新しい世界。欲望の対象が見つからないまま、彼方此方をフラフラと歩き続けたハクは静かな湖の傍で空を見上げていた。綺麗に輝く星々を眺め、稀に木材の燃えて弾ける音を耳に入れながら。
ハクが最初に出会ったのはとても親切な人であった。人の姿で彷徨い、お腹を空かせた彼女に食べ物を分け与えてくれたその人物はハクが旅を出来る様にある道具を一式譲り渡した。それはキャンプ道具であり、飼う事も世話をする事も出来ない事を謝りながら譲るその人にハクは心から礼を告げて、それから今の世界を巡る旅が始まる。幸いにも以前手にしていた剣の様に、一式を触りながら姿を変えるだけで何処ででも取り出せる様になったハクはそれで日々の夜を過ごす。流石に見た目から問題があり、国を出る事は出来ないが……それでも最初に比べれば少々サバイバルで大変だが、最悪ではない生活を送っていた。
心地良い風が吹き抜ける中、ふと炎の弾ける音とは違う足音にハクは気付いて警戒する。場所は自然のど真ん中。野生の生き物も当然生息しており、過去にイノシシなどに襲われた経験があった故に。……因みにその際は力を使って仕留めた後、疲労が楽になってからご馳走となった。
「! 子供……?」
「……」
だが近づく気配は野生の動物では無く、人間であった。団子の様に後ろで固めた髪型をした、少女。その人物は自分を見つめるハクの姿に気付いて驚いた様子で目を見開きながら呟く。自然の中に子供が居る事もそうだが、何よりもハクの姿が明らかに薄汚れていた為に。傍から見ても、暫く身体を洗えていない事は一目瞭然であった。
「迷子? でも、子供が行方不明になった話なんて聞いて無い。それに……」
驚きながらも自分の中で考えを整理する様に呟き続けていた少女は、ハクの傍にあったキャンプのセットを見て何をしているのか察する。明らかに自分よりも小さな少女が、1人でキャンプをしながら数日を自然の中で過ごした。何とも信じがたい事だが、実際に紛れも無い事実であった。
少女との出会いから数日。ハクは変わらぬ場所で時間を過ごしていた。だがその身なりは少しだけ綺麗になっており、建てられたキャンプのセットも以前と比べれば明らかに綺麗になっている。そして何より、数日に1度。ハクの元へ来客が訪れる様になっていた。
「こんばんわ」
「ん……こんばんわ」
その日の夜も、ハクの元へ少女が姿を見せる。少女の名前は志摩 リン。中学生になってから家族の影響でキャンプをする様になり、あの日もキャンプをする為に森へやって来ていた。そしてハクと出会い、ハクが現在
「また、大分汚れてきた」
「……仕方ない」
「その内、また家に来な。お風呂くらい、入れてやる」
「……ありがとう」
ハクの事は近くの大人へ告げて保護するのが普通かもしれない。だがハク自身はこの世界において戸籍も何も無い為、それを拒否し続けた。結果、放っておけなかった彼女はハクに世話を焼く様になった。と言っても出来る事は限られており、その中で特に頑張ったのは友達と称して何とか自宅へ連れて帰った後にお風呂へ入れた事。ハクのキャンプセットは本人が素人だった事もあって正確にテントが建っていた訳でも無く、リンが協力をして真面な住処が改めて完成する事になった。
「……今日は、何食べる?」
「適当に買って来た。最近食べたのは?」
「……魚、獲れた」
「素手で?」
「ん」
「凄いな。でも、肉は久しぶり?」
「……ん」
リンがそう言って取り出したのは、パックに入った生の肉だった。火を起こす手段は既に知っており、ハクはそれを物欲しそうに見つめる。無表情なのに考えている事が手に取る様に分かったリンは微かに微笑んで、料理の準備を始めた。まだ中学生だったリンに2人分の食事を買う程、経済的な余裕は無い。故にリンが食べる分の少しを分けてもらう形になるが、それでもハクはその時間を至福と感じる。……誰かと一緒に居られる事自体がそもそもこの世界に来て最初に出会った人物以降、無かったからだ。
「バイト出来る様になったら、もっとしっかり食わせてやる」
「……無理、しなくて良い。……来てくれるだけで……嬉しい、から」
「っ! ……随分恥ずかしい事を言うな。ほら、ちょっと多めに分けてやる」
誰かと一緒に居られる事こそが嬉しかったハクの本心。それを聞いたリンは少し顔を赤くしながら、焼いた肉を紙の皿に盛ってハクへ差し出す。それから共に食事をした2人は、夜が終わるまで一緒に同じテントで過ごし続ける。ハクが譲ってもらったテントは少し大き目で、子供なハクと小さいリンが使っても空間には余裕があった。時折リンがテントのメンテナンスをして、倒れて来る不安は無いまま安心して2人は眠りにつく。
普段1人でキャンプをするリンにとって、自然の中で出会った不思議な子供、ハクとの出会いは大きいものだった。不思議と放っておけなくなり、世話を焼いて一緒に同じ時間を過ごす楽しさ。それを知った彼女はキャンプの日を楽しみにして、別の日もまたハクの元へやって来る。
だが、それはある日突然終わりを迎えた。
「……なんだ、これ……」
ハクへ会いにやって来たリンの目の前に広がった、惨状。テント本体は無く、その一部と思われる破れた布が地面へ転がり、踏み荒らされた跡がそこにはあった。足跡からして動物の様で、既にその場に人の気配は無く、リンは持って来ていた荷物を落としてハクを探し始める。しかし、最後まで彼女がハクを見つける事は出来なかった。
それから数年。リンが高校生になり、ある場所でキャンプをしていた時。とある理由で遭難してしまった少女と出会う。遭難した理由は驚きと呆れを含まずにはいられないもので、リンと出会った少女は安心した様子で自分にあった出来事を語る。……そんな中に、リンは耳を疑う内容があった。
「待って。今の、もう1回言って」
「? 彷徨ってた時に真っ白な髪の女の子の幽霊を見て怖くなっちゃった。って、思い出させないでよ~!」
「……まさか、そんな事……ありえない。けど、もしかしたら」
「???」
リンの知る限り、真っ白な髪をした子供などそうそう居ない。だが唯一1人だけ、何も話せずに消えてしまったハクの事を思い出した彼女は既に数年の時が経って居る事もあってありえないと首を横に振る。しかし、微かな期待が拭い切れず。遂には出会った少女、各務原 なでしこへ聞いた。
「それ、どこで見かけた?」
「えっと、多分あっちの方……って、えぇ!? 行っちゃうの!?」
答えながら指差した方角へ迷わず歩き始めたリンの姿に驚き、なでしこは1人では心細いと彼女を追い掛ける。時折「帰ろうよ~!」「本当にお化けだったらどうしよう!?」などと不安の声をあげながら引き返す事を勧めるが、リンは確かめるまで帰るつもりが無かった。やがてなでしこが何かに気付いた様子で声を上げた時、リンは彼女が驚いた原因を求めて視線を動かす。
「あそこ、光ってる。はっ! もしかして、火の玉!?」
「…………違う。あれは、焚き火だ」
「へ?」
怯えるなでしこを背後にジッと眺め続けたリンは、赤くユラユラと揺れながら光るそれが焚き火の明かりだと気付いた。そして背中に張り付く彼女をそのままに近づき始め、やがて見えて来た場所。そこには何時か見た形の所々修繕されたテントと、空を見上げた見覚えのある後ろ姿があった。
「……ハク?」
「? ……ぇ」
リンの声は微かに震えていた。そして自身の名を呼ばれた事で振り返ったハクがリンの姿を前に、目を見開いて驚く。数年の月日で確かな成長を遂げていたリンだが、それでも彼女が嘗て一緒に過ごした志摩 リンであるとハクはすぐに分かった。後ろの少女は知らないが、今は驚きでそれも目に入らない。
「っ! ハク!」
「!?」
ハクが我に返る前に、リンがなでしこをその場に残して飛び出していた。そして自分が成長した事で数年前よりも更に小さく感じる様になった身体を抱きしめる。出会い、過ごした時間は決して長くは無い。だがハクとの再会はリンにとって涙を流す程に嬉しい出来事であった。
「それじゃあ、2人は昔一緒にキャンプしてたんだ!」
「そうなるな」
「……色々、助けてもらった」
再会の後、落ち着いて話をする事になったハクとリンはなでしこも交えて昔話から始める。やがて居なくなった理由を問われた時、ハクは正直に答えた。
「……熊」
「熊が出たの!?」
「ん。……場所、荒されて……駄目だと思った」
「それで居なくなったのか。連絡……は、出来なかったから仕方なかったんだな」
リンの居ない時、野生の熊に襲われたハクは何とかそれを退ける事には成功した。だが過ごしていた場所は荒され、テントはボロボロに。そこでテントを修繕する為にその場を離れたハクは、そのまま別の場所を再び転々とする様になったのだ。ここで再会出来たのは正しく奇跡なのだろう。
「なら、また場所を移しても問題無いな?」
「?」
「ここは家から近く無い。だから、傍に来い。また一緒に過ごそう。面倒見てやる」
「……迷惑、掛けれない」
「私がしたいんだ。バイトも出来る様になった。約束した筈だ。しっかり食わせてやるって」
リンの言葉にハクは黙り、なでしこは女なのに男らしいリンの姿に「おぉ~!」と思わず感心した様子で拍手をする。リンの言う通り、今の場所を移す事には一切の問題が無かった。ハクは悩んだ末に、もう1度リンと視線を合わせる。何も言わずに黙って頷いた姿に、ハクは了承する様に頷いて答えた。
「……リン。よろしく」
その日、ハクはもう何度目かも分からない住処の移動をする事に決める。何となくでも分かる感動的な話に何故かなでしこが涙する中、夜は更けて行った。
翌日、なんとか無事になでしこは帰る事が出来る。そしてリンはハクと共に、家の近くへ荷物を運びながら帰宅するのだった。
「お邪魔しまーす!」
「なんでお前が来るんだ?」
「えぇ~、固い事言わないでよ~! ね、ハクちゃん?」
「ん。……別に、良い」
「……」
後日、無事にハクが新たな場所としてリンの実家近くに住処を作った後の事。リンとなでしこが通う高校は同じ場所であり、あの時の一件からキャンプに興味を持ったなでしこはサークルに加入。リンは変わらずに個人でキャンプを続けながら、定期的にハクの元へ訪れる様になっていた。……そして何故かハクの住処を知ったなでしこも定期的に現れる様になっていた。
リンがハクと再会してから数日。リンがハクの住処へ度々訪れる様になった中、なでしこも同じ様にハクの元を訪れる様になった。リンと共にやって来る事もあれば、話を合わせずに偶然同じになる事もあり、なでしこだけの時もある。どうやら姉を持つ彼女は妹の存在に密かな憧れを抱いていた様であり、明らかに子供なハクを気に入った様であった。
「って事で、今日はお泊りしたいと思いま~す!」
「……そう」
リンが来るかも分からないその日、やって来たなでしこが手持ちの荷物をハクへ見せながら笑顔で告げる。そしてそれにハクは歓迎する様に頷いて了承した。誰が来るか分からない毎日だが、それでも寂しく無い時間を過ごせる事はハクにとって嬉しい事。何よりも、彼女が満たすべき対象だった事もあって追い返す理由は一切無かった。
「今日はリンちゃん、来るかな?」
「……分からない」
「聞いてみよっか?」
「ん」
スマホを取り出したなでしこがリンに来るかの確認を始める中、ハクは自身のテントの中へ入って掃除を始める。既に何度かリンもなでしこもここへ泊まりに来ており、手慣れていたハクは広い環境を無事に確保する。布団も敷かれており、何時でも眠る事が可能になった環境でハクが満足した時。突然衝撃と共に背後から抱き着かれる。
「リンちゃん、来るって! 良かったね!」
「……そう」
楽しそうに告げるなでしこの言葉に返してテントから出ようとしたハクだが、背中に抱き着いたなでしこが離れないせいでそれが出来ない。そこで離れて欲しいと告げようとした時、なでしこが自身の項に顔を寄せて匂いを嗅ぎ始めている事に気付いた。……ハクは嫌な予感を感じずにはいられない。
「すんすん……はぁ……ハクちゃんって、何時も良い匂いだよね」
「……離れて」
「もうちょっとだけ……もうちょっと、だけ」
ハクの言葉を聞かずに何度も匂いを嗅ぎ始めるなでしこ。過去の経験からこのままでは不味いと引き剥がす為に動き始めるが、なでしこの抱擁はハクの力で解けない程に力強かった。止めるどころか徐々に過激になっていくなでしこの行為。やがてハクを背中から押し倒して布団に転がり、そのまま更に息遣いが激しくなり始める。
「何か、頭がボーっとして……胸が苦しくなって来ちゃった」
「……」
普段のなでしことは明らかに違う、切なげな声にハクはもう間に合わない事を悟る。無理に剥がそうとしても、自分の力ではどうにもならない事も。リンが来れば何とかしてくれると思いながら、今はなでしこのされるがままになる事としたハクは……抱きしめていた彼女の手が服を脱がしに掛かった事に気付いた。
「……なんだ、これ……」
ハクの元へやって来たリンは、何時かの様に目の前の光景を見て呆気に取られてしまう。だがあの時と違い、ハクが居なくなった訳でも住処が荒されていた訳でも無い。
「ん、ぁ!」
「ハクちゃん! ハクちゃん!」
初めての出会いを経て学友で友達とも言える存在となり、ハクの存在を知る共通の人物……なでしこがハクに襲い掛かっている光景がそこにはあった。テントの中にあるのは天井に吊るされた照明だけで、外から2人の影が動いているのは丸分かり。リンは外から見えた光景と聞こえて来た声に冷や汗を流しながら中を覗き込み、今に至る。
「何、やってんの……?」
「はぁ……はぁ……リ、ン……」
「あ、リンちゃんだ~。ねぇ、リンちゃんも一緒にしようよ」
「なでしこ、何言って」
覗き込んでいたリンの声に気付いたハクが弱々しい声を出す中、なでしこはまだ状況が理解出来ていない彼女を誘い始める。何時もの顔とは違う少し妖艶な姿と、ハクの弱った姿に込み上げるものを理性で抑えながらリンは止めに入るが、その為に伸ばした手はなでしこに掴まれてしまう。そしてその手をハクの胸元へ持って行かせると、その乳房へ宛がい始めた。
「んっ!」
「ほら、ハクちゃんの身体って柔らかいんだよ。一緒に楽しもうよ?」
「っ!」
完全に魅了されたなでしこがリンを堕としに掛かる。元々ハクとの付き合いはなでしこよりも断然多いリン。ただの友達や子供を世話しようと思う筈はなく、当然彼女の感情にはハクに対する愛情が含まれていた。故に魅了される可能性はなでしこよりも高く、彼女の誘いとハクの感触を知った彼女の思考は揺れ動き始める。だがそれでも必死に理性が彼女を抑え続けていた。それは駄目な事だと。
「大丈夫だよ、リンちゃん」
「なで、しこ……」
「ハクちゃんの事を知ってるのは私達だけなんだよ? 誰も責めないし、誰も知らない。ハクちゃんが受け入れてくれたら、
「!?」
その言葉がリンの理性を削る。彼女の言う通り、ハクの存在を知るのは2人だけであった。ハクが受け入れる事さえすれば、誰かが2人を責める事は無い。そもそも同意の上でした行為なら、責められる言われも無い。後はリン自身に、それをする勇気があるか無いかだけ。
「ハクちゃん……れろっ」
「んぁ!」
「……!」
なでしこがまるでお手本を見せる様に、ハクの耳に舌を這わせ始める。そして明らかに感じている声を出すハクの姿に、リンの残り微かな理性が削られる。
行為を再開したなでしこはリンを待たずにハクの身体を愛撫し始めた。身体を横にしたハクの後ろから抱き着いて、片腕を身体の下へ入れて抱きながら耳を舐めて片手でハクの足を撫で回す。ハクに対する攻めはそれで十分だった。目に見えて分かる程に乱れる姿になでしこの気分は更に高揚して、耳の穴の中にまで舌を入れ始める。
突然、ハクの目の前にリンがなでしこと同じ体勢で向かい合う様に横になり始める。その服装は下着姿であり、感じていたハクは目の前に近づいた顔に驚いて目を見開いた。するとリンが何も言わずにハクの唇を奪い始める。快感に喘ぎ開いた口の中へ入り込む舌の感触は、瞬く間にハクの頭の中を真っ白にする。
「ふふ、リンちゃんも参加決定だね?」
「元々、ハクは私のだから。なでしこには渡さない」
リンの参加はなでしこに対する対抗心と、ハクに対する愛情が暴走した結果だった。ハクと口付けをしながら、なでしこと同じ様に片腕をハクの身体の下へ差し込んだリンは抱き寄せる様に力を入れる。自然となでしこも近づき、ハクは完全に挟まれる形となった。
「んっ、下着。邪魔だな」
「引っ掛かっちゃうと、ハクちゃんが怪我しちゃうもんね」
「それもそうだけど……本当に邪魔」
残りの僅かなリンの理性が裸になる事を拒んでいた。だが行為を始めた瞬間、それは音も無く崩れ去る。ハクを抱き締めて直接肌の感触を感じたくても、下着の布が邪魔をして感じられなかったリンは迷いなくそれを取っ払った。そして自身の胸とハクの胸を合わせて、身体を擦らせながら口付けを再開する。
「リンちゃんも一緒になったから、ハクちゃんの可愛いところ。また見せちゃおうよ」
「ん、ちゅ……なで、しこ……は、むっ……リ、ン……」
「ハクの可愛いところ、見たい」
「こうして……こうすると……えいっ!」
「んむっ!? んっ、んん~~~~っ!」
なでしこの手がハクの太腿に触れて足を開かせ、自身の足を挟んで閉じられない様にして、直接秘部に触れる。既に大量の愛液を流していたハクの秘部からは卑猥な水音が響き、ハクは口付けをされたまま身体を震わせて瞬く間に絶頂した。
「はは。凄いな……次は、私がやる」
「それじゃあ、下はリンちゃんがやって……私は上だね!」
ハクの絶頂を間近に見たリンは、なでしこへの対抗心からか今度は自分がハクを絶頂させる為に手を伸ばし始める。口付けを止めて、少し身体を下へ移動したリンを見てなでしこはまるで譲る様に身体を上へ。再び耳に舌を這わせて、何を思ったのか片手の指をハクの口内へ入れ始める。
「ふぁ! なふぇ、ひこ……っ!」
「声を我慢しなくていいんだよ。ここなら誰も来ないと思うから、ハクちゃんの声を聞くのは私達だけでしょ?」
「ハク……はむっ!」
「ひぁ! リ、ン……っ!」
「ハクのおっぱい、甘い……むぐっ」
なでしこの手で強制的に開かされる口。赤子の如く吸い付き、乳首を舐める様に舌を這わせるリン。快感を逃がそうと髪を乱して悶えるハクの頭を全身で抱きしめて、なでしこはそれさえも許さずに感じるハクの姿を眺め続ける。そしてリンが胸に吸い付きながら手をハクの秘部へ伸ばし始めた時、再び卑猥な水音がハクの声しか響いていなかったテントの中に混ざり始める。
「聞こえる? クチュクチュって音」
「ハクのあそこから鳴ってるんだ。ほら、クチュクチュ。クチュクチュ」
「ふあぁ! ならしふぁ、だめぇ……っ!」
快感の羞恥心に攻め立てられて、悶える事しか出来ないハクの姿を2人は目に焼き付ける。時折ハクの身体に入る力は快感から来る反射的なものであり、抵抗では無い。それが口では抗議をしていても、何だかんだで自分達を受け入れている事を2人は分かっていた。……素直になれないだけで、身体と心は求めているのだと。
「そろそろかな?」
「んむっ、ちゅ。ハク、我慢するな……イケ」
「ひっ、はふぇ、しいっ……ぅあ!」
「ほら、イケ。イケ……イケっ! はむっ!」
「っ! んっああぁぁぁっっっ!」
リンの強い言葉と共に一際強く乳首を吸われ、背後から抱き締めるなでしこの舌が耳の最奥を舐めて刺激する。秘部に入る指の刺激も絶頂させる為に少々荒々しくなり、ハクは再びリンの目の前で主に彼女の手によって絶頂を迎えた。口を開かされて抑えられなかった声はテントを超えて森の中に響き、自然の動物たちが一瞬顔を上げる。だがすぐに興味を失くした様に顔を降ろす中、テントの中では荒い息をしたハクが口元から涎を流したまま変わらず2人に挟まれて遠い目をしていた。
「ふふ。可愛かったね」
「あぁ。……まだ、やれるな?」
「……もぅ……疲れ、た……」
「大丈夫。ハクちゃんは何もしなくていいんだから。ね?」
「……そういう、問題じゃ……ひぁ!」
疲労したハクの胸を背後から揉み始めたなでしこ。その行為を合図に、リンも再びハクを攻め始める。2人が満足するまで終わる事の無い行為に、ハクが出来たのは喘ぐ事だけだった。
翌日。テントから出て来たなでしこは朝焼けの下、綺麗な空を見上げるリンの姿を見つける。
「おはよう、リンちゃん」
「! 起きたのか。おはよう」
「昨日はお楽しみでしたね。なんてね!」
「お前も楽しんだだろ。……ハクは?」
「まだ寝てるよ。というより、気絶って言った方が良いのかな?」
「……やり過ぎたな」
「リンちゃん。容赦無かったもんね」
「誰のせいでああなったと……」
「私のせいかな?」
「…………いや」
話す内容は昨夜の事。今尚テントの中では殆ど裸の上に掛け布団を被ったハクが横になっており、2人はあの出来事を思い出してお互いに顔を赤くしながらも……考える事は同じだった。
「また、したいなぁ」
「あぁ。また、な……」
2人だけが知る存在。2人だけが知る居場所。……そして3人の秘密。リンとなでしこは似た内容を呟いて互いの顔を見合い、恥ずかしくなって顔を逸らした。