※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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2017年12月15日 投稿分


リ【GE2】 ラケル・クラウディウス☆

 ハクが目を覚ました時、最初に見えた光景は自分を見つめる女性の姿だった。車椅子に座り、薄いベールの向こうから覗く青い瞳は何も言わずに猫の姿で目を覚ましたハクを見つめ続ける。猫の姿で机の上に丸まっていたハクはしばらく見つめ合った後、大きな欠伸をすると視線を外して部屋の中を見渡した。見えるのは明るく光る機械や薄暗い壁ばかりであった。

 

 突然、ハクの身体が持ち上げられる。それを行ったのは先程から自分を見ていた女性であり、机の上から膝へと移動されたハクは何も話すこと無くその毛並みを撫でられ始める。何を言うでも無く唯静かに撫でるその光景は愛でていると言って間違い無いが、変わらずその視線はハクの身体に注がれ続ける。そして膝の上に座るハクは丸まるのではなく、半強制的に視線を女性に向かされていた。

 

「……」

 

『……』

 

「ラケル、失礼す……失礼したわ」

 

 無言が支配する部屋の中、突然開いた自動の扉から入って来た赤い髪の女性は部屋の中でお互いを見続けるハクとラケルと呼んだ女性の姿に気付くと、タイミングが悪いと感じた様に誰が答えるよりも早く部屋を退出する。ハクは来客の際に視線を外してその相手を見ようとするが、身体の向きは代えられない為に相手を声で識別する事しか出来ず、ハクを拘束するラケルは認識する事すらせずにハクを見続ける。

 

「不思議な存在、ですね。この世界に居て……居ない」

 

『……?』

 

「唯一見えた生かすべきもの。貴女は本当に、不思議です」

 

 猫の姿故に答えられない事を知っていながら話すラケルに首を傾げる事しか出来なかったハク。実は既にラケルはハクが人に成れる事も話すことが出来る事も知っている。が、それを理解して尚この様に話をする時がラケルにはあった為、ハクは特に深く考える事をしなかった。っと、ゆっくりハクはラケルの膝上でその手から解放されて自由になる。しかし降りようとした時、声が掛けられた。

 

「そこに居てくださいね?」

 

 言い方はお願い。しかしその声音と感じられる感情は命令に近く、ハクは降りる事を止めてその膝の上で仕方なく丸まった。ラケルは降りる様子を見せなくなったハクの姿を確認すると、運転できる車椅子を操作してその場所を移動し始める。何処へ向かうのかは定かでないが、先程一瞬開いてすぐに閉じてしまった扉の近くにたどり着いた時、ラケルの存在に反応して自動でその扉が開く。車椅子での移動を考慮された足元を何事も無く通り抜け、向かった先はエレベーター。同じく考慮され、低い位置に用意されたボタンを押して開いた扉の中に入ったラケルは迷わず向かう階のボタンを押した。

 

 ラケルとその膝の上に座るハクが辿り着いた場所は、綺麗な花などが咲き誇る庭園であった。ハクから見れば綺麗に咲き誇るその花々は美しいものであり、一度ラケルに視線を向けて許しを貰った後にその膝から飛び降りる。そしてラケルが瞬きをした一瞬にして、ハクは人型となっていた。

 

「あぁ……本当に、不思議です」

 

 花々の中に立つ小さな子供。真っ白なワンピースを着た彼女の妖精にも見えるその姿はラケルにどう映っているのか、それは彼女以外に知り得ない事だ。だが余り表情を変える事無く、しかし頬に手を添えて口元だけで笑みを作る彼女の姿を見る事が出来たならきっと理解出来るだろう。この場に他に邪魔する者は無く、ラケルとハクはしばらくの時間をそこで過ごし続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ラケルの姉であるレア・クラウディウスは悩んでいた。過去に起こった出来事によって、ラケルからのお願い等を断る事の出来ないレア。贖罪を続けていた彼女だが、最近になって気付けば大事な存在を独占されている事に気付いたのだ。それは子供の頃から一緒に過ごして来た家族と同等の存在であり、子供の頃から一緒だったが故に人に成るなど当たり前だと思っていた不思議な猫。そして何よりもラケルにその全てを譲る事が出来ない存在でもあった。

 

「はぁ……」

 

 気付けば漏れた溜息を聞き、同じ部屋にいたふくよかな男性が溢れ出る下心を完全に隠せないまま心配した様に声を掛ける。だがレアは「何でもありませんわ」と一言で片づけ、話し合いを終わらせて部屋を後にした。そして2つあるエレベーターの片方に触れようとした時、もう片方のランプが移動する事で誰かが現在1つを使っているのだと理解する。やがてエレベーターが止まった場所は庭園のある階。それに気付いた時、何処か苦しそうにしながらもその光を放つ階の番号から目を背けてレアは動いていないエレベーターを使用する。

 

「彼女まで、渡さなければいけないの……?」

 

 ラケルやレア、ハク等の存在が居るここフライアには暗黙の決まりが存在していた。それは毎日決まった時間、片方のエレベーターがロビーとは別の場所から庭園へと向かった際には決して【庭園に入ってはいけない】というもの。何故その様な決まりがあるのかを知る者は数少なく、だがそれは絶対に守らなければいけない事だとフライアに初めて来た者は教えられる。そしてレアは数少ない理由を知る者の1人であり、その事実に心を痛める者でもあった。

 

 だが今日この日、大きな変化が起こる事を彼女は知る由も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 庭園で花々に囲まれながら静かに座り込むハクと、そんなハクの傍に車椅子を動かして少し高い位置から見下ろすラケル。ハクは気付けば長い間この世界に留まり続けており、未だに次の世界への予兆すら見えずにいた。何故ならそれは、欲望を満たす相手として現れた隣に居る存在の欲が何時まで経っても満たせなかったからである。

 

【ラケル・クラウディウス 秩序欲 0/100】

 

 他に何も無い、たった1つの欲望。何かを整頓したり片づけたりとする欲望にハクは最初何をすれば良いのか戸惑いながらも行動していた。だが思いつく事は全て無意味に終わり、ハクの中で1つの予想が出来る。それは小さな事では無く、何か彼女にとって大きな事を成し遂げる必要があるのかも知れない、と。それが何なのか、ハクには到底理解することは出来なかった。だが何かを目的として行動しているのは日々の日常で理解出来た為、今現在は様子を見る事しか出来ずにいた。そしてその間、この世界で当然生きる事になるハク。今まで渡って来た世界の中でも群を抜いて死が近いこの世界で、安らげる場所は数少ない物であった

 

「白……いえ、純白というべきなのでしょう。……色を付ける事は、出来るのでしょうか?」

 

「?」

 

「不思議です。どうしてここまで……染めて見たくなるのでしょう」

 

 ハクの姿をジッと見つめ乍ら静かに告げたラケル。その言葉にハクが首を傾げた時、聞こえない様な声で続けたラケルは優しくハクに向けて手を差し伸べる。もしもここでラケルの声を聞いていれば、その手の意味を理解していればこの後に起こる未来をハクは回避出来たかも知れない。だがその手を取って引き寄せられた時、起こった出来事にハクは目を丸くするしか無かった。

 

 

 

 

 

 花の咲き誇る庭園の真ん中で、ハクはラケルに引き寄せられてその身体に圧し掛かる事になってしまう。決して苦しみを与えない重さであり、自分の膝の上に半身以上を掛けるハクを前にラケルは顔に掛かるベールを上に上げると同時にゆっくりとハクの頭を撫でる様にしながらも逃げられない様にした。そして余りに突然の事だった為に困惑するハクへラケルは無表情のまま何も言わずにキスを交わす。困惑から一転、驚愕へと変わるハクの心を見透かす様に薄い笑みを浮かべたラケル。ハクの頭から手を離した後、その身体に手を掛けると自分の膝の上に背面で座らせる。ハクの身体を持ちあげる事も、自分の膝の上に座らせる事も苦も無く熟したラケルは、そのお腹周りに片手を回してハクの耳元に微かに聞こえる様に笑う。

 

「ふふ」

 

「……」

 

 ラケルの前に背を向ける形で座らされるハクは顔だけを振り返ってラケルに不安そうな瞳を向ける。自分がキスされた事から始まり、流れを何となく察してしまったのだ。ハクを膝に抱きしめるラケルは最初にハクの頭に顔を埋めて匂いを嗅ぎ始める。その表情に変化は無く、ハクはくすぐったさを感じ乍らも少し目を閉じて我慢するのみ。するとラケルは車椅子を操作し始め、ハクを膝に乗せたまま庭園の中にある休憩所へと移動を始める。屋根のある休憩所は円状に座る場所があり、ラケルは車椅子のままその中へ。ハクを移動させる訳でも無く、唯エレベーターからもし無粋な誰かが来てもハクの姿が見えない様な位置取りをラケルは行った。

 

「純白を穢すのはきっと容易い事。残すのなら、私に染めても問題ありませんよね?」

 

「……どう言う意味?」

 

 普段からラケルが本人にしか分からない言葉を呟く事は決して珍しい事では無い。だが今の状況が自分に何かを齎すことはハクにも当然理解出来た為、ハクはラケルに膝の上に座ったまま顔を振り返らせて半目で質問した。しかしラケルはハクの質問に笑みを浮かべて何も答える事は無く、変わりに行動で示し始める。ハクが着ている1枚のワンピース。お腹に回していた手をその下側に伸ばし、捲り上げる事はせずに差し入れ始めたラケル。一瞬下着に触れたもののそこで留まる事無くラケルの手はハクの腹部を触り、服の上からでは無く直に肌を触れさせる様に片手で抱きしめ始める。快感にも似たくすぐったさを感じ乍らハクは微かに身を捩ると、ラケルは空いていた手でハクの髪に振れる。耳元を掻き上げる様に触れ、少しだけ顔を前に出して自らの口を近づける。そこでようやく、ラケルはハクの質問に答える様に口を開いた。

 

「貴女は私のモノ。と言う意味です」

 

「っ!」

 

 囁かれた声は息を伴い、ハクの身体は一瞬反応する様に跳ねる。すると突然、言葉を紡いでいたラケルの口がハクの耳に触れると共にその一部が口の中に含まれた事で更にハクは反応を示すことになる。ラケルの口の中に含まれてしまった耳の一部はその中に存在するラケルの舌に襲われ始めていた。伸びて獲物を探すのではなく、自分が好き勝手に動ける領域の中で動き回る舌はその滑り気と暖かさでハクを攻めたてる。跳ねる身体はラケルから離れ様とするが、直に回されたその腕に捕えられている所為で逃げる事は出来ない。それどころかラケルのまだ自由になっている片手が服の袖部分から中へと侵入し始める。

 

「これは、要りませんね?」

 

「ぁ……」

 

 侵入した手がハクの背中に触れると、下着を留めていたホックの部分を意図も簡単に外してしまう。服の中で外れた下着はお腹に回っていた手に受け止められ、ワンピースの下から抜き取られると一度ハクに見せられた後にそのまま休憩所の椅子へ放り投げられてしまう。感覚で外されているのは当然分かっており、だが先程まで着けていた下着を捨てられる光景にハクは恥ずかしさと共に抵抗出来ない自分の無力さも感じてしまう。

 

 ラケルはハクの身体を軽々と一度持ちあげると、今度は自分に向かい合う形でハクを膝の上に改めて乗せ始める。お腹に回していた時同様、今度は背中に片腕を回して拘束。だが先程と違うのは向かい合っているという事であり、ラケルはハクのワンピースの裾に手を掛けると、胸を露出させる為に捲り上げ始めた。ラケルに取って良かったことは、ハクがその姿にしては大きな胸を持っていた事だろう。捲り上げたワンピースの布地が胸の上に乗る様にして引っ掛かる事で落ちる心配が無く、ラケルは片手を自由に使えるのだ。

 

「っん……」

 

「あ、むっ、んんぁっ……はぁ……んっ!」

 

 背中とは別に一度首元へ腕を回したラケルはハクの身体を引き寄せると、2度目のキスを行い始める。背中に回した腕の力を強めて体勢を維持し、キスをしたまま首に回していた腕を解放すればその手は曝け出されたハクの胸へ。漏れ出る声はキスによって塞がれ、乱れる身体は強く抱きしめられて成すがままとなるハク。胸へと伸びたラケルの手は優しく突起の部分をボタンを押す様に刺激し始め、紛れの無い強い快感をハクに与え始める。

 

「んぁ! んっ!」

 

 強い快感に思わず仰け反りそうになったハク。しかしラケルは回している手に力を込めて離れる事を許さずにキスを続ける。触れ合う事は当然として、繋がっている現状を中断させることも許さないラケルの思いを感じたハクは最初から抵抗出来ない事もあってその身を流れに任せる様にラケルへ預けた。受け入れ始めた快感を前に時間も忘れてハクは静かに乱れ、ラケルは攻めを止める事無く次の段階へと移行する。自分の膝の真上に存在するハクの大事な部分を守る最後の布。ラケルがそれに手を掛けた時、紙を破るが如く意図も簡単にそれは外されてしまう。既に水気を微かに帯びていた最後の下着は最初に外された下着の上に投げられ、ワンピースを捲り上げただけのハクの姿を前にラケルは小さく息を吐いた。

 

 ラケル・クラウディウスにとってこの世界は灰色である。彼女の中に存在するとある衝動……それだけが彼女を動かし、その他の事には一切彼女は興味を感じられなくなった。しかしそんな彼女の傍に居たハクという存在だけは彼女に色を見せ続けた。それはハクがこの世界の生き物では無いからなのか、将又別の理由なのか。その詳細を知る術をラケルは持たない。が、灰色の世界に存在する色を持った存在は当然特別になる。今目の前に晒されるハクの裸体を前に、思わず何かを感じずにはいられなかったラケルはそんな自分に驚きながらも湧き出る欲望に従う事とした。彼女を染める、それ即ち支配して自分だけのモノにするという思いに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハクがラケルに襲われてから数日。1日で全てを手に入れる事は難しいとラケルは分かっていた。ハクにも感情があり、その感情を自分にだけ向けさせるには相当の時間が掛かる事が。だからこそ、今まで続けて来た目的に関する計画と共に並行してラケルは新たに目的を1つ作る。焦らずに時間を掛けて、ハクを完全に篭絡すると。1度身体を許した事もあり、信頼されているのは間違い無いと確信したからこその計画である。

 

「今日はどんな風に攻めましょう? ……1度、生やしても良いかも知れません」

 

「……」

 

「ふふ、冗談です」

 

 ラケルの言葉に身の危険を感じ、ハクは思わず少しだけ距離を取りながら様子を伺ってしまう。そんな姿を前に微かに楽しそうな様子で告げるラケルだが、実は少しだけ本気なのは彼女の中だけの秘密である。生やす等は冗談で済ませたラケルだが、ハクとこれから行う時間は決して冗談では無い。世界の未来に関わる計画と並行して自分が狙われる事になっている事等知り得ないハクは、今日もラケルに庭園へと連れて行かれるのであった。




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