ディープダンジョン 作:□リ
始まりがただの気まぐれだったのならば、最後の切っ掛けもやっぱりただの気まぐれだった。
夜遅く。
たまたまちょっと時間が空いていて、たまたまディレイが明けていたから、ちょっと顔が見たくて、もし入浴中であったならそれはそれでいいし、あるいは既に寝てたらそっと寝顔を見ながら添い寝しようとか、その程度の考えであった。
「『
呼びかけに応じ、いつものように現れる球状魔法陣。
すぐさま、いつものように砕ける。
そして、跡にはいつものようにフェイトの姿があった。パジャマ姿で、横になって、身を丸め、両手をズボンの中に入れた姿が。
「んっ、葉月ぃ…………え? あれ、え?」
召喚されたことが飲み込めていないようで、戸惑ったような声を上げ、呆けた顔でこちらを見上げてくるフェイト。
上気した頬と潤んだ目が、どことなく淫らな雰囲気を漂わせる。
いや、言い訳はよそう。
淫らな雰囲気を感じるのは、彼女が何をしていたのかを理解していればこそだ。
召喚直後、こちらに気づいて顔を上げるより前。
フェイトがズボンの中の手をモゾモゾと動かす様子を、確かに見た。
そして同時に、口から出た名が自分のものであることを、確かに聞いたのだ。
どのくらい時間が経ったのだろう。
その痴態に目を離せない自分に対し、ようやく彼女は自身の置かれている状況を把握したようだった。
「あ……こ、これは違うの。や、やだ、だめ」
こちらの視線から逃れるように目を瞑り、顔を伏せ、横になったまま手足を体の前に持ってきて縮こまるフェイト。
「だめぇ、見ないでぇ」
よく見れば細かく震えている。
その様子は、親に叱られることを恐れ、ただ自分の中に閉じこもろうとする幼子のようでもあった。
そしてそれは哀れみを誘う姿でありながら、同時に嗜虐心を呼び覚ます姿でもあった。
ゴクリと、唾を飲みこむ音がどこからか聞こえる。
震える彼女のことを想うなら、あるいは一度送還して仕切り直すべきだったのかもしれない。
しかしこのときの俺は、そんなことは考えもつかなかった。
ただ下腹から突き動かすような衝動に従い、膝をついて覆いかぶさらんとするようにそっと顔を寄せたのだ。
「嫌いにならないでぇ……」
「どうして? 嫌いになんてならないさ」
俺の接近を受けて、フェイトは一層縮こまり、泣きそうな、掠れたような声を漏らす。
対する自分は、ちゃんと声が聞こえるように更に顔を近づけ、そして怖がらせないようできるだけ優しく応答することを心がけた。
「だって、私、私、こんなエッチなこと……」
もしかして、彼女は痴態を見られたというより、そんなことをしていると知られることが嫌だったのだろうか。
そんなことを言ったら、いつも醜い欲望を処理してもらっている自分なんてどうなってしまうんだと思うと、ちょっとおかしい。
でも、ここで言うべきことはそれではないだろう。
「いいんだよ、エッチになったって」
耳元でそっと囁くようにそう言うとフェイトは、えっ、と声を上げて少しだけ呆気にとられた顔を見せてくれる。
「年頃になれば、エッチな気分になったり、エッチなことしたりするのは、とても自然なことだよ。気に病むようなことじゃないさ」
「……いいの? いやらしいことじゃ、ないの?」
「いやらしくて、いいんだよ。何もおかしなことじゃないんだ」
本当に、純粋な娘だ。純粋すぎて、自分が性的な欲求を持つことについて罪悪感を抱いてしまったのだろう。それが自分以外には向かないのが不思議ですらある。
そんなフェイトに性的な世界を教えてしまったのが自分であると思うと、結構な罪悪感と共に一抹の興奮を覚える。
だけどそんなことより何より今は、目の前であられもない姿を晒す少女への劣情を抑制することで精一杯だった。
正直に言おう。
このとき俺は、欲望を完全に抑え込む気は毛頭なかった。
ただ、それを発揮するタイミングと強さを、間違っても暴発することのないよう必死に見計らっていただけである。
慌てず、急がず。少しずつ緊張の溶けつつあるフェイトの手を取って、股間の怒張に触れさせる。
「あっ……」
「ほら、わかるかい。俺だって、フェイトのいやらしい姿を見てたらこうだよ」
「え……わ、私のせいで、そうなったの?」
「ああ。フェイトがあんまりにもエッチで、可愛かったから」
目を真ん丸にして驚いていたフェイトの顔が、たちまちのうちに真っ赤に染まる。
恥ずかしがって顔を背けながら手を引っ込めようとするが、ギュッと握って逃さない。
「は、恥ずかしいよぉ……」
「おかしなこと言うなぁ。いつもやってることじゃないか」
「そ、そうだけど……あ、このままじゃ苦しいよね」
しまった、余計なことを言ったか。
スッと照れが引いて、いつもの調子で処理をしようとズボンのジッパーを下ろし始めるフェイトだったが、今日はそれで終わらせるつもりのなかった俺は、その手を差し止める。
「それもいいけど、まだフェイトも途中だろ? 手伝ってあげるよ」
そして、え? と首を傾げるのに構わず、彼女を横抱きに抱え上げた。
「きゃっ……は、葉月?」
いったい何をされるのかと不安そうにこちらを伺うフェイト。
こっちもあまり余裕がないのだが、それでも最低限、彼女に嫌な思いだけはさせるわけにいかない。
懐に抱えたままなるべく優しくベッドに寝そべると、彼女の頭を撫でながら安心させるように語りかけた。
「大丈夫、フェイトが嫌がることはしないよ。嫌なら言ってくれれば、すぐにやめるから」
「うん……」
しばらくそうしてると、徐々にフェイトから余計な力が抜けて、こちらに体を預けてくれるようになる。
どうやら完全でないにしろ、それなりにリラックスしてくれたようだ。
今の体勢は、二人で横になりながら、俺が半身になったフェイトを後ろの方から抱きかかえているような形だ。
そのまま、頭を撫でていた手を徐々に移していく。
「ん……」
頬を撫で、首筋を経由し、鎖骨の辺りをなぞる。
フェイトはくすぐったそうに身を捩るが、それに構わず更に下へ。パジャマの上から、ささやかな膨らみに到達する。
「あ……」
一瞬、驚いたように身を固くしてこちらを見るフェイトだったが、嫌? と問いかけると、大丈夫、と再び身を預けてくれた。
それに気を良くした俺は、ゆっくりと胸を揉み始める。
「大丈夫? 痛くない?」
「ふふ……ちょっとくすぐったい、かな」
成長期の胸は強く揉むと痛いらしいと聞くが、これくらいなら大丈夫のようだ。
もうちょっとだけ動きを大胆にし、俺もその感触を楽しむことにする。
まだまだ小さい、ささやかな胸の膨らみ。
でもそれは確かに、そこにある。俺の手の圧力に弾力で返し、俺の手の動きに応じて形を変える。
「んっ……!」
「あっ、ごめん。強かったか?」
「ん……ちょっとだけ。でも大丈夫」
いかん、少しばかり調子に乗りすぎたか。
でも、嫌そうにはしていない。力加減にさえ気をつければ大丈夫だろう。
今度は直に触るべく、肌蹴たパジャマの隙間から手を差し込む。
おお……おっぱいだ。布越しじゃない、まごうことなきフェイトの生おっぱいが、今、俺の手の中にある。
すべすべで弾力があって、ツンと硬い。
硬い? ああ、そうだ。小さくともその先端は硬く尖り、盛んにその存在の自己主張をしていた。
どうやら、少しは感じてくれていたらしい。ちょっと自信がつく。
ええい、片手じゃあもどかしい。
少し体勢を変え、後ろから両手で双丘を揉むことにした。
俺の手の中で、ふにふにと形を変える2つの膨らみ。
すべすべで、柔らかくて、弾力があって、このままいつまで揉んでいても飽きそうにない。
ときおり硬くなった乳首を指でつまんだり、手のひらで転がしたりもする。
俺はいきり立つ股間をフェイトのお尻に押し付けながら、彼女のおっぱいに夢中になっていた。
「んん……っ、はぁ……はぁ……」
ふと、我に返ると、フェイトの息が荒いことに気づく。
よくよく見ると、口を半開きにして、上気した無防備な顔を晒している。
「フェイト、どう? 気持ちいい?」
「わからない。わからないけど、何か、変な気持ち……」
「それが、気持ちいいってことだよ」
確かな反応に手応えを感じた俺は、いよいよ次なるステージへと挑戦することにした。
片手を胸から離し、下へ、下へと移動していく。
薄っすらと筋肉がつきスラリと引き締まったお腹をそっと一撫で。普通ならくすぐったいだけのはずだが、今のフェイトにはこれすらも愛撫となるらしく、ほぅと悩ましげに声を漏らす。
そして、いきなりズボンの中に突っ込みたいと逸る心を抑えながら、まずは服の上から股間を指でなぞった。
「ひゃぁっ」
そこは、パジャマ越しでもわかるくらい、しっとりと湿っていた。
「は、ははは葉月、そ、そこは」
「どうした? いつもフェイトがやってくれていることと、同じだろう?」
「あ……そっか。それも、そうだね」
そう、これはいつものお礼のようなもの。欺瞞だらけの言い訳な気はするが、彼女も納得してくれたので良しとしよう。
だから、今度はパジャマ越しでなく、ズボンの中に手を入れるのも道理である。
「ん……ん、んんっ」
直に触ると、濡れた布地がぴっちりと張り付いて、パンツの上からスジの形がくっきりと浮かび上がっていることがわかる。
思えば召喚する前から自分で弄っていたわけで、早々に出来上がっていたのだろう。
指先でスジに沿ってなぞってやると、気持ちよさそうに、でも何かを堪えるかのように口をギュッと結ぶ。
それが嗜虐心をそそるのでちょっとした悪戯心で手を離してみると、今度は残念そうな顔で、あっ、なんて声を上げた。
少し面白くなってきて、趣向を変えて太腿をさすってみる。
すべすべと滑らかで、とてもいい感触だ。こういうのを絹のような、と呼ぶのだろうか。しなやかで瑞々しく、これはこれで癖になりそうである。
「葉月ぃ……」
と、そんな風に遊んでいたら、懐から上目遣いで見上げてくるフェイトの姿。
「ん? どうしたんだい、フェイト」
「うう……意地悪しないでぇ……」
「と言われてもなぁ。はっきり言ってくれないと、こっちもわからないよ」
思わず、わざと焦らすように太腿の上を滑らせながら手を秘所に近づけたり遠ざけたりしてしまう。
今の俺は、きっととても悪い顔をしていることだろう。フェイトが可愛すぎてニヤニヤが止まらない。
「お願い……もっと、触って」
「触ってって、ここ?」
「違うよ、もっと上ぇ」
「ここかな?」
「そっちじゃなくて、うう……葉月の、バカ」
「ごめん、ごめん。フェイトが可愛くって、つい」
さすがにやりすぎたのか、むくれて黙り込んでしまった。
イジメたいわけじゃないんだから、これは良くなかった。反省の意を込めて、頭を撫でながら額にキスを落とす。
「あ……」
お詫びというわけじゃないが、ここからはもう遠慮はやめてどんどん行こう。
まずはさっきから太腿やらお腹やらをさすっていた右手を、パンツの中に潜り込ませる。とうとう指先に直に触れる、ぬるぬるの割れ目。浅く指を入れて上下させると、心なしかにちゃにちゃと音が聞こえる気がする。
「ふわぁっ……あっ、そんな、直接なんてぇ」
左手はおっぱいをホールドだ。しっかりと握りながら、ピンと尖った乳首を重点的に弄る。
「あっ、いやっ、だめ。葉月ぃ……私、変だよ。変になっちゃうよぅ……」
「いいんだよ、変になったって。どんどん変になろう」
「ふわっ……あっ、あっ……んんっ!?」
俺の手が動く度に、ピクピクと敏感に反応を返すフェイトの姿が、たまらなく情動を誘う。
真っ赤にしながら、だらしなく口を半開きにした顔で無防備に体を預けてくる姿が、言葉にできないほど可愛い。
そんな姿を見ていたら、気づいたときにはもう彼女の唇を奪っていた。
「んんっ……! ん、んむっ、んんー……っ!!!」
こちらも夢中で、唇いっぱいに広がる柔らかい感触も後から思い出すまで実感がなかった。
そしてこのキスが最後のトリガーになったのか、ビクビクと震えて硬直するフェイト。暫く後に脱力。
どうやらイッたらしい。腕の中で荒い息を吐くフェイトを見てると、自分の手で絶頂させたという満足感と達成感が漲ってくる。
しかし同時に、キスをしてしまったという罪悪感からも目を逸らせない。
きっと初めてだったろう。勝手にしていいことじゃなかったはずだ。
「フェイト……ごめん」
「はぁ……はぁ……、葉月? どうしたの?」
「その、キス」
「あ……」
言われて、やっと気づいたと言わんばかりの様子で、フェイトは口元を抑える。
でも、そこからの変化は予想とは大きく異なった。てっきりショックを受けるとばかり思っていたのだがそんなことはなく、ふんわりと微笑みかけてきたのだ。
「うん……ううん、謝ることなんて、ないよ。葉月なら、嫌じゃないし」
ドキン。
思わぬ不意打ちに、心臓が跳ねる。
フェイトといると心臓に悪い発言は珍しくないが、これはその中でもとびっきりだ。
「キスなんて初めてだったんだろう? 俺で、良かったのか?」
「うん。さっきも言ったけど、葉月なら嫌じゃないよ。ううん、そうじゃなくて……葉月がキスしてくれて、嬉しい、かな」
はにかんでの追い打ちが、俺を襲う。
舌の根も乾かぬが、さっきの発言は撤回しよう。これこそ、とびっきりだ。
こうなってしまっては、もう俺は自分に嘘をつくことはできない。
世界が違うとか、歳が離れているとか、そんな言い訳なんて全て吹き飛んでしまった。
ましてや、フェイトにここまで言わせて自分は黙っているなんてできようはずもない。
だから、これは俺が言わなければならない言葉。
「フェイト……俺も、嬉しい。フェイトと初めてのキスができて。それをフェイトも喜んでくれて。こうして心を許してくれて。いつも助けてくれて、いつも挫けそうになる俺の心を支えてくれて、すごく感謝している。そして、それ以上に」
じっと目を、綺麗な紅い瞳を見つめて、何とかこの想いを届けようと言葉を紡ぐ。
「好きだよ、フェイト」
言うやいなや、腕に力を込めてギュッと抱きしめる。
強すぎるかもしれないが、こうでもしないと自分を抑えられる気がしない。
油断をすれば、すぐにでもフェイトをメチャメチャにしてしまいそうだ。
最後に見たフェイトの顔は、呆然といったていだった。
性急に過ぎただろうか? これで拒絶されたら、正直なところこの迷宮で一人生きていける気がしない。
今になって怖くなってきて、ますます腕に力が込もる。
「…………」
沈黙が心に痛い。
恐る恐る様子を伺ってみると、そこには滂沱の涙。
「フェ、フェイト……? ごめん! 嫌だったなら忘れても……」
本当は忘れられたくなんてない。
だけど、嫌がられたり離れられたりすのはもっと嫌だ。
「ううん、違うの。そうじゃなくて、嬉しいんだ。葉月が、そんな風に思っていてくれたなんて……」
一拍を置いてから、満面の笑み。
「私も、好きだよ。葉月」
ああ、こんなに嬉しいことがあるだろうか。
今の俺には、腕の中のフェイトが愛おしくてたまらない。
「フフ。あんまり力を入れると、痛いよ、葉月」
それと、と付け加えるフェイト。
「さっきからずっと硬いのが当たってるけど、苦しくないの?」
……うん、正直に言おう。苦しい。
もっと言うと、当たってるんじゃなくて当てているが正確だったりする。押し付けていたとも言う。
更に言うと、実は一度、暴発していた。フェイトにキスしたあたりだったか、それとも告白が受け入れられたときだったか……もはやよく憶えてないが、興奮のあまり発射してしまっていたのだ。
にも関わらず、未だに硬度を保ったままでもあったりする。
もどかしくて、切なくて、欲しくて、それをずっとフェイトのお尻あたりにこすりつけていたのだった。
「わっ……どうしちゃったの、これ」
「いや……何というか、フェイトが可愛くて、つい」
お言葉に甘えていつものように処理してもらうことにしたところ、当然のごとく取り出されたモノは惨憺たる有様だったわけで、フェイトも驚き、困惑しているようだ。
恥ずかしいが、ここは事実を説明するしかない。すなわち、フェイトが可愛くて愛おしくて欲情してしまったということだ。
「えっと……これも、私のせいなんだ」
可憐な右手でそそり立ったナニを握りながら、つぶやくフェイト。
何事かを考える素振りを見せながら、その視線はじっと手の中のモノに向いている。
「ねぇ……葉月。男の人って、その、好きな人のお腹の中に入れたいって思うものなんだよね? 葉月も、私の中に入れたいと思うの?」
「え……そりゃあ、まあ……」
恥ずかしそうにためらいながらも、上目遣いにこちらを伺いながら、過激な質問をしてくる。
実に答えにくい内容であるが、嘘をつくわけにもいかず正直に答える俺。
そして、それを受けて決意を露わにしたフェイトは、おずおずととんでもないことを切り出してきた。
「そっか……うん。葉月がそうしたいなら、しても、いいよ?」
ちょっと待て、待ってくれ。
ステイ、ステイだ。思わず押し倒しそうになったが、ちょっと待て。
フェイト、君は本当に意味がわかっていてそれを言っているのか?
とても、切実に魅力的な提案だけど、そう軽々しくやっていいことじゃないんだぞ?
「本当に全部わかっているのかって言われると自信ないけど、軽々しく言ったつもりはないよ?」
「私は、葉月が好き。だから、そういうことするならやっぱり葉月がいい」
「それに……その」
胸を張って堂々と宣言する様に、こちらの頬が紅潮するのを感じる。
一方のフェイトは、一度ここで言葉を切ると、あちらもカッと染まった顔を背けてか細く囁いた。
「私も、ちょっと興味あるし」
よく見ると、股間をすり合わせるようにもじもじしている。
さっきの絶頂の余韻が残っているのだろうか。
いずれにしろ、もう辛抱たまらなかった。
「フェイト!」
「きゃっ!?」
ガバリと飛びついて、今度こそ本当に押し倒す。
全身でフェイトの熱を感じる。
早く、早く挿れたい。
「は、葉月? ちょっと落ち着い……んむっ!?」
フェイトが何か言おうとしていたようだが、口を塞いでしまったのでよく聞こえなかった。
今度はただ接触させるに留まらず、唇をこじ開けて舌を差し込むと、乱暴にフェイトの口内を蹂躙する。
「んぐ……じゅり……じゅる……」
いきなりのことで混乱していたのだろう、なされるままになっていたフェイトだったが、暫くすると彼女の舌も応えだす。
いや、本当はびっくりして押し返そうとしていただけかもしれない。でもそんなことを斟酌する余裕もなく、絡み合う舌を丹念に味わった。
十分に満足すると、いや、どれだけ続けても満足なんてできそうにないのだが、それ以上に先に進みたい一心で口を離すと、まずは手早く服を脱ぐ。
彼女との間にある布地が、邪魔で仕方がない。脱ぎ捨てた服を乱雑に横に放っても未だフェイトは混乱から覚めやらず呆としたままであったので、これ幸いとフェイトの服も脱がしてしまうことにした。
「あ……」
既にほとんど脱げかけていた上は、袖から腕を引っこ抜くだけで済んだ。
そしてズボンとパンツはまとめて、一気に引きずり下ろしてしまう。
覆いが剥がされ露わになった、一筋の割れ目。粘着質な液体に濡れてらてらと光を反射するそこは、風呂場で見たときと比べると少し開いているようにも思える。
まことに眼福であり、目の毒だ。もっと見たい。
直近の欲望に従い、ズボンとパンツも完全に取り去って放ると、俺はフェイトのあそこにむしゃぶりついた。
「ひゃあっ!? そ、そんなとこ、舐めちゃ駄目ぇ!」
俺の肉棒は舐めておいて何を言い出すのだろう。
委細構わず舌を割れ目の中に差し込み、フェイト自身を味わう。
「ふわぁぁぁ! ダメェ、おかしくなっちゃうぅぅ」
それは決して美味などではないのだろうが、今の自分にはマトモな味覚など働いていない。
何よりも甘露としか思えず、ますます興奮を募らせた。
それに、舌の動きに反応してフェイトが悶える様が、またたまらない。
もっと、もっとだ。もっと欲しい。
衝動が命じるままにフェイトの膝を掴み、大きく開かせた脚の間に割り込む。
そしてはち切れんばかりに膨らんだ亀頭を割れ目にあてがうと、一気に貫かんとばかりに腰を押し出した。
「~~~~~っ!?」
しかし、上手く入らない。
入り口付近で引っかかるような抵抗を感じた後、ぬるりと滑って外れてしまう。
くそっ、なんで入らない。もう一度だ。
何とか強引に入れようとしゃにむに力を込めるが、どうしても上手くいかない。
先端が擦れるのが気持ちよくもあるが、今欲しいのはこれではない。
焦りのあまり動きが荒くなり、余計に上手くいかなくなるという悪循環にハマっていた。
「ぐぎぃ……っ!」
と、そこでようやく、フェイトが苦痛に満ちたうめき声を上げていることに気づく。
先程までの柔らかな顔はどこかへと消え失せ、歯を食いしばって必死に声を出さないようにしているフェイト。
手は硬く握り拳を作り、全身ガチガチに固まっていた。
俺は一体、何をしていたのだろう。
確かにフェイトが欲しかったが、だからと言って決して彼女を苦しめたいわけじゃなかったのに。
「ど、どうしたの、葉月? 私なら、大丈夫だから。好きなようにして、いいよ」
動きを止めた俺を訝しく思ったのか、フェイトは息を絶え絶えにしながらぎこちなく笑いかけてくる。
こんな無理をさせてしまうなんて、俺は最低だ……。
「ごめん、フェイト。もう、やめよう」
「葉月……?」
「ごめんな、怖い思いをさせて。こんなつもりじゃなかったのに、自分で自分が情けないよ」
今度は傷つけないように、そっと優しく、正面から抱きしめた。
せめて傷つけてしまった少女をいたわりたくて、頭を撫でながら謝罪の意を伝える。
「今日のところは、ここまでにしておこう。フェイトに痛い思いをさせてまでやることじゃない」
「フフ……やっぱり葉月は、優しいね」
優しい? こんな自分勝手な男の、どこが優しいというのだろう。
「そういうところだよ。葉月がすごく大変なことになっていたのは、見ればわかるよ。でも、それでも私のことを優先して止まってくれた」
そんなんじゃない。自分はただ、欲望に流されて暴走していただけだ。それで危うく大事なものを傷つけるところだったというのに。
「それ以上は言わなくてもいいよ。私なら大丈夫。だから、最後までしよ。ね?」
……まったく、本当に俺は情けないな。
この期に及んでフェイトに、歳下の少女に気を使わせてしまったらしい。
だけど、ここまで言わせてしまっていつまでもウジウジとしていられない。自分も覚悟を決めよう。
なるべく痛くないように気をつけて、事を済まそう。
自分のためにも、フェイトのためにも。
笑いかけるフェイトに一つキスを落とすと、再び割れ目に肉棒をあてがった。
「なるべく優しくするから、フェイトも力を抜いて。緊張すると痛いはずだ」
「うん……こうして見ると、やっぱり大きいね。本当に入るのか、ちょっと不安になってきたかも」
冗談めかした口調ながら、少なからぬ緊張を感じられる。
さっきのこともあったし、そうでなくとも初めてのこと。やはり恐怖心は拭えないのだろう。
「……やっぱりやめておくか? 無理しなくていいんだぞ」
「ううん、大丈夫だよ。変なこと言ってごめんね」
少し迷ったが、ここでやめる方が彼女は気にするはずだ。続行を決断する。
さっきの反省を基に、亀頭でまさぐって慎重に挿入すべき箇所を探すこと暫し。
目的の場所を見つけても、慌てて押し入るようなことはしない。
膣口付近で前後させ、強張りを解きほぐすことから始めた。
「んん……ふぁっ……んっ……」
「どう、痛くない?」
「うん……むしろ、気持ちいい、かな」
徐々にフェイトの体から力が抜けていくのがわかる。
それを見計らい、少しずつ奥へ、奥へと腰を押し進めていくことにした。
「いっ……んんっ!」
狭い入り口をゆっくりと押し広げて、先端部分が埋まっていく。
まだまだ始まったばかりだが、この時点でもかなりきつい。
閉じているものを無理やりこじ開けているようで、取り返しのつかないことになるんじゃないかと不安になってくる。
ともすれば、無理に押し開かれたそこがミチミチと音を立てているような錯覚すらある。
同時に、まだ先端部分だけとはいえ、フェイトの膣口に締め付けられる感覚がとても気持ちいい。
油断すればまた暴走してしまいそうだ。
でも、フェイトの苦悶に満ちた表情を見てしまうと、とてもそんな気にはなれない。
さっきもそうだったが、彼女は痛い時には、悲鳴を上げぬよう口を閉じ、我慢してしまうようだった。
「フェイト、そんなに我慢しなくていいんだ。痛いなら痛いって言っていいし、やめたいならいつでもやめるから」
「う……ん、ありがとう。葉月も、我慢しなくて、いいんだからね」
涙を浮かべ、はっ、はっ、と苦しそうに息をしながらも強がるフェイトを少しでも楽にしてやりたくて、せめて気を紛らわせようと抱擁し、頭を撫でてやる。
肝心の結合部の方は、すっぽりと亀頭が収まったあたりで、幾ばくかの抵抗を感じていた。
さあ、いよいよここからが本番だ。
なるべく負担をかけないようにするには一気に破った方がいいのか、ゆっくりやった方がいいのか。それはわからなかったが、一気にやるのは怖くもあったため、それまで通り少しずつ挿れていくことにする。
「あ……ああ……あああっ!!」
ブチブチと何かを貫いた、ような気がした。
フェイトは俺の首元に力いっぱい抱きついて、しがみついてくる。
きっとかなりの苦痛があるのだろう。でもやめてと言わない限りは、もうやめる気はない。
だからごめんな、もう少しだけ我慢してくれ。
俺は上半身でフェイトをしっかりと抱きかかえながら、肉棒を一番奥底まで押し込んだ。
「あぁぁぁぁぁあああああっ!!」
悲痛な叫びが部屋内に響く。
申し訳ないと思うと共に、それすらも興奮材料になる我が身が少し恨めしい。
フェイトは体が小さい。
当然、膣も相応に小さいわけで、俺のモノは全部が入りきってはいない。
そしてその締め付けはきつく、痛いほどだ。
フェイトが落ち着くのをじっと待ちながら、俺は密かに、フェイトの中の感触を堪能していた。
「ああぁ……はぁっ、はぁっ……」
フェイトの呼吸が整うにつれて、それまで押し潰さんばかりだった締め付けに、少しずつ余裕がでてきたことがわかる。
大丈夫か? と問うと、もうちょっと待って、と返ってきたので、もう少し待つことにする。
「はぁ……はぁ……。すごい……お腹の中が、葉月のでいっぱいだ」
「こっちは、フェイトに包まれているようだよ」
「ふふ……そっか。なんか嬉しいな。……んあっ!」
いけない、つい少しばかり動かしてしまった。
「はぁっ……大、丈夫。んっ、さっきより、ずっとよくなったから。動いて、いいよ」
その言葉を受け、ゆっくりとであるが抜き差しを開始した。
ゆっくりと、ゆっくりと、ギリギリまで引き抜いてから、また奥にぶつかるまで挿入。
抜いたときに滴り落ちる血が目につき、ああ、自分はフェイトの初めてを貰ってしまったんだなとあらためて実感する。
「はっ……ふぐっ……ああ……んっ」
痛いだろう、苦しいだろうに、それを懸命に堪えてしがみついてくるフェイトが、たまらなく愛おしい。
なるべく早く終わらせてやりたいが、速度を落とすと時間がかかるのが二重の意味でもどかしい。
「大丈夫、痛いだけじゃ、なくなってきたから。遠慮しない、で」
そうは言ってもやっぱりまだ痛そうにしており、あんまり無茶はできないだろう。……などと思っていたはずが、無意識の内に少しずつ、少しずつと速度を上げていく。
気がつけばフェイトへの気遣いなんてどこへやら、全力で腰を振るっていた。
しかし気づいても今更だ。もうここまで来ては止まりはしない。
何度も何度も、フェイトの蜜壺へと肉棒を出し入れし、中を掻き回し、奥を突いた。
「フェイト、フェイト! 好きだ、フェイト!」
「うん……、うん!」
もはや自分が何を口走ったかもわからない。
ただ無我夢中で、高まる迸りをフェイトの中へと注ぎ込んだ。
全身が強烈な快楽で溶け、頭の中が真っ白になる。
その快楽は尿道を通り、フェイトの膣内へとビュクビュクと放出され続ける。
本日二度目の射精だというのに、全然止まる気がしない。体感的には、かつてない量を発射していた。
「ああ、ああ……私の中で出てる、すごい……」
終わった後、暫くの間はお互い何も喋らず、黙って抱き合ったまま横になっていた。
俺も彼女も、この雰囲気に浸っていたかったのだろう。
それから体が冷えてくるにつれて、一言二言、ポツポツと言葉を交わし始める。
痛くなかったか? 大丈夫だよ。葉月は気持ちよかった? 最高だった。それなら良かった。
ゆったりとした時間に終わりを告げたのは、どちらかが放ったクシャミ。
気づけばすっかり冷えた体液が、二人の体にベトベトにくっついていた。
「えへへ、汚れちゃったね。お風呂、入ろうか」
そのフェイトの提案に俺はキスで応えると、彼女を抱き上げて二人で風呂場へと行くのであった。
風呂場では洗いっこなどして過ごした。そこでまた元気になってしまって、口で抜いて貰ったのはご愛嬌だ。
風呂から上がった後は、二人で一緒にベッド(新しく買って置き換えた)に潜った。
召喚時間のことを考えれば、本当は送還すべきだというのはわかっていた。
だけどどうしても離れ難くて、せめて寝るときまでは一緒にいたかったのだ。
そして、そのとき俺は、ある決意をフェイトに伝えた。
「え……それじゃあ葉月、迷宮の探索をやめちゃうの?」
「やめるわけじゃないよ。ただ、今までより優先順位を落として、もっと安全性を重視しようと思う」
「危ないことが減るのは嬉しいけど……でも、どうして。あんなに頑張ってたのに」
「それは、君がいるから」
「……え?」
家族に会いたいという気持ちは、今も変わらずある。
だけど、もう命を賭してまで、見込みがあるかすらも怪しい迷宮に挑むことなんて、できやしなくなっていた。
これはただフェイトと一緒にいたいとか、そういう話ではない。
もちろん、フェイトと一緒にいたいのは確かだ。そして同時に、フェイトを置いて逝くわけにはいかないとも思う。更に付け加えれば、首尾よく帰る方法を見つけたとして、自分はそのとき帰ることができるだろうか? フェイトと二度と会えなくなる覚悟で。
それだったら、ここに居た方がマシ……とはとても言えないが、それでも帰る方法を探す理由が、動機が弱くなってしまっていたのも確かだった。
とはいえ、座して死ぬまでここに居続けるわけにもいかない。そもそも、いつまでここで安穏として居られるかもわからない。
だから、何らかの形でこの迷宮から脱出する方法を探すことだけは、やめるわけにはいかないだろう。
ただそれは、今までのように死の危険と隣合わせで闇雲に突き進むものではなく、もっと慎重に、そして迷宮の主の裏をかくような道を探すことになるだろう。
例えば、召喚できるなら
「ごめんね、ごめんね」
この話をしたら、フェイトは泣きだしてしまった。
泣かせたかったわけではないのだが……。
泣きじゃくりながら、つっかえつっかえフェイトはその思いを語ってくれた。
「葉月はずっと頑張ってたのに、私がいたから、それを諦めちゃったんだよね」
それは違うぞ。フェイトがいたからこそ頑張れたんだし、フェイトがいるからまた違う道を選んだだけだ。
「つまり、私のせいで葉月は帰れなくなったのに、喜んじゃいけないのに、でも、嬉しいの。酷いよね、こんなこと」
酷いことなんてあるものか。フェイトが喜んでくれるなら、俺も嬉しい。
「葉月、いっつも危ないことしてて、すごく心配だった。でも、これからはそういうことも減るんだね」
なくなるわけじゃないけどね。俺も死にたくないから、そこは最大限に気をつけるつもりだ。
「そして何よりも嬉しかったのは、私の世界に来てくれるんだよね」
……うん、まだ全然方法もわからないし、上手くいくかどうかもわからないけど。
「それでもいい。ずっと、いつか帰っちゃうんだって思ってた。お別れすることになるんだって。だけど、それがなくなって、ずっと一緒にいられるかもしれないなんて、すごく嬉しい」
俺も、フェイトとずっと一緒にいたいよ。
「うん……ありがとう。ごめんね、私のせいで帰れなくなって。ごめんね、それを嬉しいだなんて思っちゃって」
いいんだよ。それもこれも全部、俺が勝手に決めたことだ。
こちらこそ、いつもありがとう、フェイト。
君が来てくれたから、俺はここまで生きてこられた。
君が居てくれるから、俺はこれからも生きていける。
君と居るためなら、俺は何だってやれる。
大好きだよ、フェイト。
その日はそのまま、二人で抱き合って眠りについた。
翌朝、目が覚めるともうフェイトはいなくなっていた。
ディレイが明ければまた呼び出せるだろうけど、やっぱり、悔しい。
一刻も早く、彼女のところへ行ける方法を探さねばならないと、あらためてそう決心する。
きっと昨晩を境にして、俺はそれまでとは致命的なまでに違ってしまったことだろう。
だけど、それを後悔することはない。
俺はもう、フェイトと生きていくことを決めてしまったのだから。
これで終わりです。
快く公開の許可をくださった風鈴さん、ありがとうござました。
追記
誤字報告ありがとうございます。
ひどい恥ずかしい間違いをしてしまった……なんで青だと思ったんだろう。