風の王国ローラント。多くのアマゾネス達が守りを固めるそこは風の力にも守られ、他国から攻め込まれる事の無い平和な国であった。日々鍛錬を欠かさないアマゾネス達。容易には崩せない風の守り。決して陥落する事の無いその国にはその日、混乱が訪れた。
「……ぇ?」
「何者だ!」
「……」
ハクが世界を渡り、最初に辿り着いた場所。それはローラントの玉座の間であった。
何処からともなく現れた謎の巨大な扉。そこから現れた少女。ローラントの王であるジョスターを始め、娘のリースとその弟であるエリオット。更には何かあった時の為にと傍に控えていたアマゾネスが、その光景に驚かずには居られない。だが少しの間を置いて我に返ったアマゾネスは即座にハクへ槍を向ける。王は眉間に皺を寄せてハクを見つめ、リースもハクをジッと見つめながら弟を守る様に前へ。
「……」
「答えろ!」
「……」
アマゾネスの問いを前に、ハクもまた困惑していた。新たな世界に関しての情報は一切有していない。故にここが何処であるのかも分からないのだから当然だ。いきなり目の前に現れてしまったとなれば、警戒されても仕方の無い事。ハクはしばらく黙った後、取り敢えず敵意が無い事を示す為に両手を上げて抵抗しない様子を見せる。
その後、ハクはアマゾネス達によって拘束される事となった。突如現れた謎の少女。その見た目だけで判断するならば、危険は無い様にも思えるだろう。しかしここは王国であり、他国から狙われる事も十分にあり得る場所だ。強きアマゾネス達が守り、その上に風が守るこの国において……何事もなく玉座の間へ侵入したハクは最も警戒するべき存在となった。
ハクはローラントの牢獄に投獄される。余り使われていない牢獄だが、掃除はされているのかそこは綺麗な場所であった。そこで彼女は翌日から尋問を受ける事に。その内容は当然、『どうやって侵入したのか?』である。ハクが侵入した方法を聞き出し対策を講じなければ、他国から攻め込まれた時に対処が出来ないからだ。
だがハクは答える事が出来ない。そもそも自身の意思であの場に現れた訳ではないのだから。
「……分からない」
「答える気は無い、と言う事か」
ハクは正直に答えるが、それをアマゾネス達が鵜呑みにする訳が無かった。危険人物として拘束されたまま数日。アマゾネス達は口を割らせる手段としてハクに対し拷問も視野に入れ始めた頃、それに待ったを掛ける人物が現れる。……それは玉座の間に居た王の娘にしてアマゾネスのリーダー、リースであった。
「こんにちわ、侵入者さん」
「……?」
「私はリースと申します。ローラント王国の王女兼、アマゾネス軍のリーダーをしています」
「……ハク」
「何度も聞かれていると思いますが、私から今一度聞きます。まず最初に……貴女はこの国へ侵略を目的に、もしくはこの国に害する事を目的に玉座の間へ現れたのですか?」
「……違う」
全くその気の無いハクは正直に否定する。リースはそれに対して何を言う事も無かった。信じているのか、信じていないのかは定かではない。当たり前の様に深くは聞かず、次の質問へと移る。
「どうやって玉座の間へ? あの扉は一体何だったのですか?」
「……分からない」
「分からない?」
「ん……扉を潜ると、知らない
「……」
リースはハクの答えに難しい顔を浮かべる。例えそれが事実だとして、ハクに関する情報は今のところ一切無いのだ。現れた理由も、方法も分からない。そんな不審過ぎる人物を野放しにする訳にはいかない。……が、リースは今一度ハクの姿を眺める。
自分よりも小さな身体。胸の大きさは同じくらいだろう。真っ赤な瞳と、自分と同じ様に伸ばされた真っ白な髪。表情は殆ど変わってはいないが、何処か不安そうにも見える瞳を前にリースは思う。『本当にこの少女が、国に悪しき心を持って現れたの?』 と。
アマゾネスのリーダーであるリース自ら行う尋問は更に続いたが、得られた情報は殆ど無いに等しい。ハクの居る牢獄から外へ出れば、控えていたアマゾネスが彼女へ声を掛ける。拷問をしようか考えていた段階でリースが止めた為、するべきかを彼女へ問う為に。
「いいえ。痛めつけるのは止めてください。それと今後、あの子は私が尋問します」
「分かりました」
リースという人物が常に誠実で立派な王女である事は、この国に住む者全ての共通認識だ。優し過ぎる場合もあるが、今回も子供に攻撃をする事実は避けたいと思ったのだろう。危険人物である事に変わりはない為、もしもの時に備えて護衛はすると約束しつつも、ハクに対する尋問等はリースが担当する事となった。
「おはようございます、ハクさん」
「ん……おはよう」
「なっ! 無礼者!」
「いいのです」
その翌日から、リースはハクの居る牢獄へ顔を出す様になった。護衛のアマゾネスと共にハクへ朝の挨拶をすれば、ベッドで足を出して座ったまま答えるハクに怒りを見せるアマゾネス。それをリースは制すると、ハクの居る牢獄を一度見回す。
尋問する部屋はテーブルに椅子と言った簡素な場所だ。そして牢獄はベッドとトイレ、外に繋がるネズミも通れない穴の鉄格子があるだけの場所。トイレは一切使われた形跡もなく、ハクが出来る事と言えばベッドで眠る事くらいだろう。朝の陽射しがベッドへ照り付けている事から、目覚めには困らなさそうだ。
「普段何をしているのですか?」
「……寝てる。……他に、何も無い」
「確かにそうですね……。ごめんなさい、少し彼女と2人だけにして貰えませんか?」
「ですが」
「お願いします」
「……分かりました」
「?」
リースは護衛として付いていたアマゾネスを部屋から出して、ハクと2人っきりになる。以前と同じ様に鉄の錠で両手だけ拘束されているハクはその行動に首を傾げるが、リースはアマゾネスが居なくなったのを確認してからハクのベッドへ。そのまま隣に座ると、ハクを見て微笑み掛ける。
「ハクさんはきっと、この国に仇なす思想を持って訪れた訳ではない。私はそう思っています」
「……ん」
「ですが、この国は風のご加護に守られています。そこへ何の脈路も無く現れたハクさんは、国として放ってはおけない人物なのです。分かりますよね?」
「……」
「ですから、もうしばらくの間我慢して欲しいのです。私が必ず、貴女に危険が無いと皆に信じてもらえる様にします」
「……ありがとう……でも、どうして?」
ハクの問いは『どうして自分を信じてそこまでしようとしてくれるのか?』という意味であり、リースはそれを察して再び微笑むと……ハクの頭を抱いて自分の胸に宛がい始める。それはまるで彼女が愛する弟を抱きしめる様と似ており、ハクは驚きながら顔を上げた。
「一目見た時は驚きで一杯でした。ですが改めてお会いして、会話もして、不思議と貴女を守りたいと思ったのです。弟のエリオットと同じ様に。きっと、私の傍に小さな子がエリオットくらいしか居なかったからなのかもしれません」
「……私……妹、じゃない」
「えぇ、勿論です。ですがローラントの王女でありアマゾネス軍のリーダーとして、か弱き者は守らなければなりません」
リースにとってハクは危険人物ではなく、守るべき者の1人となっていた。その理由を彼女はハクの見た目からだと思っている様であり、ハクは子供扱いされていると分かりながらも彼女の存在をありがたく思う。今の今まで自分を警戒して敵の様な目を向けられていたため、初めてこの世界で味方と言える存在に出会えたのだ。
ハクの存在をローラント王国が受け入れる様に、リースは行動する。変わらずに尋問の時間はやって来るも、リースが担当する事になった結果、その時間は殆ど雑談をするだけとなっていた。主にリースが話をしてハクが頷くだけの時間だが、それは何も出来ないハクにとっては楽しい時間。尚、主にその内容はリースの弟であるエリオットが如何に可愛いかを語られる時間でもあった。
数日が経った頃、ハクの居る牢獄から出て来たリースを待ち構えていた様に数人のアマゾネス達が彼女を出迎える。
「リース様。例の侵入者は情報を吐きましたか?」
「いいえ。ですが彼女に害は無い様に思えます。私には無口な女の子にしか見えません」
「しかし、玉座の間へ軽々と現れる術を持つならば、警戒しない訳には参りません。リース様の尋問をしても駄目となれば、やはり拷問を……」
「手荒な真似はしたくないのです」
「王国に災いを呼ぶかもしれないのです。お優しいリース様が心を痛めるのも分かりますが、やらねばなりません。明日にでも我らで」
「……」
リースは微かな焦りをアマゾネス達から感じていた。彼女達の国を思う心は本物であり、国に仇なすかもしれない存在が何日も拘束はされてるものの情報を吐かない事実は焦りを生んでいるのだろう。リースはハクを良く思っているが、アマゾネス達は違う様子。もう押さえるのにも限界が近づいていた。アマゾネス達は何としてでも、ハクに関する情報を必要としているのだ。
「リース様にお手を煩わせる事は致しません。拷問は我らで行います」
「……いいえ。彼女の拷問は、私がやります」
「なっ! ですが、リース様」
「最初はどうであれ、今彼女の尋問は私が担当しています。責任を持って、私がやります。……ですから、方法も私に任せては貰えませんか? 必ず、何かを吐かせてみせますから」
「…………そこまで仰るのなら、分かりました。
「はい。お願いします」
離れて行くアマゾネス達の背中を見つめてから、リースは振り返る。自分の出て来た扉、その奥にはハクの居る牢獄が広がっている。拷問をする他に無くなってしまった彼女はその事実に両手を胸の前で祈る様に合わせた。
「どうか、彼女にご加護を……」
拷問の日。アマゾネス達がハクの拷問準備を始める中、リースは不安な面持ちでその場へ足を進める。
リースはハクを傷つけたくはない。だが何かしらの情報を得ない限り、拷問は何日も続けられるだろう。ハクを受け入れられる様な切っ掛けとなり得る情報が無ければ、その内リース以外の誰かがハクに拷問をする事になる可能性もある。何とかする方法をリースは一日中考え続けていた。
「リース様。おはようございます。拷問の準備は既に出来ております」
「分かりました」
檻の中から出されたハクは牢獄にある拷問部屋へ移動されていた。リースが意を決して中へ入れば、そこには黒い布で目隠しをされたハクが大きな台に両手を左右から吊るされる様にして立っている。拷問の内容は様々だが、鞭等も用意されている部屋。衣服は意味を成さないと脱がされている様で、同じ女性としての同情からか下着だけ付けられたままの姿だった。
「っ!」
「ハクさん、おはようございます。リースです」
「……リース……」
「大丈夫ですよ。酷い事はしませんから」
ハクは拷問される事を予め知らされていた訳では無い。朝いきなり連れて来られて衣服を剥がされ目隠しをされた上に拘束されてしまったのだ。気配だけは感じ取れるも、それが誰かなど分からないハクはリースが入って来た事で怯えた様な反応をする。自分が今から何をされるのかと不安がる中、リースの声を聞いてその声音は確かに安堵していた。
「ハクさんを拘留していましたが、情報を得られない事で
「……話した」
「はい。私は信じていますよ。ですが、それが事実である確証が無いのです。……ですから、拷問をする事になってしまいました」
「……拷問……」
「先程も言いましたが、私は酷い事をするつもりはありません。しかし拘留している時同様に、私では駄目と判断されてしまうと……」
アマゾネスが納得する何かが欲しい。それはハクにも伝わっていた。だがハクは自身の事について正直に話をしている。拷問に耐え切るとなれば、痛い経験しなければならないだろう。ハクは何をすれば良いのか考える中、離れていたリースの気配が徐々に近づいて来ている事に気付いた。
「ですから、手段を変えようと思うのです」
「……手段?」
「皆が納得する方法。……それは、ハクさんが忠誠を誓う事です」
「……」
「ですがハクさんはここに来てずっと牢獄に居ました。国の事を知らない貴女のこの国に対する忠誠は疑われてしまうかもしれません」
「……どうする、の?」
目隠しは外されないまま、リースの気配が後ろへ回った事を感じながら聞き返したハク。すると突然、身体に暖かい物が触れる感触にハクは身体を震わせた。それは人の手であり、背中からゆっくりと腹部へ回るそれはやがてハクの全身を抱く様に触れる。お腹に手が回されて、服越しに背中全体で感じる人肌の暖かさ。リースが背後から抱きしめたのだ。
「私に忠誠を誓ってください。ハクさんが私のモノであるとすれば、皆納得してくれます」
「……リース……?」
「ふふっ。可愛いですよ、
ハクはこの時、ようやくリースの様子が可笑しい事に気付いた。それが何時からだったのかは分からない。今の姿を見た時からなのか、近づいた時からなのか。唯一分かる事は、今までの経験則から……自分は彼女に襲われるという事だけ。ハクはリースに対して安心していたとはいえ、愛している訳ではない。痛みとは違う行為の始まりを察した時、ハクはどうにも出来ない状況に受け入れる他に術は無かった。
リースの手がハクの身体を撫で回す。腹部や太腿といった露出している部分を撫でられる度に微かな声を漏らして身体を震わせるハクだが、拘束されて逃げる事は出来ない。
「心地良い肌触りですね」
「リー、ス……んんっ」
「ふふっ。は、むっ。んっ」
後ろから再び身体を抱き寄せたリースはハクの顔を振り向かせて口付けをする。果たしてリースがどんな顔をしているのか、ハクには分からない。だが漏れる息遣いと入り込む舌の感触は瞬く間に頭の中を真っ白に染め上げてしまう。そしてその世界にリースが入り込めば、ハクの中で確かにリースの存在は大きくなっていった。自分が堕とされそうになっていると嫌でも分かった時、ハクは強引に顔を逸らす。当然口付けは中断され、微かにリースの残念そうな吐息が聞こえた。
「私、は……リースのモノに、なれない。……何時か、この世界から……」
「逃がしません」
「ひぁ!」
リースのモノになる訳にはいかないとした抵抗。だがそれを許さないとばかりにリースの手が突然、容赦無くハクの大事な場所を守る下着の中へ入り込んだ。感じやすい身体はリースの口付けによって微かに受け入れる準備を初めており、彼女の指が容易く秘部の中へと侵入してしまう。
「ふふっ、もうヌルヌルですね?」
「ゃ、あっ!」
自分を受け入れている。そう感じたリースは機嫌を良くしながら、ハクの秘部に入れた指を動かし始める。激しくしてしまえば快感よりも痛みを与えてしまう。同じ女性だから分かる適度な攻めは確実にハクの身体を追い詰めていった。
ハクの胸にもリースの手が伸びる。行為の影響で下着がずれ初め、下は太腿まで。上は乳房の上へ乗せられる様にして大事な部分は露出させられる。が、リースの手が片乳を残してその全てを覆い隠す様にしていた。
「あぁ、可愛いですよ。エリオットに思う感情とは明らかに違うのです。私のモノにしたい、貴女は誰にも渡したくないっ!」
「んっ、あっ! 来ちゃ、う……っ! ~~~~っ!」
何も見えない事が余計にハクの身体を敏感にさせていた。リースの攻めは確実にハクの身体へ快感を与え続け、やがて限界が近づいた時。ハクは必死に太腿を閉じてリースの手を止めようとする。だが入り込んでしまった彼女の手は止められない。好き放題に秘部を弄られながら、胸を揉まれ続けたハクは何も出来ないままに絶頂してしまう。
「はぁ、はぁ……ひ、あっ! 待っ、てっ! イって、る……んぁ!」
だがリースの攻めはハクが絶頂を迎えても止まらない。優しくなる事も激しくなる事もなく、ただ同じ程度の刺激を与え続けるリースの行為は痛みは伴わずとも拷問と言えた。普段物静かなハクの姿を見ていたリースは、絶頂後に攻められる事で大きく頭を振って乱れるその姿により興奮し始めていた。
陽の昇る明るい内に始まった拷問は、陽が沈み始める夕方になっても続いていた。
拷問部屋から聞こえるハクの喘ぎ声。アマゾネス達は最初、拷問と言えば痛みによる悲鳴が聞こえると考えていたが、実際に聞こえてくるその声は明らかに嬌声。普段王女として、アマゾネス達のリーダーとして知るリースがハクに何をしているのか。……その内容がハクの声質から分かったとしても、彼女達は信じられなかった。
『あっ! んぁあ! ひっあああぁぁぁぁっ!』
「……」
「……」
『…………』
「……静かになったな」
「終わったのかもしれない」
途轍もない嬌声が扉越しに聞こえてくるのを、見張りとして立つアマゾネス達は聞いていた。そしてそれを最後に部屋の中が静かになった事で、遂にリースの拷問が終わったのだと見張りは思う。……それから少しして、拷問部屋の扉は開かれた。中から出て来たのは当然リースであり、彼女の姿越しに見える微かなハクの姿は両手を吊るされたまま力無くぶら下がっていた。
「拷問は終わりました」
「お、お疲れ様です。……何か情報は吐きましたか?」
「いいえ。ですがもう、彼女を拘束する必要はありません。拘留も必要ないでしょう」
「それは、どういう……?」
「彼女は私のモノになりましたから。ふふっ」
そう言って少しふやけた指先を口元に充てながら笑みを浮かべる姿に、見張りは何も言えない。
リースの指示で拷問部屋に吊るされたハクを解放する事になったアマゾネス達は一様にその姿を見て理解する。自分達には想像もつかない程に、この小さな少女は身体を弄ばれたのだと。傷は一つもない。女性の身体に怪我や跡を残す事はせず、完全に屈服させたであろうリースに戦慄すると共に改めて頼もしく素晴らしい王女であり、リーダーであるとアマゾネス達は思う。
その日から、ハクが牢獄に連れて行かれる事は無くなった。代わりに連れて行かれたのはリースの部屋。彼女のモノとして、彼女の傍に仕える事をリース自身から命令されたハクは決して逆らわない。自分の主人が誰であるのかを身体に刻まれて、少しでも反抗すれば夜に待つのは激しい責め苦。かと言って何もしなくても、毎日の様にリースから愛される日々が始まるのだ。
ハクはもう逃げられない。まだ残された処女を奪われるのも時間の問題だろう。いずれ世界を渡る事も出来なくされるハクは、この世界で永遠にリースのモノとして生きる事しか出来ない。