やはりあたしの青春百合コメはまちがっている。 作:四月一日 今日
「────んー!!んーーーっ!!」
あたしの言葉にならない声とミシミシという手を拘束したロープの音だけが、このしんとした用具準備室に響き渡る。
陽乃さんの冷たい指先があたしの鎖骨より少し下の部分に触れた。そのまま手をつつつと下の方へスライドさせると、あたしの目を見てニヤリと口元を歪める。
「あたしより大きいかもね」
そう言うと、あたしのブラウスのボタンに手を掛けた。
普段とは同じでも全く違って聞こえるボタンが外されるプチプチという音が聞こえて来る。
あたしはその音が耳に届くやいなや尋常じゃない汗と悪寒が背中を伝い、もう手遅れだと分かっていても身体が抵抗する事を諦めなかった。
「んっ!んーーっ!!」
身体を左右に振るようにして、時には足をばたつかせて必死に抵抗する。
「ちょっと、暴れないでってば」
しかし、陽乃さんは冷静さを欠くどころかむしろ冷静にあたしの上に馬乗りになった。その驚く程の軽さとふわふわとしたお尻の柔らかい感触があたしのお腹に伝わってくる。
それでもあたしは抵抗する事をやめようとはしなかった。ここでの物音に誰かが気が付いてくれるかもしれなかったからだ。しかし────
「───もう諦めなよ。」
先程までとは違う冷めた声と濁った瞳。そして何より、感情の抜け切った表情に、あたしの身体はピクリとも動かなくなってしまった。
陽乃さんはブラウスのボタンを下まで外し終えると、ファサりと両方にはだけさせてまじまじとあたしの上半身を見つめ、
「ほんとに大っきいね。」
そう呟くように言うと、 お腹の所から手を上へと這わせて来た。冷たい手の感覚と同時にゾクゾクとした何かがあたしの中を駆け巡る。
陽乃さんは「じゃあ」と言うとそのまま手を後ろ、つまりあたしの背中へと脇腹を撫ぜる様に回した。
「ん、んくぅっ!」
一瞬のこそばゆさに、あたしの口からは自然に声が溢れてくる。
そんなあたしの様子に無表情だった陽乃さんはニヤリと口角を上げると、そのままあたしのブラのホックをパチンと外した。同時にちょっとした開放感と共に、どうしようもないという絶望感があたしを襲う。
陽乃さんはまた這わせるようにして手をあたしの胸の下に持ってくると、そのまま手を上へとスライドさせた。するりと手はあたしの胸に直接触れる。
「ん、んん、んふぅ」
吐息にも似た声があたしの口から漏れる。
「うわぁ、柔らかいねぇ」
陽乃さんはそのまま小指から順に折っていくようにして、あたしの胸を揉みしだいた。
「ふぅ、んふぅ、んんんっん!」
自然と身体が熱くなって、鼻息も荒くなって、それでいてどうしようもなく感じてしまう。
気持ちがいいとかそういうのではなくて、とにもかくにもあたしの胸は敏感に反応してしまう。
指先を折るように、持ち上げるように、時には搾るようにとパターンを変えながら、陽乃さんはひたすらに揉みしだいた。
ただ、けっして先端にだけは触れないようにして。
あれから何分たっただろう。
あたしの胸の温もり、いや「熱さ」はすっかり陽乃さんの手に移り、境界線がどこなのか分からなくなっていた。
それでも、頭がぽーっとしてあたしの口からはとめどなく吐息が漏れている。
「そろそろいいかな〜」
陽乃さんが唐突にそんなあたしを見てはしゃぐ子供のようにそう言い、口に嵌めていた何かを取り除いた。
「っはぁ、はぁ、はぁっ.........。」
一瞬、緊張感が解けたからかあたしは思い切りダッシュした後のように肩で息をした。
「どう?きもちよかった?」
陽乃さんはあたしの返事を聞く前に結局胸の先端だけは触らなかった手を、またあたしのお腹を這うようにして下へと伸ばしていく。その瞬間、あたしの身体は反射的に暴れだした。
「んー!そこはっ!!」
次にされる事が分かってしまったからだ。
陽乃さんの手は止まることなく滑らかに下腹部へと近づいていきスカートをめくると、そのまま指先をあたしのショーツの縁へと掛ける。
「お願いっ!そこは......ダメ.........。」
あたしの声は拒んでも逆らえないこの状況に、次第に尻すぼみになって言った。
陽乃さんはまたあのつまらなさそうな目であたしを見つめると、 「ふーん。」と呟いて続ける。
「雪乃ちゃんにも、同じような事、したんでしょ?」
「.......っ!」
言葉が声にできなかった。
そう、昨日あたしも同じような事をゆきのんにしようとしたのだから。
「何か言いなよ。」
陽乃さんは何も口に出来ないあたしに、冷たくそう言い払う。
その目は嗜虐的なものでも、冷徹的なものでもなかった。
陽乃さんはそのままの状態で俯くと、プルプルと身体を震わせた。
そう、彼女の目には確かな怒りの色が見えていた。
鉄壁の仮面を誇る彼女ですら、隠し切れない怒りと最愛の妹を汚したあたしへの憎しみ。 それらが身体を震わせたのだ。
陽乃さんはふぅ、ふぅ、と自分を抑える様に息を吐くと、胸ポケットから出したハンカチを再びあたしの口に詰めた。
「い、いやぁっ!ご、ごふっ.........。んんん、んんん!」
そして、ゆきのんと同じくまるで濡れているかのような黒髪を片手で耳にかけると、
「君だけは、許さない。」
あたしの耳元に口を近づけてそう呟いて、ショーツの中へと手を滑り込ませた。
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