ハクが訪れた世界。そこは何も無い静寂が支配する世界だった。終わりなき空間を彷徨い続ける事になったハクは、そこでやがて人成らざる存在と出会う。
『お前、何?』
『!?』
巨大な龍。蛇の様にも見えるその姿に、威圧感と存在感にハクは何もされぬまま押し潰されそうになってしまう。しかしハクは動けぬまま必死で倒れる事だけはしない様に意識を保ち続けた。
『……』
『……っ! はぁ……はぁ……』
ジッと見つめる瞳がやがてそっぽを向く。まるで興味を失ったとばかりに。それと同時に自身に向けられた威圧感が緩まった事で、ハクは額から汗を流しながら呼吸を整えた。
龍は何もしようとしなかった。静寂が支配するその空間で、唯々終わりの無い時間を無為に過ごし続けるだけ。一方、他に行く宛も無かったハクは龍の傍に居続けるしか無かった。
ハクが寄り添う事に何も言わなかった龍。だが何かを感じたのか、その様子は徐々にハクを受け入れる様になっていた。龍にとって静寂のみの世界に現れた別の存在。静寂を脅かすでもなく、唯々同じ時間を過ごす小さな存在。……その存在は龍の心を微かに暖かくする。
【オーフィス 無欲-/-】
『……』
一方でハクは龍が欲望を満たすべき存在であると知るも、その方法が無い事に内心で頭を抱えていた。何かを求める事もせず、静寂の中で息をして存在し続けるだけの龍。他に外へ出る術も見つからないまま、ハクはそこで長い日々を過ごす他に無い。
『!』
『?』
そんな2匹の元に突然、転機が訪れる。今居る空間から外に出る事が出来るであろう、謎の光が目の前に現れたのだ。龍はそれを見ても特に気にした様子を見せないが、ハクの場合は違う。ここに居てもどうしようも無いと悟り、他の欲望を満たす相手を探してハクはその空間を飛び出した。
『……』
龍はハクが空間から脱出する光景を見送るだけで、止めようとはしない。そして光が消え去り、やがて再び何も無い空間で龍は何もしないまま時を過ごす。……何か僅かな物足りなさを感じながら。
ハクは飛び出した先で猫又の悪魔と出会った。そして彼女の使い魔となり、人の姿に成れる事を明かし、主人となった悪魔やその周りに居る者達の欲望を満たす為に行動し続ける。主人である悪魔が更に仕える主人。その主人の親友で先輩でもある同じ悪魔の女性。他にも元シスターな悪魔や聖剣をその身に宿す悪魔など、対象は数多く存在した。
欲望は順調に満たせていた。時にはその身に降りかかる危険を何とか打破して、1人2人と使命を果たし続けていたハク。……しかしそれが永遠に続く事は無かった。
「見つけた」
「!」
「っ! なっ……」
主人の主人が纏め上げる表向きはオカルト研究部となっていた高校の部室。そこで悪魔達は何気ない一時を過ごしていた。だが突然現れた幼げな幼女の姿に。その威圧感に、その場に居た誰もが真面に立っては居られない。下手に手を出せば命が無いと分かる程に、その少女の威圧感は計り知れないものだった。
「……オー、フィス……?」
ハクはその威圧感を知っていた。長い間それに充てられ続けた経験故に、他の誰よりも普通で居られた。しかしその目は驚きに見開かれており、龍の姿しか知らない故に確証が無いままその名前を呼ぶ。……少女はそれを肯定する様に頷いて、ハクへ近づき始めた。
「お、オーフィスって……そんな、まさかっ!」
「無限の、龍神……!?」
「ハ、ク……!」
ハク以外の誰も立てないまま、2人の会話から。ハクの言葉から少女の正体を理解した他の面々。だがオーフィスはそんな周りの反応など気にもせずにハクの目の前に立つ。そしてゆっくりと手を伸ばす姿に小猫は戦慄した。しかしハクが危ないと思っても、彼女の身体は動かない。
「探した」
「なん、で……?」
「お前が居なくなって、静寂が物足りなくなった。だから、お前はこれから我の傍に居る」
無表情にまるで意見を聞くつもりも無い様子で、オーフィスは告げる。それが既に決まった事であるかの様に。小猫はそれに文句を言いたくなるも、更に増した威圧感に真面な声を出す事も出来なくなってしまう。……オーフィスは気付いたのだ。ハクが既に誰かの使い魔となっている事に。
「お前は我のモノ。今すぐ、その悪魔との繋がりを切る」
「そん、なの……」
「出来ないなら、我がやる。……あれを、殺す」
「っ! ……駄目。小猫を……殺さないで」
オーフィスの様子に慈悲は無く、躊躇もしない事は明らかだった。ハクは彼女の言葉に焦り、急いで止めると同時に小猫の傍へ。そして目で嫌がる小猫の傍に近づいて……使い魔としての繋がりを切ってしまう。それが小猫を守る唯一の方法だった故に。
「ぁ……」
「……ごめん」
ハクとの繋がりが途切れたのを感じた小猫の弱々しい声にハクは謝ると、オーフィスの元へ。そして彼女が開いた静寂の支配する空間へ、ハクはオーフィスと共に入り込む。開いた道が消えた時、全員を襲う威圧感が消えると共にハクもその場から姿を消してしまった。
獣の本能か、未知なる存在への恐怖からか、ハクはオーフィスに逆らう事が出来なかった。彼女の力はそれ程まで強大で、少し戦える程度の自分が叶う相手では無いと分かるのだ。
「これから、ずっと一緒に居る。我の番になる」
「つが、い……」
拒否する余裕もハクには無かった。それが何を意味するのか、分からない訳では無い。だが唯々生きるために、彼女に逆らってはいけないと何かがハクに告げる。
「お前の全部、我のモノ」
「っ!」
伸ばされた手がハクの肩に触れる。そして抗えぬまま、ハクは何も無い空間で押し倒された。気付けばオーフィスは生まれたままの姿となり、ハクの着ていた服が邪魔とばかりに彼女の手で容易く引き裂かれる。露わになったハクの身体を、肌を求めてオーフィスは抱き締めながらハクと目を合わせた。
「番は、交尾する。……お前を孕ませる」
自分がこれから何をされるのか、ハクは嫌でも理解出来てしまった。人ではないオーフィスなら、性別という壁を容易く超える事は予想出来る。そしてそれを察した時、ハクの中で確かな抵抗が生まれる。威圧感に慣れて身体が動き、ただ逃げたいという思いからオーフィスの身体を押し返して走り出す。終わりの無い空間を只管に。
「……ここから、出ないと……っ!」
このままでは使命を果たす事も出来ぬまま、
だが、ハクは突如感じた今まで感じた事の無い威圧感と共に……地面に押し付けられていた。
「逃がさない」
「っ!?」
後頭部に感じる手の感触。それは間違い無くオーフィスのものであった。自分と同じ年頃の様な見た目をしていながら、その力は計り知れない。一瞬で逃げたハクに追い付き、地に押し付けたのだ。片手で頭を押さえてうつ伏せのまま身動きが取れないハクを前に、オーフィスは背に残っていた服の残骸を全て取り払う。
「止め、て……っ!」
「生意気な番、抵抗する番は力で屈服させる。我の子種を植え付けるまで、もう離さない」
龍という圧倒的過ぎる力を持つ存在を前に、猫のハクは余りにも無力だった。
強大な力を持つオーフィスに高が他人の力を借りて世界を巡る猫は適わない。何方が強いのか。何方がこの場を支配しているのか。ハクは自分を床に押し付けるオーフィスに嫌でも理解させられる。
「交尾、する」
「っ! 離、し……て……!」
静かな抑揚の無い声で発せられるその内容はハクにとって何よりも避けたい事。だが何も出来ぬまま、ハクの背を押さえ付けるオーフィスがモゾモゾと動き始める。
初めて出会った時、オーフィスは人成らざる蛇にも見える龍の姿だった。性別という概念すら存在しない生物。今は幼女の様な姿をしていても、本当に女性であるかは分からない。……その証拠に、ハクは臀部に感じる固いものの存在を遂に感じる事となった。
「お前は雌。だから、我が雄になる」
「ぃ、ゃ……っ!」
見た目は変わらないまま、彼女の股間には確かに男性にしか無いモノが何時の間にか生えていた。だがハクは自分の秘部に……そして、もう1つの使われない穴に宛がわれた事で目を見開く。振り返ってもそれを視界に捉える事は出来ないが、明らかにオーフィスにはそれが
「う、そ……」
「どっちに
それは龍では無く、本当の蛇の様に。オーフィスは宛がった2本の男性器をハクの入り口にピッタリと宛がう。頭を押さえ付けられて強制的にお尻を付け上げる形にされたまま、必死に抵抗するハクの姿は今から交尾しようとするオーフィスにとって誘っている様にしか見えなかった。そして、前戯もされていない秘部とお尻の穴にゆっくりと挿入を開始する。
「ひっ、あぁぁぁぁ!」
「ん。キツイ」
ハクの身体は淫らな行為を容易く受け入れる。破瓜の証である鮮血が秘部から流れ出ていても、苦しそうに目を見開いて大声を上げたとしても、ハクの身体は確かに快感を感じてしまっていた。心が拒んでいても、身体が快感に喜んでしまっているのだ。
完全に入り込んだ事を確認したオーフィスは、ハクの頭を片手で押さえつけたままもう片方の手で臀部を掴んで抽挿を開始する。その行為を手助けする様にハクの秘部からは愛液が流れ始め、オーフィスは心地良さそうに目を細めてハクの膣内に包まれる快感に浸り始めた。
「気持ち良い。これが交尾? 悪く無い」
「あっ! んぁ! こん、な……っ!」
ハクの瞳から涙が流れ落ちる。守り続けて来た処女を意図も容易く奪われた事に。そして、何かが自分の中から消えてしまった様な損失感を感じて。その証拠に、オーフィスの視界に映っていたハクの背には先程まであった筈の羽が消え去っていた。が、それに気付いたところで彼女は興味すら持たない。今オーフィスが興味を持つのは、ハクという存在を自分の番として交尾する快感だけ。
「んっ。そろそろ、出る」
「ひっ、あぁ! 出、る……? ! 嫌ぁ!」
「駄目。逃がさない。お前は我の子供、孕む」
射精の予兆を感じたオーフィスの言葉を聞いて、ハクは最後の抵抗をする。しかしそれが意味を成したなら、今の状況になるのは免れていた事だろう。オーフィスという存在を前に抵抗はやはり無意味であり、絶対に逃がさないと更に頭を押さえる手は強く。奥へ注ぐ為か、臀部を掴む手にも力が籠る。
「……出る」
「止、め……んあぁぁぁぁ!」
中で大きく膨らむのを感じた直後、濁流の様にハクの膣内と直腸に子種が注ぎ込まれ始める。その熱は火傷しそうな程に熱く、ハクは苦しみにも似た快感に叫び声を上げた。それは正しく龍の射精。人間とは比較にならない程の量を流し込まれたハクの秘部やお尻の穴からは、逆流した精液が床へ落ちて水溜りを作る。
「……足りない。もっと、する」
「ぇ……んあぁ!」
何度も繰り返す脈動が止まった頃、射精を終えたオーフィスはそう言って再び抽挿を開始した。まだ固いままだったそれは容赦無くハクの中を抉る様に出入りして、既に力尽きたハクは喘ぐ事しか出来ない。頭を押さえ付けられる事も無く、逃げられない様に腰を両手で掴まれたまま、ハクは彼女の交尾にされるがままだった。
果たして小猫達の元を離れてどれ程の時間が経ったのか、もうハクには何も分からなかった。身体を走る快感に震え、熱く脈動するそれを感じて……後ろから自分の抱きしめる様にして交尾を続けるオーフィスの番となるしか他にもう残されていない。
「ぁ……ぁ……」
「ん、出る」
「ぁ……っ!」
気付けばオーフィスの姿は少し大きくなっていた。幼女から大人の女性の姿となった彼女は、胡坐を掻く様にして曲げた足の上にハクを乗せたまま繋がっている。腹部に両腕を回して全身でその身体を感じながら、ハクの身体を容易く上下に動かして快感と種付けを繰り返していた。
身体に入り込んだそれが脈動する。何度と繰り返された末、彼女達の足元はもう子種の水溜りとなっていた。柵も土壌も無い為、永遠に広がり続けるオーフィスの子種。今もまた吐精されたそれがハクの身体に入り切らず、秘部やお尻の穴、口から溢れて床に落ち続ける。
もうハクの身体は精を受け入れるのに限界を当に迎えていた。子宮にまで溜まった子種がポッコリと腹部を膨らませて、直腸や胃にまで上ったそれは遂にハクの口から溢れる程に。龍の終わらない性欲と多すぎる射精量は、小さなハクが到底受け入れられるものでは無かったのだ。
「ぁ……ぁ……」
しかしオーフィスは交尾を止めない。既に目的だった種付けは済んでいる事だろう。だが例えそれが彼女に分かったとして、恐らく止める事はしない。もう彼女にとって交尾や種付けは目的では無くなっているのだから。
「もっと……気持ち良い事、する」
欲しいモノを手に入れた喜び。交尾という気持ち良い行為で知った快感。今まで何もせずに静寂の中で生き続けた龍はそれを知り、それに溺れていた。
ハクもオーフィスも人では無い。食事をする必要も、排泄をする必要も無い。……他に誰も居ないこの空間で、彼女達は永遠に交わり続ける。
「こ、ね……こ……」
口から流れ出るオーフィスの精を零しながら、嘗ての主人だった少女の姿を思い浮かべたハク。やがて浮かんだその姿も快感に掻き消され、その身体にはオーフィスの欲望が流し込まれる。
こうして、ハクの世界を渡る旅は終わりを迎えた。