七番街スラム。ハクは自身が身を置くその場所で、マリンと言う名の少女と共に外で過ごしていた。彼女の周りには何匹かの猫が集まり、まるで構ってと言わんばかりに泣き続ける。自分を求める猫達の姿に終始笑顔でその毛並みへ手を伸ばす彼女の姿を前に、ハクは猫達の声を聞いた。……一様にその声は喜びで満たされている。
「……ん……?」
「ハクにも構って欲しいって!」
思わず大きな欠伸を零した時、暇を持て余したのに気付いた猫の一匹がハクの膝へ飛び乗った。それを見ていたマリンが笑顔で告げる中、ハクは自分の膝で『撫でろ』と鳴き声をあげる猫の毛並みに手を伸ばす。自分の毛並みを自らの手で感じた事のないハクは、自分もこれほど心地良ければ良いと思いながらそれを続けた。
しばらくの間、猫と戯れ続けた2人。だが突然、大人が近づいて来た事で猫達が一斉に逃げ出してしまう。そして代わりに2人の前へ現れたのは、家族の様な存在。
「ぁ……邪魔しちゃったかな?」
「……平気」
「ティファ、どうしたの?」
「バレットが帰って来たから、マリンを呼びに来たんだ」
「父ちゃん、帰って来たの!?」
ティファと呼ばれた女性の言葉に立ち上がったマリンは目的地へ向かって一直線に走り出してしまう。余程嬉しい様で、ティファはその姿に微笑んでからハクへ視線を向けた。座り込んでいた為に土の付いた服を払って立ち上がったその姿に、ティファは近づいて声を掛ける。
「マリンのお世話、何時もありがとう」
「……ん」
ティファは普段、マリンの父親が経営するお店で仕事をしている。今ここに居られるのは、その父親が帰って来たから。普段マリンの父親は七番街スラムを離れる事が多い為、余りマリンと長く居られる時間が少ない。ティファも居ない間はお店を基本的には1人で経営しているため、ハクは自然とマリンの傍で時間を過ごす事が多かった。
ハクがこの世界に来て最初に出会ったのは、ティファ……の父親である。今はもう既に故人となってしまったが、彼を通じてハクはその娘であるティファと出会った。幼かったティファはハクを気に入り、主に彼女が世話を始める。やがてティファが使命の対象と知ったハクは父親が亡くなる原因となった事件の際、ティファを守ろうと力を見せた事でその正体を知る事にもなった。そして色々な経緯を経て、今は彼女と共にこの場所で生活をしているのである。
「行こっか」
「……」
ティファの声に頷いて、ハクは彼女に手を引かれながらお店……セブンスヘブンへ向かう。そこにはマリンの父親、バレットや彼を慕う仲間達が集まっており、ティファとハクが入って来た事で歓迎の意を示す。すると仲間達の1人、ポニーテールの女性が大きく手を振ってハクを呼んだ。
「こっちこっち!」
「……」
「ティファはこれから忙しいからさ。ね? 良いでしょ?」
「はぁ……ジェシー……お酒は飲ませないでね?」
ジェシーと呼ばれたその女性はティファの言葉に「分かってるって」と返してから、自分の隣の席を引いた。ハクはそこへ座ると、目の前に並ぶ料理を見る。思わず伸びそうになる手。だがそれを始める前に、ストップが掛かった。
「食べる時はちゃんと手を拭けよ? 今日も猫、触って来たんだろ?」
「ビッグス、猫達は汚くないっッスよ!」
「お前のところの猫はそうでも、2人が触って来たのは野良猫だっての。何処歩いたんだか分かんねぇんだから、ちゃんと手は拭くべきだろ」
「外から出たら、うがいと手洗いをしないと風邪引いちゃうんだよ」
「おぉマリン! 偉いぞ! よく分かってるな!」
その場に居た誰もが大きな手でマリンの頭を撫でながら建物に響く程に大きな声で告げるバレットの姿を見て、『親馬鹿』と言う言葉を想像する。彼が日々を頑張る理由が娘であるマリンの為なのだから、それも仕方ないだろう。取り敢えずハクは言われた通り、一度席を離れてうがいと手洗いを行ってから戻って来る。……気付けばテーブルの上に乗った料理は少しだけ増えていた。
「……食べて、良い?」
「どうぞどうぞ~♪」
とても楽しそうにハクへ告げて、食べ始めるその姿を眺め始めるジェシー。今に始まった事ではなかった為、既に慣れていたハクは特に気にする事もせずに食べ始める。
「マリン、今日は何してたんだ?」
「う~ん、ハクと一緒に猫と遊んでた!」
「そっかぁ、そっかぁ……何時も悪いな」
「ん……私も……楽しいから」
振り返りながら言ったバレットの言葉に頷いて返し、ハクは料理を食べ続ける。するとジェシーとは反対側の隣へ、ティファが料理を盛られた皿を片手に座り込んだ。
「……食べたい」
「うん。そう言うと思った。はい」
「良く食べて、しっかり育つんだよ~」
「……お婆ちゃん?」
「失礼な。私まだ若いって」
軽口をたたきながらも、夕食と言える時間は過ぎていった。やがて酔い潰れる前に解散となれば、ティファはこれから夜中の営業をする為の準備に取り掛かり始める。セブンスヘブンは酒場。夜が営業の本番である。
「ティファ。明日は一日居るからよ。休みとまではいかねぇが、無理して早く来なくても平気だ」
「そっか。それじゃあ、朝はゆっくりしよっかな」
既に仲間達も帰った店内で、バレットの言葉に皿を洗いながら呟いたティファの視線はハクへと向かう。同じ場所で彼の言葉を聞いたハクはティファの視線を受けてその意味を理解して視線を逸らした。……彼の言葉通りなら、今日は夜遅くまで起きていても大丈夫な日なのである。
「父ちゃん、明日は一緒?」
「あぁ、一緒だ! ずっと一緒だぞ!」
夜には響くバレットの声を聞きながら、ハクはこの後の事を想像して遠い目をするのだった。
夜中。一日の疲れを洗い流すシャワーを浴びてから、寝泊りをするモーテルでティファと共にベッドの上に座ったハク。普段通りなら、そのまま一緒に眠るのだが……明日がゆっくりと決まった時点でティファにその選択肢は無かった。そして彼女に飼われていると言っても過言ではないハクに、彼女を拒絶する事は出来ない。
ティファも既に20歳。人間である以上、様々な欲が存在する。それはハクの視認できる欲でなくても、存在するもの。幼い頃から兆しを見せて来た周りの男達を魅了する程の魅力的な身体を持っていたとしても、本人自身が募る欲求を解消する手立ては少なかった。ハクが人と分かってから何年かの時を経て、初めての行為に及ぶまでは。
「それじゃあ、しよっか?」
「……」
初めては数年前。性欲を感じる様になったティファが向けた対象は、幼い頃からずっと傍に居たハクだった。家族の様に過ごし、何時だって傍に居た猫。どんな時でも、例え幼馴染の決意を聞く時だってティファはハクと一緒だった。それが人になれると知った時、ティファが何よりも嬉しかったのは父親が居なくなっても自分にはまだ家族が居ると言う事。何よりも、誰よりも大事な存在。二度と、手放す事はしないとティファは誓い……その思いは気付けば家族愛に留まらなくなってしまったのである。
ハクの見たティファの欲の中に、性欲は存在した。だが何年もの間繰り返して来た行為によって、既に使命を果たす量は満たしている。だが未だにティファ以外の対象は見つからず、彼女の傍に居る事が自分に今出来る事であるハクに、ティファの誘いを断る事は出来ない。故に微笑み掛ける彼女の言葉に頷いて、ハクはベッドの上に座り込んだ。
「んっ」
「ん……」
始まりは何時だって優しいキスから。同じベッドに座りながらもハクへ身体を寄せて、正面からその頬に触れながら軽くキスをしたティファ。一度離れてハクが完全に受け入れる姿を確認してから、今度は更に深いキスを始める。静かな部屋の中に響き渡るキスの水音。それだけで、ティファの心は満たされて行く。……だが、まだまだそんな物では足りない。今日を過ぎれば次は何時になるか分からないこの時間。完全に心が満たされるまで、止める気は毛頭なかった。
ハクの身体に体重を掛けて、ティファはベッドへ横になる。本来の寝方とは90度違うが、小さなハクの身体には寧ろ丁度良い面積であった。そして既に慣れた手つきで服に手を掛けて脱がし始めれば、瞬く間に生まれたままの姿になったハクを前にティファは笑みを浮かべる。
「よいしょっと」
そして自分も脱ぎ始めれば、触れ合う場所全てが互いの肌を感じられる様になる。するとティファはハクの背中に手を回して、ハクの身体を僅かに起こした。お互いに横になりながらも、仰向けではなく身体を横に起こして見合う姿勢。ティファの方が身体が大きい為、自然とその大きな胸がハクの首を覆ってしまう。
「……苦しい」
「あっ、ごめんね?」
柔らかいものとは言え、首が閉まれば苦しくなる。ハクの言葉に謝りながら胸を少しだけ引いたティファは、何度も見て来たハクの身体を改めて眺めた。その身体の大きさからすれば十分に実ったと言える乳房。しかしそれも自分と比べれば、小さく見えてしまう。だがティファがハクに感じる魅力は胸の大きさではない。その守りたくなる様な華奢な身体と、何年経っても荒れたところを見た事が無い染み一つ無い肌。……それが全て自分だけは好きに愛でて感じる事が出来ると考える度、ティファは幸福を感じる。
「……んぁ」
「しー。大家さんに聞こえちゃうよ?」
肌を優しく撫でれば、くすぐったさにハクが僅かな声をあげる。だが2人が住むモーテルは非常に古く、小さな音も隣の部屋へ聞こえてしまう。故に口の前で人差し指を立ててティファが告げる。過去にも何度か言われており、だが与えられる快感に言われた通り行動出来たかと聞かれれば答えは否である。ハクは快感に弱い為、声を我慢する事は不可能に近かった。
「もう、仕方ないなぁ」
分かり切っていた結果にティファは笑みを浮かべながらも告げて、脱いだ服の中から何かを取り出した。宝石の様に光るそれはマテリアと呼ばれるこの世界の道具。魔法を使う事が出来るそのマテリアにも多種多様の種類があり、現在ティファが持つそれは『ふうじる』のマテリア。それを手にティファが魔法を使えば、彼女の周辺が微かに光った後に何かがハクへ飛来する。それに包まれたハクは……声を出す事が出来なくなっていた。
「……」
「よし。これで大丈夫だね」
サイレスと呼ばれる魔法によって、沈黙状態となったハクは口を開けど声が出ない。喘ぎ声が漏れる心配は無くなり、ティファは満足そうにマテリアをしまった。因みにマテリアは使えば使う程に成長する道具で、現在彼女が持つ『ふうじる』のマテリアは限界まで成長済みである。
「触るよ」
「っ!」
声が漏れる心配も無くなった事で、一気に行動が大胆になり始めるティファ。ハクへ告げてから脇腹に手を伸ばして、ゆっくり下へと移動させ始める。体勢を丸くして自分の胸をハクの胸に押し当てれば、互いの弾力に弾き合う胸が擦れて熱い吐息が漏れる。ハクもしっかり感じているが、その声が出る事は絶対にない。
「ふふっ、もう濡れてるんだ」
「……」
既に何度も同じ事を繰り返している故か、ハクの身体はティファが最初に声を掛けた段階で準備を始めていた。ティファが遂にハクの秘部へ触れれば、その生暖かい愛液の滑る感触に目を細めて告げる。否定する事も出来ないハクは、唯々顔を逸らすばかりであった。
ゆっくりと、ティファの指の一本がハクの中へ侵入を始める。声の出ないハクはティファの腕を掴んで身体を丸くして震わせ、そんな小動物の様な姿が更にティファの加虐心を強めた。続け様に二本目を入れ始めれば、目を見開いてティファの顔を見ながら首を横に振り始める。『無理』と言いたい様子はしっかりティファへ伝わり、だがそれを見てもティファは止めようとしなかった。
「~~~っ!」
二本目の指が入り切り、ハクは目に涙を浮かべながらも指の侵入が収まった事に一時安堵する。だが本人も分かっている事だろう。まだこれは準備であり、本格的な攻めはここからであると。
「行くよ」
「っ!」
ハクの身体を暴れない様に片手で押さえつけて、ティファは秘部へ入れた二本の指を動かし始める。痛みを感じさせない様に気を付けながら出し入れを繰り返せば、ハクの身体が大きく震える。だがセブンスヘブンの看板娘であり、同時に格闘家でもあるティファの力は強く、快感を少しでも逃がす為に身動ぐ事すら許されなかった。
「まずは一回、イっちゃおうね?」
「! ~~~っ!」
その言葉と同時に止めと言わんばかりに指が動き、ハクの身体に一際強い快感が襲い掛かった。ティファの思い通りに絶頂を迎える事となったハクは声無き声をあげて身体を大きく震わせてから、脱力する。しかし、それで行為は終わらない。攻めるティファ本人がまだ、気持ち良くなれていないのだから。
脱力するハクの身体を解放して、両足を開かせたティファは自分の足をハクの片足の下へ入れて下半身を交差させる。そのまま距離を縮めれば、互いの秘部同士が触れ合う体勢。そこで柔らかい身体を活かして前屈したティファは、ハクの両腕を掴む。そして姿勢を戻せば……自然とハクの身体は自分へ近づき、秘部同士が触れあった。
「んっ……はぁ……ここからが本番」
「っ!」
声を出せれば、ハクの口からは制止の声が出ただろう。だがそれすら出来ないハクはティファの思い通りに身体を揺すられ始める。腰を動かすと同時にハクの腕を引っ張れば、秘部が繰り返し触れ、擦れ、離れる。小さなハクの身体を動かす事はティファにとって造作もない事で、全ては彼女の思うがまま。例え快感に弱いハクが絶頂を至ったとしても、夢中で快感を求めるティファはその行為を止める事は無かった。
「はぁ、はぁ……んぁ! ハク、ハク!」
「っ! ! ~~~っ!」
快感に頭の中が真っ白になり、訳も分からず頭を横に振るうハクの姿を見ながら無我夢中で快感を求めるティファ。ハクの声が響かない様に魔法で塞いだものの、夢中なティファの声はそこそこに大きかった。だがそれに気付く事もなくティファは強く、更に強くハクの秘部と自分の秘部を擦りつけて快感を高める。……やがて絶頂の寸前へ辿り着いた時、ティファは徐にハクに覆い被さってその唇を奪いながら、一際強く秘部を擦りつけた。
「んっ! ~~~っ!」
絶頂に身体を震わせて、力無くハクの上に覆い被さったティファはその胸元に顔を落とした。荒いハクの息遣いを感じて絶頂の余韻に浸る中、その匂いや感触に再び芽生える情欲。元々スタミナには自信のあるティファが、1度の絶頂で疲れ切る筈もなかった。が、既にハクは限界である。
「ふぅ……2回目、しよっか?」
「!?」
だがチャンスが今しか無い故に、ティファはしたいと思った感情に正直になる。ハクが疲れて動けないのなら先程の様に自分が動けば良い。ハクはただ、一緒に気持ち良くなっていれば良い。そんな思いから、ハクの身体を持ち上げたティファは仰向けになった自分の上にハクを跨がせる。体勢は所謂騎乗位。だが女性同士の為、繋がるものは存在しない。が、擦り合わせる事は決して不可能では無かった。
ハクの腰を掴んで自分の秘部の真上にハクの秘部を宛がい、腰を動かせば女性同士の騎乗位が始まる。もう限界とばかりにティファの手を掴んで必死に上へ逃げようとするハクだが、その力は弱々しく無意味だった。……それから数時間、ティファはハクを使う様にして絶頂を繰り返した。彼女が絶頂するまでにハクが数度の絶頂を繰り返し、やがて互いが気絶する様に眠ったのは明け方。それから昼近くまで、2人は同じベッドで共に抱き合いながら眠り続けた。