「ん、ちゅ……はむっ」
「ん、ぁ……止め、て……んぐっ」
その日、その世界でハクは1人の女性に唇を奪われた。相手の名はエニグマ。黒い服を纏った妖艶な女性の姿をしたその人物は人とは違う存在であった。そして彼女はある力を持っている。……それは口付けをした相手から、力を奪うというもの。奪った力は自らの意思で扱う事が出来、目を付けられたハクは今この時全てを失う。羽の力も姿を変える力も、絆や世界を渡る力でさえ。
「ふぅ……ふふ。なるほど。この世界以外にも、無数に世界は広がっているという事ね」
「……ぅ……ぁ」
濃厚で長い口付けの末に、ハクの背中へ腕を回しながら自らの口周りに付いた唾液を舐め取ったエニグマは全てを理解する。彼女の目的はこの世界に存在する人間や特異な存在の力を手に入れ、全てを支配する事だった。だがこの世界以外にも無数に世界は広がり、1つを支配するだけでは意味が無い事を知ったのだ。更には人間とは全く違う存在、吸血鬼やデータの世界で生きる者達の存在も知った事で彼女の目的は果てしなく長い道のりへと変わる。
「貴女には、永遠に付き合ってもらうわ」
そう言って弱ったハクの頬に触れたエニグマは嗤う。ハクにとって、世界にとって一番の不運は既にこの世界での欲望を満たしていた事。エニグマが片腕にハクを抱いたまま手を伸ばせば、目の前に現れた巨大な扉がゆっくりと開き始める。そして、危険な存在が扉を潜って別の世界へ解き放たれる事を許してしまった。
エニグマは元の世界で造られた存在であった。そして自分を作った人間や、その切っ掛けとなった特異な存在を見下す。……そんな彼女が偶然出会った1匹の猫は、人でも自分の知る特異な存在でも無かった。故に興味を抱いた彼女はハクの周囲を調べ、ハクについてを知る。人間でも特異な存在でも無い、自分の様な第三の存在。それだけで彼女がハクに特別な思いを抱くには十分だった。自分と同じ普通な存在では無いからこそ、人間の元に居る彼女を手中に納めたくなったのだ。
「貴女はもう、私のモノよ」
「ぃ、ゃ……んぁ!」
ハクの意思はそこに必要なかった。感情を残したまま、全てを自らの思うがままに進ませる事が出来たエニグマは楽し気に自分に抱かれて喘ぐハクの姿を見ながら笑う。渡って来た世界は特別な力を持つ物など1人も居ない、平和な世界であった。自分達を追い詰める様な存在は居ない。支配して欲望の対象を強制的に満たす事も出来る中、エニグマはそれをせずに手に入れた家でハクの身体を楽しみ続ける。
「抜い、て……っ!」
「ふふっ。なら、頑張りなさい」
エニグマが動く度に、身体の中を抉る様に動き回る熱いモノの感触にハクは嫌がりながら必死で首を横に振る。ハクは今、確かに彼女の身体から生えた男根に貫かれていたのだ。エニグマの姿は明らかに女性だが、生やす力を彼女は持っていた。当然吐精する事も出来、ハクは既に何度も膣内で受け止めさせられている。それでも必死で抵抗するのは、行為を始める度に自分が逃げられるかも知れない希望を与えられるから。
『もし途中で抜く事が出来たら、貴女を逃がしてあげる』
その言葉を信じて、ハクは腰を浮かせて自らの膣内を擦れる男根の感覚に苦しみながらも抜こうとする。だが完全に抜ける寸前で、何時もエニグマに腰を上げられて奥へ突き入れられてしまう事で振り出しに戻らされていた。『動かないとは言っていないわ』。それがエニグマの言葉であり、結果的にハクがしているのは相手の男根を気持ちよくする行為となっている事に本人は気付けない。
「残念、時間切れよ。今日もタップリ、中に出してあげる。そろそろ妊娠するかもしれないわね?」
「っ! だ、めっ……! 貴女の、なんて……妊娠、したく……ない!」
力を奪われて世界を強制的に渡らされ、純潔も奪われて彼女の玩具の様にされる。余りにも絶望的な状況で、それでもハクはエニグマを拒絶した。しかし言われた本人は楽し気に笑みを浮かべたまま、ハクの腰を両手で掴んで道具の様に動かし始める。自らの腰を僅かに揺らし、腕の力でハクの身体を上下させた。膣内を抽挿する男根が快感を与えると共に、徐々に膨らむ感覚に首を横に振ったハク。……だが、全てを失って小さな子供となった彼女に出来る事は何も無かった。
「ぃ、やぁぁぁぁ!」
「んんっ……! 貴女の声を聞きながら中に出すのは、何度やっても止められないわ。ふふっ」
何時かの様に弱々しく後ろへ倒れるハクの背中に片腕を回して、恍惚とした表情で感想を告げるエニグマ。ハクの瞳から零れた涙でさえ、自分のモノとばかりに舐め取った彼女は再びハクを揺らし始める。1度中に出した程度で、彼女は満足出来なかった。普通の男なら1度や2度で体力が尽きるが、人間では無い彼女にその常識は通用しない。日によっては丸1日犯される事もあり、ハクは濃厚な口付けされながら、これからも彼女の慰み者となる未来に絶望するしかなかった。