※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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【英雄伝説】 アリサ・ラインフォルト☆

「うそ……そ、そんなの……」

 

 ある日、ハクから告げられた世界に残れる日数。それを聞いた時、アリサは自分よりも背の低いハクの肩に手を置いて膝を折る。膝立ちになって視線を同じ高さに合わせ、アリサは認めたくない故にハクからの答えを待つ。が、ハクは静かに首を横に振ってそれが事実である事を伝える。途端、アリサはハクの身体を強く抱きしめた。

 

「いや、いやよ! 一体、何処に行く気なの……?」

 

「……」

 

 アリサの拒絶が部屋の中に響き渡り、続けて不安そうにハクへ質問する。出会って数年。既にハクが唯の猫で無い事はアリサを初めとして絆を深めた者達の殆どが知る事であり、だが別れの時は余りにも唐突であった。ハクは自分が欲望を満たす為に現れた事を伝え、別の世界へ渡らなければいけない事も伝える。アリサはその説明を聞き続け、やがて瞳を揺らしながら抱擁を止める。

 

「この世界に残る方法は無いの?」

 

 自分の世界に帰れず長い時を世界を巡りながら生きていたハクは微かに自分の世界へ帰れる希望を失い始めていた。本当に自分の世界へ帰れるのか疑問に思い、だが始めて感じた確信の様な何かを信じる事しか出来ない。故にアリサの言葉に微かながらその心が揺れる。……が、ハクは少しの間を置いて答えた。

 

「……私は……帰る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリサがハクから残り数日で居なくなると言われた翌日。彼女は同じ部屋でハクの居ない状況を作り、シャロンに相談していた。第3学生寮の時を含め、ハクがアリサの次に傍に居続けたのは間違い無く彼女であった。

 

「と言う訳なの」

 

「そうですか……それで、お嬢様はどうするおつもりですか?」

 

「……分からないわ。でも、このままハクを失うのは絶対に嫌」

 

「ですがハク様本人が残ろうと考えない限り、難しいでしょう」

 

 話の内容は今現在この場に居ないハクについて。ハクを自分達の元から離れない様にする為には、ハク本人がその気になる必要がある。アリサはそれをハクとの会話から推察し、それと同時にどの様な形で居なくなるのかも聞き出していた。故にアリサはシャロンへ告げる。ハクの心を残りの数日で自分の物に出来なかった時、強制的にハクを世界に引き止める保険を掛ける為に。

 

「最悪、お願いする事になるわ」

 

「それがお嬢様のお望みなら」

 

 そう言って優雅にお辞儀しながら了承するシャロンを見て、アリサは座っていたソファから立ち上がって窓の外に広がる景色を眺める。今頃自分を慕ってくれる部下達に可愛がられて居るであろうハクの姿を想像し、1人拳を握る。それはハクを自分達の元に留める為、彼女へ酷い事をする事実に溢れる罪悪感を抑え付ける為のものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時が来るまで共に過ごして居たい。アリサのそんなお願いを聞いてハクは彼女が態々外す様に言わない限りはその傍に居続けた。そして数日が経ち、ハクが世界から離れるその日を迎える。アリサは出来る限りハクに残りたいと思われる様、様々な事をして来た。だがハクの心は揺れても変わらず、その日アリサは肩にハクを乗せて移動する際、傍に控えるシャロンへ視線を向けて頷いた。彼女もそれに返す様に頷き、2人は何時その時が来るのか警戒を続ける。

 

「……」

 

「!」

 

 部屋で過ごしていた時、突然ハクが改まる様にアリサの前で人型になり始める。到頭その時が来たのだと察した2人は別れを告げようとするハクの姿に真剣な表情で向き合った。

 

「……時間」

 

「……そう」

 

「行って、しまわれるのですね」

 

 初めて説明した時とは違い、感情を押し殺した様子で静かに受け入れるアリサと悲し気に告げるシャロンにハクは頷いて答える。その時、突然部屋の扉が光輝き始めた事で3人は同時に視線を向けた。そこにあったのはアリサ達が見慣れた扉では無く、ハクが数回通った事のある別の世界へ繋がる空間へ続く扉。アリサはハクから話を聞いていた為、不用意に近づかない様に気を付け乍らシャロンへ再び視線を向けた。

 

「……楽しかった」

 

「えぇ。私も貴女と出会えてよかった。……本当に」

 

 扉の前へ移動して振り返りながら告げるハクへ優しい笑みを浮かべてアリサは答える。その時、一瞬シャロンの姿が薄れた様に感じたハクは視線を向けた。が、そこには優雅にお辞儀をして見送りをする彼女の姿があり、ハクは彼女にも言葉を告げて扉へ向き直る。そしてその足を進め始めるが、近づいた事で見えた物にその足は止まった。

 

「な……ん、で」

 

 足を止めたハクの姿にアリサもシャロンも驚く様子は無い。何故ならそれは彼女達が仕掛けた罠故に。ハクが通ろうとした扉の目の前には無数に張り巡らされた線が反射し、その行く手を阻んでいた。見覚えのあるそれは触れるだけでも怪我する可能性があり、それを仕掛けた存在であるシャロンへハクは振り返る。彼女は微笑みを浮かべながらスカートを両手で摘んで一礼した。

 

「ハク様。貴女を行かせる訳には参りません。お嬢様の為にも」

 

「!」

 

 その目は本気であり、ハクは今すぐにでもその場から離れる必要があると感じる。疲れるのを覚悟で憑依召還を行い、キリトの武器で扉を封鎖する線を切ろうと動き始めたハク。だがその手に剣が握られた瞬間、振り下ろすよりも早く飛んできた2本の矢が持っていた剣を正確に弾き飛ばしてしまう。床に音を立てて転がるエリュシデータとダークリパルサーを前にハクはそれを行った相手、アリサへ振り返る、彼女の手には弓が握られ、今正に矢を放った後の体勢であった。

 

「……アリサ」

 

「ハク。やっとシャロンも戻って来たのに、貴女が居なくなるなんて認めないわ。どうしても行きたいなら、私達を倒して行きなさい!」

 

「……」

 

 封じられた扉を開けるには2人を倒す必要がある。そんな状況にハクは困惑しながらも、弾かれた剣を手にする。……狭い部屋はその後闘争の果てに荒れ、伏したハクは時間切れを知らせる様に線を強制的に切りながら閉まり始める扉へ手を伸ばす。やがて大きな音と共に扉が閉まり、光輝いた後に消滅。見慣れた扉へと戻ってしまう。そしてその光景を最後にハクは意識を落とし、以後その扉が彼女の前に出現する事は二度と無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界を渡る事が出来なかったハクは自分がもう今の世界から出れない事を嫌でも理解する。自分の世界へ帰る希望を失い、それを奪ったアリサとシャロンを恨むのも当然だろう。だが、彼女にそれは出来ない。今の世界で生き残れたのはアリサ達が居たからであり、これからも生きて行く上で彼女達に縋る事でしかハクには未来が無い故に。

 

 ある日、何度も繰り返す夜を迎えたハクは窓から見慣れた景色を眺める。空は暗くとも街灯や住宅、お店などの明かりで光は失われず、ハクは初めてその景色を見た時に綺麗だと感じた事を思い出す。するとハクの居た部屋にノックの音が響き、ハクは扉へ視線を向ける。……気付けば真後ろには優雅にお辞儀をするシャロンの姿があった。

 

「ハク様、お時間ですよ」

 

「……」

 

 それはあの運命を変えられた日以降、ハクが与えられた役割の様なものであった。肌が見え隠れする薄い衣を纏い、シャロンに連れられ向かう先は既に今日の業務を終えたアリサの部屋。シャロンが扉をノックすれば、帰って来る返答にその扉を開いた。だが彼女は入らず、ハクへ入室を促す。何も言わず、何も感じていないかの様な無表情のまま部屋に入ったハクを迎えたのは部屋の主であるアリサであった。

 

「こっちよ」

 

 既に寝る前の服装に着替えていたアリサは入って来たハクを手招きする。何度か繰り返しているハクは抵抗する様子も無くアリサの元へ近づき、彼女の隣に座るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界を渡れずに呆然自失と化したハクは数日に渡ってショックから立ち直る事が出来なかった。反応を示す事も無く、何かを食べる事もしない。だがアリサはそんな空っぽになったハクへ新たな使命を与えるかの様に囁き続けた。『貴女はこの世界に生きて、私と共に過ごし続けるのよ』と。恨む事も離れる事も出来ないハクに唯一出来た事はそれを受け入れる事だけ。……そしてハクはアリサの者として生きる事となった。

 

 同じベッドにハクが腰を下ろした時、アリサが横からその身体を抱いてベッドへ倒れた。新たなるハクの使命は飼い主であるアリサが抱える日々の疲れを癒す事。明確な方法は分からないが、アリサ曰く一緒に過ごしてくれるだけで良い。との事であった。

 

「……アリサ」

 

「はぁ~、この柔らかい感触。素晴らしいわ」

 

 自分を優しく包む様に抱きしめるアリサの顔を伺う為に視線を上げれば、恍惚とした表情でアリサは感想を告げる。そしてアリサとは真逆の脇腹を両手で数回撫でる様に触ると、軽々その身体を手の中で動かしてハクを自分と向き合わせる。……そして先程と同じ様にその背を撫でれば、微かに薄い布越しでハクの羽に触れた。

 

「んっ!」

 

「あ、ごめんなさい。痛かった?」

 

「……平気」

 

「そう。……ハク」

 

 強い刺激に抑え乍らも声を漏らす姿を見て少し驚いたアリサが心配した様に声を掛ければ、首を横に振ってハクは答えた。その際揺れる髪が手に当たって心地良く感じたアリサは優しい笑みを浮かべた後、背中に回していた片手をハクの項に当てて顔を近づけ始める。身長差からベッドの上で横になりながらも大きく前屈みになるアリサと後ろに反る事になったハクはそのままキスを始めた。幼い少女が女性に抱き寄せられてキスされるその光景は甘美であり、部屋の主すら知らない天井の隠しカメラ越しにそれを眺めるメイドも思わず頬に手を当てる。

 

「っ! ん、ぁ……」

 

「可愛いわ、本当に」

 

 ハクの着ていた薄い衣は脇部分や太腿の横部分が切れており、中へ手を通す事が可能な作りになっていた。何でも作れる万能で頼りになるメイドに感謝しながら、アリサはその中へ手を入れて片手で背中を。片手で臀部を撫でる。薄い布の奥には下半身のみ小さな下着が付いており、アリサはそれをすぐに脱がそうとはしない。

 

「……ん……ぁ」

 

「ふふっ」

 

 只管撫で続ける事で微かに声を漏らすハクを見て、アリサが薄く微笑む。彼女の中で自分の手に寄って感じているハクの姿は何よりの癒しであった。日々感じる疲れも大きく吹き飛び、その姿を見る為に頑張ろうという気概すら湧き上がる。それ程までにアリサの中でハクは無くてはならない存在と化していた。

 

「このまま寝るまで触ってるのも良いけど、貴女もそれじゃあ物足りないわよね?」

 

「……」

 

 過去に今と同じ時間を繰り返して来たハクにとって、この後行われるのは当たり前の事であった。気分によってしない日も当然あったが、既にアリサの愛撫でハクの身体は準備を始めてしまい、その心もまた受け入れる準備を整えていた。故にアリサの言葉を聞いて言葉にせずとも小さく頷いて答え、それを見て笑みを浮かべたアリサは最初と同じ様にハクの背を抑えてキスを始める。が、先程と大きく違うのは臀部を撫でていた手が下着を脱がし始めた事であった。

 

 薄い衣の中で脱がされた下着はやがて足も使われて完全に外され、その後ハクはアリサの手で体勢を変えられる。向き合う体勢から背を向ける状態になり、アリサが前屈みになればそれに押されてハクも身体を丸めずにはいられない。狭い空間で追い詰められた様な体勢になったハクは足の間にアリサの足を入れられた事で閉じる事も出来なくなる。下着を脱がした後の手は太腿を撫で、背中に回っていた手は腹部を抱き、アリサは優しくハクの耳元に息を吹き掛けた。

 

「安心するわ。貴女と触れ合ってるだけで」

 

「……そ、う……」

 

「えぇ。だからもっと、貴女を感じさせて頂戴」

 

「っ! ん、ぁ……!」

 

 腹部を抱きしめていた手が上へ。太腿を撫でていた手が中央へ向かい、今までと違う明確な刺激がハクの身体を襲う。必死に堪える様にし乍らも聞こえるハクの声はアリサの心を満たし始める。

 

「好きよ。狂おしい程に、ね」

 

 アリサ自身、ハクを逃がさない為に行った事が酷い事であった自覚はある。だが例えハクが絶望してでも自分の元から手放したく無かったアリサは同じ様にハクと長い間共に過ごしていたシャロンと結託した。……だからこそ、今現在自分の手で喘ぐハクの姿は心地良いものであった。

 

「んっ! あり、さ……」

 

 弱々しく自分の名前を呼ぶその姿に思わず湧き上がる衝動を抑え、アリサは指を動かしてハクに快感を与える。ベッドの上で小さく震えるその姿はアリサと見ているメイドの2人を更に興奮させ、その後も長い時間を掛けて部屋では弄ばれる少女の姿があり続けた。そしてそれはこれから先も毎日続く光景。

 

 飼い主の心を満たす猫の使命は永遠に終わらない。




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