「なぁ」
お湯でラムの背中を流しながら、スバルは気になっていたことを口にする。
「あのさ。その、洗いっことかしないのか?」
「あらいっこ?」
「あらいっこ?」
「普段、一緒に風呂に入った時、背中を洗いあったりしないのか?」
「うーん。しないわね」
「しませんね……」
「そうなの? そんなもん?」
兄弟のいないスバルの、素朴な疑問だ。
「だって、こんな美少女ふたりが体を洗いあっていたら、それこそ怪しい雰囲気になるでしょ?」
「それ、どっかで一度聞いたセリフだな……」
「姉様……」
正面に膝をついて、ラムのタオルを巻き直しているレムの顔が赤い。
「なに? 怪しい場面を見てみたいの?」
レムにされるままになりながら、いつもの口調のラム。
「へ? あ、いや、いや! 違うって! それにラムがレムにしてるとこ見たら、俺がヤキモチ焼くだろ!」
「想像しているのね。いやらしい」
「う……」
スバルも、思いもかけない自分の言葉に、顔を赤くしながら、
「えへん、えへん。さ、さて、このままここに、寝てもらえますかね?」
誤魔化すように、ベンチを指差す。浴室に添えつけられているベンチは、幅も長さも、ちょうど人が一人寝られるくらいの大きさだ。そこにタオルを敷いていたのは、このあいだのレムの件があったからだったのだが、
「え? ここでマッサージュをしてくれるの?」
なんとも自分の欲求に素直な発言。
「え? あ……お、おう。まだ、その……腰痛いのか? ってか、終わってないの、か?」
「んー、出血はもうないわ。ちょっとだけ張りが残ってる感じかしら」
「わかった……じゃ、じゃあうつ伏せで……えーと、タオル、どうしよっかな」
「ちょっと待ちなさい」
上半身を軽くのけぞらせて、挟み込んでいる部分を外す。スバルはそのままレムの背中からタオルをめくると、お尻の辺りで折りたたんだ。
「こんな感じでいいか? ってか、これ、最初からうつ伏せで良かったんじゃね?」
「そ、そうね。なんでそんなことに気づかなかったのかしらね……」
「……」
「……」
その言葉に全員が無言。
「ま、いいわ。さあ、やってちょうだい」
「姉様のブレなさ加減には、ホント頭がさがるな」
相変わらずの反応にスバルは苦笑い。同時にちょっとホッともする。
「あ……ごめんなさい」
「いや、まあ、いつも通りで安心するっていうか……。な、レム?」
「姉様はいつも意見がはっきりとして素敵です!」
「そ、そうですね……。じゃ、じゃあ、いいか? 香油はないけど」
ベンチの横に立って、さっき洗ったばかりの白い背中に親指を立てる。もう、二人の気持ちのいいツボは把握済みだ。ゆっくりと指圧を繰り返すスバル。最初の時に比べて、全体に張りがない。体調がほぼ戻っているのだろう。すぐ向かい側では、レムが興味津々といった様子で、そのスバルの手の動きを眺めている。
「スバルくん、すごいです。職人技です!」
「そっか? ってか、これは普段の仕事のうちに入ってないから、上手いってオチか?」
「いえいえ! 普段のお仕事のことはともかく、レムは心の底から上手だと思ってますよ、スバルくん!」
いつもの会話をしながら、徐々に手が下半身に近づいていく。スバルは特に何も考えずに、腰から下を隠しているバスタオルをめくろうとした。その瞬間、パッとラムの手がそこに伸びて、バスタオルを上から押さえた。
「ちょ、ちょっと待って」
「なに? どうしたんだ?」
「あ……、い、いえ。なんでもない……」
昨晩まで普通にしていたことだった。だからその下がどうなっているのか、すっかり忘れてしまっていた。
「あ、そっか。えーと……」
「そ、そのままやってくれていいわ。もう今更だし、ば、バルスになら見られても……」
恥ずかしい気持ちはさっきと一緒なのだろう。それでも、一生懸命してくれているスバルの気持ちを考えたに違いない。
「スバルくん、姉様もこう言ってますし……。それにまだ、洗っていないところがありますよね?」
レムは、スバルの代わりにラムの下半身を隠していたタオルをそっと取り去ると、同時に、泡の立っているタオルを手渡してニッコリと笑った。
そのタオルを受け取ったスバルの目が、体を横たえているラムの体に釘付けになる。
今、ラムは小さく万歳をするように、両手を頭の横においている。うなじから続く、少しだけ上に上がった細い肩のラインがとても女の子らしい。ほどよく引き締まった背中。細すぎず太すぎず、抜群のバランスのウエストと、腰のライン。もちろん綺麗なハート型のお尻とその割れ目も丸見えになっている。そこから伸びるピタリと閉じられた、両足と、可愛らしい小さな足。
一糸纏わず、こうしてうつ伏せになっている女の子の体が、これほど綺麗で魅力的だとは知らなかった。
——ゴクリ。
思わず唾を飲み込むスバル。その瞬間、下半身に痺れるような甘い刺激を感じて——。
「ああっ!」
思わず腰が引けて、大きな声が出てしまった。レムの手が、スバルのタオルの下に潜り込んで、大きくなった部分にを優しく握っている。
「スバルくん、今は我慢してくださいね! あとでいっぱいいっぱいしてあげますから!」
二、三度、上下に動きを加えてから手を離すと、スバルの唇に軽くキスをする、レム。
「わ、わかった……。大丈夫だ。我慢できるから」
スバルがラムの足側に移動して、脹脛から太ももにかけてタオルを滑らせる。そのタオルが臀部に差し掛かると、一瞬ラムの体に震えが走る。足をぴったりと閉じているが、両手でその柔らかな肉付きのいい部分を開くように洗うと、あの女の子の秘密の部分がちらりと見えそうになる。
スバルは、そこに目をやらないようにしながら、ラムの下半身をすっかり洗い終えると、「ふうぅっ」と、大きくため息をついた。
レムは、優しくお湯をかけてラムの泡を流すと、
「姉様、今度は仰向けでお願いします」
そう言って、タオルでスバルの視線からラムを隠した。
「あ、そ、そうね……」
胸と股間を隠しながら仰向けになるラム。レムがまるで介護をするように、ラムの裸身にタオルをかけた。
スバルは、優しく片方の足を手に取ると、
「ではラム様。ラム様の御御足を洗わせていただきます」
冗談めいた口調でそう言った。
「え……ええ。おね……やってちょうだい」
あくまでもブレないその口調に、頬が緩む。丁寧に足の甲から、腿の上、隠れているところギリギリまで泡を立ててゆく。やはり足がピタリと閉じられているおかげで、両方の足先も揃えられている。その足の指を一本ずつ丁寧に洗い始めると、
「あ……くぅっ……」
ラムの口から少しずつ声が漏れ始めた。その足を一旦流すと、あの日レムにしたのと同じように、スバルはラムの可愛い足の指をパクリと口に含んだ。その途端、
「ああっ! はっ……はあっ……んんっ」
声が大きくなり始める。これはレムと同じ反応だった。あの時のレムは、息も絶え絶えになりながら、別の気持ちのいいことをしてほしいと訴えた。ラムはどうなんだろう? それを見てみたい。
スバルの舌が、左右の足の指を行き来する。口づけしていない他の指は、絶えず空いている手で揉みほぐす。
「ば、バルス、も、もういい! もういいわ!」
そのラムの声を無視して、しばらくの間、咥えたり、吸ったり、指の間に舌をさしこんだり、思いつく限りのやり方で、レムのその可愛い足の指を愛撫していると、
「あっ! ああっ! も、もう……や、やめ……んっ……いやっ! あ……ああっ!」
ひときわ大きな声が漏れ、同時にその小さな体をぶるぶるっと震わせるラム。その息が荒くなっている。
「え?」
驚いたのはスバルだった。まさか、足の指を刺激しただけでこんな風になるとは予想していなかった。レムも同様に驚いた表情を見せていた。さらにその感覚は、そのままレム自身にも流れ込んでいる。彼女はその感覚に流されないようになんとか自制すると、さっと姉の体を抱きかかえてベンチの端に移動した。
「スバルくん! 今のうちに姉様の——」
あ、という表情で、小声になる。
「あの、姉様の、その……あ、洗ってあげてください……」
とっさのレムの行動に、思わず、
「わ、わかった」
タオルを手に取り、スバルがラムにタオルをあてがった、その瞬間。荒い息をしていたラムが、パッと目を開けて声を上げた。
「……え? な、なに?」
自分の状況を把握する間も無く、泡立ったタオルの感触が下腹部で動き始める。思わず声が出てしまう。
「あ、あっ……」
気づくと、大きく広げられた自分の両足の間に、黒い髪の毛が見える。ラムは、今朝、自分がレムにしたように、今度はレムが自分の両足を抱えて、ベンチの端に座っているのがわかった。
「な、な……」
そんなラムの様子に御構い無しに、スバルの手がラムの秘密のあの場所に伸びる。とっさに体をよじって逃げようとするが、今度はレムの力が強く、がっちりと抱えられて動くことができない。レムの腕の中でもがいている最中、ゾワゾワっとした感覚がラムを襲った。
「ああっ!」
さすがに女の子のそのデリケートなところを、タオルでゴシゴシとはできないだろう。スバルは、自分の手の甲と腕全体に泡を塗りたくると、彼女の縦の筋にあてがって、滑らせるようにその腕全体を動かした。
「ひ、ひゃぁっ……あ、あ……」
意図していたことではなかったが、腕という長いパーツが、ラムに、長く途切れない刺激を与えていた。その腕が前後するたび、
「いやぁぁん……ああんっ、んんっ、ひっ……」
途切れることなく、ラムの口から声が漏れる。とっさに手で口をふさぐ。だが、手のひらを上に向けたスバルの指が、ラムの一番恥ずかしい窄んだ部分に触れ、こねるように動くと、
「あああっ! だめ! や、やめなさ……ああっ! だめっ! お、おねがい! も、もうやめ……て……」
塞いでいるはずのラムの口が必死に懇願する。初めて聞くラムのその口調で、スバルもようやく自分のその手の動きを止めた。
「はあっ、はあっ……」
レムの腕の中で息を荒くしたまま、脱力しているラムに、スバルが手桶からそっとお湯をかけて、泡を流す。そのお湯がかけられるだけでも、彼女の体はビクッと反応している。
ラムを抱えているレムは、スバルに微笑んで、ゆっくりと頷いた。それを合図に、スバルの口が、ラムの女の子のその部分に触れる。その途端、ラムは大きく体を震わせた。
スバルの舌が、溝に沿って上下する。その度にその部分がキュッと窄まるような動きをする。それを何度か繰り返すうちに、
「むぅっ……んんっ……」
くぐもった声が漏れ始める。一度見てわかってはいたが、これほど大きく足が広げられているのにも関わらず、ラムのその部分はピタリと閉じたままになっている。両手を添えて、そっと広げると、
「ああっ! あんっ……」
ラムの恥じらうような声が耳に入った。何度見ても——と言っても、ラムのそれを見るのはこれで二度目だったが——決して見飽きることのない、女の子の秘密の場所。そこに隠されていた可憐なひだに沿って舌を這わせる。その度に、ラムの腿に力が入るのがわかる。さらに、下に見えている小さな口に舌を入れると、
「ば、ばる……ああっ……や、やめっ……よ、よごれてっ……あっ、お、おねがっ……」
声を上げ、体をよじって逃げようとするが、押し寄せる快楽の波に抗えない。
「んっ……ん……んっ……はぁっ……あっ! あっ!」
ラムの声が徐々に大きくなり始め、やがて、腰全体がスバルの舌の動きに合わせて前後し始める。それを待っていたかのように、スバルがラムの——そしてレムも——一番反応が大きい、あの小さな部分を、チュッと吸うように口で含むと、
「あーっ! あ、あ、ああっ! んーっ! んんっ! こ、これっ……これっ!」
ひときわ大きな声を上げて、体全体を震わせた。スバルの口の中で、柔らかで硬いものが、スバルの舌でねぶられ、くすぐられ、最後にはそのままキューっと吸われる。彼女の両足の指が、まるで見えない何かをつかむようにぎゅっと握られた、その瞬間。
「あ、あ……あ、んっ、んーっ! あ、あ、ああーっ!」
レムの腕の中で、びくん、びくん、と何度も大きく体を痙攣させるラム。スバルの口元と舌先が、ぽわっと暖かくなった。同時に、彼女の白い肌が、ほんのりと桜色に染まる。レムもまた、その暖かさを姉の体全体から感じていた。
その暖かさを舌で感じたスバルが、ほっと安堵する。と同時に、彼女の白い太ももに手を回し、しっかりと抱えなおした。そうして彼女の動きに翻弄されないように小さな体を固定すると、今度は、さきほど口に含んでいたもののちょっとだけ下にある、小さな窪みに舌を這わせた。その途端、さっきの痙攣とは違う震えが、ラムの体全体を襲った。
「ひゃっ! いやっ! いやっ! んんっ……むーっ……むーんっ!」
更に強く自身の口を手で抑えるラム。そして意図せず、女の子のあの甘い蜜ではない、違う暖かい何かがジワリと漏れ出し始める。
「むぅっ……んんっ……」
一生懸命、その何かを我慢する。そのたびに、舌で触れている小さな窪みにキュッと力が入り、さらに、その部分全体が彼女の秘密の扉を閉じて、スバルの舌を締め出そうとする。だがスバルは御構い無しに、舌の動きを早め、唇全体で吸い、さらには自分の鼻先で、ラムの一番のお気に入りの部分を、突くようにして、さらに甘美な刺激を加え続けた。
「あああっ! だめっ! だめっ! あ、あ……」
塞いでいたはずの口から、大きく声が漏れる。そしてラムの体から一瞬力が抜けた、その時だった。
「す、スバルくん……。み、見ないで、あげてください……」
突然のレムの言葉に、スバルはとっさに目を閉じた。次の瞬間、
「あああっ! いやっ! むーっ! んーっ」
ラムが再び痙攣すると、舌で触れている部分から暖かい液体が勢いよく流れ始め、スバルの顔を濡らした。あの時のレムと全く同じだった。
「はあっ……はあっ……んんっ」
荒い息に、痙攣の名残が混じる。最後に大きくぶるっと体を震わせると、再びラムの体から力が抜けた。スバルは目を閉じたまま、ゆっくりと舌をその部分から離すと、改めて、全体にキスを繰り返した。
——ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ……。
その度にラムの体は、ぴくん、ぴくん、と反応し、やがてレムの腕の中でぐったりとなった。
本年の更新はこれで最後となります。と言っても、あと数日で2019年も終わりなのですが……。
2018年の4月から投稿を始めた「紫紺の夢」ですが、まさかこんなに長く続けられるとは思ってもみませんでした(しかも、一旦完結したのに!)。これも偏に、この物語を読んでくださっている皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
そして、2020年1月1日より第1期新編集版、さらに4月より第2期スタートですね。ほんっとうに楽しみです。オリジナルのweb版も面白すぎて、早く続きが読みたい! ああ、あと書籍版がー! と、心の中で叫んだところで、お時間になりました。
繰り返しになりますが、今年もお付き合いいただき本当にありがとうございました。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。