徒然なるエロ小説〜ショートショート〜 作:更新は終了いたしました
犯す側:龍娘
概ね純愛
錆びた鉄の匂い。やや粘り気のある滴の音、そして、呻き声。それらを掻き消すように吹く風は、一匹の龍によって作られたものだった。
数千、数万もの時を生き、万象を知ったとされる古き龍は、矮小なる人間の力など意に介さず尽くを滅ぼした。
「……人は、終わりだ」
ポツリとつぶやかれた言葉、それは全ての人間の心中の代弁だった。
──────ォォォォォッ!!!
龍が、吠える。
そうして───。
文字通り、時が止まった。
落ちる木の葉が、呻く人が、放たれた矢が、声が、音が、死にゆく魂が、その一切が止まり、ただ一人……いや、一人と一匹のみが自らの時を動かしていた。
『……ほう、動くか。先代は諸共時に囚われていたが……今代は少しばかり出来るらしい』
「時を……止めた……!?」
男は狼狽えたが、直ぐに首を振り龍に向き直り剣を構える。
『ふむ、まだ立ち向かう気力があるか。余程強い魂を持っていると見える』
龍は嗤い、纏っていた暴風を止めた。男は訝しげに眉を潜める。
「何故、貴様は風を止めた……? よもや、私に対する侮辱ではないだろうな……?」
『くく、くはははははっ!!』
龍の笑い声に男は眉間に皺を寄せる。荒れ狂う男の心境に反応して周りの魔力が渦を巻き始めた。それは、龍の力で止められた時を僅かでも動かした証だった。
「私を愚弄するか……!」
尚も息巻く男に、龍は感心した様に、欲しいおもちゃを見つけた時の様に嬉しそうにしている。
『勇者よ。妾は貴様が欲しい。その気高く、意志持つ純粋な瞳が、他者を奮起させるその声が、そして輝きに満ちるその魂が欲しい! 故に問う。勇者よ、貴様が妾の物になれば、妾が飽きるまで人間を滅ぼさないでやろう。どうだ?』
龍の問いに、
「断る。貴様を殺し、この世界に永遠の安寧をもたらさねばならない故に」
『……では、龍らしく無理矢理奪うとしよう』
止んでいた龍の暴風が再び巻き起こり、勇者の身体からは莫大な魔力が噴き出す。
「では行くぞ」
『くく、面白い。軽く捻って妾のペットにしてやろう』
〜〜〜
「がっ、ぐぅ……っ!?」
『妾相手にここまで戦ったのは貴様だけだ。よくぞここの若さで己が力を練り上げた。褒めてやろう。そして、貴様は今から妾のモノだ』
勇者の手足は既にひしゃげ、一部に至っては千切れ飛んでおり、血に染め上げた身体中は傷がついていないところなど無いように思えた。
「……せ、い……けん……よ……」
虚な目をした勇者は戦いを止めようとしない。いや、既に勇者に意識など無く、あるのはただ一つの願いだけだった。
「せか……い……を」
だが、勇者は聖剣を握る事なく、事切れたかの様に倒れ伏した。
『……執念すらも初代を上回るな、貴様は。まあ良い、とっとと妾の住処へ持って帰るとしよう』
力を無くした勇者は時に抗う術もなく、周りの有象無象と共に時に囚われた。
世界は再びモノクロに包まれ、やがて黒く融けていく。有象無象の兵士が次に見たものは、全身を血に染めた勇者と、それを抱えて哄笑する龍の姿だった。
大いなる伝説に人は敗れ、人はその日を境に何かに怯える様に暮らす事になる。しかし、その龍が人の前に姿を現す事はなく、世界は束の間の平和に包まれた。
龍に連れられた勇者の存在はやがて、人類の為に生贄になった龍の花婿へと変じて伝わり、伝説となった。
〜〜〜
『目が覚めたか、妾の愛らしいペットよ』
「ここ……は……。そうか、私は貴様に敗れたのだな……」
私は龍に敗れたにも関わらず、いやに落ち着いた心地で事実を受け止めることが出来ていた。普通なら今すぐ殺そうと龍に飛びかかっていただろう。
「……それで、私は何をすれば良い。捕まえてそれで終わりというわけではないだろう」
『当たり前だろう。ふむ、少し待て。このままで話しにくいからな』
そう言うと龍の肉体が風に拐われる様に剥がれ消えていく。驚愕する私を他所に龍はその身長を縮めていき、やがて私の身長よりも頭ひとつ、ふたつまではいかない程度に低い身長となった女になった。
「な……」
「ふふ、妾のこの姿に驚いた様だな。こればかりは仕方のない事よ。何せ誰も知らぬのだから」
知るは神と貴様だけよ。そう言って笑う龍に、私はなんと返したら良いか分からなかった。
「少しだけ話をしようか。妾は神の次に長く生きた存在だ。かつては神の番い、神域の門番だったのだが、神は最高傑作にして最も愚かなモノ───人間を作り出してこの世から消えてしまった」
語る龍の目は寂しそうで、また、幸せを噛みしめるような柔らかさもあった。
「そうして、神の力の一端を振るう者が現れた。わかるな?」
「……私たち、勇者───か?」
「左様。妾はそこに神を見た。我が伴侶を覚えたのだ。しかし、人の身は余りに脆く、そして歴代勇者は妾の好みではなかった。貴様以外はな」
要は私の顔が好みで尚且つ強かったから攫ったって事か。そして私は神の写し身の可能性もある、か。
「はは、スケールが急にデカくなりすぎて訳がわからない、な……矮小な我が身が、神の写し身……など……」
それに、私が知っている神は女神だ。私は男で女ではない。
「さて、では今から貴様とまぐわうとしよう」
「……は? ま、まて。私と貴様がか?」
「他に誰がおろう? そら、嫌と言っても聞かんぞ。貴様は妾のものだからな」
力任せに押し倒され、跨がられる。無論、幼女の裸なぞ見ても勃たないが、命の危険は感じた。いや、存在の危険と言ったほうが近いか?
「む、勃っておらんではないか。妾の艶姿を見て勃たぬとは無礼な奴め。まあ良い、それもまた愛らしいものよ」
そういうや否や龍は自身の指に唾をつけ、私の尻穴に指を突っ込んだ。予想外の出来事に目を白黒させる。
「な、なにを……!?」
「ふむ、知らぬのか? 男は尻にある玉の裏を指で捏ねてやると簡単に勃つのだぞ? 貴様の一物も……それ、簡単に勃たせられるわ」
龍は尻から指を引き抜き、いきりたった一物を自身の股座にあてがった。柔らかな肉の感触が亀頭に触れ、嫌が応にも固くなる。
「ふふ、そら、ゆっくり沈んでいくぞ。貴様の一物が妾の体内に喰われていくな?」
「くっ、うあぁあぁぁ……っ」
中は柔らかく、身体の大きさに見合ったキツさが私の一物を喰いちぎらんとうねる。
「どうだ、妾の肉壺は。ふふ、言わずともその顔で分かる。随分と気持ちよさそうだな?」
龍の顔が近くに迫る。抗う術を持たないまま唇を奪われ、口腔内に舌を入れられる。
龍の舌は長く、口の中全てを舐り回され、息も続かなくなっていく。
「よし、随分と可愛らしい顔になったではないか。これなら受け入れられるだろう。まずは───」
視界が涙でぼやけて見えない。龍の指であろうか、細い肌色が見え、そこから紅が見え、その紅が肌色ごと私の口の中に入り込んだ。
「んぐっ!? おごっ、んく、くっ、んっ……」
舌に鉄の味が広がる。鉄の味を唾液と共に飲み下した直後、身体が燃え盛る様な熱に包まれ、身体が跳ねる。
「あんっ、これ、急に動くな。大人しくせんか。……よし、これで貴様と妾の誓約は終わりだ。後は、妾の胎の中にたっぷりと吐き出せ」
もはや誰の声も聞こえない。不明瞭な叫び声を上げながら白濁を吐き出す。吐き出し続ける。長い、長すぎる射精。
「───ぁあ……」
燃える様な快感が鳴りを潜め、落ち着きを取り戻す。全身の水分を全て使い切ったかの様な射精の果てに、最早意識は殆ど飛びかけていた。
「ふぅ、これでしまいかの? うむうむ、たっぷりと出したな。愛い奴愛い奴」
龍は目を細め、私の頭を撫でる。出し切って萎えた一物が抜けると、こぽり、と蜜壺に収まった精が溢れる。
「さあ、このまま妾の胸の中でゆっくりと眠れ。そうすれば今の貴様は死に、新たに生まれ変わるからな」
優しく撫でられ、目蓋が落ちていく。全身に行き渡った龍の血液がゆっくりと身体を作り替えている事に気づかぬまま。
意識が、落ちる。
〜〜〜
ぱち、と目が覚めた。どうやら眠りこけていたらしい。神の写し身とは言え神の伴侶とセックスをして不倫扱いにならないだろうか、なんて馬鹿な考えが頭をよぎったが、私は頭を振ってその考えを振り払う。あまりにも馬鹿らしすぎる。
「それにしても───ん?」
出した声が高い。あくまでも男だった私はもっと低い声を出していたはず。喉を触る。喉仏がない。まて、さっきからチラチラと見えるコレは……髪の毛?
「なんだこれは……っ!? どうなっているんだ!」
「む、起きたか。随分と可愛らしい見た目になったものよな」
龍が現れ、私の姿を眺めて言う。この見た目は予定調和だったのか?
「……龍よ、説明を求める」
「妾の名は龍ではない、シスイだ。まあ良い、貴様は私と契約をした。そして、対価として精を支払った。契約を履行した時点で貴様の身体は限り無く神に近づいたというわけだ。妾の伴侶は女だからな。必然的に女にもなろう」
「理不尽だ……」
思わずふらりと倒れそうになる。確かに力は漲っているし、勇者の時に振るっていた力の同種の力が溢れている。神の力とはこの力なのだろう。
しかし、あまりにも最初に説明がない。いや、それもまた仕方のない事なのだろう。上位者というものは基本的に説明がない。そして快楽主義だ。
「さて、妾の愛しい
「……ぁ?」
女の快楽? まさか、私は今から犯され───?
「ま、待ってくれ。女になってすぐなんだ、まだ男の感覚が残ってるんだよ。それなのに股を開っていうのは抵抗がだな」
「貴様なぁ。これはせめてもの慈悲だぞ? 覚悟を決めさせてやると言っておるのだ。それともなんだ? 無理矢理犯されて女に堕とされる方が好きか?」
龍……シスイは呆れたようにそういう。そうは言ってもまだ恥ずかしいものはあるし、何より組み伏せられて屈服させられるという事に抵抗がある。
「く……」
「貴様……いや、お主も強情よの。仕方ない、無理矢理が良いというのであれば───「ちょっと待て! わかった、わかったから少し待て!」……むぅ、妾はもう十分に待っておるというのに……」
くそ、こうなったらヤケだ。犯されようが自分を見失わなければいいのだから。屈辱はこの際知らない、上位者だと割り切ってしまえ。
「…………覚悟は出来た。煮るなり焼くなり好きにしろ……っ!」
「羞恥で真っ赤になっているお主も中々に可愛いな。よく選択してくれた、ありがとうな」
シスイ礼を述べつつは私に覆い被さり───身長がシスイよりも小さくなっていることに気付き少しだけ凹んだ私に口付けをした。
「んっ……」
私の唇にシスイの舌が触れる。舌を入れたいのだろう。抵抗は無意味と知っていたので素直に口を開く。
(舌……ながい……)
私の舌を絡め取られ、口腔内から舌先を引き摺り出される。シスイの涎が舌を伝って口に入り込む。何故だろうか、どことなく甘くてついねだるように舌を動かしていた。
「……! ふふ」
シスイが笑う。間近で見る彼女の顔は本当に幸せそうで、その雰囲気に充てられたのか私も段々と頭に優しく靄がかかったような気分になっていく。
(きもちぃ……)
真に愛のある口付けとはこうも気持ちが良いものなのか。そう、薄ぼんやりと考える。
だが、そんなある意味で幸せな時間もやがて終わりを告げ、名残惜しそうな銀の橋を互いの舌に架けながら顔が離れていった。
「どうだ? 少しは落ち着いたか? まったく、緊張しおって。そんなものでは好きになれるものも嫌いになろう?」
シスイは私をあやすように髪をすく。ぼんやりと、半分蕩けた瞳で彼女を見ると、彼女は小さく笑い、額に唇を落とした。
「お主は勇者なのだから、未知に対して足踏みするだけじゃなかろう?」
「……わかった」
いつの間にか私の蜜壺はいつでも受け入れられるとしとどに濡れており、純潔を散らすのを今か今かと待ち構えていた。
「ぬ、お主、結構濡れておるな。それ程までに気持ちよかったか」
「……言わなくていい」
恥ずかしくてふい、と顔を背ける。シスイはそんな私を見て笑う。顔に熱が昇るのがわかった。
「本当にお主は可愛らしい奴よな。まあ良い、では……入れるぞ?」
膣内に指が沈み込んでいく。割り開かれていく感覚。小さく縮んだ私の身体に相応な浅さの膣に、シスイの指が簡単に奥にまで届いてしまった。
「浅いの。これは開発が楽しみだな」
シスイがそんな事を呟くが、私はそれどころではなかった。痛みではない、これは、喪失感……? 何かがぽっかりと開いてしまった感覚。酷く寂しくて、己の体を抱いて震える。
(なん、なにこれ……やだ、寂しい。こわい)
寂しさは際限なく膨らんでいく。それが最高潮に達しそうになった瞬間、
くちっ
と、シスイの指が蠢いた。あまりの衝撃にのけぞる。まるで、シスイの指が触れた所から雷でも落とされたかのような衝撃。
「ふむ、感度は良いようだな。もう少し動かしいていくぞ?」
「えっ、まっ、まっ───」
くちゅっ、くちゅ、ぐちゅ。
私の中でシスイの指が蠢き回る。膣壁に指が引っかかるたびに耐え難い熱と電流が駆け巡り、媚びた様な甘い声が引き出される。身体を目一杯反らして、敷かれた布をギュッと掴んでないと木端のように飛んでいってしまいそうで。
「ふむふむ。随分とまあ良がっているな、お主」
「や、だ……! ひぁっ、ああっ……! とめて……っ! んあああっ!?」
「止めんよ。一度しっかりと女の絶頂を味わえ、我が伴侶」
膣奥でザラザラとした所を指でカリッと引っ掻かれた。
瞬間、今度こそ自分の身体が吹き飛ばされ、二度と帰ってこれないのでは無いのかと思うほどの快楽が脳を焼き尽くさんと暴れ、
「い、ひぃああああっ!?」
思わず叫びながら腰を思い切り浮かせて快感に流される。
「下手に耐えようとするなよ、余計に辛いだけだからな。大人しく快感に流されて絶頂しろ」
シスイはそう言うや否やさっきの場所を何度も責める。私はいとも容易く女の身体では初めての絶頂へと押し上げられ、悲鳴の様な嬌声をあげた。
「ひ、ぅあああああああっっ!!」
「良いぞ、そのまま快楽に流されろ。女の快楽を受け入れ、妾の伴侶に相応しい女になれ」
最後その言葉と共に思い切り引っ掻かれ、今度こそ飛んでいった。目の前が白く輝き、キラキラと煌く。手足の感覚、神経が壊れたかの様に何も感じられなくなり、ただシスイの指が入った膣の感覚と全てが壊されるかのような幸福感に呑まれる。
「ぁ───はぁ♡」
なんとか溢れたのはそんな甘ったるい声であり、それを最後に私の意識は急速に暗くなった。
「……ぃやつだな」
「……んぅ?」
無意識の内に、私はシスイに抱きついていたらしい。長い絶頂と意識の喪失から返ってくると、シスイが呆れた様な、可愛らしいものでも見るかの様な目で私を見ながら頭を撫でていた。
「目が覚めたか。どうだったか? 女子の快楽は」
「……っっ♡」
思わずブルリと身体を震わす。あまりにも酷い快楽と幸福感だった。私を全て洗い流されて、新たにシスイという存在を書き込まれ、描き込まれ、刻み込まれたかのようで。
「ふふ、そうかそうか。良かったのだな、言わずともその顔で分かる。甘えた顔をして、お主は可愛いな」
頭を撫でられ、次いで頬に両手を添えられる。透き通るような瞳に視線が吸い寄せられ、互いにじっと見つめ合った。
そうして再度始まる二人のまぐわい。
互いはやがて滅び去るまで愛し、愛される。互いの世界は狭く閉じたが、二人は永遠に幸せだった。
お久しぶりでした