『今はこんな見た目だけど、俺は元々男なんだ!』
そんな妄言のような言葉を言い放つ少女、エスティ。だが彼女の言葉は真実であった。
転生する際、不本意に女の体になってしまった彼女は失ったモノを取り戻すと決意する。
これはTS少女が女性を愛し愛され、女の快感を教えられ、取り戻しても唯では済まない話。
※他のキャラと違い、エスティには生える可能性があります。
※エスティが生えた場合、他の誰かが生える事はありません。
例
○:エスティ(女)&キャラ(女)
○:エスティ(女)&キャラ(ふ)
○:エスティ(ふ)&キャラ(女)
×:エスティ(ふ)&キャラ(ふ)
エスティ feat.ハイスクールD×D
駒王学園の3年生、リアス・グレモリーは自らが部長を務めるオカルト研究部の部室でこれから起こる出来事に憂いていた。
事の発端は彼女の後輩であり、配下でもある1年生の少女の言葉。
『今日この後、エスティ先輩が部室に来ます』
放課後を迎えて部室に集まったところで突然告げられたその内容にリアスは最初、困惑してしまった。
まず初めに、彼女達は人間ではない。悪魔と呼ばれる種族であり、オカルト研究部の部員は全員悪魔。部室として使っているのは旧校舎であり、人払いの結界すら張る事で一般人との接触を遮断している。つまり、ただの人間を部室へ呼ぶ事はそうそう無い事なのだ。部活として存在している以上、顧問なども必要なのが大抵だが、それも悪魔の所業で有耶無耶にされている。
そんなところへ、何の相談も無く自分の下僕であり大事な家族とも呼べる存在の少女が部外者を招待してしまった事。それをリアスはまず叱った。今後二度と、その様な事は無い様に。もしどうしてもと思うなら、まずは相談する様にと。少女もそれを聞いて素直に謝り、反省した。
人払いの結界は、無意識にそこへ近づかない様にしようと思わせる力がある。だが目的をもって来訪して来た者には効き目が薄く、客人が来る事は間違いないだろう。そこでリアスは訪れる客人について考える。
まず最初に目を引くのはその髪だろう。リアスは自分の家系で繋がってもいる、紅の髪が自慢の一つ。そんな彼女から見ても、エスティの持つ
多感な時期の男子生徒なら、その胸を見てしまう者も多いだろう。パっと見ただけでも分かる巨乳。ある男子生徒は見ただけでカップが分かり、エスティの胸はGカップだという。因みにJカップという一般人離れした巨乳を超える爆乳を持つリアスと、そんな彼女を更に一つカップで上回る爆乳を持つ親友ともいえる配下の前では胸囲のバランスが崩れてしまう為、ここは置いておこう。
続けて男子生徒がもし見るとすれば、足だろうか。やはりリアスを始めとした者達なら負ける事は無いが、その太ももは胸と同程度に視線を吸収する。ムチっとした肉付きの良いそこはスカートとソックスの間で惜しげもなく晒され、きっと数多くの男子生徒を魅了して来ただろう。
気になるその容姿は配下の様に穏やかでも、リアスの様に自愛に満ちたものとも違う。常に勝気で表情をコロコロと変え、楽し気に笑っている印象が少しでも彼女を知っている者ならば残っているだろう。少しの釣り目に小鼻。正面で向かい合った時、見た側から右側にだけ見える八重歯がとても似合う。
ここへエスティを呼んだ張本人とはよく一緒に居る姿が目撃されており、リアスも何度か眺めた事はあった。138㎝と高校1年生にしては小柄過ぎる下僕の少女と、一般的な背をしたエスティ。その身長差から大体25㎝程度、163㎝くらいなのだろう。大き過ぎず小さい事も無いその身体の腰元には、憧れる者も多い括れが確かに存在する。人間で無い事を一般人には隠しており、下僕との関係も詳細に明かしている訳ではない為、心配になってもリアスは割り込んだりしない。そもそも遠くからでも見える雰囲気はとても穏やかなので、初回以降は心配する事もなく微笑ましい表情で見守っていた。
一部を除き、数値等で測れるものはその全てがリアスには届かないものの、女性としての魅力を申し分ない程に持った存在。お姉様として生徒たちに神格化に近い扱いをされるリアス達と違う点としては、それなりに近しい存在である事だろう。そう思ったリアス自身、エスティと自分に距離が大きくあるとは考えていない。同年代であるという事も、理由の一つだ。
――――――コンコン
「っ! 来ました」
「ふふ」
「準備は良いわね? ……入りなさい」
突然聞こえるノックの音。それは来訪者を告げる音。この場へ彼女を招いた少女がソワソワとする中、親友の余裕ある笑みを見てリアスは扉越しに聞こえる程度の声で迎える。ゆっくりと開いた扉からは、やがて彼女が想像していた通りの存在が姿を見せた。
「お邪魔しまーす……。おぉ、ここがっ!」
「オカルト研究部へようこそ、エスティ」
「こんにちは、グレモリーさん!」
らしい内装をした部室の中を興味深そうに見渡すエスティをリアスが歓迎すれば、悪意も下心も感じない笑顔でエスティは挨拶を返す。
「こっちにどうぞ」
「ありがとう、小猫。あっ、ありがとうございます! 姫島さん!」
「ふふふっ」
小猫に促されて座り、目の前に出された紅茶にお礼を言って口を付ける。その様子は本当に遊びに来ただけで、リアスが憂いてしまう事など無さそうにも見えた。だが、リアスはエスティがどうしてここへやって来たのかを招待した小猫自身から聞いている。
人間でも悪魔でも、それこそ実在する天使や堕天使でも、その性格や考えは十人十色。誰もが違うだろう。だが人間は数が多く、集団で過ごして群れる生き物でもある。時には異質さを好奇な目で見られる事もあるが、異質過ぎれば奇異に見られ、やがて迫害する弱い生き物だ。
「さて、ここへ来た要件を伺おうかしら?」
「あぁ。……俺を、男に戻してくれ!」
エスティは異質な存在である。別に特別な力を持つ訳でも、それに出会った訳でも無い。ただ彼女は男になりたいと、【戻りたい】と本気で願う人間であった。
エスティは人生の二週目を過ごしている。一週目の人生は男として、可もなく不可もない当たり障りのない人生を過ごしていた。嫌われる事を恐れて誰にでも八方美人に接して、異性からは優しい人としか見られない程度の凡人。それでも自分の家族や関わってくれる人を人並には大事に思い、小さな事にも一喜一憂する極々普通の人生。唯一異質だったとするなら、病気によってその生を若い内に終えてしまった事だろう。
生涯彼女無しの童貞。お店などにも言った事の無い実経験も皆無なまま生を終えてしまった彼だが、何故か生まれ変わりを経験してしまった。他に居るのなら、聞く事ぐらいあるだろう。だが他の誰にも聞いた事の無い、過去の自分に関する記憶や知識を保持したまま、赤ん坊として新しい人生を初めてしまった。創作物ではよくある、転生である。
だが、彼は転生と同時に転性もしてしまっていた。二度目の誕生を女として迎えてしまったのだ。
『俺の……息子が、無いっ……!?』
最初は困惑しながらも赤ん坊としてまだ幼い身体では真面に考えられなかった彼女だが、大きくなるにつれて脳が考えられる様になり、自分に起きている出来事を理解出来る様になった時、男としてあるべき筈のモノが無い事に気付いた。自分が女である事を初めて知ったのだ。一歳半の頃の出来事であり、余り泣かない彼女が大泣きしてしまった瞬間でもあった。
エスティとして新たな生命となった彼女は女の子として育てられる。女なのだから、可笑しな話ではない。しかし男としての人生が彼女の中には確かにあり、自分が一度も男としての喜びを実感する事も無くモノを失ってしまった事に対しての心残りが永遠に残り続けた。
親が直そうとしても、男の精神が混ざった女の子のエスティは自身を
女として生まれて、高校生にまでなってしまったエスティ。だが例えどれだけの日々を過ごしても、男であった事実は消えたりしない。心残りは何時までも健在であり、それを晴らす為に出来る事は何か無いのかと模索する。……そして気付いてしまった。答えはとても簡単なのだと。
「もう一度、男に戻れば良いんだっ!」
至極単純。だが頭も単純だったエスティは決意する。
そして今、オカルト研究部へ訪れたエスティがリアスに願う事。それはオカルトの力で男に成れないかという物だった。
ポカン。そんな擬音が聞こえて来そうな程に、リアスは呆気に取られていた。彼女をお姉様と慕う後輩達には絶対に見せられない様な表情である。彼女の傍にいた親友も同じ様な表情をしており、唯一交流があった事で前もって話を聞いていた小猫だけがジトッとした目をエスティに向けている。熱弁する様に全てを曝け出したエスティに、知らない者の頭は追いつかない。
「で、オカルトの力で男に戻れないか?」
「……」
「グレモリーさん? おーいっ!」
「はっ! ちょ、ちょっと待って頂戴。……小猫、彼女はオカルトに興味があるんじゃ無かったのっ!?」
「何も間違ってません。オカルトに興味、正しくはオカルトの力に興味がある様です」
「ぐっ……朱乃、今の話を聞いてどう思う?」
「どうも何も、あんな荒唐無稽な話を信じられる訳無いわ」
「でも、結構本気で思ってるみたいですよ。というよりも、信じ込んでいるのかもしれません」
「自分が本当は男だと信じ込んでるって事?」
「はい」
我に返ったリアスはエスティの隣に座っていた小猫を引っ張って三人で本人には聞こえない様に話し始める。エスティの話を信じられる訳のないリアスと朱乃。そこで小猫が発した言葉で、彼女達のエスティに対する印象が決まってしまった。
【エスティは自分が本当は男だと思い込んでる残念な少女】と。
「助けて、あげたいんです」
「小猫ちゃん」
「小猫……分かったわ。何が出来るかは分からないけど、彼女の力になるわ」
「リアス、そうは言っても男になる方法なんて」
「思いつかないわね。だけどそもそも、言葉通りに彼女を男にするのが正しいとも限らないわ」
「私もそう思います。エスティさんは女性ですので。凄く、柔らかいですし」
「柔らかい?」
「小猫ちゃん?」
「何でもないです」
「おーい! 何時まで相談し合ってるんだよー!」
「一旦話は後ね。小猫、後で詳しく聞くわよ」
「……」
虚空を見つめて自分の言葉を後悔する小猫を尻目に、リアスはエスティと再び向き合う。
残念ながら、オカルト研究部の力では彼女の願いを叶える事は出来ない事をまず最初に伝えれば、目に見えて落ち込んでしまったエスティ。だが小猫の願いもあり、見捨てる事はしないと決めたリアスは優しさを持ってエスティに話しかける。
「ここはオカルト研究部よ。まだまだ私達の知らない事がこの世界には沢山あるわ」
「っ! なら、可能性はゼロじゃないんだな!」
「え、えぇ。私達で良ければ力になるわ。同級生で、可愛い後輩のお友達だもの」
「グレモリーさん!」
「ふふっ、リアスで良いわよ。エスティ」
「リアス!」
「むぐっ!?」
リアスは初めて、胸の大きな人に顔を挟まれて息が出来ない事を経験した。感極まったエスティによる行為である。
それからは仲を深める為にと、朱乃と小猫も交えて4人で談笑を楽しんだ後に解散という形でエスティを帰したリアス達。今後は出来る時に、彼女を事をそれとなく気に掛けてあげると決めて、その日は終わりとなった。
「やっぱり、巨乳だって!」
「大きいのに夢があるのは分かるけど、小さいのだって良いだろ?」
「お、おぅ。……ジー」
ある時は猥談する男子のところへ同性の様に混ざろうとして、若干引かれながらその豊満な胸を容赦なく見られ。
「シュークリームです」
「うまそうだな。一口!」
「ハグ一回です」
「よし来たっ! ぎゅーっ!」
またある時は小猫と戯れる姿を目の当たりにして。
「もう少しで、見え……のわぁ!」
「何やってんだ、お前ら」
「げっ、エスティ先輩!」
「待てっ! 貴女なら分かってくれる筈だ! 男は、覗きがしたんだ!」
「別に、俺はしたいと思った事ないんだけどなぁ」
「いや、貴女は女ですから!」
時には覗きをしようとする男子生徒と遭遇して現実を突きつけられ。
「ふぅ。朱乃の入れた紅茶って、マジで今までで一番美味いかもな」
「あらあら。嬉しいですわ」
何時の間にか朱乃との仲も深めていた。
オカルト研究部の部室。エスティを呼んでいない状況で、リアス・朱乃・小猫の三人が集まって話をしていた。その内容は勿論、彼女の事。
「本当に自分を男と思い込んでいるみたいに、男子の話へ入っていったわね」
「無防備過ぎます」
「そうね。それにしても小猫ちゃん、本当に仲が良いのね」
「お菓子で釣ってのハグはあざといわよ」
「柔らかくて、ふわふわなんです」
「男の子に女だと指摘された時は、それなりにショックだったみたい。私の紅茶で元気になってくれたみたいだけれど」
誰かを気に掛けるとなれば、当然ながらその存在を意識し続ける様になる。リアスと朱乃にとっては同級生でしかなかったエスティが、小猫の招待とエスティの悩みを聞いた事で近しい存在となり、気付けばその存在は二人の中で確かに大きくなり始めていた。
「部長、朱乃さん。私は、エスティ先輩に男になって欲しくないです」
「小猫ちゃん……」
「あの柔らかさと、温かさが変わるのは、嫌です」
「小猫……」
「あと、男の人にエスティ先輩が穢されるのも我慢出来ません」
大事な友達、先輩としての言葉だと。その温もりを味わった事で懐いたに近い感じになったのだと、リアスと朱乃は小猫の言葉を聞いて思う。だが最後の言葉でそれが間違ってはいなくても、違う事を察してしまった。確実に、小猫の中にはエスティに対する独占欲が生まれている事に。
そんな不穏な出来事を知らずに、夕暮れの道をエスティは歩き続ける。
「俺は諦めないからな! 絶対、息子を取り戻すんだ!」
これは不本意に女性となってしまった
尚、世界観が変わっても概要は基本的に同じである。