【もしもの話】
それはサガリ氏を僕の配信に呼んで雑談をしていた時の事。ボクがあげたスマホロトムで別々の場所でも会話を出来るから、旅を再開したサガリ氏をこうして定期的に配信へ参加させる事が出来て視聴者数もシビルドン上り。パルデア以外の地方に関する話とか、旅の内容とか気になってる皆の者はそこそこ居るらしい。まぁ、ボクの配信にだけ出るって約束もしてるからサガリ氏の動向を知れるのはボクのチャンネルだけだしね~。
『ナンジャモとサガリが幼馴染だったらどうなってたんだろう?』
「ん? ほうほう、ボクとサガリ氏が幼馴染だったらかぁ~。サガリ氏はどう思う?」
「俺が居る事で配信するしないは別として、こうして呼ばれてはいたんだろうな」
「だね~。あ、でも……」
ふと、コメントに書かれた内容に目が留まって話の種に。そこで、ボクは想像してみる……サガリ氏がボクと幼馴染だった場合の日常を。
「サガリ~!」
「なんだよ、またアンチコメで騒いでるのか?」
きっとボクはサガリ氏の事を普通に呼び捨てで呼んでると思う。今でこそ、知り合った人は配信者のナンジャモとして出会う事が殆どだから『氏』を付けてるけど、子供の頃から一緒だったら配信を始める前から呼んでるって事になるし。で、やっぱり注目されたいボクは配信を始めるけど、良いコメントやアンチのコメントで一喜一憂してはサガリ氏に何度も相談するんだ。
「ったく。ほら」
「はぁぅ~癒される~」
それで、ちょっと呆れながらも僕を慰めてくれるサガリ氏。そうだなぁ~、ここは膝枕とかにしとこうかな? ボクよりも小っちゃい癖に、言葉だって乱暴なのに、何だかんだで甘やかしてくれて、そこにバブみを感じちゃったらきっと、子供の頃からずっと受けてるボクなんかは溺れてそう。そう考えるとサガリ氏って、結構沼だよね。
「そんなに気にするなら辞めれば良いじゃんか」
「やだ。もっと登録者数を増やして、ちやほやされたい!」
「承認欲求の塊か、お前は」
「配信者なんてみんなそんなもんだよ~。って、あれ? サガリ、何見てるの?」
「お前以外のチャンネル」
「……
サガリ氏の事だから、子供の頃から一緒だとボクが配信していると知ってもちゃんと見てくれるか分からないよね。若干天邪鬼なところもあるから、寧ろボク以外の配信を見そう。でもやっぱりボクはボクを見て貰いたいから、そんなサガリ氏の行動が許せなくなる。『他の奴を見ないでボクを見ろー!』ってね。
「のわっ! 何すんだよ」
「はい、登録解除!」
「んなの、また登録するだけだっての」
「むぅー! ボクのチャンネル以外は登録しなくて良いんだよ!」
あ、想像すると嫉妬で狂いそう。正直今だって、サガリ氏の存在は結構ボクの中で大きいんだよ。ボクより小さいのに何か大きい感じがして、一緒に居た日々は楽しかったなぁ。それこそ子供の頃から一緒だと、もっと楽しいのかな? それとも飽きてる? うーん、流石に分からないや。
でも、誰かに見て欲しいボクはサガリ氏には特に依存してるかも。
「どうにかしてボクだけにする方法、無いかなぁ」
「無理だ。諦めろ」
「むぅー! むぅー! とりゃ!」
小さい頃だったらサガリ氏が意地悪でも、子供らしく頬でも膨らませながら不満を示してたかも。だけどもし今の時代までボク達が過去から一緒だったら、ボクはそれで終わらせない様な気がする。それこそ、本当にサガリ氏を自分のモノにしたい。他の誰も見て欲しくないって思ってるかも。……あれ? ボク、サガリ氏にべた惚れ? しかも重い?
「乗るな、重い」
「サガリは女の子なのに女心がまるで分かってないなー。仕方ない、ボクがわからせてあげるよ」
「はぁ? おい、服を捲るな。中に手を入れるな!」
もう何となくそれっぽい理由を付けてサガリ氏に襲い掛かるかも。多分最初はただじゃれついてるだけって思われて、そんなに抵抗されないんだよね。友達に甘いっていうか、詰めが甘いっていうか、ボクが本気になっても絶対にサガリ氏は気付かない。
「んっ! おま、ぇ……んぁ!」
「へぇ~、ぺったんこでもそれなりに柔らかいんだね。モミモミ」
サガリ氏の幼少期が違うとなったら、もしかすると普段着てるゴスロリっぽい服装じゃないかもなんだよね。ボクと一緒に居る訳だから、ボクに似た服装になるのかな? サガリ氏とおそろ、悪くない。取り敢えず想像での話だから、服装は変わらずで考えようかな。その裾部分に手を掛けて、そこから中へ手を入れて、お腹を撫でながらおっぱいを揉んで。例え貧乳とはいえ、やっぱり女の子特有の柔らかさはあるんだよね。
「おっ? おっ? ちょっと乳首が固くなって来たかなぁ?」
「そんな、訳……んぁ!」
「サガリって強気な癖に、弱いよね~」
「うる、っさいっ! 離、せっ!」
「前に視聴者に受けたメスガキムーブしてみるぅ? ほら、ざーこざーこ♪ ……これ、サガリの方が似合いそうだよね。クリクリ」
揉んで、摘んで、クリクリして、サガリ氏は絶対に良い声で喘ぎそう。それにあんな強気なのに敏感で、ちょっと責められただけで力が弱くなって抵抗出来なくなっちゃう。因みにメスガキムーブは前に配信の罰ゲームでやったけど、本当にサガリ氏は似合いそう。こう、『弱いな、お前』とか『雑魚』とか言われて、その後でポケモンバトルとかで何とかわからせたいかも。馬鹿にしてた相手にやられて悔しい顔するサガリ氏……フヒッ!
「ふざ、けるの、も……いい、加減に……っ!」
「ふざけてないよ」
「!」
で、ここで声のトーンを下げて出来る限り低めな感じで。じゃれつきじゃなくて、本気で襲ってるって油断してるサガリ氏でも分かる様に。ここでゾッとしたであろうサガリ氏は多分本気で抵抗してくるんだけど、やっぱり感じちゃってもう弱々な身体じゃなぁんにも出来ない。サガリ氏は一度やられたら最後、負けっぱなしがボクの解釈なんだよね。
「幼馴染で時々ボクに意地悪で、でも何かあったら甘えさせてくれたりするサガリが大好き。だから誰にも渡さないし、ボク以外の誰も見て欲しくない」
「ナンジャモ……お前……っ!」
あれ? 何か想像の中のボクが勝手に告白を始めたんだけど!? しかも動揺してるサガリ氏の隙をついて押し倒しちゃった! ボクだけど、ボクじゃないボク! やり過ぎちゃってる!何時の間にかハイなナンジャモの姿になっちゃってる!?
「もうスイッチ入っちゃったもんね。だけど、嫌なら本気で抵抗して良いよ」
「お前……こんな事しといて不安そうな顔で言うんじゃねぇよ」
「だって……だってぇ! 拒絶されたらどうしようって、これでサガリがボクの事を嫌いになったらどうしようって思ったら……」
「ったく。なら最初からやんな……別に、嫌ったりしない」
「! そ、それって……サガリぃ~っ!」
「わぷっ!?」
あぁ、何か想像っていうか完全に妄想かもこれ。何時の間にかボクの中に出来た幼馴染のボクとサガリが、甘酸っぱい感じで結ばれてる。これって、現実のボクがサガリとの関係をそう望んでるって事、なのかな? 取り敢えず、もうボクの意志や考えで話のボクは動かなそう。でも、このまま想像を止めるのもなんか勿体無い気がする。最後まで続けて見よ。
「そ、そそそ、それじゃあ今日からボクとサガリはこ、ここ、恋人って事で良いの、かな?」
「……そう思いたいなら勝手にしろ。今とそんなに変わんないだろ?」
「変わるよ! 色々、本当に色々変わるよ! え、えっちな事、とかも……良い?」
「……」
「あ、ジト目可愛い。好きっ」
「はぁ……」
新生バカップル、ナンジャモ(想像)×サガリ(想像)は次の瞬間からイチャつき始めたんですけど! ぼ、ボクはそんなに言葉をどもらせたりしないでちゃんとハキハキ喋るって! 確かにそんな経験無いけどさぁ!
―――おいっ
大体、サガリ氏も何さ。『今とそんなに変わんないだろ?』とか言ってさ! やっぱり女の子の癖に女心が全然分かってないよ! 普通、恋人とかになったら同じ事でも全然違う気分になったりすると思うんだよ、ボクは!
―――おーい
男勝りなのも考えものだよね、やっぱり。ここはボクが何とかしてサガリ氏を女の子にしてあげないと。インフルエンサ―の称号は伊達じゃないって見せてあげないとね!
「いい加減戻って来い、馬鹿ジャモ!」
「へ? あ、あれ?」
「お前、配信中に黙って考え始めんなよ。軽い事故だぞ」
大きな声が画面越しに聞こえて、ボクは想像の世界から戻って来ていた。コメントにはボクを心配してくれてる皆の者が沢山。想像し過ぎて配信を放棄しちゃってた!?
「あ、あはは~。ごめん、ついサガリ氏と子供の頃から一緒だったらどんな風だったかを想像しちゃって」
「随分長かったな。どんな感じの想像だよ?」
「えっと……」
『アンチコメントとかで甘えさせてもらってそのままエッチな悪戯してからの告白で無事に結ばれてイチャイチャしてた』なんて言える訳もなく、ボクはこの後ボクのした想像を伝えない様、配信で培われた巧みな話術で話を逸らす事に。……続きの想像は配信が終わってからにしよ。