【QB】アイリ
武者巫女と呼ばれる事もある女性、トモエは故郷のヒノモトを飛び出す様にして異国の地へやって来る。彼女は命じられたクイーンズブレイドと呼ばれる大会へ出場する他にもう一つ、個人的に果たしたい目的を持っていた。
「久遠……」
血縁関係は無いものの、妹の様に愛していた大切な少女……久遠。ヒノモトに居た筈の彼女が同じ様に大会へ出る事となり、その強さからトモエは無謀だと思いつつも、それを止める事が出来なかった。少しでも勝率を上げる為にと、似た様な大会へ別の名を使って出るという話だけを最後に、その行方は知れず。
「やはり、負けてしまったのですね」
辿り着いた大会の街で、トモエは情報を集めた。その結果、彼女に分かったのは久遠と思わしき少女がメイド姿の女性に敗北したという事。勝者の女性は大会に最後まで参加せず、途中で試合を放棄して消えてしまった事。強い者は参加者、観衆の目に留まる。優勝してもおかしくなかったが故に、試合を放棄した事で印象に残っていたのだろう。
「一体、久遠を連れて何処へ……」
本物の大会、クイーンズブレイドが始まってしまえば、探しに行く事は簡単ではなくなってしまう。トモエはその時までに久遠の所在を掴み、もし誰かの所有物とされているのなら取り返すつもりでいた。負けた事実があるのなら、その可能性が高いからだ。
アークがアイリに敗北し、彼女の精奴隷となってから長い月日が経った。自由な時間はあれど、毎日欠かさず精気は吸われ続けている。つまり一日に一回は必ず絶頂を迎えさせられており、その身体はアイリに都合の良いモノへと開発されていた。
「ふぅ。ご馳走様でした。今日も美味しかったですわ」
「ぅ……ぁ……」
とある街の宿で、アークは身体を震わせながら満足した様子のアイリに頬を撫でられる。絶頂した事で精気を吸われ、疲れ切ったその身体はアイリの壊れ物を扱う様な愛撫にやがて意識を失う。それは毎日、何度も繰り返されている事。
翌朝、眠った事で少しだけ体力を回復出来たアークはアイリの傍を離れて街へと赴いた。彼女は逃げ出そうとした事もあるが、アークの精気を完璧に覚えたアイリからは絶対に逃げられない。お仕置きとしてその夜は一度の絶頂では済まなくなってしまい、自分が彼女のモノであると分からされてしまった。反抗も抵抗も無意味だと、思い知らされた。
「ぁ……久遠!」
「っ! トモ、エ……?」
「あぁ、やっと。やっと見つけました!」
突然掛けられた声にアークは、久遠は振り返る。ヒノモトから離れている事を知らない久遠にとって、トモエがここに居る事は予想出来る筈のない事。驚き固まる中、ゆっくりと近づいたトモエはやがて久遠の身体を力一杯に抱き締める。その豊満な胸に顔を押し付けて、自分よりも小さな身体を全て覆う様に。
トモエは久遠へずっと探していた事や、ヒノモトの外へと出た経緯を説明する。そして彼女は当たり前の様に願い、続けた。
「私と一緒に行きましょう」
「……」
それが出来るなら、久遠はそうしていただろう。姉の様に信頼を置ける彼女の傍に居られれば、一人だった時でもついて行っていた。だがその決定権を久遠は持っていない。既に自分の事を自分が決められる立場に無い為に。それを伝えようと口を開こうとした時、遮る様に別の人物が現れる。
「それは出来ませんわ。何故なら、彼女は既に私のモノですもの」
「貴女は……人間、ではありませんね?」
「えぇ。彼女のご主人様、ですわ」
物の怪の類と戦う事の多かったトモエの目に、アイリは人間としては映らない。即座に久遠を守る様に後ろへ下げながら警戒をするが、アイリは余裕の姿で話を続ける。既に久遠が敗北している事実を知っているトモエは、アイリの服装もあって全てを理解した。
しばらく睨み合う二人。だがアイリはトモエから彼女に守られる
「!? 久遠!」
「ふふっ、良い子です。ちゅっ」
「……」
自分から久遠が見知らぬ女の元へ離れてしまった事に衝撃を受けるトモエ。そんな彼女へ見せつける様にアイリは久遠に軽い口付けをする。一瞬にしてトモエの感情は激化し、その矛先はアイリへと向けられた。大切な存在が奪われた事への嫉妬なのか、アイリはそんな向けられるトモエの感情を感じても涼しい顔で久遠を抱きしめる。
「どうやら、祓わなければならない様ですね」
「あら、街中で物騒ですわね。ですが刃を向けて来るというなら、受けて立ちますわ」
「久遠を返してもらいます!」
「最初から貴女のモノじゃないでしょうけど……なら、私が勝った場合は二度と彼女の前に現れないでもらいましょう」
大会とは違う私闘。だが賭けるモノはあり、二人は街の中でありながら自らの獲物を構えて対立する。周囲は騒ぎ始めるも、この世界の民衆は戦いを楽しむ者が多く、やがて彼女たちの周りを囲む様にして盛り上がり始める。久遠は少し離れた場所へ避難させられ、やがて一人の少女を賭けて巫女と死霊がぶつかりあった。
ボロボロの巫女服で大事な部分に布をギリギリ残しながらも、大きく肩で息をしながら刀を構えるトモエ。そんな彼女の目の前で同じ様にボロボロの姿で膝をついたアイリ。この私闘の勝者がトモエとなった時、アイリは苦しそうにしながらトモエを見上げる。
「この私が……」
「私の、勝ちです。久遠は、返してもらいます……っ!」
「くっ……仕方ありませんわね。ですが、すぐに分かりますわ。もう彼女は私無しでは生きられない」
「何を……なっ!?」
最後に不敵な笑みを浮かべながら、アイリの姿が服から順に消え始める。民衆に見られる中、大事な部分を晒さない様に腕や足で隠しながらやがて完全に消えてしまったアイリに驚き、だが自分が勝った事実が変わらない事でトモエは久遠の元へ。
「トモエ……服、ボロボロ」
「この様に人前で肌を晒す事になるとは……ですが、貴女を助けられました。悔いはありません」
「うん……ありがとう」
何が原因で戦いが始まったのか、周囲は知る由もない。だが少女がトモエに抱き着いた様子を見て、これで良かったのだと納得する。
トモエはボロボロになった巫女服を着替える為に、久遠を連れて街の宿へ泊まる事にした。アイリが久遠と共に借りた部屋とは違う、別の部屋。そこで服の修繕や、今まであった出来事などを話しながら一夜を明かす事になったが……その晩、久遠の身体に異変が起きる。
「……っ……はぁ……はぁ……」
同じベッドで久遠を抱きしめながら眠るトモエだが、そんな彼女の腕の中で久遠は身体が火照り始めるのを感じて寝付けないでいた。ただトモエの温もりを感じるだけで、刺激がある訳でも無い身体は何か物足りないとばかりに快感を欲し始める。
「んっ……はぁ、はぁ……ぁ……」
アイリの精奴隷になってから、絶頂しない日など無かった久遠の身体はその時を求め始めていた。アイリの言った彼女無しでは生きられない、とはそういう事だったのだろう。トモエに抱かれたまま、久遠は太腿を擦り合わせてもどかしさを何とかしようとするが、悶々として欲求が深まるばかり。
「ぅ、ん……? 久遠? どうか、したのですか?」
「トモ、エ……わた、し……」
腕の中で動く久遠に気付いて目を覚ましたトモエは、何かを欲する様に向けられる熱の籠った視線に気付いた。そして内股で擦り合わせる久遠の様子にも気付き、彼女の太腿に水が伝っているのを目撃する。
女性として以上に巫女として、下品な事や淫らな事をトモエは嫌っていた。久遠も同じ様に過ごしていたため、その思考は似ていた筈。だがその様子は余りにも扇情的で、トモエは何を欲しているのかも分かってしまった。
「そんな、どうして……?」
「はぁ、はぁ……もう、駄目っ……」
「ぁ……ぇ……?」
「トモエ……私を……わたし、を……めちゃくちゃに、して……」
トモエの腕を小さな両手で掴み、自身の下腹部に近づけて久遠は懇願する。下着越しに感じる蒸れた熱気と湿り気を指先で感じて、トモエは困惑するしか無かった。そんな動かない彼女に、動かない手に久遠は自身を抑えられずに自ら大事な部分を擦りつけ始める。
「んっ……ぁ! 気持ち、良い……っ!」
「っ! だ、駄目ですこんな事! 久遠! 気をしっかり持ってください!」
「お願い……もっと、もっと!」
妹の様に可愛がっていた少女が自ら腰を動かして自分の手で気持ち良くなっている淫らな光景。離れていた間に変わってしまった久遠のその身体を作ったのが誰なのか、トモエには分かる。止めなければいけないと思っても久遠はもう正気とは言えず、トモエは彼女を落ち着かせるために……その手で濡れた秘部に触れた。
自らを慰める事すらしないトモエの愛撫は、アイリに愛され続けた久遠を満たすに遠く及ばない。必死で自らも快感を得ようと動くものの、久遠が最後の最後まで満たされる事は決して無かった。絶頂に近い事はあっても、何かが足りないかの様な感覚を味わい続けるのみ。
「あ、暴れないでください……あぁ、そんな! ……こうなったら、致し方ありません!」
その手だけでは久遠を満足させる事が出来ないと分かった時、トモエは覚悟を決める。そして自ら着ていた巫女服を脱ぎ捨てて、捨て身で久遠を満足させるために自分の中にある性知識を総動員させる。自分の大きな胸で久遠の身体を抱きしめて、口付けや濡れた秘部を自身の秘部と触れ合わせて。
「ん、ぁ! どう、ですかっ!」
「トモ、エっ! はむっ!」
「んむっ!? ……分かりました。私の全てを持って、久遠を満たしましょう」
乳房や秘部を揉み、口付けをして、トモエは思いつく全てで久遠を満たそうとする。
その日、深夜まで響いた二人の嬌声。トモエと久遠はお互いの行為で疲れ果てる時まで、眠れない激しい時間を過ごした。どれだけ激しくしても、満たされないまま……。
翌日。トモエと再会した時の様に、久遠は一人先に目を覚ます。
「ごめん」
何も着ずに眠るトモエの姿を見つめ、やがて彼女は静かに告げてから視線を逸らして服を着ると、宿の外へ。そこには久遠が来るのを分かっていたかの様に、アイリが宿の外で向かいの建物に背を預けて待っていた。
「ふふっ、満足出来ましたか?」
「……」
「本当に、良い子ですわ」
近づいてくる久遠の頭を胸元で愛おしそうに抱き締めたアイリ。その後、二人は手を繋ぎながらその場を後にする。
宿で一人残されたトモエが目を覚ました時、もう久遠はどこにも居ない。昨夜の変わり果ててしまった久遠を思い出し、ヒノモトでの幸せな記憶を思い出しながら、トモエは何処へ行ってしまったのかを察して決意する。何としてでも、元の久遠を取り戻すと。