青空に真っ白な雲が流れている。足元には色とりどりの花が咲き乱れ、爽やかな風が、短く切り揃えられた青い髪と、ほんのり染まった頬を撫でていく。
右手が誰かにそっと握られる。それに応えるように、自分もその手を握り返す。言葉を交わさなくても、ただそこにいてくれるだけで、安心を与えてくれるもう一人の自分。ただそこにいてくれるだけで、幸せを感じさせてくれる、魂の片割れ。
つながれた手のひらから、少しくすぐったいけれど、ふんわりとした心地いい気持ちが溢れてくる。それをもっと感じたくて。でも、少しだけ恥ずかしくて。思わず顔を伏せてしまう。
落とした視線に入るのは、足元に広がるの綺麗な色彩と、眼下の膨らみかけた二つの白い胸。顔を上げて横を見ると、同じ目線の高さに真っ黒い瞳がある。真っ黒な髪と、自分よりも少しだけ褐色の肌。彼が自分を見てニカッと笑う。自分もにっこりと微笑み返す。
そのまま向き合うと、繋いでいないもう片方の手が自分の胸に伸びる。ささやかだけれどもふっくらとしたその膨らみを、彼の小さな手が優しく包み込む。お互いの瞳を覗き込むようにして顔が近づいていく。小さな唇と唇が触れ合う。彼の手のひらに収まっている膨らみの先端が少しずつ硬くなっていく。
彼の口が硬くなった先端を優しく咥える。つないでいたはずのもう片方の手が、寂しげにしているもう一方の膨らみを包み込む。成長し始めたばかりのその部分から広がり始めた、痺れるような気持ちよさが、体全体を支配する。
その手が、いつの間にか自分の下腹部に伸びている。指先が、そして手のひら全体が、大切な場所を探すように平たい柔らかな肌の上を滑っていく。彼が探し求めているその場所は、もう、すぐ下にあるはずなのに、それに気づけずに何度も行ったり来たりを繰り返す。
早く秘密のその場所に触れてほしいと願う気持ちと、それを恥じらう気持ちが交差する。その二つの気持ちを代弁するように、自分も彼に手を伸ばす。
小さな手の中に収まるくらいに心もとなかったそれは、記憶にあるものよりも随分と小さくて細いけれど、それでも立派な『
その可愛い子犬をなだめるようにそっとしごくと、包皮の下で小さな傘がぐっと膨らむのがわかる。先端部分はまだ中にしまわれたままだが、あと数年もしたらすっかりと艶やかなその姿を現すはずだ。
でも今の自分には、このくらいの大きさがちょうどいい。今の自分の『鞘』はとても小さく、いつもの『剣』を収納するのは難しいだろう。けれどこれならきっと——。
途端に躰の奥から何か熱いものが漏れ出すのを感じる。まだ未成熟のこの『鞘』も愛おしい『剣』を受け入れるのを恋焦がれている。
だが、肝心の『剣』の
うっすらと目を開けると、自室の見慣れた天井が目に入った。
——あのままレムも眠ってしまったんですね……。
胸の中でうとうとし始めたすばるをそのまま寝かしつけたあと、その愛おしい寝顔を眺めているうちに、自分も一緒に眠ってしまったようだった。
——それにしてもあんな夢を見るなんて。やっぱりレムは欲求不満なんでしょうか……。
普段とは違い、たった今見ていた夢は細かいところまで鮮明に覚えている。目を閉じると、またすぐにさっきの場面に戻れそうだ。——そう、夢から目覚める時は、いつもこんな感じだ。夢と現実の狭間を行ったり来たりしながら、ゆっくりと覚醒する。
レムは再び目を閉じて、先ほどまで見ていた夢に思いを馳せた。
そこにいたのは幼少期の自分と、そしていつも一緒にいるはずの双子の姉ではなく、今の姿のすばるだった。二人とも生まれたままの姿で見つめ合い、口づけを交わした。その口と手のひらで、小さな胸を愛撫してくれた。焦ったいほどに優しく腹部を撫でてくれた。
膨らみ始めたばかりの自分の胸を、彼は愛おしいと思ってくれただろうか。まだ小さいはずのあの秘密の部分を、彼は探し当てられただろうか。そしてあの夢の先、あのあと、自分の一番恥ずかしい場所を彼は目にしただろうか。それを挿入して、一つになれたのだろうか——。
覚えているどころか、その先までを想像してる自分に、顔が火照る。そして今もまだその感覚が続いている。両胸から、痺れにも似たあの快感が今も絶え間なく体全体に流れ出ている。
気づくと、心地いい重さが自分にのしかかっていた。再び目を開けてみると、黒い髪が自分の胸の上で懸命に動いていた。
先に目覚めていたのだろう。すばるがレムに覆いかぶさっていた。さっきと同じように、大きめの乳房を下から持ち上げるようにしてそっと揉みながら、やさしく乳首を吸っている。おそらくそこから流れ出る心地よさが、さっきの夢を誘発していたに違いない。
どんなに小さくても男の子だ。それはさっき認識したはずだった。目が覚めた時に隣に半裸の女の子が眠っていたら、こうなるのは必然だ。そしてこうも思った。
——これはもしかして、夢の続きなのではないでしょうか? もしそうなら、あの続きを知る権利がレムにはあるはずです!
このあと、すばるがどうするのかに興味が湧いたレムは、自分に都合のいい理由を思い浮かべて、とりあえず寝ているふりをすることに決めた。その間にも、すばるのくちびるは桜色をしたレムの先端を固く隆起させ、そのぎこちない手の動きに、もう片方の先端も素直に反応した。
一度閉じた瞼を薄く開いてすばるの様子を見ると、時々ちらりとレムの顔を見上げるようにして盗み見ているのがわかった。どうやらレムの目が覚めないようにそっと、そしておそるおそる、レムの双丘にちょっかいを出しているようだった。
目には入っていなかったが、下半身についている細くて硬い何かも、絶えずレムの柔らかい肌を突いていた。
——すばるくん、かわいい……。
おっかなびっくりなその様子に、レム自身、気づいていなかったどこかの部分が反応した。もっと強くしてくれてもいいのに。大胆になってもいいのに。そしてその焦ったさが、快感につながった。
「んっ……」
思わず声が漏れた。その途端、レムに覆いかぶさっていた体がビクッと体を硬くした。
——あ……しまった……。
すばるがそっと体を起こすのがわかった。薄目越しに見ると、寝ているレムのすぐ横で正座したまま、息をひそめて様子を伺っている。
レムがそのまま眠ったふりを続けると、ようやく安心したのか、今度はレムの下半身に顔が向けられた。おそらくすばるの目には、バスタオルがはだけられたレムの裸身が目に入っているはずだ。そしていまは、小さな青いショーツだけが、レムに身につけられた唯一の装いだった。
——こ、これはこれでかなり恥ずかしいかもしれません……。
すばるはレムの目が覚めていないかどうかを確認してから、今度はその下腹部に手を伸ばした。小さくて柔らかな手のひらが、
——ううう。そこは……そこは触っちゃダメなところです、すばるくん! 絶対に指で触らないでください! おねがいです!
レムの必死の願いが通じたのか、一番の急所は指で
——すばるくん、だめです! それは! だ、だって、きっと下着が汚れてます!
足首を掴んだすばるが何をしたいのかは明白だが、このままその目的を果たせば、自分の下着がどうなっているのかがバレてしまう。もちろん単純な力比べをすれば、明らかにレムの方が強い。まして今のすばるは十一才の子供だ。だが、それに逆らって足に力を入れれば、寝ているふりもバレてしまう。
——どうしましょう。でも、今レムの目が覚めてしまうと、きっとすばるくんは困っちゃいますよね……。
両足に力を入れたまま思い悩んでいる間に、すばるがレムの右横に移動する。そして足首を掴んでいた両手が、今度はレムの青い下着へと伸びた。
——な!
初めは前についている
その結果、気づいた時には、ゆるやかに盛り上がった丘の部分が半端に露出している、非常に恥ずかしい状態になっていた。
——わ、わかりました……もう降参です、すばるくん……。
観念したレムはわずかに腰を浮かせて、レムから小さな布を取り去ろうと悪戦苦闘しているすばるに内緒で手を貸すことにした。
途端に、するりと小さな青い布が引き下ろされる。それと同時に湿り始めていた綺麗な一本の筋が露わになり、ひんやりとした空気にさらされる。思わずブルっと体が震える。
このまますっかり裸にされるに違いない。そう思っていたレムの予想に反して、レムのショーツは両足から抜き去られることなく、半端に脱がされた状態で放置された。
——すばるくん、これはこれで、とってもはずかしいんですけど……。
両腿の辺りまで下着を下ろされたまま、レムがこっそりとすばるの様子を伺う。真横に座り込んでいたすばるは、両目を皿のようにして、自分の股間を注視している。ちいさなすばるは、自分の下着ではなく、女の子の秘密の割れ目にすっかり魅了されているに違いなかった。
——男の子ですもんね、すばるくんは……。
そのままそこを覗き込むように固まっていたすばるが、ごくりと唾を飲み込んだ。そしてその綺麗な筋目がもっと良く見える位置まで移動してから、膝立ちになった。
——あっ!
秘密の快楽を知ったばかりのすばるの器官が、さっきとおなじようにぴんと上を向いていた。今は自分が見上げているからなのか、それとも何かのきっかけで急に成長したのか、さっきよりも少しだけ大きくなっている気がする。
膝立ちのすばるは、レムのそこから視線を外さないまま、右手を自分自身に手を伸ばした。そしてさっきレムがしていたように、今度は自分でその手を動かし始めた。
思いがけないその姿と行動に、レムは感嘆した。
——すばるくん、か、かわいい——。
顔を赤くして必死に右手を動かす、すばる。だらりと下げられた左手は拳が握られ、力が入っているのがよくわかる。
「はあっ……はあっ……」
少しずつ右手の動きが早まり、それと同時にすばるの口から声が漏れ始める。
——気持ちいいんですね、すばるくん……。レムはこのまま眠っていますから、安心してくださいね……。
精液が出なくても、ちゃんと快感があるのはさっきの一連でわかっていた。いまもうすでに、あのむずむずした例の感覚を十二分に感じているのだろう。あともう少ししたら、痙攣を伴うとっておきの瞬間が、この幼いすばるに訪れるはずだった。
「おねえちゃん!」
——な!
「おねえちゃん! おねえちゃん!」
すばるの口から「お姉ちゃん」という言葉が漏れる。
——な、なんて素敵な響きなんでしょう!
既にレムはぱっちりと瞼を開けて、その青い瞳ですばるの様子を凝視していた。男の子の——いや、すばるの自慰行為がこんなに可愛らしいとは! 食べてしまいたいほど、愛しいとは! そしておねえちゃん呼ばれるたびに、下腹部にあのジンとた熱を感じてしまう。
夢中で手を動かしているすばるは、そんな視線に気づくこともなく、レムの下半身を凝視しながら息を荒くしている。やがて苦悶の表情を浮かべると、
「お、おねえちゃん……なんか漏れそう……なんか……で、出そう!」
右手の動きがさらに早くなる。
「ああああっ! で、でるっ! あっ……ああっ!」
小さく叫びながらその細い腰を突き出した瞬間だった。限界まで膨らみ切ったすばるの突端から真っ白な精液が射出され、一筋の線となってレムの下乳に直撃した。
——ああ! すばるくん! すばるくん! すばるくん!
たった今、目の前で起こったことは、レムにとっても衝撃的で、そして感動的な光景だった。すばるのこの初めての瞬間に立ち会えることは、想像もしていなかった。
視線を戻すと、一連の出来事に驚愕しているすばるの表情が見えた。自身の体から得体の知れない何かが飛び出たことに驚いたすばるは、咄嗟にそこから手を離したまま、呆然としている。
びくびくと細かく震えている細い体。心もとない、でも、いっぱいいっぱいまで大きくなった男の子の器官。よく見ると、新たな震えと共に、その細い腰が引け始めている。おそらく本人の意思とは全く関係なく、体が勝手に次の準備をしているのだろう。
〝力〟を使っていないのに、すべての光景がゆっくりと進んでいた。
その二度目の射精が始まる前に、レムは右手を伸ばしてすばるの股間を優しく包み込んだ。そして彼に代わって前後にその手を動かした。
「あ……あ……」
この苦しみから解放されると思ったのか、それともレムに握られて安心したせいなのか、すばるはそのまま目を瞑ってレムにその全てを委ねた。
そこがぐっと膨らみ、先ほどと変わらない量の体液が射出される。
レムの手が止まることなくゆっくりとやさしく動き続ける。最後の一雫まで出し切れるよう、初めは強く、そして少しずつ柔らかくゆっくりと。
暖かな繊手から与えられる新たな快楽に、すばるが泣き出しそうな表情を浮かべる。小さな体をひきつけのような痙攣が襲い、びくんびくんと体が跳ね上がる。生まれて初めて体外に放たれたすばるの精液が、強い香りを伴って幾度となくレムの素肌に放たれる。
最初の放出の後、二度、三度、そして四度、五度と、終わりがないように延々と続いた初めての射精が、ようやく終わった。レムの手によって終焉まで優しく導かれた器官が、その緊張を解いていく。
程なくして、精通による鮮烈な快感の大波から解放されたすばるは、レムに自身を握られたまま、その場にへなへなと座り込んだ。