「レム? 大丈夫か?」
腕をおでこに乗せて息を荒くしていたレムは、スバルのその優しい問いかけに、うっすらと目を開けて、空いているもう片方の手をスバルに伸ばした。
「スバルくん……」
スバルは、差し伸べられたその小さくて柔かな手をそっと握った。そして、気になっていた事を口に出した。
「気持ちよく……その……イった、のか?」
レムは小さく頷いて、恥ずかしそうに微笑んだ。そんなレムの表情を見て、思わずスバルの頬も緩む。瞬く間に二人の間に甘い空気が流れ始める。と、不意にレムの視線が自分の後ろに行ったのに気づくと、背中にもたれかかっているもう一人の存在を思い出した。
「そうだ、ラム——」
そう言いながら振り返ろうとしたスバルを
「い、今振り向いては……ダメ……よ」
背中に手を突きながら体を起こしたラムが、息も絶え絶えの様子でスバルを牽制する。
「いや、でもお前——」
「今……後ろを向いたら、アレを……ちょん切るわよ……」
いつもの冷たい言い回し。だがその声色は強制的と言うより懇願に近い。
「わかった、振り向かない! 振り向かないから!」
スバルは素直にラムの意思を尊重することにして、一言。
「……とりあえず大丈夫そうだな」
「ら、ラムのことはいいから……その……レムに集中してあげなさい」
スバルの背中から手を離したラムが、そっとベッドから降りた。ラムの気配がベッドの上から消えたのがわかったスバルは、ゆっくりレムに覆いかぶさると、優しく彼女の小さな唇を自分の唇で塞いだ。舌を絡ませ、お互いの唾液を交換する。レムの甘い舌の味を堪能するように、しばらく濃厚な口づけを交わしたスバルは、自分の右手をレムの柔らかな場所にそっと伸ばした。
「あんっ……」
スバルの中指が密に濡れた縦の筋に触れた途端、レムが声を漏らして、体をびくりと震わせた。今度はその指を上下にゆっくりとなぞるように動かし、レムの蜜で指をしっとりと湿らせると、スバルはその指をそっとレムに差し込もうとした。
「あっ……」
途端にレムの体が硬直する。空いている左手がスバルの手に伸びて、その動きを止めようとする。
「あ……嫌だったか?」
一瞬、困ったような、そしてちょっとだけ泣きそうな目をスバルに向けたレムは、ゆっくりとまぶたを閉じると、首を小さく横に降った。
「あの……そっとしてもらえると、レムは……うれしいです……」
「うん……」
その言葉に思わず大きく唾を飲み込んだスバルは、そのままそっと彼女に中指を押し立てた。
「んんっ」
スバルの指先がレムの可愛らしい口にちゅっと吸い込まれる。一つ目の関節がレムの中に入り込むと同時に、レムが再び体を震わせた。やんわりとした抵抗を感じながら、スバルの指がゆっくりとレムへと消えていく。そして根元まですっかり入り込んだ瞬間、その指全体がきゅっと暖かい壁に優しく締め付けられた。
「ああんっ!」
少しだけ開いた口から、声が漏れる。
「い……痛くないか?」
レムが目を閉じたまま、うなずいた。スバルはレムに指を差し込んだまま体を起こすと、彼女の足を大きく開くように、体を両足の間に移動した。
「レムの中、どんな感じなの?」
さっきと同じように、すぐ後ろでラムの声がした。そうなることがなんとなく予想できていたスバルは、それほど驚くこともなく答える。
「その……あったかくて、柔らかくて……吸い付いてくるようで……」
自分の指がすっかり入り込んでいるレムの姿を見て、カーッと顔と股間が熱くなるのを感じながら、スバルが続ける。
「い、今はきゅっと握ってくれてる感じ……かな」
「そ、そう……。ゆ、指は奥まで全部入っているの?」
「な、なんでそんなこと——うわぁっ!」
そう言いながらチラリと後ろを向いたスバルは、思わず声を上げた。
「あああああっ!」
それと同時にレムの腰が大きく跳ね上がった。
「あ! れ、レム! 痛くしちゃったか? ご、ごめん!」
とっさに手をレムから外すスバル。
「んんっ……だ、大丈夫……で……す……」
「バルス、レムを傷つけるようなことをしたら許さないわよ!」
「お、お前が驚かすからだろ! レム、ごめん!」
「だ、大丈夫です、スバルくん……。それより、ね、姉様……それ……」
薄目を開けたレムの目に入ったのは、頭からすっぽりとシーツをかぶった、異様な人型だった。
「なんだよ、それ!」
再び振り返ったスバルも、改めて叫ぶ。
「なによ、そんなに驚かなくてもいいと思うけど?」
「いやいや、驚くって! それ、お化け屋敷かよ!」
頭から白いシーツをすっぽりと被り、まるでフードをかぶるように自身の顔を隠しているラムの姿は、目の穴こそ空いていないが、まるっきり白いお化けのキャラクターそのものだった。
「お化け? ああ、ホロゥのことね? ラムがそんなものに見える?」
「いきなりその格好で後ろに来られて、それ以外の何に見えるってんだよ!」
「バルスは意外と小心者ね。ホロゥが怖いの?」
「怖い怖くないって話じゃなくって! びっくりするだろ、って話だよ!」
「あ……まあ、驚かせてしまって悪かったわ……。そんなことより、レムに続きを……その、気持ちよくしてあげなさい」
シーツの隙間から届くラムの声に、一瞬言葉を失うスバル。一体どんな顔をして続きをとか言っているのか、皆目見当もつかない。とりあえずレムに向き直ると、スバルは優しい声で、
「レム……あの、大丈夫だったか? 痛くしちゃったみたいで、ごめん……」
「あ、ち、違うんです、スバルくん……その……あの……」
「ん? ああ、そうじゃなかったら良かったよ……んで、姉様のそれは何よ?」
顔を正面に向けたまま、目線だけやや後ろに送ると、スバルはそう口にした。
「——、——……」
シーツに包まっているせいか、声がくぐもっていて何を言っているのかわからない。
「え? なに?」
「だから——、——……」
「だから、なんだよ?」
途端にシーツから伸びた手が、スバルの二の腕を思い切りつねった。
「いてててっ! 痛いって! な、なんだってんだよ!」
「だから! その……れ、レムと一緒にいっちゃうのが……それをバルスに見られるのが恥ずかしいって言ったのよ! 何度も言わせないで!」
「あ……」
ラムの意図がわかった途端、スバルの顔が赤くなる。
「いや、それ、おまえ……」
「な、なによ?」
「あー、その、あれだ。今更恥ずかしがっても――」
言い終わる前に、膝をついていたスバルの後ろから、少しだけ柔らかくなりかけていた部分にラムの手が伸びた。
「ラムの……乙女の恥じらいを鼻で笑うつもり?」
スバルを握った手に力が入る。
「どうなの? まだ続きを口にしたい?」
「あ! いや、ない! ないです! 全くしたくないです!」
「そう。それならいいわ。許してあげる」
ラムの手から、ゆっくりと力が抜ける。
「で? 何の話だったかしら?」
力こそ入っていないが、後ろから自分のものを握られたままのスバルは、内心、冷や汗だらだらだった。
「あー、あれだ、その、恥じらうラムも可愛いな!」
「ば、ばか! な、何をいきなり!」
スバルの言葉に、思わずラムの手に力が入る。
「いでっ! いでででででっ!」
「あ、ご、ごめん! つい……」
「はぁ〜っ」
ラムの手から解放されたスバルは、安堵のため息。
「今のはバルスが悪いわ。ええ、バルスが悪い」
ラムはそう言いながら再びスバルに手を伸ばすと、小さくなりかけていたものを後ろから、今度はゆっくりと撫で始めた。
「うっ」
ラムの優しい手の動きに、スバルは途端にむくむくと膨らみ始める。先ほどまでの痛みとは打って変わった気持ち良さが、スバルのその部分から体全体に広がっていく。
「でもまあ、ラムもちょっとは悪かったわ……。このまま少し撫でていてあげるから、レムに続きをしてあげて頂戴」
「わ、わかった……」
スバルは改めてレムに向き直って、再びレムに指先をあてがった。
「ごめん、レム……続き、してもいいか?」
レムは答える代わりに両手で顔を隠すと、わずかに腰を突き出すようにしてスバルのしたい事に協力した。
その途端、ラムに刺激を与えられている部分がグッと硬さを増し、スバルの下っ腹を打ち付けるほどに跳ね上がった。
「ば、バルスのここが……」
いきなりの状態の変化に、ラムが思わず言葉を漏らした。その言葉が耳に入っているのか入っていないのか、スバルの視線ははレムのあの可愛い秘密の場所に集中したままで、再び指先をレムに差し入れていった。
「ああんっ!」
レムが可愛らしい声を上げる。無意識にスバルの指先をきゅっと咥えあげる。
「痛く……ないか?」
スバルが優しく問いかける。レムが小さく頷く。スバルの指が中程まで入り込む。
「ね、ねえバルス……」
少しだけうわずった声でラムが声をかける。
「ん……? な、なんだ?」
「その……ど、どんな感じなの?」
「どんな感じって……触った感じのこと、か?」
「そう……レムの中はどんなふうなの?」
両手で顔を隠したままのレムがひくっと反応する。
「どうって……そ、そうだな」
そう言いながら指先を少しだけ曲げて中の様子を探るように動かすと、
「ンンッ……」
レムが苦しそうに小さく喘ぐ。スバルも、それが痛みから来る苦しみでは無いとわかっているので、そのまま動きを止めずに、まさ繰り続ける。
「そ、そうだな……なんだか少し凹凸があるって言うか……なんって言ったらいいんだ、これ?」
それを聞いたラムは、すぐに妹の身体がどんな風なのか理解した。例の本によれば、低い確率で男性を受け入れる部分がヒダのように波打っている場合があるらしい。
その数少ない、魅力的な特徴をレムが携えていたとは、ちょっと驚きだ――。
「そ、そうなのね……。ねぇ、奥の方は? レムの奥はどんな感じなのかしら?」
「え? 奥って……」
スバルは、戸惑いながらもゆっくりと指を奥へと差し入れる。それに呼応して、レムの息も荒くなる。
「はぁっ……はぁっ……んんっ」
スバルの中指がすっかりレムの中に収まる。と同時に、スバルの指先になにやら不思議な感触があった。それが何かを確かめたくて、その部分を撫でるように押し込んだ瞬間。 レムの体が大きくのけぞり、綺麗な太ももがスバルの腕を挟み込んだ。
「あああっ! す、スバルくんっ! だめ! だめですっ! そ、そこ! そこ、だめっ!」
思いがけないレムの反応に、ちょっと驚きながらも、その部分への刺激を続けるスバル。
「そこ……な、何か、ざらざらして……る……んじゃない?」
自分にもレムの感じが伝わっているのだろう。ラムの息が切れ切れになっている。
「う、うん。なんかざらざらってか、ぶつぶつが沢山ある感じだ……これ、なんだ?」
確かめるようにその部分へ優しい刺激を集中すると、今度は両手でスバルの腕を掴んで、
「スバルくんっ……そこは……そ、そこが……んっ……ああっ!」
やめてほしいのか、それとも、もっとしてほしいのか、レムが泣きそうな表情を浮かべながら、何かを必死に訴えている。
「ここなのか? レム。ここがいいのか?」
指を上向に曲げ、例の場所を押し込むように刺激する。そして少しだけ指を出し入れしながら、ざらざらしている部分を擦り上げるようにして、レムの反応を更に伺う。
レムは硬く目を閉じたまま、体をくねらせ、
「そこ……あっ……あっ! そこ! そこが気持ちいいですっ!」
何度も頷いて、そう答える。もちろんその感覚はラムにも流れ込んでいて、
「んっ……くっ……」
彼女は自然に漏れ出そうになる声を半ば強引に押さえ込むと、歯を食いしばりながら、何とかその快感の波から離脱しようと試みていた。
意識を自分が握っているものに集中してみる。それはすでに限界近くまで硬く大きくなっていて、その熱でラムの掌に汗をかかせている。もっともそれが汗なのか、スバルの先端から滲み出ているものなのかは、すぐに判別は出来なかった。
さらにまずいことに、それが優しく入り込んで、例の快楽を与えてくれたあの時のことを、つい思い出してしまう。これでは逆効果にも程がある。もっと違うことを考えなければ。
と、不意にさっきスバルが言っていたことに意識が飛んだ。
——それにしても……。
それにしても、レムが、あの本に書かれていた、あの特徴を全部を持っているなんて……。
レムが図書室で見つけた例の書籍。その中の、女性のその部分に関する項目にラムは興味を惹かれた。
男性を虜にするいくつかの条件。外見はふっくらとしていて、いざ入り込むと、最初は吸い付くように、そして全体で締め付けるように。中は波が打つようで、さらにその奥の上側がざらざらしていること。
どれ一つとっても、幻想や幻のような――もしそんな場所に一度でも入り込んだなら、全ての男性は夢中になってしまうだろう――物語でしか巡り会うことのできない理想の場所。けれど、どうやら妹の女の子の部分は、その条件の全てを持ち合わせているらしい。
果たして自分はどうなのだろう? そこもレムと一緒なのだろうか……。そうだといいのに。もし違っていたら? 自分と体を重ねた後、がっかりされるのはやはり悲しい……。
その複雑な思いが、レムから送られてくるあの感覚を完全に遮断した。それに気づくと同時に、レムが限界を迎えていた。
「あっ! あっ! ああっ! す、ば……すばるくんっ! い、いきそうです! いきそう! いっても……いってもいいですか……んんっ!」
スバルの指の動きに腰をくねらせ、体を震わせているレム。そしてスバルにもあの歓喜の瞬間が訪れた。
「れ、レム、俺も、おれもいきそう! ああっ! い、イく!」
「あっ! あああっ! い、いくっ! あああっ!」
同時にレムも声を上げて体をのけぞらせる。そのまましばらく硬直した後、彼女はスバルの指を咥え込んだまま、ぐったりとなった。
レムの足の間に体を入れていたスバルは、腰をビクビクと震わせて、歯を食いしばっていた。だが、迸っているはずのあの白いものが、シーツを濡らしている気配はなかった。
「まだいってはダメよ、バルス」
スバルに刺激を与えていたのは、誰でもないラムだった。そしてあの時のレムと同じように、彼女はスバルが射精する直前に、その根本をギュッと握り込んでいた。
大変お待たせいたしました! EX. 第17話です。
時間がかかってしまい、すみません……。楽しんでいただけると、嬉しいです!