【デレマス】 一ノ瀬 志希
一ノ瀬 志希が奏の家に居候してからどれだけの月日が経ったのか。奏は完全に志希を家族として迎え入れており、志希はそんな彼女の常識を徐々に自分の都合が良い様に侵食していた。
「志希~! お風呂に入ろ!」
最初は別々だったお風呂も志希から『一緒に入るのは当たり前』と言われ続けた結果、今では奏から誘ってくる様に。これがもし別の良識のある者の家で行われた事なら、即座に注意されてしまうだろう。だが志希にとって都合が良かったのは奏が誰かの家へ泊まりに行くような事が無かった事。友達はちゃんと居る様だが、例え遊びに行ったとしても志希が帰って来る事を分かっている為に奏も真っ直ぐ帰って来るのだ。
お風呂に入ればお互いの身体を自分の身体で洗い合うのは当たり前の事。奏はまだ不器用ながらも少し慣れてきた様子で志希の身体をその小さな膨らみを見せる胸や柔く心地よい肌触りの手足を使用して、一生懸命に志希の身体を洗う。毎日アイドルとして頑張っている彼女を労う様に。
「んしょ、よいしょ!」
「むふふ~! 良いねぇ~!」
お風呂に入って身体を擦り付ければ、志希にだけ感じられる奏特有の匂いが石鹸の匂いと合わさって全身を包み込む。それはその匂いを好む志希にとって至福の一時であり、お湯で洗い流した後も同じ湯船で抱き合う事で志希は望むままに堪能し続けていた。
「あははっ! くすぐったい!」
「クンカクンカ。クンクンクンクンっ!」
「志希、犬みたい!」
「そうかにゃ~?」
「うん。あ、でもいつもは猫みたいだし……どっちかな?」
湯船の中で奏を後ろから抱き締め、その腹部に両手を回してしっかりと抱きしめて全身を密着させながらその髪に鼻を埋めて匂いに溺れる。どんな疲れる日であっても、その疲労が全て湯船へ溶けていくかの様に志希は癒され続けた。
「あ、そうそう。実は最近知ったんだけど、裸で寝ると身体に良いらしいんだよね~」
「裸で? 寒くない?」
「ちゃんと布団は被るって。ちょっと試してみない?」
寝る時に裸で寝る人は確かに存在するが、奏は基本的にパジャマなどを着て眠っていた。志希もそうだったが、ここで志希は更に奏の常識に侵食を開始する。お風呂で一緒に入り、身体を洗う事は見事に成功した。そんな彼女が次に狙ったのが就寝の時間。既に同じ布団で一緒に寝る事は志希の提案で受け入れられており、今の感覚を寝る時にも味わいたい狙いがあった。
「う~ん……」
「身体に良い事をすれば、健康になれるよ~? 健康なら、お菓子も一杯食べられるにゃ~」
「お菓子!」
志希は思う。奏はチョロ過ぎると。お菓子が食べられると思うや否や、目を輝かせて乗り気になり始める姿を前に一抹の不安を抱きながらも、思い通りに行く事を察して笑みを浮かべるのだった。
電気を消して同じ布団に二人は入る。それも生まれたままの姿になって。服を着ていない事で感じる布団の感触に戸惑いつつ、奏は何時も一緒な志希に身体を向ける。途端に伸びて来た両手に引き込まれて奏は志希の身体に包み込まれた。
「あぅ。あったかい!」
「だね~。すぅーはぁ。あぁ……しゃい、こう……っ!」
籠る布団の中で自分の匂いに混じって生じる奏の匂い。普段から感じているよりも裸だからか、より一層濃いその匂いに志希はファンにも友達にも決して見せられない様な表情を浮かべる。そして遂に彼女の天才な思考の一部が少しだけ麻痺した。
「奏」
「ん~? んむっ!?」
「ん、ちゅ……はぁはぁ、はむっ!」
一緒の布団へ入る事も、一緒にお風呂へ入る事も、裸で夜を過ごす事だって焦らずにゆっくりと進めてきていた。だが奏の匂いを籠った布団の中で一気に吸ってしまったせいで、
「ん、じゅ! ジュルルっ! もっと、んっ!」
「んー! んんっ!? んーーっ!」
抱き締めていた腕で強く引き寄せて、奏の身体に半身を覆い被せる。全身を乗せてしまえば苦しんでしまうが、志希の半身でなら奏の自由を奪うだけに留まった。そしてそのまま後頭部に手を回して引き寄せ、強引に舌を入れながらキスを再開。奏は困惑しながら、逃げられない状況で志希の深いキスを受け入れるしかなかった。口内に這い回る舌の刺激が、奏の身体から徐々に力を奪っていく。
「ふぅーっ! もう、こうなっちゃったら仕方ないにゃ~」
「はぁ、はぁ……し、き……?」
「ごめんね、このまま君を襲っちゃうね?」
麻痺は一時的なものであり、志希はすぐに冷静になった。だが脱力する奏の上で、もう後戻りは出来ないと志希は両手で布団を持ち上げると、一気にその全身を包み込みながら本格的に襲い掛かる。脱がすものも無く、奏の身体を志希が弄り始めれば、まだ快感を知らない無垢な身体は弱々しくも反応を見せる。
「んぁ! 何か、頭、ビリって……」
「大丈夫。身を委ねれば気持ちよ~くしてあげる!」
「気持ち、よく……? ふあぁ!」
脇腹を撫で、僅かに膨らんだ乳房を手の平で覆いながら優しく揉みしだく。身体が反応する事で僅かに揺れるも、志希に乗られている事で奏は大きく身動ぎする事が出来なかった。
電気の消えた暗闇の中、布団に覆われた更に暗い中で、少しそれに慣れた二人がふと目を合わせる。志希の引き込まれそうな瞳の中には、少し不安げな瞳で僅かな涙を浮かべた奏が映っていた。
「あぁ、堪んない。我慢出来ない! もっともっと、君が欲しい」
「んむっ、んー!」
答えを聞く間もなく、志希は再び奏にキスをする。逃げられない様にかなり強引なやり方で、そのまま両手は奏の身体を再び弄り始めた。
「ん、ぁ! ふぁ! し、き……!」
それだけでなく、キスを止めた後に志希はそのまま奏の首筋や胸元に舌を這わせる。普段味わう事のない暖かく滑ったモノが身体を這いずる感覚に奏は声を上げた。もう彼女は志希のされるが儘に、急におかしくなってしまった事に困惑しながら、触れられる度に感じる刺激を耐え続ける事しか出来ない。
「っ! ビリって、また……!」
「怖がらなくて良いにゃ~。それが、気持ち良いって事だから」
「気持ち、良い……? んぁ! ま、たっ」
「そうそう。ほら、声に出して行ってみよ? 気持ち良い」
「気持ち良い。気持ち、いい……んぁ!」
受け止めるしかない刺激が気持ち良いものだと、志希に教えられて奏は言われた通りに復唱する。その間にも身体は志希の手に寄って触られており、徐々に奏は無意識に反応してしまう様な刺激や快感を悪いモノではないと受け入れ始める。
「気持ち良い」
「気持ち、ふぁ! い、良いっ……」
「志希ちゃん大好き」
「志希、ちゃん……あっ! だい、好きっ!」
「もっとめちゃくちゃにして~」
「もっと、んっ。めちゃ、くちゃに……して」
「りょ~かいっ!」
言われた言葉をそのまま復唱していた奏は、自分が何を言ったのかも混乱している中で分かっていなかった。だが言質は取ったとばかりに志希は三度奏へ本格的に襲い掛かる。柔い身体を撫で、舌で舐め、その全てを堪能する様に。
「いーっぱい、気持ち良くしてあげるね~!」
それから志希の気が済むまで、奏は身体を弄られ続けた。まだ性的な快感への理解も無い奏には絶頂をしたかどうかも分からない。志希自身も奏の全てを好き放題出来る事で堪能はするが、始まりが突然だったようにその終わりもまた突然だった。満足した瞬間、そのまま志希は意図が切れた様に眠ってしまったのだ。
「今日も裸で寝ようね~」
「うん……志希、またおかしくならない?」
「ん~? だいじょーぶ。昨日もおかしくなった訳じゃないよー」
「で、でも……怖かったよ?」
「……そっか。それじゃあ、次はもう少し優しくシテあげるね?」
急に距離を縮めるどころか強引な手段に出てしまった事で、奏を不安にさせてしまった志希。少し距離が出来たとしても、当然それで諦めたり逃げる様な彼女ではない。寧ろやってしまった事は仕方が無いと開き直り、それを普通にする為に奏の就寝時間への侵食をより深く開始する。
志希の望む奏との淫らな日常が始まるのは、もう時間の問題だった。