※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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2017年05月15日 投稿分


【DQ】 リッカorルイーダ☆★

 ルイーダの酒場。そこは旅人が仲間を求めてやって来る場所であり、明るい時からお酒を飲みに来る者も存在する酒場である。

 

 リッカの宿屋。ルイーダの酒場と同じ建物の中に存在している宿屋であり、日々新しいお客を迎えては寝場所を格安で提供している場所である。

 

「……果実酒」

 

「おう、ありがとよ嬢ちゃん!」

 

 2つの施設が存在する建物の、その1階。ルイーダの酒場が主となっているその場所にて、白いワンピースを着たハクはお盆の上に乗せていたコップをテーブル席に座って居たマスクを付けた男性へと差し出す。幼い少女が働いていると思うよりも手伝いをしていると誰もが思う光景にマスクを付けた男性は大きな声でハクにお礼を言うと、マスクを付けたまま器用に飲み始める。運ぶ役目を終えたハクはカウンターとなっている中へ入る。と同時に入って来たハクの頭の上に誰かの手が乗った。

 

「注文はこれでお終いよ。リッカの方に行ってあげて」

 

「……分かった」

 

 ハクが顔を上げた先に居たのは1人の女性。青い髪を伸ばしてリボンを付けている大人の雰囲気を醸し出すその女性に、酒場に居る何人もの男たちが鼻の下を伸ばしていた。そしてその女性はハクの頭を撫で続けており、ハクはそのまま言われた言葉に頷いた後に同じカウンター内の人が集まっていない場所へと移動し始める。彼女こそ酒場の店主であるルイーダであり、今現在ハクがお世話になっている相手の1人である。そしてもう1人、ハクにはお世話になっている相手が居た。それは同じ建物で宿屋を営む少女……リッカである。

 

 酒場として経営して居る故に賑やかな場所とは違い、宿屋の受付前には今現在人が居なかった。しかしカウンター越しに立って居た黄色いバンダナを付けた青髪の少女、リッカはお客が来ない今の時間でも忙しそうに手を動かしていた。が、突然その横に誰かが来たことで動かしていた手を止めたリッカ。ハクの存在に気付くや否や、その表情は満面の笑みへと変える。

 

「どうしたの? ルイーダさんのお手伝いはお終い?」

 

「ん……何か、手伝う?」

 

「う~ん。あ、じゃあここに座ってて?」

 

「? ……それだけ?」

 

「うん。それだけ。大丈夫! すぐに分かるから」

 

 少しだけ視線を合わせて言うリッカの言葉を首を縦に振って肯定した後、ハクは質問する。すると少し考えた後にカウンターの上を指さしてリッカがお願いをする。ハクはリッカが何をしたいのか分からずに聞き返すが、リッカは笑顔で肯定するだけ。そしてハクは言われた通りに座る為、しゃがみ込んでカウンターの下に隠れ乍らその姿を猫へと変えた。例え幼い姿の少女と言えど、お客さんが来るであろうカウンターの上に座るのは行儀が悪いと思ったのだろう。リッカも猫になる事を想定済みで提案した様であり、カウンターの上に座るハクの姿を見て満足げに頷く。ハクは知らないが、リッカの宿屋は宿の質もさることながらカウンターに白い翼猫が座って居る事でも有名になっていた。唯の猫が座って居ると言えばそれまでだが、看板猫と言えばそれだけで誘われる者も居るのである。そして今日もまた、旅人が宿を取りにやって来る。

 

「1人なんだけど、部屋は空いてるかしら?」

 

「ゼシカさん! いらっしゃいませ! 御一人様ですね? 空いてますよ! 5Gになります!」

 

「とりあえず2日間お願いするわ」

 

 入って来たのは赤茶色の髪をツインテールにしている1人の女性。何度かこの宿屋に泊まった経験のある言わば常連の様なお客さんであり、故にリッカもその顔を見ただけで名前が分かる存在であった。一緒にカウンターに居る為にハクもその姿は何度も見ており、ゼシカが次にする事も何となく予想が出来ていた。先払いであるお会計を済ませ、借りた部屋の鍵を受け取ったゼシカは自然に手を伸ばしてハクの毛並みを一撫でした後に周りを見渡す。

 

「今日はあの子、居ないのね?」

 

「え、えっと……今は御使いに行ってます!」

 

「そう……まぁ良いわ。それじゃあ、休ませて貰うわね」

 

「はい。ごゆっくりお寛ぎください!」

 

 ゼシカが探していたのは今現在目の前で猫になっているハクの人である時の姿であった。リッカとルイーダは知っているが、他の人達はハクが2つの姿を取れる事を知らない。それ故にリッカはゼシカの質問に少しだけ言いよどみ乍らも嘘を教える。と、ゼシカは特に気にした様子も無くそれを信じた後に自分が借りた部屋へと向かう為、建物の上へと続く階段へ足を進め始めた。宿屋の主人として、素晴らしい笑顔でそれを見送ったリッカ。やがてゼシカの姿が見えなくなった時、目に見えて安心しながらもハクの背中に手を当てて撫で始める。

 

 その後、宿を求めて来る旅人に場所を提供していくリッカ。1日も後半に差し掛かれば夜を超える為に旅人の人数は増し、酒場の方も忙しくなり始める。そうなればハクもボーっとしている暇など無くなり、人の姿となって酒場の中を歩きまわり始めていた。酒場での飲食だけを求める旅人も当然居るが、中には宿を取っているが故にそこで食事を済ませる者も居る。そしてその中には数時間前に宿を借りたゼシカの姿もあった。

 

「うーん! やっぱりここのゼリーは美味しいわね。もう1個食べようかしら?」

 

「……」

 

「あ、ねぇねぇ。フルーツゼリーをもう1つお願いできるかしら?」

 

「ん……フルーツゼリー……1つ」

 

「そう、お願いね」

 

 ルイーダの酒場にはお酒以外にも当然様々なメニューが存在しており、ゼシカはお酒では無く食事を楽しんでいた。そして最後に食べたデザートが気に入っている様で、食べ終わった後に傍に居たハクを呼んでもう1つ注文をする。それを受けて途切れながらも注文を繰り返したハクに優しい笑みを浮かべて頷いたゼシカは、そのまま離れて行くハクの後姿を頬杖を突き乍ら眺め続ける。

 

「……フルーツゼリー……1つ」

 

「はいよ。そこのを持って行って頂戴。あそこのテーブル席よ」

 

 忙しなく動いているルイーダに注文を伝えた後、カウンターに置かれていた食事を運び始めるハク。その後も行ったり来たりを繰り返しながら夜の忙しい時間を超え、徐々に客はその数を減らしていく。ゼシカも既に部屋へと戻り、長い間居続けるお客も1人ずつ帰って行き……やがて最後の客が帰った時、数時間前まで賑わっていた酒場の中は皿を洗う音のみが響き渡る様になっていた。

 

「さて、と。これで最後だね。リッカ! そろそろ閉めるよ!」

 

「分かりました! ハク! 外の看板返して来て!」

 

「……分かった」

 

 酒場と言えど深夜まで営業している訳では無い。宿屋も真夜中になると既に宿を殆どの旅人は取っている為にお客が来ることは無く、故に2人のお店は同時に閉じていた。

 

 元々この建物の最初の持ち主はルイーダであり、そんな彼女の元にリッカがやって来て宿屋を経営。そしてハクが現れた事で3人は同じ屋根の下でお店を経営しながら日々を過ごしている。誰が上などと決めている訳では無いが、それでも一番年上でありお世話になっている相手と言う事もあってルイーダの合図が閉店の合図となっていた。故にルイーダの言葉にリッカは返事をすると、ハクにお願いする。お願いされたハクは一度外に出て【OPEN】と書かれていた看板をひっくり返して【CLOSE】へと変える。そうしてもう1度中に入れば、洗い物を終えたルイーダがお客の使っていたテーブル席に座って休憩している姿があった。そんな彼女の目の前にはまかないであろう食事が並べられており、ハクが戻って来た事を確認した立夏は一度目を合わせて微笑みを向けた後に同じテーブル席へと足を進め始める。夕食を食べる余裕の無かった3人はこうして静かになってから夜食を食べるのだ。

 

「今日も忙しかったですね」

 

「そうね。まぁ、それだけお店の評判も良いって事よ。特に最近は……ね?」

 

「?」

 

 肩を落として一安心と言った表情を浮かべながら言うリッカの言葉に薄く笑みを浮かべ乍ら続けるルイーダ。やがて何かを含みながらもハクに視線を向ければ、食事をしていたハクは視線に気付いて首を傾げた。3人のお店が評判なのはお店の質が高い事も当然あるが、それよりも経営している主な3人の人気が大きく関わっていた。妖艶な雰囲気を醸し出す大人の女性、ルイーダ。明るい笑顔と健気な性格の少女、リッカ。無口ではあるが2人を手伝う儚げな女の子、ハク。元々はルイーダだけであった酒場もリッカが来たことで宿屋を経営する様になり、ハクと言う手伝いが来たことで小回りが利く様になり、気付けば毎日忙しさに追われる程に繁盛する様になっていたのである。

 

「さぁ、明日も早いよ。早く食べてお風呂に入らなくちゃね」

 

「そうですね。残りの洗い物は私がしますから、ルイーダさん。先に入っちゃってください」

 

「そう? それじゃあお願いするわね。ハク、一緒に入りましょうか?」

 

 明日もまた同じ様にお店を開店し、忙しい時間を過ごすことになるだろう。故に遅くまでこうして居る時間は無いとルイーダは手を叩いて切り替えさせる。リッカは今現在自分達が使っている食器などを洗うと言い、それを聞いたルイーダは頷いてお願いをすると食べていたハクに言う。だがそれに反応したのはハクでは無く、空になった食器を集めていたリッカであった。

 

「ルイーダさんは昨日もハクと入ったじゃないですか! 今日は私です!」

 

「効率よく入った方が良いじゃない。飼い主なんだから一緒に入るのは当たり前でしょ?」

 

「効率なら私が一緒に入っても変わりません! それにハクを拾ったのは私ですから、私が飼い主です!」

 

「貴女はここの居候なのよ? ここは元々私のお店。だから貴女が拾ってきても主人は私よ」

 

 先程までは仲の良かった2人だが、言い合いを始めるや否やそのぶつかり合う視線の間に火花が散り始める。突然喧嘩を始める2人にハクは内心不安に思いながらもそれを見つめ、やがて喧嘩の原因が自分とお風呂である事に気付いたハクは……ある意味一番行ってはいけない行動をしてしまう。自分がお風呂に1人で入ってしまえば、喧嘩の原因は無くなる。そう思ってしまったのだ。

 

 喧嘩をしている2人をそのままにお風呂に入るために移動するハク。2人が気付いた頃にはその姿は無く、3人が普段使っているお風呂場から微かに聞こえる音に2人はもう1度視線を合わせる。巡っていた相手は1人でお風呂に入り、もう自分達は個人で入るしか無くなってしまった。不満は募り、やがて2人は溜息を付いた後に何かを決める。

 

「勝手に入る何て、いけない子。……こうなったらどっちがハクの飼い主に相応しいか、競いましょ?」

 

「良いですよ。ハクが求めるのは私です。明日明後日、お互いにハクを傍に置いて最後に求めさせた方が勝ちです」

 

「……するわよ?」

 

「わ、私もです!」

 

 ハクの居ない間に、2人はどちらが飼い主であるかの戦いを始めてしまう。そんな事は露知らずに湯船に浸かって気持ちよさそうに目を細めるハクは明日明後日が大変な日になる事等知る由も無かった。

 

 

 

 

 

 翌日、普段通りに宿屋と酒場を開けた3人は今日も今日とて忙しなく仕事をしていた。酒場の方では朝からお酒を飲みに来る人やルイーダを目当てに居座り続ける人が毎日の様に存在。宿屋の方では使われた部屋の掃除や新しい旅人が部屋を借りに来ることへの応対で休む暇など存在しない。ルイーダとリッカは当然自分のお店の方に付きっきりになり、ハクは現在空き部屋の掃除を行っていた。朝の内に終わらせ、午後から1階で2人の傍に居ながら手伝いをするのである。

 

 1つ1つ、開いた部屋を確認しながら中を掃除していたハク。しかしとある部屋にたどり着いた時、ハクはその扉をノックする。と、中から返事が帰って来ると同時にその扉がゆっくりと開かれた。

 

「……掃除」

 

「今出るところだったから丁度良かったわ。それじゃあ、お願いね?」

 

 出て来たのは昨日部屋を借りていた旅人の1人、ゼシカであった。既に外出する準備をしていたのか、ゼシカはハクの言葉に笑みを浮かべながらお願いをする。既に2日分のお金を払って部屋を借りているゼシカ。まだ1泊する事が分かっている為、新しい部屋とは違って相手の許可などを貰った上でやらなければならなかったのだ。ハクはゼシカの言葉に頷き、扉から下がって道を開ける。そして去って行くゼシカに軽く頭を下げた後、部屋の中の掃除を始めるのであった。

 

 それから数時間後、昼近くになった頃にはハクによる部屋の掃除も終了していた。酒場と言えど食事処である事には変わりなく、昼食を食べに来る人が増え始めた頃。普段はルイーダの手伝いをして配膳などを行っているのだが、今日この日。リッカから自分の元に1日居る様にハクは指示を受けていた。酒場の方ではハク以外にも働いている従業員が居るため特に問題無く配膳などは進んでおり、リッカの傍で猫の姿になってカウンターに座ろうとしたハク。

 

「あ、ちょっと待って! 今日はそこじゃ無くて……ここ。そのままで、ね?」

 

 しかしそれに気付いたリッカはそれを止めると、カウンターの下から丸い椅子を1つ取り出し始める。少し高めの椅子で、座ってもカウンター越しに立って居るのと変わらない程の高さまであるその椅子。リッカはそれに腰掛けると、ハクに自分の膝に乗る様に言い始める。普段と違う事に、そして人のままでと言う事に驚きながらもハクは頷いてリッカの膝に乗ろうとする。だが、本来立って応対するカウンターで問題無く高さが合う様な椅子に座って居るリッカの膝の上に乗るのは背の低いハクには難しい事であった。乗ろうとしても乗れず、やがて持ち上げて貰う様に両手を広げるハク。リッカはその姿に顔を赤くし、鼻の奥に熱さすら感じ乍らハクの身体を持ちあげる。

 

「いらっしゃいませ!」

 

「……ん」

 

「!?」

 

 リッカの宿屋には常連が多い為、リッカの存在もハクの存在も知っている人が多い。だがリッカの膝の上にハクが乗って居る光景は誰も見た事が無く、故にその光景にやって来た旅人は衝撃を受けてしまう。酒場の方で食事をして居た者もチラチラと2人を見る様になり、リッカは少し恥ずかしく思いながらも止めるどころかお客の居ない応対の無い時間はハクを抱きしめ始める。

 

「……リッカ……?」

 

「はぅ……やっぱり良い匂いだし、抱き心地も凄い……」

 

 健気の少女が愛おしそうに儚げな少女を抱きしめるその姿をこの日、宿屋にやって来た旅人や酒場で食事をして居た者は二度と忘れる事は無いだろう。ルイーダも遠目でそれを見ており、その表情は微笑みを浮かべていながらも何かを考えて要る様子であった。……そして時は過ぎて行く。

 

「ありがとうございました!」

 

 先日泊まっていた旅人が出て行く姿を笑顔で見つめてお礼を言うリッカ。ハクも相手が後姿であってもお辞儀をして、扉の外が茜色になっているのに気付く。もう夕方なのだろう。

 

「今日はこれでお終い! 後は他の人に任せて、早めに休もっか?」

 

「……分かった」

 

 自分の名前が入っていたとしても、リッカが1人で切り盛りできる程宿屋は簡単な仕事では無い。普段は毎日の様に夜まで仕事をしているリッカだが、今日は他の雇っている従業員に頼んで早めに仕事を切り上げる事をハクに伝えた。朝からリッカの傍に付きっきりで、しかも膝の上に乗る様に指示を受ける等と何かが違う事に疑問を感じるハク。だが特にそれを口に出す事も無く、リッカの言葉にハクは静かに頷いた。

 

「ルイーダさん、私は先に休みますね」

 

「えぇ、偶にはゆっくり休みなさい。……本当に休むならね」

 

 先にお店から上がる故に働いているルイーダへ声を掛けるリッカ。ルイーダは掛けられた言葉に返事をするが、その後誰にも聞こえない声で小さく呟く。そうしてリッカとハクの2人が裏へと入って行くのを見送った後、本来の仕事に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 酒場と宿屋のカウンターの奥に存在していた裏へと続く扉の向こうには廊下が続いていた。そして真っ直ぐな廊下の途中に左右合わせて扉が2つ、突き当りに扉が1つ存在している。入ってすぐ右側に存在する扉の奥は従業員が使ったりする共用の更衣室等を兼ねた部屋であり、その部屋から少しずれて奥に存在する左側の部屋はこの建物に住んでいるリッカ達が眠る寝室へと続く部屋。そして一番奥に存在する部屋の向こう側には、普段ここに住んでいる3人が使うお風呂場へと続く部屋となっている。

 

「……今日は……早い」

 

「偶には早めに休まないと。まずはお風呂に入ろ?」

 

 ハクはまだ外が夕方である事から早めに仕事を切り上げた事を気にし、質問する。しかし帰って来たのは至極簡単な答えであり、可笑しな事でも無い為にハクはそれ以上気にする事は無かった。そしてリッカに連れられて一度寝室へと向かい、代えの服を用意してお風呂場へと続く扉の奥へと2人で一緒に入った。

 

 この世界ではそうそう大きなお風呂は存在しなかった。温泉などがあれば話は別だが、リッカの宿屋は大きな建物ではあるものの温泉がある訳では無い。故に部屋の1つ1つに移動させることの出来るバスタブとシャワーを浴びられる場所が設置されており、足元はしっかりと水が流れる様な構造が施されていた。

 

 お風呂場の目の前で付けていたエプロンやバンダナを外し、服を脱ぎ始めるリッカ。お風呂に入るのだから不思議な事では無く、ハクも着ていた服を脱ぎ始める。そうして2人で裸になると、リッカは最初にバスタブへ湯を張れる様に用意してシャワーの付いている場所へと移動する。そしてお湯を出すために手を伸ばした。最初に勢いよく出て来たのはお湯では無く水であり、それを予期していたリッカは水を浴びない位置に避難していた。そして手を伸ばして暖かくなるのを確かめ続ける。

 

「ほら、おいで」

 

「ん……」

 

 本来シャワーの下に立つのは1人を想定して作られていたのだろう。ハクを呼び、自分の前に立たせてシャワーのお湯が落ちる真下に立った時。縦に並んでそれを浴びようとすれば、どちらかが浴びる範囲から食み出てしまう。そこでリッカは両膝を突いてしゃがみ込むと、ハクの身体に後ろから抱き着き始めた。密着する肌は暖かく、また近いために食み出る事も無い。

 

「……リッカ?」

 

「……ねぇ、ハク。私とルイーダさん。どっちが好き?」

 

「? ……2人とも……好き」

 

「うん、ハクならそう言うと思った。でもね? それじゃあ嫌なの」

 

「……」

 

「ルイーダさんの事は私も好き。尊敬だってしてる。だけど……ハクだけは取られたく無い」

 

「……!」

 

 シャワーから出る暖かいお湯を浴びながら様子の可笑しいリッカにハクがその名前を呼んだ時、突然質問された事にハクは思った通りの事を答える。すると抱きしめていたリッカの腕の力が微かに強くなり、普段はバンダナをしているが今はしていない故に晒されている青い髪が水に濡れてその目を隠しながらリッカは話す。やがて最後の言葉が言い終わった時、抱きしめていた手がハクの腹部を優しく擦り始めた。

 

「ハク、私を求めて。私だけを見て」

 

「ん……あっ……」

 

 リッカの手が胸を。そして下へと動き始め、それと同時にハクの首筋にリッカは自分の顔を擦りつけ始める。濡れた髪が肌を撫で、微かに声を上げるハク。すると胸へと到達したリッカの手が包み込む様にして優しく胸を揉み始める。

 

「んっ、あ……ひっ」

 

 徐々に増していく快感に目を瞑っていた時、下へと伸びていたリッカの指先がハクの秘部へと辿り着く。入り口の割れ目を沿う様に指を上下させ、もどかしくも確かな快感にハクは悲鳴に近い声を上げる。が、リッカは突然ハクを解放。傍にあった身体を洗うために使う道具から液状の物を出すと、それを手に広げて始める。そしてもう1度ハクの身体を抱きしめると、数歩下がってお湯の掛からない場所へ。移動を終えた後、リッカの手が文字通りハクの身体を這い回り始めた。

 

「隅々まで洗ってあげるからね」

 

「んっ……」

 

 攻めでは無く、本来お風呂に入った理由である汚れを落とす事に突然切り替えたリッカ。ハクはそれに戸惑いながらも、身体の周りを徘徊する手の感触に出そうになる声を必死に抑える。それから長い時間を掛け、身体の隅々を塗りたくられたハクは気付けば長時間の焦らしに近い攻めに息を荒げていた。だがそれはリッカも同様。目の前にある極上の餌を前にずっと待ったを掛けられた様な感覚を感じていたリッカは到頭洗い流せる様になった時、ハクの軽い身体を軽々と抱きしめたまま持ち上げて数歩前進。シャワーの下へと再び戻る。……そして

 

「ひっ! ん、あぁ!」

 

 暖かいお湯を浴びながら、汚れと共に落とす為にリッカはハクの身体を撫でまわす。しかしその強さは先程の比では無く、堪える事の出来ない声が部屋の中に響き始める。腕や足などを撫でるだけならば敏感なハクでもまだ耐えられたかもしれない。だが胸や脇腹と言った箇所も撫で回されれば、燻っていた火が勢いを増すかの如く快感がハクを絶頂へと誘い始める。やがてリッカの手が秘部へ微かに触れた時、ハクの身体は限界を迎えた。

 

「んんんっ!!」

 

「きゃ! ……洗われ乍らイっちゃったんだ?」

 

「はぁ……はぁ……」

 

 突然ハクが自分の手で口を押え、身体を微かに震わせた事に驚いたリッカ。だがすぐにシャワーのお湯とは違う少し滑り気のある水が秘部から流れ出ている事に気付いた時、ハクの耳元に口を近づけて囁く。鏡などは無いが、ハクにはリッカの表情が普段とは確実に違うものである事が予想出来た。そうして息も絶え絶えになりながら足の力が抜けて行き、リッカに寄りかかる様になった時。笑みを浮かべながらリッカは残りの部分もお湯で流していく。やがて身体を全て洗い終えた時、リッカはシャワーを止めて再びその身体を持ちあげた。そして湯船を溜めてあったバスタブへ足を入れ始める。当然ハクは前で抱きしめたまま。

 

「ふぅ……気持ち良い。ハクもそうでしょ?」

 

「……リッ……カ……」

 

 長い時間を掛けてシャワーを浴びたため、バスタブのお湯は丁度良い高さまで溜まっていた。暖かい湯船の中、背中からリッカに抱きしめられてその身体の上に座らされていたハクは掛けられた質問に答える余裕も無くリッカの名前を呼ぶ。呼ばれたリッカは……頬を赤くしながらも笑みを浮かべてハクの胸や秘部などに手を伸ばし始める。

 

「んあぁ、やめっ、て……あぁ!」

 

 浸かっているお湯が水音を立てて響く部屋の中で卑猥な雰囲気を醸し出す中、胸を揉みし抱かれ乍ら秘部の入り口を弄られるハクはもう我慢をする事も出来ずにいた。だがリッカはまだ、女性であれば敏感である場所を攻めていない。リッカの手が齎す快感に頭の中が真っ白になる様な感覚を感じていた時、まるで目を覚まされる様に強い快感がハクの身体を襲い掛かった。

 

「ひあぁぁ!」

 

「もっと気持ちよくしてあげるからね? ハクを気持ちよく出来るのは、私だけだから」

 

 秘部の入り口では無く、中へと挿入されたリッカの指が膣内を出入りし始めたのだ。細い指は初めての証を失わせる事無く、ハクの身体に強烈な快感を齎す。首を振って強すぎる快感に嫌がるハクだが、リッカは空いている手で胸を掴みながらも逃げられない様に抱きしめ続ける。やがて訪れる2度目の絶頂。ハクの秘部からは愛液が流れ、湯船の中へと広がって行く。が、そんな事は関係ないとばかりに再び。そしてもう1度とリッカはハクを攻め続けた。

 

「もう……無……理……」

 

「あ……ここまで、かな?」

 

 何度目かも分からない絶頂の後、ハクはまるで事切れるかの様に気絶してしまう。身体が連続絶頂に耐えられる限界を超えたのだろう。リッカもそれでようやく攻める手を止めると、長時間浸かっていた事で軽く逆上せてしまったのだろう。フラフラとした足取りでハクを抱え乍らバスタブから外へ。何とか身体を拭き、服を着る事も忘れて寝室へと足を進める。従業員も通る廊下だが、そんなにお風呂場と寝室の部屋は距離が無い為に誰にも裸体を見られる事無く到着。そして

 

「あ、う……」

 

 疲れ切った様にベッドへと倒れるリッカ。ハクは抱きしめたまま潰さない様に何とか横に倒れた後、そのままその瞳をゆっくりと閉じて行く。やがて2人は深い眠りへと落ちてしまう。しばらくしてやって来たルイーダはその光景に驚きながらも2人の身体に毛布を掛けると、シャワーだけを浴びて同じベッドの上に横になる。リッカが左から、ルイーダが右からハクを抱きしめる様にして……リッカの1日が過ぎるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

「まさか求められるどころか避けられるなんてね。これは既に勝負あったわね」

 

 深い溜息を付くリッカの姿を見て頬杖を突きながらルイーダが言えば、リッカは更に溜息を付いて肩を落としてしまう。リッカがこうなってしまった原因。それは朝起きた際にハクがリッカから逃げてしまった事にあった。独占したいと言う思いが暴走してしまった結果、やり過ぎてしまったリッカに多少なりとも恐怖を感じてしまったのだろう。ハク自身、リッカの事が嫌いになった訳では無い。が、距離を取る様になってしまった。自分を求めさせるどころか、その心が少しだけ離れてしまったと言う事である。

 

「さて、今日は私だけど……特別何かしなくても良さそうね?」

 

「……まだ分かりませんよ」

 

 今の状況に勝利を確信していたルイーダ。しかしその言葉を聞いた時、リッカは元気を無くしながらも告げる。ルイーダがそれに思わず首を傾げると、リッカは顔を上げてルイーダを見た。

 

「私も最初は唯ハクと触れ合いたかっただけでした。でも気付いたらあんなことに。……確かに普通に接するだけなら問題無いかも知れませんけど、ハクを相手に我慢する方が難しいんです。ルイーダさんもきっと、私と同じ様に我を忘れるかもしれません」

 

 ルイーダはリッカの言葉に余裕そうだった表情を崩す。自分なら大丈夫だと自信を持っていたその感情が、リッカの言葉で一瞬だけ不安になったのである。だがそれでもすぐに余裕そうな表情に戻すと、「私は平気よ」と言ってリッカに微笑みを浮かべた。……そうしてルイーダの1日が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝からルイーダの手伝いをする事になったハク。今の世界に来て長い間この場所でお世話になっている為、その作業は昨日同様に慣れたものであった。お客が来る前にテーブルを全て拭いて行き、席を1つ1つ整えて行く。やがて開ける時間になると看板をひっくり返し、数分もすれば常連のお客などがお店へと入って来る。まだ開店したばかりの為に忙しさは無いが、この後確信的に混むことが予想出来る為に暇な今の時間帯に出来る事を全て済ませてしまう。

 

 徐々に増えて行くお客の数。ルイーダはカウンターの中で酒場のもう1つの顔でもある旅仲間の紹介をしており、ハクは他の従業員と共に食事を運んで行く。歩いて運んでいた足も時間が過ぎるごとに早くなり、やがて止まる暇など無くなった頃。ルイーダが突然ハクを呼び始めた事で、お盆を片手にハクは首を傾げる。その仕草に何人かが胸を打たれるが、そんな事は露知らず。ハクはルイーダの元へ。

 

「配膳は他の子に任せて良いから、私の方を手伝って頂戴。そこにあるリストの整理とチェックをお願いするわ」

 

「ん……分かった」

 

 普段とは少し違う手伝いに新鮮味を感じながらもハクはルイーダの指示に従う。既にカウンターの傍には昨日リッカが使った様な足の長い椅子が用意されており、普通に座ってしまうと背の低いハクでは首から上だけが出る様になってしまう為に作業がし難いだろう。故にハクはその椅子の上で正座をして座り込む。その結果、胸から少しだけ上に身体が出た事でカウンターの上に手が置ける様になり、作業が非常にし易くなった。

 

 旅人は同じ目的を持つ者同士が組む事もあり、ルイーダの酒場はそんな仲間を紹介すると言う仕事を担っていた。食事処であり、仲間を探すところでもあるのだ。ハクの座った目の前には沢山の名前や職業が掛かれているリストが存在しており、その全てが仲間を求める者達であった。そして、旅人がルイーダの元へ来ればそれは仲間を求める合図となる。

 

「どんな人をお探し?」

 

「回復の手が足りないんだ。僧侶は居ないか? べホイミ辺りを使えればどんな奴でも良い」

 

「僧侶でべホイミが使える人ね。ハク、どのくらい居るかしら?」

 

「……5人。……男性、3……女性、2」

 

「出来れば少しでも戦える奴が良いんだが」

 

「ん……槍使い……この人」

 

 マスクを被った男性がルイーダの元へとやって来ると、聞かれる前にルイーダが求める相手を聞く。そしてその内容を聞いてハクに視線を向ければ、既に僧侶のリストを出していたハクが使える魔法を確認して人数と性別を教えた。そこでハクが手伝いをしている事に気付いた男性はルイーダからハクに視線を移して要望を追加。すると合致する相手が居た様で、ハクが見ていたリストの内1人の名前を指差す。男性の求める魔法が使え、獲物が槍と言う僧侶が名前の中にあったのだ。

 

「この人ね。今さっき登録した人よ。回復は出来るけど攻撃力が足りないと言っていたから丁度良いんじゃないかしら?」

 

「おぉ! それならそいつを誘いたい」

 

「今は外に出てるみたいだから待って居れば来ると思うわ。もし出る様なら伝えて置くけれど」

 

「いや、待たせて貰おう。腹も減ってるからな」

 

 男性はルイーダの言葉にそう告げると空いているテーブルへと向かい始める。利害の一致する者同士を合わせてその後上手く行くかは旅人に寄るが、その最初の架け橋を作るのがこの仕事である。ハクはすぐに予約の入った僧侶の名前にチェックを付け、次の仲間を求める者が来るのをルイーダと共に待つ。やがて次に来た旅人にも同じ様に紹介を行い、そうして時間は過ぎて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 外も暗くなり、もう仲間を求める者は流石に来ないであろう時間帯。酒場も後少しで閉じると言うところでハクとルイーダは暇そうに内側からカウンターの外を見つめていた。

 

「ルイーダさん、こっちはもう閉じますけど……」

 

「そうね。もうお客も来ないでしょうし、今居るお客が帰ったらこっちも閉めるわ」

 

「分かりました。……」

 

「……」

 

「うぅ……今日は、先に休ませて貰いますね」

 

 そんな2人から少し離れたところでは既にリッカが終業前の作業を終えており、暇そうな2人に声を掛ける。と、ルイーダも静かになったお店を一度見た後に残って居る客を確認してリッカに告げる。リッカはそれに頷いた後、ハクに視線を向けるが……ハクはリッカを見るとルイーダの影に微かに隠れてしまう。見なくてもハクが何をしたのかルイーダには分かったために何とも言えない表情をする中、リッカは目の前の光景にショックを受けて肩を落としながら裏へ。そんなリッカの後姿を見たルイーダはハクへと振り返る。

 

「嫌いにでもなった?」

 

「……違う。……でも、昨日は……やり過ぎ。……少し、反省」

 

 ルイーダの言葉にすぐに首を横に振って否定したハクはリッカから距離を取る理由を説明する。ハクの考え通り、リッカは昨日の事を反省……と言うよりは後悔しているだろう。ルイーダはハクの言葉に苦笑いを浮かべながら「そう」とだけ言う。すると今の今まで残っていた最後の客が帰宅。従業員も時間が時間な為に最低限の人数しか居らず、最後の客が帰った事でルイーダはカウンターから外に出ると上がる様に促した。

 

「お疲れ様でした~! ハクちゃんも、また明日」

 

「えぇ、お疲れ様」

 

「ん……お疲れ」

 

 帰りの挨拶をする従業員の1人にルイーダが。そして残りの皿を片付けていたハクが返事を返す。そうして2人だけの空間になった酒場。ルイーダは今日1日の疲れを落とす様に溜息を吐いた後、せっせとテーブルから洗い場へと皿を運んでいるハクの姿を見る。……ルイーダは今回の勝負が決まったその時から、決めていたことがあった。リッカの様にしくじらない様、頭の中で妄想に近い計画を立て、今正にそれは決行されようとしていた。優しくハクを誘い、そして行為へと……

 

「ハク」

 

「? ん!?」

 

 頭の中で何度も繰り返した計画。そんな物はものの数秒で破綻してしまう。ハクとの行為を想像し続けていたルイーダ。その相手は常に隣に居り、それでも人が居る為に手を出すことも出来なかったその心は妄想ばかりで爆発寸前を保っていたのである。だがそれを解放できる様になった時、リッカと同じ暴走に近い形でルイーダの身体はハクを求め始めてしまう。計画など忘れ、お皿を運び終えてテーブルを拭いていたハクの名前を呼んだルイーダ。ハクが振り返ると同時にその唇を奪い、その両腕を掴んでテーブルの上へと押し倒す。突然の事に目を見開くハクだが、ルイーダは甘さすら感じる口内の味を味わい続ける。

 

「リッカがしたんだもの。私だってするに決まってるじゃない。分かっていたでしょ?」

 

「そんなの……分から、んぁ!」

 

 ルイーダの言葉に反論しようとしたハクだが、それは首筋を這う舌の感触に思わず声を上げてしまう事で遮られる。掴んだ瞬間は微かに力が入っていた腕もすぐに快感で力が抜けて抵抗出来なくなって行き、ルイーダはそれが分かると笑みを浮かべてハクの来ていたワンピースの肩部分を降ろし始める。肩は完全に解放され、胸も上側だけが見える様に。だがまだその先は布に包まれたままであり、半脱ぎになったその光景にルイーダの興奮は更に高まる。

 

「服の上からでも分かるわ。貴女の柔らかい胸の感触」

 

「んっ、あっ……」

 

 決して厚くは無いワンピースの生地越しにルイーダはハクの胸を両手で揉み始める。生地越しに感じるフニフニとした胸の感触にルイーダは微笑みを浮かべ、対するハクは必死に声を抑え続ける。っと、突然ルイーダの手が胸を隠していたワンピースの生地を掴む。そして勢いよく手前へと降ろせば、ハクの大きな胸が揺れながら外へと解放された。再び目を見開くハク。だがルイーダは間を置かずにハクの胸を直に揉み始める。

 

「んんっ!」

 

「必死に声を殺して、可愛いわね。でもそう言うのを見ると意地でも鳴かせたくなるわ、ね!」

 

「! ひぁ!」

 

 布越しに感じていた手の感触が直に来たことで更に快感が強くなり、口を強く結んで声を殺すハク。しかしその姿を見てルイーダは口元を歪めると、容赦なく解放された胸の中でも一番敏感な場所を摘み上げる。レベルの違う快感に我慢できずに声を上げるハク。だがそこでルイーダはハクの傍に顔を近づけると、囁く様に告げた。

 

「ここで声を上げると、泊まってるお客さんに聞こえるかも知れないわね?」

 

「!?」

 

 リッカにされた際は裏の一番奥の部屋。シャワーが響くお風呂場であったが、今は違う。2階へと通じる階段が少し離れた位置に存在し、他に音も無い為に喘ぎ声でも出そうものならリッカの宿屋に泊まっている誰かが声を聞きつけて降りて来る可能性も十分にあるのだ。その事に言われて初めて気付いたハク。だが声を出してはいけないと思えば思う程、抑えるのは辛くなる。

 

「ほら、我慢しないと誰か来るかも知れないわよ?」

 

「んんっ、ぁあ! 駄、目ぇ!」

 

 ルイーダはハクにそう言いながら胸を揉み、突起を弾く。ハクは力の出ない手で口を抑えようとするも、弾かれた際には抑える力が抜けてしまう為に声が漏れてしまう。必死に我慢するその姿が堪らない程に愛おしく感じたルイーダは片手を胸から離し、ハクのワンピースの下部分を捲り上げる。その中には縞模様のパンツが存在していたが、一部分が微かに水気を含んで重くなっているのがルイーダには見て取れた。そこで再び口元を歪めるルイーダ。濡れている布越しに指で突けば、ハクが大きく反応を示し始める。

 

「ひぁ!」

 

「声出てるわよ? 誰かに見られても良いの?」

 

「い、や……でも、我慢……出来ない……」

 

「そう。なら手伝ってあげるわ」

 

「! んっ!」

 

 大きな声を上げるハクの顔に再び視線を戻し、話しかけるルイーダ。だがハクは抑えようにも抑えられず、それをルイーダに伝えると……ルイーダはごく自然にその唇を自分の唇で塞ぐ。そしてそれと同時にハクの濡れたパンツの中へルイーダの右手が侵入し、秘部に直接触れ始めた。胸よりも強い快感に大きな声が上がりそうになるが、ルイーダの口がそれを強制的に抑え込む。それはまるで支配されている様な感覚であり、ハクは思わず力の入らない手で秘部に触れるルイーダの手を押し返そうとする。当然力の入っていないその抵抗は無意味でしか無かった。

 

「まずは一度、イかせてあげるわ」

 

「んんっ! んむっ、んんんんんっ!!」

 

 ルイーダの言葉と同時に秘部に触れていた指が中へと侵入し、膣内を高速で掻き回し始める。身体中を駆け巡る快感にハクの身体には無意識に力が入り、その思考が白く染まると同時に絶頂がハクの身体を襲った。ルイーダの右手はハクの愛液でビショビショになり、息を荒くしてテーブルの上に横になっているハクの姿にルイーダは到頭自分の服も脱ぎ始める。ハクは腰元に服を残しているが、ルイーダは完全な裸になった時。テーブルの上に乗り、ハクの身体の上に潰れない様配慮をし乍らも覆い被さった。

 

「んあっ。ハクの乳首と私の乳首が擦れて、気持ち良いわ」

 

「んっ! ルイー……ダ……ひぅ!」

 

「ほら、声も塞いで上げるからしっかり感じなさい」

 

 自分の胸とハクの胸をぶつけ合い、突起をお互いに触れさせるルイーダ。ハクが自分の上に乗るその姿に弱弱しく名前を呼んで見つめる姿を見て、ルイーダはより興奮しながらキスを再開する。胸を触れ合わせて唇を絡ませ、その間に下腹部も準備を始めていた。身長に差がある為に胸を合わせると秘部が合わず、中々上手く行かないルイーダ。やがてどうにも上手く行かない事に諦める様に身体を上げると、ハクの身体を抱き上げて椅子へと座り込んだ。そしてハクの身体を向かい合う様にして自分の膝の上に乗せ、背に手を回して抱きしめる様にする。お互いの胸が先程同様にぶつかり合い、唇を継続して絡め合う。若干前屈みではあるが、ハクの身体を自分の身体全体に感じる事の出来る体勢になったのである。

 

「ん、あっ! ハク。私の首に、んっ! 手を、回しなさい」

 

 快感に自らも見悶えながら、ハクに命令する様に言うルイーダ。同じ様に与えられる快感に乱れながらもハクは言われた通りにルイーダの首を抱きしめる様にして手を回す。するとキスが圧倒的に行いやすくなると同時に片手でハクを抱きしめるだけで体勢が固定できる様になる。そこでルイーダは右手を解放すると、自分の腹部にあるハクの秘部を弄り始めた。口、胸、秘部。3カ所からの快感に大きく身体を仰け反らせるハク。しかし追い掛ける様にその口を奪い続け、ルイーダはそのままハクを長い時間に渡って攻め続ける。ルイーダもハクと肌が擦れ、胸がぶつかる事で快感を得続け。ハクが複数回絶頂する毎に彼女もまた、絶頂を迎える。

 

「また……イ、クっ!」

 

「私も、来るわ。一緒に……一緒にイきなさい!」

 

 ハクを動かす手が強くなり、秘部を弄る手も早くなる。胸を何度も業とぶつけ、突起を引っかけ合い……ハクとルイーダはお互いに背中を大きく反らして絶頂を迎える。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ふぅ……もう1回するわよ」

 

「無、理……持た……ない」

 

「リッカにはもっとされたでしょ? まだまだ出来る筈よ」

 

 満足していないルイーダの言葉にハクが嫌がったとしても、聞き入れて貰えないのは当然の事。その後も続けられた淫らな行為は、やがてハクが気絶するまで続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どっちも、好き……けど、嫌い……」

 

「ご、御免ね! ハク!」

 

「御免なさい……気付いたら夢中になってしまったのよ」

 

 後日、2人に何方が好きかを聞かれたハク。その答えは何方かでは無く何方も好きでありながら嫌いと言う矛盾した答えであった。だがその意味がすぐに理解出来た2人はハクに謝罪をする。しかし一度生まれた感情は早々消える事は無く、リッカとルイーダはしばらくの間ハクから距離を取られると同時に口も聞いて貰えなくなるのであった。




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