※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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【モエクロ】 最終話・藍綬編☆

 モンスター娘達がおかしくなった元凶、イオの負の感情である煩悩が具現化した存在。第六区画にそれを倒しに向かった一行は新たな仲間と共に最後の戦いへ挑む。

 

「ちょ! 止めっ、もう攻撃をやめろー!」

 

「うるさい! 全部あんたのせいなんだから!」

 

「死に晒しなさい!」

 

「お前は絶対に許さない」

 

「……これが決戦?」

 

「一方的な虐殺、じゃな」

 

 相手は強敵。そう聞かされており、実際にそうだったのだろう。だが正気に戻ったモンスター娘の方が何倍も強く、ジズやワルキューレといった封印される程の力を持った者まで居る状態での戦いは相手に攻撃すらも許さなかった。言葉を発する事も許さずに切り、叩き、薙ぎ払い踏みつける。感情を相手にするのは難しい事だが、実体化してしまったのが運の尽きだったのだろう。自分たちがハクを襲った原因が別にあり、それが目の前に居て倒しても良いと聞かされたモンスター娘達はもう止まらない。

 

「普通、ラスボス戦って苦戦しながらやっと勝つものじゃ……」

 

「最強装備を揃えた上にレベルを上げ過ぎた結果、決戦の相手が雑魚に成り下がった様じゃのぅ」

 

「御母上様」

 

 もう煩悩が哀れに思う程の光景を眺めていた時、イスターシャは1人のモンスター娘に声を掛けられる。それはこの第六区画の管理者であり、雪女のモンスター娘・藍綬。イスターシャがハクを飼っていた時、その世話係を主に勤めていたモンスター娘でもある。その立場上、ハクと誰よりも仲が良かった。

 

「あの子は来ていないのですか?」

 

「ハクなら宿じゃ。昨日無理をさせ過ぎたのでな……」

 

「宿……セクレンドの街にある宿屋で間違いないですか?」

 

 藍綬はハクの居場所について確認をする。イスターシャがそれに肯定すれば、お礼を言った彼女はその場を離れた。……誰でも察する事が出来るだろう。ハクの元へ向かったのだと。

 

 

最終話・冷たく暖かい抱擁……藍綬編

 

 

 宿で借りた自分の部屋にあるベッドで寝込んでいたハクは、扉がノックされた事で布団から顔を出した。ハクの声で返事をしても扉越しには届かない。それが分かっているのか、ノックをした本人は『入りますよ』と告げて扉を開いた。現れるその姿にハクの目が見開かれる中、入室した者はゆっくりと傍へ近づき始める。

 

「お久しぶりです」

 

「……藍綬」

 

「お元気、では無いようですね。ですが無事で何よりです」

 

 ベッドのハクに背を向けながら腰掛けた藍綬は、ハクの頭に優しく手を置いて撫で始める。その様子は母が子を、姉が妹を愛する様な家族愛に溢れていた。

 

「お話、聞かせてはいただけませんか?」

 

「……ん」

 

 離れていた間、ハクは何をしていたのか。それを藍綬は聞きたがる。ハクは嫌な様子も見せずに頷いて、イスターシャの元を離れてからあった出来事を言葉数少ないままに話し始めた。レーチェとの出会い、イオとリリアとの出会い。世界がおかしくなってからレーチェに襲われて、その後数多くのモンスター娘に襲われながらも彼女達を正気に戻していった事。

 

「大変だったのですね……ですがもう、苦労する必要はございません」

 

「……勝った?」

 

「はい。貴女が元に戻した彼女達のお陰で」

 

「……そう……」

 

 何を言うでも無く、見つめ合う2人はやがてその距離を0にする。無言で想い合った2人の口付けはとても濃厚なものであり、雪女である藍綬は熱く。彼女の冷たい身体を感じたハクは心地良い暖かさに包まれる。布団が剥ぎ取られてそのまま藍綬は上半身をハクに覆い被さる様に身を乗り出した。

 

 藍綬が優しくハクの髪を撫でる。ハクも同じ様に藍綬の髪に触れて、また何も言わずに2人は口付けを始めた。藍綬は口付けをしたまま自ら着ていた着物に手を掛け始め、やがて生まれたままの姿になってからハクの身体を改めて抱きしめて情熱的な愛し方を始める。口だけでなく、首元や胸、腹部にも口付けを始めたのだ。

 

「ずっと、我慢していたのですよ」

 

「……ごめん」

 

「ふふ、許してあげます。ですから、存分に愛させてくださいね」

 

 飼い主のイスターシャを差し置いて、一番仲が良かった2人は当然の様に淫らな行為をした事があった。そしてそれはハクが受け入れた行為でもあり、強引だった訳ではない。それ程までにハクは藍綬に心を許していたのだ。しかししばらくの間離れ離れになった事で、藍綬はハクに対して吐き出していた欲求を抑える事になってしまった。それがこうして再会出来た事で抑えきれなくなってしまったのだろう。ハクは藍綬の全てを受け入れる様に、両手を広げて彼女を迎える。

 

 再び藍綬はハクと口付けをする。既に脱いだ身体はハクに触れ、何時の間にか脱がされていたハクの肌と直接擦れ合った。互いの乳房が押し潰され合い、足が何度も動いて絡まり合う。冷たい藍綬の肌と暖かいハクの肌はお互いを気持ち良く感じさせる。すると藍綬はハクの肩から背中に両手を回して抱きしめ、全身を密着させる。

 

「このまま、一緒に過ごしたいです」

 

「ん……私、も」

 

「ふふ。相思相愛、なのですね。とても嬉しく思います。鍵を掛けておいて、正解でした♪」

 

 ハクの部屋には内側から鍵が掛けられていた。藍綬が入室した際に閉めたのだろう。ここは借りている宿屋であり、例えモンスター娘といえど扉を壊す強引な行動に出る者は居ないだろう。つまり誰かが邪魔に入る心配は殆ど無く、藍綬とハクは抱き合ったままお互いの存在を感じ合う。

 

 藍綬の攻めは他のモンスター娘達と大きく異なり、直接的に胸や秘部を弄る様な行動は取らない。代わりに自身の冷たい身体を最大限に生かしてハクを全身で抱きしめながら肌を擦らせ、甘い快感を与え続ける。徐々に昂る快感はもどかしくも心地良く、ハクは藍綬との行為であるそれが決して嫌いではなかった。

 

 お互いにしようとは口にしない。だが思う時は同じであり、口付けをしては互いを感じ合って気持ち良くなる。そしてまた口付けをして……2人は日が変わるまでお互いを求め愛し合い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界は無事に元の姿を取り戻した。モンスター娘達も一様に自分の住処へ戻り、ラテやカリプソといった管理者達も自分の区画へ。

 

「御母上様、話を聞かせていただきました。あの子が離れてしまった理由もでございます」

 

「そうか。藍綬、お前ならどうするのじゃ? 我は結局、ハクの覚悟に負けたのじゃ」

 

 第五区画にて、藍綬はイスターシャの元で話をしていた。ハクがいつか世界からいなくなってしまう可能性を知った藍綬。ハクを前にしていた時は悲しくも受け入れる仕草をしていた彼女だが、その心内は決して受け入れてなど居なかった。

 

「方法はいくらでも。ですがあの子に嫌われるのだけは避けなければなりません」

 

「そうじゃな」

 

「ですから、再度モンスター娘を焚き付けては如何でしょうか? あの子に対してそれなりの想いを抱くモンスター娘達をでございます」

 

「……何をするつもりじゃ?」

 

「ふふ……ハク自身が決めた事ならば、ハク自身が残りたいと思う様にすれば良いだけの事」

 

 口元に手を当てながら薄ら笑みを浮かべて告げる藍綬。伝説とまで言われながらも、イスターシャはそんな藍綬の姿に僅かな恐怖を感じた。

 

「あぁ、そうです。あの子の初めて(・・・)は決して奪ってはいけないと徹底した方がよろしいですね。そして、あの子を堕とした者にそれを奪う権利があると伝えれば……自ずと動き始める事でしょう」

 

「ハクを他のモンスター娘に奪われても良いのか?」

 

「? 御母上様は変な事を仰いますね。……誰よりもあの子を愛する私が、有象無象のモンスター娘に負ける筈が無いではありませんか。ハク自身の決意が固いのならば追い詰めるだけ追い詰めて、警戒で固まった心を雪の様に解かせば良いのです」

 

 

 世界は無事に救われた。だがハクを襲うモンスター娘の脅威は消えない。知らぬ場所で恐ろしい話が広がろうとしている事など知る由もないハクは、適当に彼方此方の区画を回っては対象となったモンスター娘の欲望を満たす事に奮闘。……数日後、ハクの世界を逃げ回る日々が始まる。




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