翌日。街で休息を取る事の出来たハクは回復した身体でイオ達と共に第二区画の最奥へ戻って来る。そこにはカリプソが待ち構えており、イオ達の登場に。そしてハクの登場に彼女は無表情のまま近づき始めた。
「私。貴女に酷い事した……ごめん」
「ん。……仕方、無かった」
モンスター娘達は一様におかしくなり、そのせいで襲い掛かってきている事をハクは理解している。故にしっかりとされた謝罪を受け入れた。宿ではインプやエルフにも謝られており、カリプソも無表情ながらしっかりと反省しているのを誰もが見て分かる。
第三区域へ続く道へと導いたカリプソ。本来であれば管理者として残るべきなのだが、ラテと同様に彼女もモンスター娘達を元に戻す戦いへ同行する事になった。主な目的は罪滅ぼし……ラテと同じく、ハクに対する償いの意である。
第6話・翼に抱かれて……グリフォン編
第三区画は遺跡と植物の目立つとても暑い場所であった。水辺から一変して温度が変わった事で全員が少し怯む中、空を何かが飛行する。それは一行の頭上を大きく旋回しながら様子を伺い始め、やがてその動きを止める。……大きな翼を生やしたモンスター娘、グリフォン。彼女はイオ達を見つめて明らかな敵意をむき出しにする。未だ嘗てない程の殺気はその場に居る者たち全ての心を恐怖で支配した。
「人間が何でここに居るんですの? 殺しますわよ?」
「な、なによコイツ……なんでアタシ、身体が震えて」
「不味いのぅ……これは、わし等死んだかもしれんな」
グリフォンは本来、ワルキューレ同様に封印区で封印される程の強すぎる力を持つモンスター娘。それが第二区画から入れる入り口で徘徊していたのは運が悪かったとしか言い様が無かった。戦わなくても分かる力量差。絶対に今の自分達では歯が立たないと分かり、だが足が竦んで逃げる事も敵わない。……過去に色々な存在と遭遇した事のあるハク以外は。
「あら?」
「……」
「なるほど、良いですわ。アタシを前に一歩前へ出る貴女の覚悟に免じて、お仲間は見逃して差し上げますわ」
「は、ハクちゃん……!」
「……大丈夫」
イオ達から一歩大きく前へ出て、1人でグリフォンと相対したハク。今までの経験から自分がどんな風に彼女達から見られるのか分かった上で、それは仲間を守るための行為であった。予想通りグリフォンはハクを前に優先事項を変える。人間であるイオとその仲間達を皆殺しにするのを止めて、ハクを連れ去る事にしたのだ。
ハクが後ろから掛けられる声へ静かに返した時、目の前に立ったグリフォンが大きく翼を広げる。そしてハクの身体を包み込むと、その中でハクを両手で抱きしめながら空へと舞い上がった。連れ去られたハクに伸ばす仲間達の手は当然届く事もなく、イオ達は唯々ハクの無事を祈る事しか出来ない。
グリフォンに連れられて、ハクは封印区にある彼女の巣へ連れて来られる。昨日の出来事で抵抗が無駄である事を嫌でも理解していたハクは、どうやれば正気に戻せるのかを考えていた。全て絶頂してから発生する光が解決している。それを自在に扱う事が出来れば、襲われずとも解決出来るのだが……その方法は全く分かっていない。
「さて、アタシに奉仕するのですわ。ちゃんとしないと、後が怖いですの」
「……」
「お返事は?」
「は、い……」
一瞬向けられる強さ。殺気とは違う、ただその強さを示す行為であってもハクに恐怖を与えるには十分であった。歯向かう事は許されない。そんな状況で、グリフォンは再びハクを翼で包み込んで……脱ぐ様に命令する。至近距離で自ら脱ぐ姿を見ようとしているのだろう。ハクは言われるままに、着ていた服を脱ぎ始めた。
「あら、随分と可愛らしい下着ですわね?」
「……友達、の」
「あそこに居た誰かですわね。青と白の縞々とは、分かっておりますわね。……手が止まっていますわよ?」
昨日とは別の下着を見られて恥ずかしがるハクを前に、グリフォンは楽しそうに告げる。だが下着姿になって止まったハクを見て、更に脱ぐ様に告げる。つまりは裸になれと言う事であり、ハクはその言葉に自然とゆっくりになりながらも背中に手を回した。
「待った。やっぱりそのままでいいですの。最後はアタシが脱がした方が楽しそうですもの」
そこで手を出してハクの腕を掴み止めたグリフォンは、ハクの背中に手を回してブラジャーのホックを外す。ゆっくりと取れば、見える様になった乳房を前に少し興奮気味に頬を染めた。そして続けてグリフォンは命令する。『アタシの服を脱がすのですわ』と。
ハクは言われた通りにグリフォンを脱がそうとする。胸は曝け出したまま服に手を掛ければ、自然と動く事で胸は揺れて時折腕や身体にハクの肌が擦れる事でグリフォンの気分は昂ぶり続けていた。下着姿にまで脱がされた頃には鼻息も荒くなっており、口調や見た目はお嬢様の様であってもその様子は少女に興奮する正に変態である。
「アタシのファーストキスを差し上げますわ、光栄に思いなさい」
「……ん、むっ……はむっ」
ハクの肩に両腕を置く様にしてから、その小さな身体を引いて距離を0にしたグリフォンは口付けをする。すると翼は羽ばたく様にして動き始め、その柔らかな羽毛がハクの身体を優しく撫で始める。手の刺激とは全く違うもどかしくもこそばゆい刺激にハクは身悶えするが、グリフォンはハクが距離を取る事を許さない。
グリフォンはハクを撫でる内、その背中に小さな羽がある事に気付いた。それはハクにとって最大の弱点であり、付け根が敏感なのはグリフォンも同じ事。だが上手くそこを刺激すれば、女性に共通する大事な場所以上の快感を与える事が出来る事も分かっていた。だからこそ、彼女は優しく自身の羽毛でハクの羽に触れる。
「んっ! そこ、は……」
「分かっていますわ。アタシに任せて、気持ち良さだけ感じるんですの」
「ひっ! あ、ぅああぁ!」
今まで羽を刺激される事は少なかった。襲い掛かってる相手に対してもそこは止めて欲しいと言い続け、聞いてくれる存在が殆ど。例え話を聞かない相手にしても、羽を触るメリットを基本知らない相手故に弄って来る事は無かったのだ。だが羽の刺激を知るものだからこそ、余計にそこをグリフォンは攻め立てる。優しく撫でる様に、羽先で根元を突く様に。
「こん、なの……っ!」
「最初は刺激が強いですが、慣れれば癖になりますの。こうやって、こちょこちょ」
「ひぅ! 頭……痺、れて……!」
未だ嘗てない刺激はハクの頭をおかしくする。瞬く間に追い詰められる中、グリフォンは直接的な刺激としてハクの乳房にも手を伸ばし始めた。弄ぶ様に下からゆさゆさと揺らしながら、羽先で変わらずにハクの羽を刺激する。羽よりも経験のある直接的な快感が加わった事で、ハクの身体は絶頂へと一気に近づいた。
「イクのですわ。アタシの手で、羽で!」
「ひ、ぁ! あっ! イ、ク……~~~~っ!」
ハクの身体が大きく痙攣する。絶頂の瞬間は押さえ込む様に羽がハクの身体を包み込み、グリフォン自身の身体へ押し付けていた。小さな身体の痙攣を全身で感じるグリフォンの表情は何処か恍惚とした表情に変わる。
「ふぅ……ふふ。良いですの。この調子でもう一度……あら?」
自身の周りに生まれた光。それに囲まれたグリフォンは首を傾げて、その輝きに飲まれた。
「ティピカ、この区画で探して欲しい子がいるんだ」
「ん? 何々、どんな子なの? モンスター娘?」
「厳密には違うんだけど、純粋な人とも違うというか……とにかく小さな女の子なの」
第三区画の管理者、マンドラゴラのティピカを正気に戻したイオ達は彼女に連れ去られたハクを探してもらおうとする。ハクの特徴などを聞いた彼女は第三区画内を探り……やがてその存在を無事に見つけ出した。が、それと同時に焦り始める。
「やばいやばい! 確かに居るけど! それっぽいかなり可愛い子が居るけど、なんか凄いのと一緒なんですけど!?」
「あのモンスター娘」
「頭に刻印はあるんですか?」
「いや、無いよ。っていうか、移動してるっぽい。……あれ?」
ティピカは首を傾げる。先程焦っていた様子に続けて、途轍もない冷や汗を流し始める姿に全員が不安を抱いた。そしてティピカは錆びついた金具を動かす様に音が出そうな程の振り返り方をして……空を見上げる。
「超速でこっちに来てるぅー!?」
「お通りですのーっ!」
「ぬぇー!」
その言葉と同時に全員の間を目にも止まらぬ速さで何かが通り抜けた。余りの速さに風圧が襲い掛かり、小さなオットンは軽々と空へ吹き飛ばされた。目元やスカートを庇いながら、通り抜けた何かを確認しようとしたイオ達。ティピカはそんな彼らに告げる。
「今の、探してた子だよ。モンスター娘と一緒だったみたい。……第四地区に入ってっちゃった」
「お、追いかけないと!」
恐らくグリフォンに連れられたハクが第四地区へ入ってしまった事を知り、イオ達は急いで後を追い掛けるのだった。