体に力が入らない。今まで体験したことのない感覚。正確に言うと今朝、それにかなり近い体験をした。だが今は、たった今、自分に起こったこれは、その何十倍も強く鮮烈だった。レムはこの絶頂感に驚き、体の反応に戸惑い、そしてそれがスバルによってもたらされたと言うことに嬉しさを感じていた。
——どうしましょう。こんなことを知ってしまったら、レムは、レムはスバルくんから……。
「レム?」
スバルが名前を呼ぶ。ゆっくりと目を開け、息を整えてスバルを見つめる、レム。スバルがこのあとどうしたいのか、何を求めているのか、もうわかっていた。
「レム、お、俺……ちょっと限界。レムに入れたい。レムのここに入れて、レムと繋がりたい……」
——スバルくん、レムでいいんですか? レムは、スバルくんが……レムは、スバルくんになら……。
レムは、力が入らない手をスバルの頬に伸ばし、スバルの目を見つめて、小さく頷いた。それを合図に、スバルがレムの両足を広げて、その間に体を割り込ませた。ゆっくりとスバルの体がレムの小さな体に覆いかぶさってくる。レムを抱きかかえるように体を押し付けて、スバルのそれが、レムに触れる。一瞬腰が引ける。が、自身の退路を断つように、スバルの背中に手を回してその体に抱きつく。硬くて熱いものが、自分の入り口を探るように動く。だがその扉を探り当てられず、何度も壁をつつき、何度も筋に沿って弾かれて——。
レムは、自分の入り口を懸命に探すスバルに、そっと手を伸ばした。
「スバルくん……」
本当は自分でもよくわからない。ただ、何度もスバルが行き来して、その度にレムの入り口をくすぐっていた。そこにスバルの先端をそっとあてがう。ようやく小さい口を探し当てたスバルのそれが、その口を広げ始める。少しずつ痛みが走り出し、
「い……たっ……」
声が出てしまった。
「レム、痛いのか?」
「だ、大丈夫です、スバルくん。あの……レムは初めてなので、多分、その……最初だけ、だと思います……」
「お、俺も初めてで……そ、その、うまくできなくて、ごめん……」
スバルのその言葉に、愛おしさがこみ上げる。
「スバルくん……そのまま……そのまま入ってきて……レムに……レムに入れて! スバルくん!」
意識せず発したその言葉に、スバルの腰がぐっと突き出され、レムの小さな口にねじ込まれる。
「く……っ……」
文字通り、裂かれるような痛み。そして、スバルと一つになれるという嬉しさ。その嬉しさが痛みに優り、自らもスバルを受け入れようと腰を突き出すレム。
——スバルくん! スバルくん!
一瞬、錆びたナイフを体に突き立てられたような、強い痛みがあった。思わず歯をくいしばる。その痛みのすぐ後で、レムの体にスバルがぴったりと入っているのがわかった。
痛みと、スバル自身の熱さで、じんじんする。
——ああ……ようやくスバルくんと……。
その続きを思うまもなく、スバルの体が小刻みに震え出すのがわかった。
「れ、レム! ちょ、ちょっと……」
スバルが何を言おうとしているのか、わかっている。スバルに何が起ころうとしているのかも、わかっている。レムは、体を離そうとしたスバルの体をぎゅっと抱きしめると、
「このまま、このままレムに! レムの中に出して!」
自身の足でスバルの腰を挟み込むようにして、自らスバルを、さらに深く飲み込む、レム。すぐにスバルの震えが大きくなり、
「ああっ!」
叫び声と同時に、スバルの腰が前に突き出される。レムの体の中のものがグッと膨れ上がったのを感じた直後、スバルと痙攣とともに、熱いものがレムの体の中に放たれるのがわかった。一度目と二度目は激しく。その脈動とともに。そして徐々にその勢いを弱めながら。
幾度となく痙攣を繰り返したスバルの力が抜けて、荒い息のままレムの体にのしかかった。不思議とその重さは感じない。スバルの鼓動だけが伝わってくる。レムの体に残っているそれは、痙攣こそ収まっているものの、大きさはほとんど変わらないまま、レムの中で熱を放っている。
「レム、ご、ごめん」
しばらくそのままでいたスバルが体を起こし、レムからそれを抜こうとした。
「大丈夫ですよ、スバルくん。もう少しこのままで……」
レムは両腿でスバルの体を優しく挟み込み、スバルの頭を撫でた。もう少しこのまま、スバルの重さに幸福感を感じていたかった。
と、
「レム、あの……」
レムと繋がったまま上半身を起こしながら、スバルが口を開いた。
「なんですか? スバルくん?」
「あの、レムの中で……レムの中に……あの、そのまま出しちゃったけど……」
——ああ、スバルくん。もし許されるなら……。でも、いくらなんでも、スバルくんが困っちゃいますよね。
「大丈夫です。心配しないでください」
「だ、だけど、そうは言っても……ごめんな。いろいろ……その、うまくできなくて……い、いや、その……ありがとう。レムの初めてを、その、こんな……俺に……」
——スバルくん! レムも同じなんですよ! スバルくんの初めてがレムでうれしい……。
「スバルくん、今、この瞬間、レムはとっても幸せです。レムも初めてで、スバルくんも初めてで、でも、とっても素敵で……スバルくんと一つになれるなんて……こんな嬉しいこと、レムは初めてです……」
知らずに、頬に涙が溢れていた。二人はしばらくそのまま見つめ合い、そして唇を重ねた。