やはりあたしの青春百合コメはまちがっている。 作:四月一日 今日
「───へー、濡れてるんだ。」
随分温かくなったはずの陽乃さんの指ですら冷たく感じるほど熱を持ったそこは、既に「湿り気」 と表現するには不自然なくらいに濡れてしまっていた。
「んんん!!んふぅぅ!」
あたしが抵抗しようと太ももの隙間を埋めるように脚を閉じたり身体を捩ったりするも、 陽乃さんの手、いや、指は躊躇なくあたしの溝の部分に這わせる。
「んくぅっ!んんふぅうんんん!!」
その溝の淵をほぐすようにして上下させる陽乃さんの指は、あたしの身体をさらに熱くさせた。口からは吐息にも似た、叫びにも似た声が漏れる。
それからどれくらいたっただろう。
学校はすっかり人の気配がなくなり、ここにいる二人だけの世界にも思えた。
あたしのそこを焦らす様に弄んでいた陽乃さんがふと、
「自分でした事ないんだ?」
どこか楽しそうな声でそう言った。
した事?って何?
はっきりとした意識はあるものの、背中を絶え間なく駆け抜けるゾクゾクとした感覚と、腰の辺りのふわふわとした感覚に、あたしの頭はすっかり働いていなかった。
それでも、あたしの口からは指が上下する度に自然と声が出てくる。時たま手のひらの部分が核に触れると、その度にあたしは身体をびくつかせた。
陽乃さんはあたしのどんな反応からそう判断したかは分からないけど、明らかに、今までで一番嗜虐的な笑顔を浮かべると、舌でちろりとそのプルんとした唇を舐めた。
「なら、初めてなんだね!」
瞬間、ぼーっとしていたはずのあたしの頭は冴え渡り、身体は勝手にびくついた。
「初めて」
その単語に敏感なのは、この年齢特有のものだろう。あたしだってそういう事に興味が無い訳では無い。
好きな人と、結婚した人と「初めて」を経験する。
それは全ての女の子の夢だろう。
あたしはその言葉を聞いた瞬間に、猛烈な嫌悪感と焦燥感とに襲われた。
絶対に嫌だ。
こんな人に、こんな所で・・・。
しかし、あたしのショーツは既に水にでも付けたかと錯覚するほどびちょびちょになっており、そのショーツに包み隠されたそこはもう、何ものも拒まないくらいにトロトロになってしまっていた。
でも、ここを逃しては本当に取り返しのつかない事になる。
そう考えたあたしは、
「んっ!んっ!」
人間、ほんとにヤバい時は自分でも信じられないほどの力をだせるもんだ。
手を縛るロープのようなものをガンガンと引っ張りその反動を使って、油断していた陽乃さんをあたしの上から振り落とした。足をばたつかせながらすぐさま身を捻じると、縛られた手をそのままにうつ伏せになる。
もう大丈夫。
陽乃さんの顔は見えていないが、きっと驚いているだろう。
だからあたしは次に手のロープを取ろうと試みた。幸い、ポールの様なものに括りつけられていたので、ジャンプすれば何とかなりそうだ。多少自由が効くついでに、手に顔を擦りつけるようにして口からハンカチを出しておこう。
しかしこれが、自分の首を締めることになるとは思わなかった。
あたしはハンカチを口から出すためにポールに鼻先がつくくらいすぐそばまで近付こうとしたんだ。下はコンクリートなので這うようにではなく、膝立ちで。
あたしが膝を立て、四つん這いのようになった瞬間だった。
「かはっ!!」
背中を何かで殴られたように錯覚した。
すぐ頭の後ろであの、冷たい声がする。
「やってくれるね」
あたしは、踏まれていたのだ。
徐々にその重さがまし、あたしの背中の中心を抉るようにグリグリと踏みつける。
「あぐぅ・・・、はぁっ、はぁっ!」
あたしはそれから逃れようと精一杯身体に力を込めたが、陽乃さんの足は背中からピクリとも動かない。というよりもはや、息もできなかった。
「油断したよ〜」
そう言いながら、陽乃さんはあたしの後ろで何かをシュルシュルと玩ぶ。しばらくすると、それ、つまりロープだ。それをあたしの膝の裏へと回した。そのまま片方をちょうどあたしの腰の辺りに持ってくると、きつくぎゅっとしばる。
あたしは膝を固められ、今度こそ身動きを封じられてしまったのだ。
陽乃さんは背中から降りると、あたしの後ろに回り込んだ。あたしのお尻に手を置いて、そのままするりとスカートをめくる。
「つるつるしてて綺麗だね」
ぽつりとつぶやくようにそう言った刹那、
パァンっ!
「きゃぁぁあ!」
平手であたしのお尻を思い切り叩いた。ジンジンとした痛みがゆっくりと広がっていく。
「もうやめてください・・・。お願いですからぁ・・・・・・。」
単純に怖かった。
怖くて怖くてしょうがなかった。
でも、あたしには謝るしか思いつかなかった。
必死になって謝るあたしがそんなに面白かったのか。すぐ後ろでは陽乃さんがクスクスと笑っている。
ああ。あたしは今、どんな顔をしてるんだろ。きっと不細工だな。
陽乃さんはどうだろ。きっとその美しい顔は楽しくて楽しくて、
ひどく綺麗に歪んでいるんだろう。
「期待を裏切る。」それが私の仕事。
って。何言ってんだか・・・・(笑)