※この作品はR-18です。

紫紺の夢   作:Kuro Maru

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青の章・10

 もっと早く来るつもりだったのに、遅くなってしまった。もう夜中近い。姉様は寝てしまっているだろうか。部屋をノックする音がやけに大きく感じる。

 

「スバル……くん」

 

 そっとドアを開け、またそっとそのドアを閉める。静かにスバルの寝ているベッドに近づくと、スバルの寝顔が見えた。

 

「スバルくん?」

 

 返事はなかった。待ちくたびれたのだろうか、可愛らしい寝顔で、スバルは寝息をたてていた。その口から時々寝言のようなものが聞こえて来る。

 レムはベッドに腰掛けると、改めてスバルの寝顔を覗き込んだ。気持ちよさそうに寝ている。そして。そして——どうしても、目がそこに行ってしまう。

 

——我慢、できましたか?

 

 クスッと笑って、そこに手を伸ばすレム。今は下向きになっているその部分を優しく上から撫でる。途端にムクムクと大きくなって、まるで天幕のように上掛けを下から突き上げ始める。

 

——こんなにすぐに形が変わるんですね……。

 

 完全に上向きに大きくなると、今度は、そこだけ目が覚めているように、レムの手の動きに合わせて手のひらを押し返して来る。上から指でつまみ上げるようにしてから、改めて形を確認する。敏感な場所を探り当てて、クリクリとくすぐるように撫で回す。途端に寝ているはずのスバルの腰が、もっとしてと言わんばかりに、レムの指を追いかけるような動きになった。

 

——眠っていても気持ちいいんですか?スバルくん。あの本には何って書いてあったでしょうか……。

 

 資料室から内緒で借りてきた本の内容を思い出す。あの後、ざっと一日の仕事を終えると、ラムがレムに資料室の鍵を渡してきた。

 

「バルスの世話は夜まで任せなさい。と言っても、そんなにすることはないけど」

 

「ね、姉様、あの……」

 

「じゃ、頼んだわよ」

 

 北側の一角にある資料室は、かなりの広さがあった。王都でも、これほどの所蔵数を誇る個人書庫は、そうないはずだ。かつてはここで、ロズワールが二人に勉強をさせたのだが、最近ではその必要もほとんどなくなり、時々指示に従って所蔵図書を執務室へ運んだり、調べ物などをするだけになっていた。

 それほどカビ臭くはないが、空気が淀んでいる感じがする。窓を開け、大きな机に平積みで置かれてる本の山へ目を向けた。

 

——ロズワール様にしては珍しい。いつもはきちんと片付いているはずなのに……

 

 背表紙の題名ごとに手早くまとめて——ふとレムの手が止まった。表紙に何も書かれていない一冊の本があった。背表紙にもその本のタイトルは書かれていない。何の気なしにその本を手にとって開いた途端、いきなり男女が結合している挿絵が、レムの目に飛び込んできた。

 

――ええええっ!

 

 とっさに本を閉じるレム。そうして、周りを見渡し、誰にも見られていないのを確かめてから、再び手にとって、ページを開く。今度は男の大きくなった部分を、女が咥えている絵が目に入った。

 

——こんな、こんな本が、あったなんて!

 

 次々とページをめくる、レム。

 

——こ、こんなことを……。

 

 顔を赤くしながら、でもページをめくる手が止まらない。気づくと外は薄暗く、結晶石の明かりが灯り始めていた。慌てて窓を閉め、本を棚に戻そうとして、

 

——これ、借りていってもいいでしょうか……。

 

 レムはその本を脇に抱え、そそくさと自室にむかった。途中、ラムが厨房に戻っていくのが見えた。

 

「ね、姉様」

 

「ずいぶんかかったのね。なにか興味のある本でも見つかったの?」

 

「……ね、姉様はすべてお見通しなんですね」

 

「んー。なんのことかしら。まぁでも、レムのことはおおよそわかるわ。だって、ラムはレムの姉様ですもの。それに……」

 

「そ、それに?」

 

「今、脇に本を抱えているわ」

 

——そうだった!

 

「あ、あの……」

 

 レムの言葉を遮るように、

 

「バルスの食事は終わったわ。洗い物を任せてもいいかしら。レムは疲れたから、お風呂に入って、もう休むわ。じゃ、おやすみなさい」 

 

「お、おやすみなさい……」

 

「レムもあんまり夜更かししないようにね」

 

「はい。わかりました。姉様」

 

 その後、厨房で本を読みながら、軽く食事をとるレム。自室に戻っても、ページをめくる手が止まらない。ふと壁を見ると魔刻結晶の色が濃くなっている。

 

——スバルくんが待ちくたびれちゃいます!

 

 部屋を慌てて飛び出し、

 

——そ、その前にお風呂!

 

 踵を返し部屋に戻ると、着替えやらなにやらを抱え込み、小走りで浴場へ向かったのだった。

 

 

 

——どうしましょう。このままスバルくんが眠っている間に、出してもらったほうがいいのでしょうか……

 

 そう思いながら撫でていると、

 

「夢か……」

 

 スバルの目が開いた。寝ぼけているのか、ぼーっとしたような表情で、あたりを確認している。その目がレムと合った。

 

「目が覚めましたか?」

 

「れ、レム……い、いつからここに?」

 

「はい、ちょっと前に。スバルくんはよく眠っていたので、あの……」

 

「スバルくんの寝顔を近くで見ようと思って……そうしたら、あの……スバルくんのここが大きくなっていたので……」

 

 レムは顔が火照ってくるのを感じた。

 

——つい嘘を言ってしまいました……。レムが大きくしてしまったのに。でも、きっとバレてませんよね? ね? スバルくん。

 

 一度手を止めて、固くなった部分を優しく両手で包み込む。鼓動が伝わる。やんわりと握りこんだ途端、スバルのそこにグッと力が入り、レムの手を押し返した。

 

「わっ! スバルくん! スバルくんのここが……!」

 

 予想していなかったスバルの動きに、驚く、レム。

 

「レム……今更そんなに恥ずかしがるなよ! 俺の方がもっと恥ずかしいよ!」

 

 スバルも一緒に顔が赤くなる。心臓の鼓動が早まる。口が渇く。自然とスバルの唇に目がいってしまう。そのスバルは自身の唇を早く塞げと言わんばかりに、舌なめずりをしている。

 レムは顔を近づけ、スバルの唇を優しく塞いだ。舌と舌とが自然と絡まり合う。

 

「クチュッ、クチュッ」

 

 という音だけが部屋の中に漏れる。下から抑えあげるように、レムの胸にスバルの手が伸びる。そのままやんわりと揉まれるとジンとした感覚が胸から全体に広がる。先端部分がくすぐられ、固くなっていく。そこがスバルの手のひらを突くように押し返している。不意に唇が外れ、スバルの口から、

 

「レ、レム……も、もう……」

 

 と声が漏れた。レムの手の中にあるものは、昨日と同じように、かなり限界近い大きさになり、震えが始まっていた。

 

 状況を把握したレムは、もう一度スバルの口を強く吸うと、

 

「スバルくん、もうちょっとだけ我慢できますか?」

 

 体を起こして座り直した。

 

「え、ああ、うん……」

 

 なぜか一瞬答えに困ったような表情を見せるスバル。そんなスバルが可愛くて、そして、

 

——レムは頑張りますね! スバルくん!

 

 上掛けをゆっくりとめくって、スバルのガウンに手を伸ばす。その手が微かに震えているのが自分でもわかった。そっと身頃を広げて、そのままスバルを裸にしてゆく。

 

「寒くないですか?」

 

「あ、あー、大丈夫。うん、寒くないよ」

 

 前をすっかりはだけると、肩の部分にに手を回して、

 

「スバルくん、少しだけ体を浮かせられますか?」

 

 スバルから全てを取り去った。ベッドには素っ裸のスバルの姿。そしてその部分は、スバルの顔の方を向いてぴったりと下腹部に張り付くように大きくなっている。昨日も目にした、いや、手に取ったはずなのに、改めて恥ずかしさがこみ上げてくる。

 どうにかその恥ずかしさをごまかそうと、手に取ったガウンを綺麗に畳んだり、スバルの着替えをもう一度畳み直したり。

 

「れ、レム。あの、ちょっと……」

 

 スバルが言う。

 

「あ! ごめんなさい、スバルくん。つい……」

 

——つい、その、恥ずかしくて……。

 

 再びベッドに戻ったレムは、スバルの口に自分の口を重ねながら、胸やお腹を優しく撫でた。その手をスバルのものに触れないよう、下腹部やその周辺を愛撫する。

 

——こんな感じでいいのでしょうか?

 

 そのまま続けていると、スバルの腰が上下左右に動いて、怒張している部分がレムの手首に当たる。スバルが、なんとかしてレムの手に納まろうと右往左往しているのがわかって、

 

——か、かわいい! スバルくん、可愛すぎです! 反則です!

 

「スバルくん、レムとの約束守ってくれたんですね。今日一日、辛かったですか? ごめんなさい……でも、嬉しい……」

 

 ちらりとスバルのそこを見てから、

 

「今日はレムも、スバルくんのこと、もっと気持ちよくしてあげたくって、いろいろ勉強してきました」

 

「え? なにを……」

 

 スバルが言い終える前に

 

「目を瞑っていてもらえますか? スバルくん」

 

——だって、だって、恥ずかしすぎですから!

 

 そう言いって、スバルの瞼をそっと手で閉じた。頬に手を当てて、もう一度キスをする、レム。

 

「ちゅっ」

 

 レムはそのままスバルの足元へ移動すると、そっとスバルの両足に手をかけて、ゆっくりと広げてゆく。

 

——うううう。さ、流石にこれは恥ずかしすぎます……で、でも……。

 

 ようやく自分の体を入れ込める程度に足を広げると、そっと、太ももから腰のあたりを、手のひらで愛撫を始めた。レムの手が近くを通り過ぎるたびに、腰全体が震え、そこがヒクつく。我慢しているスバルの顔が、やっぱり可愛い。透明な液が先端部から漏れ出している。

 

——もうそろそろいいでしょうか……。

 

 ようやくスバルのそこに手を伸ばし、根元を軽く握る。手前にグッと引いて、自分の顔の方にそれを向ける。バネが仕掛けられているような抵抗を無視して、レムはその小さな口を大きく開けると、思い切ってスバルの先端を咥え込んだ。

 途端に口の中がいっぱいになる。スバルの味が口の中に広がる。

 

——お、大きい!

 

 初めて口にするものの大きさに驚く、レム。もっとすんなり根元まで口の中に入るものかと思っていた。本にはそう書いてあった。ところが、今は先端部分を咥えるだけで顎が外れそうだ。

 

「ああっ! くっ!」

 

 スバルが腰をのけぞらせ、大きな声をあげた。

 

——スバルくん、ごめんなさい。今はこれが精一杯です……。

 

 その代わり、舌を使って先端の割れている部分に触れたり、スバルが一番反応する部分に舌をはわせちょろちょろとくすぐってみる。

 

「お、おぅっ!」

 

 さらにスバルが反応する。

 

「れ、レム! そ、それは……ああっ」

 

 スバルがこちらを見ていることに気づいたレムは、恥ずかしさのあまり、

 

「ダメです! 目を開けちゃ! 目を瞑ってて、あとはレムに任せてください!」

 

 スバルを咥えたまま思わず叫んだ。その途端、咥えている部分がググッと広がるように大きくなった。ついで腰全体が震え始める。

 

——ああ! スバルくん!

 

 そう思った瞬間。スバルが急に腰をひねって、レムの口から自分を外してしまった。

 

「いやぁぁぁぁんっ」

 

 叫んだが、遅かった。痙攣が始まり、腰が突き上げられて、

 

「あああぁぁぁっっっぐぅぅぅっ!」

 

 スバルの、うめき声とも叫び声ともつかない言葉とともに、あの白いものが放出された。

 

——どばっ!

 

 音が聞こえた気がした。レムはさっと手を伸ばして、その部分を捕まえると、昨日したようにスバルを上下した。

 

——びゅっ、びゅーっ! びゅーっ! びゅっびゅーっ!

 

 激しく痙攣するスバルから、何度も放出される白い体液。レムはなるべく長く気持ち良さが続くように、手を動かし続けた。

 

「んっ、んんっ! くっ! あっ……ああっ……はあっ、はぁっ、はぁっ……」

 

 ようやくスバルの痙攣が治る。昨日とは違うスバルの反応にやや驚きながら、レムはその手を少しずつゆっくりなものにしていった。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 スバルの荒い息が収まってくる。レムの手の中のものも、少しずつ緊張をほぐしている。

 

「れ、れむ……」

 

 あまり強くしないように気をつけながら両手で包み込んで、

 

「気持ちよかったですか? スバルくん」

 

 スバルに聞く。

 

「融けそうだった……。融けて体ごと無くなるかと思った……」

 

「そんなに……そんな風に言ってもらえると、レムはとってもうれしいです」

 

「こんなこと、一体どこで……」

 

「うふふふっ。今日、お屋敷の書庫で……」

 

 レムは片目をつぶって、いたずらっぽく笑った。

 

——でも、せっかく頑張ったのに……。

 

「最後は、本当はレムの口の中に……」

 

「ばか! そんな汚い! レムにそんなことできるわけあるか!」

 

「そんなことないです! 汚くなんてありません! だ、だって……飲んだりもするって、本に書いてありましたし……」

 

「いや、おまえ……の、飲んだりって……。いや、そ、その、ほ、本に書いてあったって……」

 

 あの本に書いてあった、ほんの一部。

 

「ってか、一日顔を出さないと思ったら、そんなことを……」

 

「はい!」

 

——レムは、頑張りましたよ! でも、もっと頑張っちゃいます!

 

「それにしてもスバルくん、たくさん出ましたね! 何度もビクビクして、レムはちょっと心配になったくらいです」

 

「いや、あの……うん。大丈夫。死んでない……」

 

 たまに見せるあの複雑な表情が、スバルの顔を横切った。それがなんなのか、レムにはよくわからない。仮にそれをスバルに聞いたところで、きっとスバルはなんでもない、と言うだけだろう。それよりも今は、スバルが一番気持ちのいいことをしてあげたい。

 レムはそのまま自分の手に視線を下ろした。スバルから出たもので、右手がべっとりと濡れている。それをそのまま顔の前に持ってくると、興味津々の様子で鼻先にかざした。

 

——匂いは……いい匂と言うにはちょっと……。マロンの花の香りに似ていると書いてありましたけど、マロンの花はこんな香りなのでしょうか……。あとは……。

 

 あの時、マヨネーズを味見した時と同じように、指先についたスバルのものを口に入れてみる、レム。

 

「わっ! ばか! やめ……」

 

「スバルくんのこれ……ちょっと甘い……ううん、苦い、かも……。匂いは……すこし慣れましたけど」

 

「ああああ」

 

——んー、複雑な味ですね。ちょっと苦くてどこか甘いような、不思議な味です。……でも、でも、これも、スバルくんなんですよね! どんなでもレムは平気ですよ、スバルくん!

 

 レムは、指をくわえたままスバルを見つめて、にっこりと微笑んだ。

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