?」
ディムにイベントを聞く。俺がやるゲームはゲリライベントが多い。故に毎回聞かないと旨味のあるイベントを回れないのだ。実際ゲーム中でもゲリライベントに対して常にアラームをかけているくらいだ。
『ゲリライベントですね。検索を開始いたします───』
そう言うとディムはしばらく検索中を示すように淡い明滅を繰り返していたが、やがて眩しくない程度に一際大きく光る。検索が完了したようだ。
『───検索完了。【ラストワールド・クロニクル】にてゲリライベントを開催しています。開催日時は今日のみで上位ランカー十名で行うエキシビションクエストとなっています。アノン様はゲーム内ランク一位ですので参加資格があります。挑戦なさいますか?』
ディムの声とともに、視界にイベント詳細のページが開かれた。ふむ、上位ランカー十名でのイベント……勝利条件はレイドボスを倒すこと、それから最期まで死なないことか。普通のイベントボスっぽいが。
「勝利した場合の賞金……へえ賞金が出るの、か……はぁ!? 全員に一千万!? しかもリアルマネー!?」
馬鹿じゃねえの!? リアルマネー一千万って全員生き残れば最大一億の賞金だぞ!? それをポンと払えるなんて……いや接続者数世界一のオンラインゲームなんだから当たり前っちゃ当たり前なんだが……。確か金が毎月ウン億って動くらしいからな……。
『挑戦なさいますか?』
「ああ。とりあえずゲームに入ろう」
『かしこまりました。それでは行ってらっしゃいませ』
ディムに見送られ、虚空から現れた扉を開く。白い光が再度世界を照らし、俺はネットワークの海に飛び込んだ。無機質な白いアバターが女性のそれに変化していく。もちろんこれは俺の本来の性別のものではない。いくつかの特例措置のせいで女アバターを使う羽目になっている。
(面倒な実験だったな……女アバターでVR世界に行った場合どうなるかなんて。何も変わんねえじゃねえか)
女アバター変わった瞬間光が収まり、次第に色を取り戻していく。そこはすでに見慣れた光景だった。
「よし、まずランカー達に連絡して連携を取るとするか」
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「まじかまじかまじかまじか!? おいおいふざっけんなよ!! ランカー十人でやるって言ったが十人揃ってなくても始まるなんざ書いてなかったんだが!?」
アバターに設定された長い髪を靡かせながら俺はダンジョンを爆走していた。まさか俺以外の全員が結託して俺をハブるなんざ考えもしていなかった。どんだけ嫌われてんだよ俺。幸いにもエキシビションクエストが開催されるダンジョンは低レベル層のダンジョンの奥だったので、現れるモンスターも薙ぎ払いながら進むことが出来た。敏捷型の構成にしていてよかったと心底思った。
「さて、と。ようやくボス前についたんだが……」
おかしい。音がしない。戦闘音は後入りとかマナー違反を抑えるために扉越しでも聞こえるはずなのだが。
「……扉は閉まってるしな。まあ良いや、とりあえず入ってみるか」
扉を開く。むわりと漂う真夏の車中のような熱気に、俺は思わず顔をしかめた。
「あっつ……」
このステージ、何故か異様に室温が高い。しかも変に甘ったるい香水のような匂いが立ち込めていて、集中力がかき乱されそうだ。
「こういう盤外戦術じみた追加嫌なんだよなぁ……」
ステージを慎重に進む。すでに剣は抜いていて、いつでもどこでも対応できるように準備は出来ている。
「匂いがきつくなってきたな……」
気を抜けば匂いに意識を釣られてしまいそうになる。一度意識を切り替えなければ不味いか。
「ん……?」
進んでいくうちに、玉座の間へと着いたらしい。豪奢なカーペットが敷かれ、周りのオブジェクトも中々に美麗だ。
だが、それを完全に脇役にしてしまうような、あまりにも異様な光景が視界に飛び込んできた。
「……おいおい!! どうなってんだよこれはよぉ!?」
そこにあったのは、俺以外のランカー全員がサキュバスやプレイヤー同士で乱交をしている光景だった。
不快な喘ぎ声と水音があちらこちらから響いて来る。甘い匂いで淫臭がかき消されてるのが唯一の救いだった。
「あら。メインは遅れてやってくるとは言いますが、遅すぎですよ? 前菜はみーんな食べてしまいました」
「……今回のボスか。AIじゃあねえんだな」
目を向ければ、そこにはボスエネミーと表されたモンスターが玉座に座っていた。そいつは玉座から立つと、ゆっくりとこちらに向かってきていた。そのあまりの美貌と妖艶さに一瞬気を取られるが、すぐに意識を切り替えた。
「ええ。今回のイベントはこのゲームに出資してくださってる方のために用意した餌ですから。当然ボス役もAIなんかに任せるわけには行きません」
「……そうかい」
まあエキシビションクエストって言われてた時点で気づいてたが、まさかこういった趣向の見世物だとは思わなかった。不快感が胸中に湧き出す。
「それで、どうしますか? ここで尻尾を巻いて逃げても良いんですよ? ふふ。他サーバーの人は全員勇敢に戦いましたけど」
「はっ……やっすい挑発だな」
ゆっくりと剣を引き抜き地面と水平に構える。敏捷型のビルド構成にしてるせいで俺の一撃の火力はランカーの中ではあまり高くない。故に手数で攻める。
「ま、そのやっすい挑発買ってやるよ」
「そうですか。それでは始めましょう……ああ、そういえば忘れていましたね。私の名はリリス。以後お見知りおきを、アノンさん」
「以後も何も今回限りだろ? 俺がぶっ倒すんだから、よぉッ!!」
宣言すると同時にスキルを発動する。純粋な速度強化のスキルは単純故に強い。スキルレベルを上げすぎると反応速度以上のスピードが出て使いづらいと専らの評判だが、それは甘えだ。ある程度訓練したやつなら誰でも使える。
「───遅ェ」
がら空きの背中に袈裟懸けの一撃。ついでにもう一発切り返すように打ち込んで即座に離脱する。
リリスのHPは僅かにしか削れていない。そりゃそうか、レイドボスなんだから。
「へぇ。結構やりますね。早いとは知っていましたけど……まさかここまでとは。やはり、直に体感しないと分からないことだらけですね」
「お褒めに預かり光栄ってな。そのまま死んどけ」
スキルの効果時間は後二十秒ってところか。正直面倒くさいことこの上ないが地道に削るしか無いか。
そのまま削りにかかる。スキルの効果時間が切れるまでにHPが1%も削れていないのが地味にムカつくが仕方がない。
「ふふ、もう終わりですか?」
スキルの効果終了直後の硬直を狙われ、リリスからの一撃を貰いそうになる。だが俺の硬直が解けるほうが僅かに早く、その攻撃は掠めるだけで終わった。
「あら……スキルなしでも思ったより早いのですね。ま、それでこそランキング一位のプレイヤーというものです」
そう言いながら、リリスは俺にラッシュを仕掛けてきた。俺の剣の間合いよりも内側、互いの手が届く位の距離でのインファイト。俺は徒手空拳系のスキルを取得していないからこういったところに弱い。だがリリスもクロー系の攻撃がメインのようで、ただの殴り合いよりわずかに間合いが広い。それは俺のアバターにとっての幸運だった。
ギリギリ剣の振れる間合いだったのでリリスの攻撃をいなして弾く。スキを突いて少しずつダメージを与えるが、弾きやいなしにならずただのガードとして判定されているところもあるのかじわじわとHPが削られていく。今はHPリジェネレイト……要は自動回復のパッシブスキルでギリギリ相殺しているが、俺の集中力なんてたかが知れている。一度突き放さなければ勝機はないだろう。
「ふっ、はっ……!」
「喋る余裕も無くなったのでしょうか。ここまで粘られるなんて少しばかり予想外ですが……ここまでのようですね?」
息をもつかせぬ攻防の中なのにリリスはよく喋る。ボス用に調整されたアバターで無双するのはさぞかし楽しかろうな。クソッタレの金持ちめ。
「はい、はい……よっと」
「なっ───!?」
弾きを繰り返して油断させた瞬間にいなしを使う。大きく体勢を崩されたリリスの身体を、いなした回転の勢いに合わせて地面と水平に斬る。ここで初めて1%分のダメージを与えたらしい。リリスのHPバーが僅かに減った。
「これだけやってこんなもんかよ。あーあ、馬鹿があそこでアヘってなけりゃもっと楽だったのによ」
「……中々やりますね。ですが、本番はこれからです!」
リリスの見た目が変わる。コウモリのような羽が背中から生え、捻じくれた角が側頭部から生えてくる。更にラバーのようなテカテカした尻尾が生えてきている。
これがいわゆる第二形態ってやつか。早すぎんだろ。
「たった1%減っただけで第二形態かよ。余裕なさすぎじゃない?」
「そう強がっていられるのも今のうちですよ?」
「強がれるわけねえんだよなぁ!」
リリスが攻撃を仕掛ける。さっきよりも明らかに早くなっている。それにリリスに近づくと、あの甘い匂いが異様に強く鼻腔をくすぐり俺の集中をかき乱してくる。
「チッ……小賢しい」
「あっははは! 動きが鈍くなってきましたよ! それでも捌けているのは驚嘆に値しますが、ねッ!」
予想外に威力の強い攻撃を弾きそこねた。すぐにリリスの攻撃がくる。まず───。
「あぐ、がぁぁああ!!?」
「まずは一撃ですね」
剣を間に引き入れてすらこの火力。俺のHPが六割も削られた。剣を挟んでいなければ今ので死んでいただろう。
「ふーっ、クソッタレ……」
「さあ、もっと荒い息をしましょう。もっとここの空気を吸い込みなさい」
「ぁあ……?」
なんだ? この甘い匂い、ただの匂いじゃなくてギミックだったのか……?
「な、ぁ……あ?」
立ち上がろうとして、身体が痺れたように動かなくなる。咄嗟に状態異常欄を見ると、麻痺のアイコンが光っていた。
「軽戦士ビルドのわりに状態異常にも強いのは意外でしたね。けれど、それもこれで終わりです」
(いつ麻痺が入った? 話の流れからして、このフィールド全体にかかってる可能性が……いや、そんなことより回復を)
「アノンさん……いえ、アノンちゃんも、あそこにいる人達みたいに気持ちよくしてあげますからね」
リリスが指を鳴らすと、俺のアバターから装備がポリゴンとなって掻き消えた。それどころか下着類すらきれいに失せてしまっていた。要は素っ裸だ。羞恥に顔が赤く染まるが、動けないから何もできなかった。
カーペットの上に倒れ伏した俺を抱き起こし、リリスは俺にいきなりキスをした。暴れようにも麻痺のせいで全身のが痺れて動かせない。口も力が入らずに、リリスの舌がぬるりと口腔内に入り込んでくるのを止められない。なんとか抵抗しようと状態異常を解除できないか試すが、何故かアイテムボックスすら開けなかった。
そうしている間に、また一つ状態異常が付与された。サキュバス系のモンスターによくある魅了の状態異常。マズいと思った瞬間、一気に思考が制限され考えがまとまらなくなっていく。目の焦点も合わなくなりUIもぼやけたように薄れてしまう。
「ん……んちゅ……」
魅了によって支配された思考は貪欲に快楽を追い求めていく。気がつけばリリスの舌を悦んで迎え入れていた。何故か動く舌を必死で絡ませて、すぐに絡め取られて、吸い上げられて。じわりと身体から何かが抜けていってしまう感覚がした。それがただの快楽以上に気持ちよくて、また舌を絡めにいく。そんな悪循環に陥ってしまう。
なのにそれが何よりも幸せに感じてしまった今の俺は、飼い主に甘える子猫のような媚びた声で鳴いた。
「可愛い声。もっと聞かせてください」
胸に抱かれて耳をなめられる。唾液をたっぷり載せたリリスの舌が俺の耳を擦ってきて、ゾワゾワとした快感が背筋を通って全身に行き渡る。そのたびに俺は何度も何度も鳴いて許しを請うだけの人形にされる。
「ほら。そこを見てください。大きな鏡があるでしょう?」
「やぁ……見せるなぁ……」
視界に映るのは、魅了の証として瞳に浮かんだハートマークに子宮に浮かぶ淫紋。そして顔を幸福と快楽に蕩けさせた負け犬の情けない姿。
プロとしてあまりにも情けない姿。なのにリリスに囁かれているだけで、その情けない姿は悦楽に変わっていく。自分の恥ずかしい所を見て、信じられないほどに興奮させられてしまう。
「ふふ、きれいな身体……」
乳首は固くピンと勃っており、蜜壺から溢れ出した愛液は太ももまでをびっしょりと濡らして床に垂れていた。
「弄ってあげますね。よくほぐれて、中に入れやすいように」
「ぇ……? ひゃうぅぅん!?」
急に背筋を貫くような快感が襲ってきて、自分の意志に反してビクリと背中を反らしてしまった。
「あら、このイベントの麻痺はこういう性能なんですね。ふふ、ゲームらしく都合がいい性能してますね」
「にゃ、にゃにが……?」
何をされたのか分からず鏡を見ると、リリスの尻尾が俺のナカに入り込んでいた。それを自覚した瞬間苦痛と快感が全身を襲う。鏡の中の俺が苦しそうに顔を歪めた。
「気持ちよさそうですけど、それ以上にまだ苦しそうですね。これじゃアノンちゃんが可愛そうですし、私もどうせこんなに可愛い娘とエッチするならもっと気持ちよくなってほしいですし……そうだ」
リリスがなにか呟いて、俺の下腹部に手を当てる。淫紋が輝き、ナカに押し込まれた尻尾による苦しみが少しずつ和らいでいく。ジクジクと疼くような感覚が増していく。
「……もう麻痺は解いても良いかもしれませんね。試しに解いてみましょうか」
そう言ってリリスが何かを操作すると、身体に自由が帰ってきた。しかし俺の蕩けた頭は、その意味を深く理解することなかった。全身を甘く浸す快楽の幸福に耽溺してしまう。
「はい、完成。可愛く蕩けたアノンちゃんに完成したエッチな淫紋、すごく背徳感がありますね」
人は苦痛には耐えられるが、幸福には耐えられるようにできていない。幸福に心を蕩かされてしまえば、逃げることも戦うこともできない。リリスの手練手管で喘がされるだけの玩具に、もう勝利の目なんてなかった。
「もっと気持ちよくなってください。もっと、私に溺れてください……」
リリスと向かい合わせになり、親が赤ちゃんにするように抱かれる。固くなった乳首がリリスの胸と擦れて、甘い快楽が全身を犯していく。リリスの尻尾にほぐされた俺のナカは、尻尾を引き抜かれても新しい快楽を求めてポッカリと穴を開け、ヒクヒクとひくついていた。
「それじゃ……そろそろおちんちん、挿れますね?」
さっきからお腹の辺りにぐりぐりと押し付けられていた、リリスの肉棒。先走りでテラテラと光り、俺の興奮を更に高めていた。
甘い匂いに混じる雄臭い匂い。女アバターのせいで無意識に出来ていた俺の中の雌の部分が、リリスの肉棒の匂いのせいで一気に表層に出てくる。淫らに腰がうねり、熱い液体を股座から吐き出す。
「すごい興奮しているんですね。エッチな雌の匂いが漂ってますよ?」
「あっ、ん……言うにゃ……あんっ」
リリスが俺の腰を持ち上げる。そそり勃った肉棒が私の入り口にあてがわれる。
ただでさえ女の快楽にハマって抜け出せなくなりそうなのに、このまま挿れられたらもう男だった頃に戻れなくなる。
「いきますよ……」
「ぁ、やらぁ……まっ───」
ズン───ッ。
リリスの肉棒が俺の初めてを奪って。俺の頭が一瞬でリリスに支配される。
「んっ、はぁ……♡アノンちゃんのおまんこ、きもちいぃ……♡」
「はいっただけ、なのにぃ……きもちぃの、とまんにゃ……♡♡」
カクカクと俺の腰が勝手に動くせいで、俺のナカに入った肉棒が俺の気持ちいいところを擦って潰してくる。
「アノンちゃん、もう自分で動かしてるじゃないですか。うふふ……いけない娘ですね……♡」
「だってぇ、きもちよくて……んっ♡はぁ……ん♡こし、かってにぃ……!」
もう何がなんだか訳がわからない。ぱちゅ、ぱちゅ、と水音が耳に入ってくるが、それすらも快楽のためのスパイスにしかならなかった。
「こんにゃの、しらにゃ……ぁあっ♡♡♡」
「それなら、もっと教えてあげますねっ!」
どちゅ、とナカでリリスの肉棒が奥まで突き入れられる音がして、視界が明滅する。だらしなく開かれた口からは喘ぎ声と涎がボタボタこぼれ、リリスの身体を汚した。
「気持ちいいですか? って聞かなくてもわかりますか。本当に可愛いですね、アノンちゃん」
もはや自分の身体を起こすことも出来ず、リリスに甘えるかのようにもたれかかりながらのセックス。まるで恋人としているような、恋心を無理矢理捏造されて押し込まれているような感覚。嫌なのに、嫌じゃない。快楽に流されても良いと心が望んでしまっているような。
「なにか難しいこと考えてませんか? 今は私とセックスしてるんですよ? 私だけを見てください。そう、私の目を見て……」
リリスに言われ、リリスの顔を見る。目を見る。瞳を見る。薄ぼんやりと輝き出した瞳を───。
(な、あたま……かんがえられ……?)
「アノンちゃんは何も考えなくていいんですよ。ただ気持ちいいことだけを感じて、もっと人のぬくもりに溺れて、堕ちていって」
空っぽになった俺の頭の中に、リリスの言葉がスルスルと入り込んで行く。心が、思考が、本能が染め上げられていく。
「さぁ、再開しますよ。身も心も、絶対に私のものにしてあげますから」
リリスの腰が焦らすような微細な動きから、快楽に溺れさせるための動きへと変わった。より気持ちがいい、俺にとっての弱点をずっと擦られ、突かれ続ける。
「も、おかひくにゃる……っ♡りぃしゅ、とめへ♡もうきもちいの、やなのぉ……♡」
「その割には随分媚び媚びな声ですけど。嫌よ嫌よもなんとやらってやつですか?」
「ちがっ……ひにゃああん♡♡♡やらぁ、またきちゃうぅぅ♡♡」
一回突くたびに一回以上甘イキさせられて、波ができて大きな絶頂が殴りつけるようにやってくる。頭の中は真っ白で、もう堕ちてしまいたくて仕方がない。それを許さない、最後の男としてのプライドみたいなものがいつまでも心の奥に引っかかっている。
「あっ♡あっ♡も、いきたくにゃ……! ああああっ♡♡」
「へぇ、そんなにイキたくないなら……」
ずる、とそんな音がして。肉棒が俺のナカから引き抜かれた。急に感じなくなった快楽に戸惑いリリスを見るが、リリスはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて何もしない。
(物足りない。寂しい)
「どうしたんですか? イキたくないって言うから抜いてあげただけですよ?」
「い、いや……」
心を絡め取る誘惑から逃げる。これが正しいんだ。俺は男だから、男だから……。
(男だから、何だ?)
「完全に発情しきった顔をして、それでもいやいやって言うんですか?」
(心は男だから)
男だった心すらもリリスに絡め取られて溺れてるのに?
(所詮アバターだから)
アバターの快楽に負けて心まで明け渡したのは俺じゃないのか?
「あ、もしかしてリアルと性別が違うのを気にしちゃってます? 大丈夫ですよ。どっちも愛してあげますから。リアルでも、ゲームでも、私に溺れちゃって大丈夫ですからね」
「な……!?」
「ふふ、そもそもこのイベントってゲームの出資者やその縁者から募ってるんですよ? リアルを知ることくらい余裕ですよ。それに私は権力も───いえ、この話は後ほどにしましょう」
何はともあれ、大好きですよ。アノンちゃん。
耳元で囁かれる。不意に俺の入り口に何かが当たって身体が跳ねる。慌てて後ろを見ると、俺の腰が勝手に動いていた。置きっぱなしだった鏡には、パクパクと口を開けて涎を垂らしている俺の秘部が映っていた。
理由が、みみっちいプライドにすがる理由がなくなっていく。快楽に耽溺しない理由がなくなっていく。
「いいんですよ。ずっと苦しかったんですよね。自分の才能が誰にも認められずに、一人で戦ってきたんですから。ゲームの中ですら仲間はアノンちゃんを裏切りました。でも、私は絶対にアノンちゃんを愛してあげますし、絶対に裏切ったり見捨てたりしませんから」
(俺は……リリスに……)
「だから、アノンちゃんは私を見てください。私だけを見てください」
唇が重なる。俺からキスをした。それは俺なりの返答で。
「……ふふ」
リリスの目が喜悦に細まる。
「アノンちゃん。ちゃんと、宣言してくれますよね? アノンちゃんは一体誰のもので、どうなりたいか、ね?」
リリスの言葉に、口が開いて……俺は……。
「俺は……リリスのもの、です……」
宣言した。してしまった。だってこんなの耐えられるわけがない。女の子だって初めてはゆっくり慣らしていくはずなのに。男だった俺がいきなり女の快楽を、それもこんなリアルじゃ味わえないような暴力的な快楽を与えられて耐えきれるはずがない。
「ふふ、嬉しいです。愛していますよ、アノンちゃん」
俺の屈服宣言を聞いたリリスは、見惚れてしまうくらいにきれいな笑みを浮かべていた。
またどちらからともなくキスを交わし、抽挿が再開する。
さっきまでのどこか我慢していた快楽とは違う。全身で快楽を享受できる幸福感。好いた人と繋がれる充足感。
何度もリリスの名を呼んで、何度も俺の名を呼ばれる。
「アノンちゃ……ッ、出しますよっ。また、ナカに……!」
「うんっ、らひてっ! ♡おれのなか、リリスでいっぱいにひてぇ♡♡♡」
ビクビクとリリスの肉棒が震え、射精のために蠢動してるのがわかる。いっぱいに締め付けた俺のナカを押し開いて、一番奥に肉棒の先を勢いよく押し付ける。
そして感じる、熱い濁流のような感覚。ナカが満たされて、心も満たされていく。
「ぁぁぁああ……♡ぁはあぁ……ん♡♡」
リリスに抱きついたまま、恍惚の吐息を漏らす。柔らかくなった肉棒がずる、と私のナカからまろび出てくる。そして溜め込んでいた精液がポッカリと空いた口からドロドロと流れ出していた。
しばらく二人で抱き合ったままの時間が流れる。一息ついたタイミングで頭を撫でられ、顔を起こすとリリスと目が合った。
なにかを言おうと思ったが、あいにく脳がショート寸前らしく言葉にできない。これ以上は何も考えられない。
「あら、眠くなってきましたか? 眠ってしまってもいいですよ。また会いましょう」
眠気に任せ、目を瞑る。リリスの温かな身体と甘ったるい匂い。それに頭を撫でられる感触を感じながら、意識は暗闇に包まれていった。
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あれから一夜明け。俺の元に届いた一通のメール。その文面と添付ファイルを見たとき、俺の口元は緩やかに弧を描いていた。
「ああ。いま行くさ……」
意識を白い光に溶かす。
『おや、お早いお戻りですね。今日はどちらへ……なるほど、それでは行ってらっしゃいませ』
目を開く。焦がれた景色。焦がれた少女。
「うふふ……お待ちしておりました。アノンちゃん」
「ああ、ただいま。リリス」
腰に差した剣を抜く。リリスは虚空から大鎌を取り出した。
「あはっ、躾のなっていない飼い犬にはお仕置きが必要ですね?」
「……ッ。やれるもんならやってみな!」
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