ジャンヌ・オルタとの甘い生活。〘完結〙 作:どこかの超電磁砲
《短編》ジャンヌ・オルタとの甘い生活。
数年前―――――――――燃え盛る城内で一人の青年は黒いドレスに身を包んだ
金髪の女性を見据える。『カルデア』から支給された服はボロボロ。
残り僅かな力を振り絞り、青年は武装を展開する。
『お前は・・・悲しくないのかよ』
『なんでよ・・・なんでまた・・・立ち上がるのよ・・・』
『決まってんだろ・・・お前を好きになっちまったんだ。
今から過ちを犯そうとしている恋の相手を止めるのは当然だ』
『・・・バカじゃないの!?・・・私は・・・私は・・・』
《竜の魔女》・・・『ジャンヌ・ダルク・オルタ』は体の震えを抑えつつ
目の前の青年、綾崎翔真に己の在り方を話す。
『私は所詮、聖女様の影でしかない。自分には憎しみや怒りしかない・・・
愛した祖国は私を裏切り、民は私を・・・だから・・・私は誓ったのよ・・・
フランスが自分を否定したなら、自分か成し遂げたフランスの救済も
否定するって・・・けど・・・あんたが現れてから・・・ッ!!』
ジャンヌはドラゴンが吐き出すような業火を翔真に放った。しかし翔真は
それを交わしながら彼女に近付く。そして両手で持った大剣を振るい、炎を
斬り裂く。軽度の火傷にも目をくれず、翔真は彼女の前に立つ。
『例え君がなんであれ、君は君だッ!憎しみや怒りが収まらないなら
俺がお前を笑顔にしてやらァ!ずっと側で笑う日々を作ってやるッ!
だからお前を・・・幸せにしてやる!ジャンヌ・オルタッ!』
『~~ッ!!』
翔真渾身の叫びにジャンヌ・オルタは顔を赤くした。自分はただの影だと
思っていたのに、今目の前に自分を女性として見てくれる青年がいる。
次第に、ジャンヌ・オルタの胸の鼓動が早くなる。
『だけど・・・私はもう消える定めよ。今更・・・・・・』
『俺はずっと待ってるッ!30歳、50歳ッ!例えジジィになっても
カルデアで・・・ずっと待ってる!・・・・・・』
『・・・・・・バカね。でも、アンタとなら・・・』
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懐かしい夢を見た。それは今は愛しくて仕方ない嫁と出会った時の話。
あの戦いから数年後のこと。翔真は青年から一人の男性へと成長した。
ことしで28歳の彼は、ベッドから降りると一番にカーテンを開けた。
「いい朝だな・・・ジャンヌ、朝だぞ?」
「う~~・・・もうちょっと~」
「全く。また深夜までゲームしてたな?」
毛布の中でもぞもぞとする女性。それは言わなくとも分かるさ。
さぁて・・・起きそうにないな・・・なら。俺は彼女の耳元で囁く。
「早く起きないと、エッチなことジャンヌにするぞ」
「ふにゃああああァァ~~!!」
顔を真っ赤にしてお目覚めしたのは、嫁でありサーヴァントである
ジャンヌ・ダルク・オルタだ。俺はジャンヌって呼んでる。だって
オルタだと可哀想だし、ダルクだと可笑しいし。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「おはよう。目は覚めたか?」
「あああ朝から!変なこと言わないでよ!?この変態・・・」
「悪い悪い。でも、朝御飯は一人だと寂しいからさ」
「うぅ・・・わ、分かったわよ!・・・なら」
ジャンヌはしぶしぶ上半身を起き上がらせ、顔を自分の方へ向ける。
別に誰かが見てる訳じゃないんだが・・・なんか恥ずかしいけどやるか。
「おはよう、ジャンヌ」チュ
「・・・おはよう」
照れる顔も可愛いな。