小さくて熱いものが、ぴたりと自分の中に収まっていた。それはいつもの彼よりも随分と心もとないはずなのに、思っていた以上に大きく、そして太く感じられた。
「すばるくん、またひとつ大人になりましたね」
すばるはレムに挿入したままでじっとしている。それは、自分の性器が初めて女の子の中に入った感動からなのか、それとも、少しでも動くと出してしまいそうなのか。おそらくはその両方なのだろう。
「今どんな感じですか?」
「あったかい……レムおねえちゃんの中、すごくあったかい」
「すばるくんもとっても熱いですよ」
ふうぅと、ため息にも似た声がすばるの口から漏れる。そっと下から抱き締めると、すばるもレムの胸に顔を埋めてそれに応えた。二人はそのまま、お互いの体温と鼓動、そして体のつながりを感じ合った。
「動いてもいいんですよ、すばるくん」
少しだけ時間が過ぎた頃、レムが声をかけた。だが、すばるは体を震わせるだけで、全く動こうとしない。
「すばるくん?」
「あ、え……レムおねえちゃん、ぼく、どうしたらいいの?」
「あ……」
これは想定外のことだった。動いてもいい、と言うレムの言葉は、初めてのすばるにとって全く意味をなさないものだった。繋がったままのすばるが動かないでいたのは、すぐにも出してしまいそうなのを我慢していたのではなかったのだ。
「ご、ごめんなさい、すばるくん——」
——いつもスバルくんはどうやっていたでしょうか……。ええっと——。
「すばるくん、少し体を起こせますか?」
レムに抱きついていたすばるが、上半身を反らせた。レムはその細い体を下からそっと支えるように持ち上げた。
「すばるくん、この姿勢のまま、少しだけお尻を浮かせてみてください」
「こ、こう?」
すばるが腰をひく。と、レムは素早く自分の腰を突き出して、いつもと大きさが違うものが抜けてしまいそうになるのを、ぎりぎり阻止した。
「つ、次はそのままゆっくりお尻を前に出して——そう、そうです」
すばるが全部自分の中に入ってから、レムも突き出していた腰を戻す。動きの幅は少ないが、十分に抜き差しはできそうだ。
「じゃあ、レムの脇に手を付いて、はい、そうですね……今度はそのまま、さっきのように腰だけ動かしてみてください」
レムに言われた通り、すばるがおずおずと腰を振り始める。
「そうです、すばるくん、そうやって腰を動かすんです」
「ああっ……」
「そうすると、おちんちんが出たり入ったりするでしょう?」
「う、うん。出たり入ったりする……」
「レムの中から抜けてしまわないように、注意しながら引いて……そうそう、そうです。そして今度はゆっくり入れて——その調子です」
レムが教えた通り、すばるが細い腰を振り始める。最初は恐る恐るだった動きが、少しずつ滑らかになっていく。
「そう、そうです……上手ですよ、すばるくん」
それは、緩急も左右の動きも全くない、単調な前後運動だった。だが、一心不乱に腰を打ち付けてくるその姿がいじらしい。そしてその度に、レムの敏感な核がとんとんとん、と、リズミカルにノックされる。
「はあっ……はあっ……」
しばらくして、少しずつ、すばるの息が荒くなる。
「すばるくん、いきそうですか?」
ここからさらに動きが大きくなり、あの瞬間がもう少しで訪れるはずだ。だが、予想に反して、すばるの腰の動きが徐々に鈍くなり始めた。
「ふーっ……ふうっ……」
やがて息を切らしたように喘ぎながら動きを止めると、すばるはレムの上でぐったりとなった。
「すばるくん?」
「ごめんなさい、ちょっとつかれちゃった……」
「気持ち良くなれませんでしたか?」
「ううん。おねえちゃんのおまた、あったかくて、すっごい気持ちいいよ」
「でも、出ない感じなんですね?」
「……うん。さっきみたくならないの」
——上になるのはまだ少し早かったのかもしれませんね……。
スバルが初めての時は、挿入した瞬間に射精が起こった。だから、今回もすぐに放出が始まると思っていた。
だが、あらゆることすべてが初めてのこの小さいすばるにとって、二人のセックスは、ただただ腰を振り続ける動作になってしまっていた。そしてそのことだけに集中していると、特に経験の少ない男の子には、なかなか絶頂感が訪れないと言うことをレムは知らなかった。息が荒かったのは、絶頂が近づいているためではなかったのだ。
そしてもう一つ、思い当たることがある。
——えっと、どうしましょうか……。
「すばるくん、一度おちんちんを外してもらえますか?」
「えっ?」
いったいなぜ? とでも言いたげなすばるに、レムが優しく続ける。
「だいじょうぶですよ。すぐにまた繋がりますから。でも今度はレムが上になってみますからね」
「うえ? え?」
いろいろな場面で小器用なスバルは、この甘い運動中に、つながっている部分を外さないで体を入れ替えていた。このすばるに対して、それをやろうと思えばできたかもしれない。そうしてあげたいのは山々だが、確かめたいことがあった。
レムは困惑しているすばるをそっと自分から下ろすと、その小さい唇に口づけをした。そして、さっきまで自分が寝ていた場所に、彼の体を横たえた。
「すばるくん、少し触りますよ?」
レムは、自身の蜜で濡らされた宝剣にそっと手を添えた。そしてゆっくりと包皮を下におろした。
「あっ……」
後退した包皮から、まっさらな先端分が姿を見せる。その艶やかな部分は、すでに全体がレムの蜜でしっとりと覆われていた。
——やっぱり……。
レムの胎内ですっかりと顔を出していた証拠だった。挿入した時に、そのまま皮の部分が捲れたに違いない。だとすると、敏感すぎるその先端部分はレムの中でかなりの刺激を受けてしまっていたはずだ。もしかしたら、痛いほどだったかもしれない。そのことも、なかなかいけなかった原因の一つだったのだろう。
——ごめんなさい、すばるくん。レムが気づいてあげられなくて……。
すばるの先端にそっと触れる。そのとたんに、びくりと、小さな体が反応する。
「痛い……ですか? ヒリヒリしますか?」
「ううん。ちょっとびっくりしただけ……ひりひりは……よくわかんない……」
「そうですか……痛かったりしたら言ってくださいね」
レムはそう言うと、その部分をパクリと咥えた。いつもだったら口の中に入りきれない彼のものが、今は根元までの全てが彼女の口に収まっている。
「あっ!」
その光景を見たすばるが声を上げた。
「お、おねえちゃん、そんな……き、きたない……き……」
かつての自分と同じ反応だった。今では彼がしてくれる前戯の中でも一、二を争うほどに好きなことだが、初めてそれをされた時、やはり同じことを言ったのをよく覚えている。だが、おそらくすばるも、すぐにこの気持ちよさに溺れるだろうと言うことは、容易に想像できていた。
問題はこの敏感すぎる頭の部分だ。もしダメなら、皮をかぶせたままで繋がれるよう、なんとか工夫をしなければならない。
まずはすばるが一番反応する場所を舌で突いてみる。嬉しいことに、いつもと全く同じ反応が返ってくる。その筋でつながった部分から、今度は小さめの傘全体に舌を這わすと、
「んふっ……んんっ、んっ……」
目を閉じたすばるから声が漏れる。
——大丈夫そうですね……。
幹の部分全体に舌を這わせて、再び裏の筋を刺激する。少しだけ強く吸いながら、付け根まで飲み込んでみる。最先端の割れ目にそっと舌先をつけてみる。
いつもとは違う大きさが、楽に舌を動かす自由度を与えていた。そしてレムが快楽の技巧を試みるたびに、すばるは鼻息を荒くしてそれに応えた。
舌の一番広いところを使って、滑らかな部分全体を磨き上げると、
「あ! あ! あっ!」
今度はさすがに小さな体をびくつかせ、逃げるように腰が動いた。
——ちょっと刺激が強かったですね……。ごめんなさい。でも大丈夫そうですね。
レムの暖かな口腔から解放された瞬間、すばるは閉じていた目をあけて、もうおわりなの? と言いたげな顔を見せた。
「すばるくん、レムにすばるくんのおちんちんを入れてもいいですか?」
「う、うん……いいよ」
いいよ、と言う返事もまた可愛らしい。そんな彼に、素晴らしい体験をさせてあげたい。
「じゃあ、入れますね」
レムはすばるの包皮を一度元に戻してから、すばるの上に跨った。そして、そこに手を添えたまま、ゆっくりと腰を下ろす。先端が入り口に触れる。覗き込んでみると、レムの下の口がすばるの包皮をめくり始めているのが見える。
「痛くないですか?」
「……」
すばるは、返事をするのもわすれるほどに目を見開いて、自分が女の子の体の中に入り込んでいくのを注視している。さっきは目にすることがなかった挿入の瞬間に、今は心を奪われているようだった。
レムの腰がさらに降りていく。狭い入り口がすばるによって広げられていく。やがてそれがすっかりとレムの中に入り込むと、すばるから感嘆の声が漏れた。
「あぁ……」
おそらく包皮は後退してしまって、再び頭が露出してしまっているだろう。すでにたっぷりの蜜に包まれているはずだが、痛みはないだろうか。ちゃんと最後まで辿り着けるだろうか……。
レムの心配をよそに、すばるが感嘆の声を上げた。
「は、はいった……、はいったよ、レムおねえちゃん」
「はい。入りましたね」
「うん……はいった」
レムの腰がゆっくりと動き始める。
抜き去る時はきゅっと包み込みながら、挿入する時は力を緩めながら。そうやってゆっくりと、ゆっくりと。
大きさが違うのでいつも通りには動けないけれど、すばるが自分から抜けてしまわないよう、レムが動く。熱を帯びた愛おしい『剣』を、レム自身の『鞘』で咀嚼する。
「痛くないですか?」
「うん、いたくない……あったかくて、きもちいい……」
「よかった……そのままおちんちんに集中してくださいね」
レムのその綺麗な臀部が上下し始めてから、十回も往復しないうちに、すばるの腰が震え始めた。それに気づいたレムが、すばるを握りしめながら、すこしだけ動きを早める。そしてそのまま彼を、あの苦しくて素晴らしい瞬間に導いていく。
「あ……でそう!」
「我慢しないで! すばるくん」
その言葉を聞いた刹那、
「あ……でる! でるっ!」
レムの中に入り込んだ部分が、くっ、と、太くなった。
「あ! あ! あ!」
驚きとも絶叫とも取れる声を上げながら、腰を跳ね上げるすばる。気をつけをしたままの上半身が、がくんがくんと、大きく痙攣する。そしてそれと同時に、あの熱いものがレムの中に勢いよく放たれた。
「んんっ! でてる! でてるっ! んんんっ!」
——ああ、これ……これです……。
すばるの痙攣と同期するように、びゅるっ、びゅるっと、熱い液体がレムに注入される。いつものように奥に直接とはいかないが、それでも十分すぎるほどの水勢だった。それが数度続き、その後はレムの壁伝いにとくん、とくん、と、注がれていった。