「なぁ、レム」
腕の中にレムを抱きかかえたまま、スバルが口を開く。
「レムは大丈夫って言ってたけど、俺、レムの中に、二回も、その、たくさん出しちゃって……あの、本当に、いや、ちゃんと責任を……」
「そのことなら心配しないでください。さっきも言いましたけど、今は大丈夫な時期のはずですから。それに……」
ちょっと真剣な口調でレムが続ける。
「レムや姉様、鬼族は、元来子供ができにくい体なんです」
「そうなのか?」
「はい、おそらく。レムと姉様以外、里には子供がいませんでしたし……」
レムはそう言うと、しばらく沈黙した。
——あ、これはちょっと、あまり聞いてはいけないことを聞いたかも……。
「そうだ! 話は変わるけどさ、レム」
スバルは強引に話題を変えた。
「はい? なんでしょう?」
「レム、下の、あの、下はもともと生えてないのか?」
さっきは夢中だったのであまり気にしていなかったが、自分にはあって、年齢が変わらないレムには無かったもの。
「え? あ、あの……」
「いや、あの、レムは、なんって言うか、その、つるつるで、産毛みたいのはあったけど。あの、ほら、普通、生えてる、んじゃないかなぁ、と」
「ど、ど、ど、どうしてそんな恥ずかしいことを聞くんですか!」
再び手を伸ばして、今度は袋の部分をきつく握るレム。
「痛い! 痛い! 本当に痛い!」
「そんなこと、レムにだってわかりません! 生まれつきというか、もともと無いものは無いですから!」
「そ、そうなのか? いや、その、かわいくて綺麗だなと思って—— 痛い! 痛い!」
「女の子にそんなことを聞いちゃダメです!」
そう言うと、自分自身も今それに気がついたとでも言うように、ちょっとの間考えて、
「でも、確かにそうですよね。姉様もレムと同じで、下には何も……。でもエミリア様には、綺麗な銀色の……。もともと鬼族には無いのでしょうか……」
レムの口から意外な言葉が漏れる。
「え? ええええ?」
スバルの驚きに、レムはハッと我に返って、
「今、想像しましたね……。想像したでしょう! スバルくん!」
「してない! してないって! いたたたたた! してません! してませんから、ゆ、許して!」
「もう! スバルくんが見ていいのはレムのだけですっ!」
「お、おまっ……。レムの、だけって……」
「あ……」
みるみる赤くなる、二人。
「ほんっとに、スバルくんは意地悪な人です!」
「だから! 痛いって! おねがい! 助けて! やめて!」
こうして、二人きりの、初めての夜は幸せに更けていく……。ただ、その持って生まれた共感覚で、否応無しに「何か」を感じ取っていた、たった一人を除いて——。
黒丸です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。この先、第二部に続きます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
※もしかしたら、タイトルを書き始めの時に考えていたものに変更するかもしれません。今悩んでます。