※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

164 / 222
※既読推奨
【原神】 蛍


【原神】 胡桃

 その日、ハクの居た街には雪が降り続いていた。既に息を吐けば白い靄が目に映る程、寒くなった季節。ハクは蛍から貰ったマフラーを付けた状態で民家の屋根上にて、座りながら暗い空を見上げる。

 

「やぁやぁ、こんなところでお空を見上げて何をしているのかな~?」

 

「……胡桃?」

 

 そんな時、ハクの背後から現れた一人の少女が声を掛ける。花飾りの付いた黒い帽子の鍔に手を掛け、花の様な模様の浮かぶ赤い目で笑顔を浮かべながらハクを見つめるその少女。蛍と共に知り合った胡桃の登場にハクは驚きながらも顔には出さずにその名を呼んで首を傾げる。

 

「良い子はもう寝る時間だよ~」

 

「……子じゃない……蛍、待ってる」

 

「ん~? あぁ、彼女は今日も人助けかな?」

 

「ん……」

 

 空を見上げていたハクが今度は地上に目を降ろせば、そこには街の人から相談を受ける蛍の姿があった。困った人の手助けをする彼女の邪魔にならない様に。そして必要な時には手を貸せる様に、ハクは彼女の傍でこうして自由に過ごしていた。時折暇になったパイモンがハクを探しては見つけて近づいて来るが、今回は彼女も忙しい様子である。

 

「……一日、掛かるかも」

 

「それまで君はここに居るつもりなのかな?」

 

「…………」

 

「流石に風邪引いちゃうよ? 私も見過ごせないな~。あっ、そうだこうしよう! 私と一緒に過ごそう!」

 

 楽しそうに告げる胡桃の姿にハクは少し困るも、決してそれは悪い提案では無かった。暇な事は事実であり、蛍の手伝いと言ってもハクに出来る事は高が知れている。誰と過ごして居ても問題になる訳でもなく、ハクはやがて頷いてから屋根を飛び降りた。突如上から降って来た少女に周りが驚く中、ハクは蛍の元へ。

 

 屋根上から胡桃はハクと蛍が会話する姿を眺める。何かを言われて頷けば、今度は何かを告げて蛍が頷く事数回。やがてハクが屋根上の胡桃を指差し、蛍が見上げて二人の視線が重なる。蛍の琥珀色の目が静かに告げる。「ハクをお願い」と。胡桃はそれに頷き返し、戻って来るハクと共にその場を移動する。

 

「何、する……?」

 

「う~ん、実は何にも決めて無かったんだよ~。美味しいもの食べても良いし~、何処かで遊んでも良いし~。君の場合、遊ぶって事より寝たりする方が好きだもんね」

 

「ん……」

 

「そうだな~。なら、何処かでゆっくりしながらお話しよう。君も彼女に負けず、色々な世界を回ったんでしょ? 別世界の話、聞いて見たいな~」

 

 蛍が旅人である事を殆どの人物が知っている様に、ハクが彼女とは別の形で数々の世界を渡って来た事を知っている人物もこの世界には多かった。別の世界に関する好奇心が大きい胡桃はハクの話を聞きたがり、それに了承したハクは彼女と共に落ち着ける場所として宿を見つける事にする。既に蛍と別々になる都合上、時間も夜だった為に何処か別の場所で泊まる事は言わずとも分かっていた事である。

 

「それじゃあ、ハクの住んでいた世界の話から聞いてみようかな?」

 

「私の、世界は…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜も深くなり始めた頃、既に外の明かりも少ない中で胡桃はハクの途切れ途切れな言葉で語る知らない世界を聞いていた。ふと、ハクは外で降り続ける雪が屋根や地上に積もる姿を見て思い出した様に語る。

 

「……クリスマス」

 

「クリスマス?」

 

「ん……冬の、寒い時期……聖夜? を祝う」

 

「へぇ~、そんな行事もあったんだ」

 

 話題はクリスマスの事になり、胡桃はその内容をハクから聞いて知る。サンタの存在やプレゼントをあげる話等々。

 

「うん? サンタクロースって言ったかな? 赤い服に白い綿毛が特徴と言っていたけど、そんな服がどっかであった様な……?」

 

 胡桃は何かを思い出した様に上を向いて考え始めるが、ハクは自らに襲い掛かる睡魔を感じて小さな欠伸をした事で気付かなかった。胡桃はそんな様子を見て流石にかなり遅い時間だと気付き、話をここまでとする事にした。

 

 同じ宿の一人部屋を借りた二人。さも当然の様に胡桃はハクと共に同じベッドで横になる。ハク自身も全く気にせずに同じベッドで眠り、二人は共に朝まで眠りについた。

 

 

 後日、胡桃はとある商店で買い物をする。購入したそれを眺めて満足そうに頷く彼女の姿が目撃される中、ハクはまた違う日に彼女と再会した。

 

「実はこんな物を手に入れたんだ~」

 

「……」

 

 同じ様に蛍からハクを預かり、共に宿へ入った胡桃がハクへ見せたのは、赤い布地に白い綿毛が端の全体に付けられた服。ハクが何時か話していたサンタの服であり、だが大きく違うものでもあった。何故ならそれは胸の周りや腰の周りに着る事が出来ても肩や臍、太腿といった部分が完全に露出してしまうサンタクロースの服(ミニスカサンタ)だったからだ。

 

「こんな寒い時期に着る服じゃ無い気もすんだけどね~。せっかくだから、着てみない?」

 

「…………分かった」

 

 軽い提案の様な口調で告げる胡桃の目は明らかに期待しており、ハクはそんな彼女の思いと用意してくれた厚意へ答える為に着る事を承諾した。

 

 別の部屋で着替えてから姿を現したハクの姿を前に、胡桃は何かを納得する。それは寒い時期に着る服では無いという考えを払拭した瞬間でもあった。そう、それは寒さを凌ぐ為の服では無い。好いた者や愛しい者、又は愛らしい存在などに着せて満足する為の服であると。

 

「これは彼女が見たら興奮しそうだね~。あっはは、私も少しして来た」

 

「……恥ずかしい」

 

「とっっっっても可愛いよ~! 愛でて良い? 良いよね?」

 

「もう、してる……」

 

 短いスカートは屈むだけで下着が見えそうな程であり、ハクはそれを隠す様に裾を下へ伸ばしながら感情を告げる。そんな姿を前に胡桃は無意識にハクへ近づいており、ハクが許可をするより先にその頭を撫で始めていた。しかし彼女の愛でる行為は『頭を撫でる』のみに留まらない。

 

「んっ……」

 

「彼女もそうだけど、君もツヤツヤの髪に健康的な……というか、扇情的な肌をしてるよね」

 

「フー、タ、オ……?」

 

「大丈夫だよ、襲い掛かったりしないからね。でも、堪能はさせて欲しいな~」

 

 あくまでも胡桃の手は愛しい者を愛でる手であった。肩に手を置き、撫でる様にしながら腕へ移動。人肌で暖かい胡桃の手の感触にくすぐったさと僅かな快感を感じてしまうが、ハクは彼女を信じてされるがままとなった。

 

 腕を撫で回す手が今度は腹部に回る。後ろから抱き締める様に両手でハクを抱きしめ、頬で今度はハクの肩や首の後ろを感じながら……その手はゆっくりと下へ伸びる。大事な部分に触れるのではなく、ただ堪能する様に内腿や外側を撫でて更に下へ。

 

「ぁ…… っ!」

 

「むふふ~、えへへっ、なでなで~♪」

 

 終始胡桃は言った通り、ハクへ襲い掛かる事は無いままその柔肌を堪能し続けた。例えハクがその気になってしまっても、彼女が今本格的にする事は無いのだろう。

 

 やがて満足気に胡桃が離れた時、ハクはもどかしい快感をその身体に蓄積させられて立っては居られない状態になってしまっていた。着替える余裕も無いままベッドへ横になったハクは湿ってしまった下着ともどかしく燻る快感に内腿を擦りながら、決して自ら求める事はせずに目を閉じる。

 

「ふぅ~、満足満足。ってあれ? 眠いの?」

 

「……」

 

「それじゃあ、お休み。私はどうしよっかな~」

 

 微かに熱を帯びる身体を落ち着かせる様に意識しながら、ハクは眠りについた。薄れ行く意識の中、その薄目に見えた胡桃の笑顔で手を振る姿がその日見たハクの最後の光景となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハク、私も見たい」

 

「……」

 

 更に後日。蛍がハクにミニスカサンタの姿を要求する。本人にその気は無かったのだが、まるで自慢するが如く彼女は胡桃に先日の出来事を聞かされたのだ。

 

 仕方なく蛍の前で同じ姿になったハク。だが蛍は胡桃と違って本気で興奮してしまい、その日は結局彼女の思うがままに身体を好き放題され、存分に乱される事となる。




常時掲載

【Fantia】にも過去作を含めた作品を公開中。
没や話数のある新作等は、全話一括で読む事が出来ます。
https://fantia.jp/594910de58
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。