深夜。駒王学園の一室が突如として光に包まれる。
「さぁ、話してもらうわよ」
「…………」
まるで最初からそこに居たかの様に、突如として現れる二人の人影。
月明かりに照らされて僅かに影の影響で黒く見える紅蓮の長髪を揺らすのは、駒王学園に在籍する3年生の生徒。恐らく学園内の生徒で知らぬ者は居ない有名人、リアス・グレモリー。
そんな彼女の前には明かりの影響で白銀に見える長髪を揺らして力無く座り込む少女、ハクの姿があった。その両手は後ろ腰に縛られており、髪の間から見える瞳には僅かな怯えが見て取れる。
数日前から学園の周辺で過ごしていたハクは、欲望を満たすべき対象を探して彷徨っていた。そしてこの日行きついた駒王学園には対象が複数おり、学校内では目立つからと身を隠せる場所として選んだのは人の居ない旧校舎。……しかしそこには既に先客が居る事にハクは気付けなかった。
その見た目はただの猫。だが明らかに違う異質さを感じ取る事が出来たのは、相手が同じ異質な存在。悪魔だからだったのだろう。旧校舎を『オカルト研究部』という部活の体で使用していた悪魔、リアス・グレモリーとその眷属達にハクは遭遇してしまった。
最初は猫が迷い込んだと一瞬思うも、即座に違うと気付いたリアスの命令で動いた眷属達。猫の身軽さを活かして逃げ続けるも、同じ様な猫の少女に捕まってリアスの前に連れて来られたハクは尋問される事になった。
この世界には悪魔の他にも天使や堕天使といった人間とは異なる存在が大勢いる。そしてその種族間は決して良好とは言い難かった。謎の生き物が自分のテリトリーに侵入した。その目的を吐かせようとするのは、領主として間違っていない行為である。……だがハクにはそもそも、この世界の常識や種族の存在に関する知識が無い。尋問をしても、吐ける内容が全く無かった。
まずは話せる様にと姿を変えた時、ハクの見た目に困惑したリアスと眷属達。だがその正体や目的が分からない以上、得体のしれない存在を簡単には受け入れない。眷属を心から大事にする主として、リアスは危害を加えられない様にと細心の警戒を持って対応する事にした。眷属でハクを囲い、逃げ場を無くした上で拘束。そして人の居ない本校舎の一室へとリアスは転移した。
「まずは名前ね」
「……ハク」
「ハク。……そう。ならハク、答えなさい。何が目的で私達の部室に現れたのかしら?」
「…………私、は」
出会ってまだ数時間の相手を前に、自身の目的である欲望を満たす旅について話をするのをハクは少しだけ躊躇った。だがこのままでは不味いと悟り、ハクは正直に話をする。リアスはその話を聞き、いつの間にか用意した椅子に座って足を組みながらハクを見下ろし続けていた。
「欲望を満たす。私達がやっている契約の様なものね。それで、対価は? ただって訳じゃ無いわよね?」
「……何も、無い」
「何も? そんな都合の良い存在が居るなんて、信じられないわね」
「……それが。私の目的に……繋がる、から」
「目的?」
「……私の居た世界。……元の世界に、帰る」
欲望を満たす事で世界へ帰れる。そんなハクの話を聞いて黙り込んでしまったリアスは少し考える様な仕草をする。胸の下で腕を組むその姿勢は彼女の豊満な乳房を強調する様に持ち上げ、同性でその気が無いハクですらその大きさには一瞬目を奪われてしまう程に存在感が大きかった。
「事情は分かったわ。まだ完全に信じる訳にはいかないけれど、取り敢えず拘束は外してあげる」
「……ん。ありがとう」
両腕を拘束していたモノが、リアスの行為で解かれる。痛みは殆ど無かったものの、縛られていた場所を摩りながらお礼を言ったハク。自然と下げていた顔が上に上がった時、リアスの顔がハクの至近距離にあった。
「しばらくの間、監視を付けさせてもらうわ。行動も制限するから、そのつもりで居なさい」
「…………」
「お返事は?」
「……はい」
「えぇ、よろしい」
こうしてハクは一時的に監視を付けられながらも、オカルト研究部の部室で過ごす事となった。
猫の姿と人の姿を適当に変化させながら、時に1年生の同じ猫な少女に。時にリアスと同学年の女性に。そしてリアス自身にも監視されながらの日々を過ごす。だが決してそれは大変なものでは無かった。『オカルト研究部』という飼い主がこの世界で出来上がったと考えれば良い。過ごす中で彼女達に満たすべき欲望を見出し、ご飯も貰いながら気ままに猫の如く過ごす。
一人の欲望を満たし、二人の欲望を満たし、何時の間にか監視するという名目も何処かへ忘れ去られてしまった頃。ハクはまだ満たせていない人物の欲望を満たす為に何をするべきか考えながら、オカルト研究部の部室で時間を潰していた。残りも後少しというところまで来ていたのだ。
「ふぅ。ハク、戻ったわ」
「……ん、お帰り」
「お疲れ様です、部長」
「ふふっ、いつも通りの光景ですわね」
「小猫、ハクを渡しなさい」
「…………」
「そんな恨めしそうにしても駄目よ」
授業を終えて部室へと帰って来たリアス。1年生の猫な少女は先に部室へ来ており、人の姿で並んでソファに座っていたハクと一緒に出迎える。そこでリアスがハクを求めると、少女は恨めし気に目を細めてリアスを見つめる。だがその行為も無意味に終わり、猫の姿になる様に言われたハクが姿を変えると、リアスの膝上に座らされる。柔らかい感触、暖かな身体。ふわふわの毛が齎すもふもふの癒し……リアスは恍惚とした表情を浮かべる。お姉様として慕う後輩達、特に男子生徒には決して見せられない顔だ。
「部長、顔が酷いです」
「っ! 小猫、その言い方は失礼よ」
「意趣返しですわね」
「…………そういえば、ハクは何時までここに居られるんですか?」
「え?」
「確かに、気になりますわね」
『……』
小猫の何気ない一言に部室の温度が一気に下がる。そして三人の視線が一斉にハクへと向き、強いプレッシャーの様なものを感じたハクは驚きながらリアスの膝から飛び降りた。答える為には人の姿になる必要がある。いい機会だと、ハクは答える事にした。
「……後、少し」
「少しとは、どれくらいですか?」
「……残り一人、だから……早くて一ヵ月、くらい……?」
「一ヵ月。一ヵ月で、貴女はこの世界から。私達の元から消えるっていうの?」
「ん……次に、行く」
≪…………≫
部室が沈黙に包まれる中、ハクは言う事は言ったとばかりに再び猫の姿へと変わる。そして今度はリアスの膝では無く、部屋の隅へと移動してしまった。適当に作った寝床で転がるのを見るに、寝るつもりなのだろう。
一方、ハクが近い内に居なくなる事を知った三人は絶句したまま固まっていた。しかし少しの間をおいてやっと我に返ったリアス。彼女は自分達とハクとの関係が最初の頃と変わらず、侵入者を監視するに留まっていた事を今更ながらに理解する。リアスの中で気付けばハクはこの部室の、部活の一員。更に行ってしまえば眷属ではないが、似た様に愛すべき存在になっていた。それは一緒に居る二人も変わらないだろう。
「部長」
「えぇ、分かってるわ」
リアスは後悔した。今までずっと同じだった自分達の関係。何処かで気付き、本格的に絆を結べばハクがここから居なくなる結果も変わったかもしれないと。元の世界へ帰りたがるハクがここに居たいと思える様に出来たかもしれないと。だが、それはもう手遅れだ。ハクは近い内に居なくなろうとしている。そしてそれを躊躇う素振りも無い。彼女にとって、ここは通過点でしかない。
「いいわ。グレモリーの、私の愛を教えてあげる。小猫、朱乃、私に任せてちょうだい」
「何をするつもりですの?」
「ハクにわからせるのよ。私が如何に愛しているのかを」
「……部長」
「えぇ、それも分かってるわ。上手くいったら、小猫も好きにしなさい」
「ふふっ、なら私も好きにしますわ」
話をしてすぐに彼女達への関心を失ってしまったが故に、眠ってしまったハクは自分に近づく不穏な気配を察知する事が出来なかった。何時までも監視される対象でしかないと思ってしまったのが、その失敗の原因なのだろう。リアス・グレモリーの愛は、既にハクを包んでいた。
夜中。既にリアス達の居ないオカルト研究部の部室で、ハクは眠っていた。時には誰かの家へ連れていかれる事もあるが、基本的には部室に残っているハク。そんな彼女はふと、誰かの気配を感じて顔を上げる。真っ暗な部室の中、猫特有の目で見える視界には誰かが映る。
『?』
薄暗い空間故に色の判別は出来ないが、その姿形を見て誰かが分かったハクはその姿を人へと変える。猫のままでは話も出来ない為に。ハクの姿が変わった事に気付いたのか、動きを止めたその人物はやがて部室の電気を点けた。
「……リアス」
「流石ね。警戒心が強いのかしら」
「……忘れ物?」
「えぇ、そうね。大事なモノを忘れたの」
オカルト研究部の部長であり、小猫や朱乃の主、リアス・グレモリー。何時も通りの余裕がある笑みを浮かべながら、問いに答えるその姿を前にハクは確証のない違和感を感じる。何処か妖しく光る瞳がジッと見つめるのを前に、ハクは無意識に行動していた。
「駄目よ」
「!?」
猫の本能が告げる虫の知らせ。だが部室を逃げる様に出ようとした瞬間、その腕はリアスに掴まれていた。驚いたのも束の間、一瞬にしてリアスに抱き寄せられたハクは自身の足元が光っているのに気づいた。……それは普段、悪魔として契約者の元へ移動する際に見る転移の魔法陣。
「何、を……」
「教えてあげるのよ。どれだけ貴女を愛しているのか、ね」
その言葉と共に部室から2人の姿が消える。そして独りでに部室の電気が消え、やがて静寂のみがその場を支配する。
「い、ゃ!……離し、てっ!」
「ふふっ、弱いわね」
リアスによって半ば誘拐の様に転移させられたハクは、到着した真っ赤な部屋にあるベッドへ流れる様に転がされた。仰向けになってすぐに立ち上がろうとするも、間を置かずにリアスが覆い被さって逃げられなくしてしまう。ハクの力ではリアスを退かす事も出来ず、容易く両腕を捕まれてベッドへ押さえ込まれる。
「どう、して……」
「貴女が悪いのよ。こんなに愛しても、私の元を去ろうとするんだから。……だから、しっかり教えてあげるわ。私がどれほど、貴女を愛しているのか」
そう言って掴んだハクの両腕を本人の頭上へ交差させる様に移動すると、謎の光が両手首に取りついてしまう。ハクがいくら動かそうとしてもそれは外せず、リアスは自由になって両手でハクの衣服に触れた。何をしようとしているのか嫌でも分かったハクだが、抵抗する術は無い。
あっという間にハクは裸にされてしまう。リアスは脱がした服をベッドの外へ放り、今度は自身の服にも手を掛ける。やがて世の女性が羨む程の美貌を晒しながら、リアスはハクの頬に触れる。
「身体には自信があるのよ。でも、同性である貴女には何の武器にもならないから残念だわ」
「……もう、止めて」
「止める? まだ始めてもいないわよ」
「ひっ!」
リアスは微笑みながらハクの身体に指先で触れる。くすぐったさから身を捩ったハクだが、その指は逃げる身体を追う様にして執拗にハクに刺激を与え続けた。彼女の身体が敏感な事が容易く理解できたリアスは、やがて指先での攻めから手を使ったモノへと変える。自身に比べれば小さく慎ましいが、眷属である戦車の少女に比べれば確かに存在するハクの乳房。
「ふふっ。甘やかす事は多いけれど、甘えるのは久しぶりね」
「ゃ! ん、ぁ!」
痛みを与えない様に優しく、だが手で全体を感じられる様にハクの乳房を掴んだリアスは揉みながらゆっくりと顔を近づける。そして小さなその身体に甘える様にして、顔を胸の間へ挟み込んだ。普段の生活では絶対に感じない、他人の暖かさと肌の擦れる感覚にハクの口から僅かな声が漏れる。
ハクの身体を顔で堪能したリアスはその顔を上げた時、何時かの様に他の誰にも見せられない程にその表情は崩れていた。愛しい相手を好きな様に堪能できるとなれば、誰であってもこうなるのだろう。そしてその行為が彼女を本気にさせる。今度は貪る様に、再びハクの身体を覆い被さったリアス。ハクの嬌声が響く中、本能のままにリアスはハクを味わい続ける。
しばらくの時間、リアスの好きな様に身体を弄ばれ続けたハクは息を切らしながらこの状況が早く終わる事を願っていた。過去に他の世界で自分の身体を求められた事は少なからずあり、そのどれもが相手の満足を切っ掛けに終わる。相手が同性だからこそ、最悪の結果は訪れない。
「甘いわね」
「……ぇ」
「長い間、貴女を見て来たのよ? 多少は考えてる事くらい、分かるわ。私が貴女をこうして攻めて終わりな訳がないでしょ? やると決めた時から、最後までする準備は整えてあるわ」
リアスは一度ハクから離れると、自身の下腹部に手を当て始める。それは普通の人間には出来ない魔法の力なのか、悪魔だからこそ出来る力なのか。その手が光ると共に、やがて生える様にして現れるその光景にハクは恐怖する。
「私も女よ。本当なら、愛されたい。だけど貴女を愛するなら、こうする他に無いの」
「ぃ、や……来ない、で……っ!」
「覚悟は必要だったけれど、やってみれば呆気ないモノね。……貴女を犯せる事への期待の方が大きいからかもね」
徐々に近づいてくるリアスに、彼女の下腹部から生えた男性器に怯えて必死に逃げようとハクは足を動かすが、固定された手は変わらず自由には動かせず、その場で足を滑らせる事しか出来ない。例え身体を使っても、それだけは守ると誓った処女の危機。それを失った時、旅が終わる事など知らずとも絶対に許してはいけないと焦らずにはいられない。
「さぁ、繋がりましょう。貴女の心も、そして身体も、全部私のモノにしてあげるわ」
「だ、めっ! それ、だけは……っ!」
必死の抵抗も、懇願も、既に犯すと決めたリアスには通じない。暴れる足を掴まれて、間に入り込んだリアスはそれをハクの秘部に宛がい始める。先程までされていたリアスの甘える様な攻めでも、ハクの身体はしっかりと受け入れる準備を整えてしまっていた。微かな水音と共に先端で入った時、リアスはハクと目を合わせる。
「おねが、い……止め、てっ!」
「
「ひっ、ぃやあぁぁぁぁぁ!」
リアスが嘗て聞いた事も無いハクの叫び。それと同時に感じる小さな身体が自分のモノを受け入れ、締め付ける快感に一瞬で射精感が込み上げる。本来存在しない筈の場所から感じる慣れない快感に必死で堪えたリアス。額からは汗が滲み出るが、何とかギリギリで持ち堪えた彼女は瞳から涙を流して虚空を見つめるハクの姿を見る。
「これでもう、貴女は私のモノよ。……あまり長くは持たないわね」
何よりもリアスが求めたモノは『自分がハクの処女を奪った』という事実だ。それが達成された今、残りの行為はあくまでもおまけでしかない。だが本来愛し合う者同士が行う事でもあるため、楽しみたいと思うのは当然の事。即座に射精しかけた事実や、小さな身体に比例した締め付けと快感に最後が近い事をリアスは薄々察していた。
「動くわよ」
「……ぅ、ぁ……ぁ!」
もうハクの瞳に光は無い。何よりも大事なモノを失った事実にその心が耐えられなかったのだろう。意識は残っていても、その思考は完全に放棄されていた。動き出したリアスに伴い、膣壁を擦る男性器の刺激に反応を見せるも、僅かなもの。リアスにとって、それは気に入らない事であった。
「こっちを見なさい」
「……」
「今、貴女を
何かが分からず、だが失われる感覚に絶望していたハクは目の前に映るリアスの顔を見る。自分から全てを奪った憎むべき相手ともいえるが、奪われた今唯一縋る事の出来る相手でもある。目を合わせる内、徐々に自分を取り戻したハクがしたのは……拒絶だった。
「ぃ、やっ!」
「っ! 暴れても無駄よ。挿れただけじゃ駄目みたいね。なら、続けるだけよ」
「ん、ぁ! 動か、ない、でっ!」
それが自分を受け入れているのではなく拒絶だったとしても、リアスにとっては反応するだけで満足だった。両足でハクをひっくり返す様にして、絶対に逃がさないとばかりに腰を打ち付けるその姿勢は種付けプレスと呼ばれる体位。肉のぶつかり合う音が響く中、最高の快楽と込み上げる射精感を今度は抑えようともしない。
「くっ! 出すわよっ!」
「出す、って……! 駄目っ!」
「私の愛を、受け入れなさいっ!」
「出しちゃ、だめっ! 止め、てっ! ……いやっ!」
一際大きく腰を上げ、やがて最奥へと突き入れられた男性器から放たれる精がハクの子宮を瞬く間に満たしていく。悪魔だからか、魔法で生まれた男性器だからなのか、その射精は人間の並ではない量である。入り切れない精が結合部から僅かに溢れ出し、ゆっくりとリアスが引き抜くと共に流れ始める。
「はぁ、はぁ……これで、分かったかしら? 貴女は私のモノよ。何処へも行かせないわ」
「……違、う……私は……リアスのモノじゃ、無い……っ!」
「! ……そう。まだ足りないみたいねっ!」
ハクは堕ちていない。それが分かった時、リアスは疲労も忘れて再びその身体へ覆い被さる。
それから何度も、何度も、リアスはハクを犯し続けた。その小さな身体が精に塗れようとも、決してリアスには堕ちないハク。無理やり奪われたからこそ、絶対に彼女の思い通りにはならないと反骨心が芽生えたのかもしれない。最終的にハクが気絶するまで行為は続き、静かになったその場でリアスは疲労を感じながらも覚悟を決める。
「1回では堕としきれなかったわね。今度はあの子達にも力を貸してもらおうかしら」
既にハクが世界を渡れなくなった事など知りもしないリアスは、眷属達の力も借りて再び堕とすための計画を考え始める。
こうしてハクの旅は終わり、悪魔達へ抵抗する日々が新たに始まる。