※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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2016年10月15日 投稿分


リ【IS】 篠ノ之 束&クロエ・クロニクル ふ★

「えぇ~! そんなの飼うの?」

 

「お願いします」

 

 地図にも乗っていない島の中。とある場所で、1人の少女が頭を下げる。その腕には拾って来たのであろう猫の姿があり、目の前に座って居る女性はその事に「う~ん」と唸り続けていた。が、やがて「ま、良っか!」と軽めに言うと同時に少女の腕に抱かれている猫……ハクに顔を近づける。先程まで笑顔を浮かべていた女性だが、顔を近づけたその瞬間。その表情は無表情へと変化した。

 

「クーちゃんのお願いで飼ってやる。でももし猫の分際で私の邪魔したら、容赦なく処分するから」

 

 急変した女性の姿とその言葉にハクは一瞬恐怖を感じるが、それでも反応せずに見返すことで唯一の抵抗を示す。女性からすれば、ハクは唯の獣。しかし自分の言葉に何の反応も示す事無く見つめて来るハクの姿に、冷たい目でしばらく見続ける。やがて飽きた様に視線を外すと、少女に呼び止められる前に行っていた作業を再開する。まだ小さな猫故に、恐怖を感じる知性も無いと判断したのだ。

 

「ありがとうございます」

 

「むふふ~。他ならぬクーちゃんのお願いだからね! あ、昨日お願いした奴は明日までによろしくね!」

 

「了解しました」

 

 女性は少女の言葉に振り返らず、笑顔を浮かべながら答える。と同時に少女に告げれば、画面越しに反射して映るその顔を見ながら少女は了承と共に一度お辞儀をして部屋を後にした。廊下の様になっている場所に出て女性から離れた事で、少女とハクは2人だけとなる。すると少女は腕に抱えていたハクを持ち上げて自分の目の前に掲げた。

 

「束様の了解も貰えました。これから私が貴女の飼い主です」

 

 その言葉にハクは少女と目を合わせる。しばらく見つめ合った後、少女は薄く笑みを浮かべると歩みを再開した。これがハクと篠ノ之 束の出会いであり、束の助手であるクロエ・クロニクルの飼い猫となる瞬間であった。……そもそもどうしてクロエがハクを拾ったのか。それは少しばかり時間を遡る事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 篠ノ之 束は自分でも自負している程の天才であり、また世界中に波紋を広げて逃走を続ける天災でもある。そしてそんな彼女に拾われた少女、クロエは彼女に恩を感じて行動を共にし続けていた。

 

 基本、認めた人間や気になった相手でない限りまともな会話をする事も許さない束。しかし彼女に認められた故に傍に居られる事で、クロエは恩を返し続けている。当然、救い拾ってくれた存在だ。そんな相手に我儘を言う事等殆ど無かった。……が、そんな少女が初めて我儘を言う事になる。その原因はハクとの出会いであり、その出会いは本当に偶然であった。

 

「……流石に疲れました」

 

 束の研究に協力する。それはつまり天才である彼女を必死に追い続ける事になり、才能はあっても彼女程では無いクロエにはかなり大変な事であった。当然そんな事で折れるつもり等彼女には無く、それでも休憩を取らなければ身体が持たない。故にクロエは気分を変える為に、建物の中から外へと出る事にした。全方位を海に囲まれた小さな島は、逃げ続けている束によってその地中に研究所が作り上げられている。外に出れば、照り付ける太陽と空を飛んでいる鳥たちの姿がクロエの目に映った。この場所の季節は夏なのだろう。

 

 クロエは砂浜の方へと歩き続ける。広大な海を前に、心が少しずつ晴れて行くような感覚を感じながら。……そうして歩き続けて居た時、ふと【足跡】がある事に気が付いた。それは小さな子供の足跡であり、だが存在する筈の無い物であった。

 

「私と束様以外に誰かが……?」

 

 今居る島は言わば無人島であり、そこに2人は住み始めたのだ。つまりこの島に居るのは2人だけであり、別の誰かが存在して居る事はありえない事であった。束の開発した物で島に住む生き物たちの確認も当然住んでおり、その中に人が居たと言う結果は無い。

 

 足跡は点々と続いており、クロエはそれを追う事にする。もしも自分達を追っている人がこの島に居るのであれば、束に報告しなければならない。かと言って実は人でも何でもない足形の似た島特有の生き物や何かならば報告して態々心配を掛ける等自分で自分を許せない。故にクロエは自分1人でその正体を確かめるために動き始めた。……結果、辿りついた場所に居たのは人でも何でもない生き物。

 

「……猫?」

 

 真っ白な体毛と綺麗な羽。瞳は閉じており、まるで力尽きる様に倒れているその姿にクロエは少し安心すると共に駆け寄る。何処か怪我をしている訳でも無く、何か病気になっている訳でも無い。が、昼寝をしている訳でも無かった。そうして少し考えた後、クロエは照り付ける太陽の熱さに答えを導きだす。目の前の猫は熱さに倒れてしまったのだろうと。

 

 野生の生き物なら放置して置く事が一番だろう。だが目の前で倒れている猫を前にそれをするには少しばかり気が引け、クロエは仕方なくその猫を連れて帰る事にする。束に気付かれてしまえば怒られるかも知れないが、軽く処置をして逃がしてあげれば良い。と考えて。

 

 クロエの行動によって、ハクは研究所の中に連れて行かれる。そうして涼しい場所で休ませてもらい、水なども貰ったことで回復することが出来たハクの姿にクロエは嬉しくなる。と同時に気付けば気分転換と癒しを一辺に出来ている事にも気付いた。これからもハードな日々は続くだろう。もし目の前に居る猫をお世話することで自分の糧に出来るならば、それに越したことは無い。

 

「……頼んでみましょうか」

 

 自分の恩人に我儘を言う事は気が引ける物の、それでも目の前の猫を飼いたいと言う思いが強くなったクロエはそうして束にお願いをする事になる。結果、無事に許可を得たクロエはその日から研究の手伝いをする傍らでハクの世話をする様になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「? 束様、自分で用意したんですか?」

 

「え? これクーちゃんが作ったんじゃないの?」

 

 ある日の事。クロエが集中を切らして時間を確認して何かを食べようとした時、既に束が料理を食べて居る事に気付いた。だが、それはクロエに取って可笑しな事。何故なら頭脳では天才な束も料理を作る能力は殆ど無いのだから。故に作れるのは自分だけであり、その自分は先程まで作業に没頭していたのだ。当然自分が作っていないとなれば束が作ったとしか考えられなかったが、その本人はクロエが作ったと思っていた様子。

 

「嘘……! 何か変なの入ってないよね!?」

 

 束はクロエが作ったと思い安心しきっていた。故にそれが何か仕込まれている物では無いかと一瞬顔を青くした後、それをすぐさま調べ始める。が、その結果は安全安心な健康に良い料理である事が分かっただけであった。つまり自分達に取っては無害どころか特であると言う事。しかし当然知らない内に食事が用意されるなど恐怖でしかない。

 

「ふ、ふふふ……誰だか分からないけど束さんを焦らせるなんて言い度胸してるねぇ」

 

「そう……ですね……」

 

 片手にスプーンを握りながら笑い始め、怖い笑みを浮かべる束。感謝はすれど怒る事では無いと感じながらも、クロエはそれに同意するしか無かった。そしてそんなクロエの返答と共に束は行っていた研究の作業から一度離れると、違う機械に手を掛ける。それは1台のパソコンであり、それを起動した瞬間。自分達が居る地下の至る所に隠されていた隠しカメラの映像が映し出された。

 

「逃げられると思うなよ。絶対に見つけ出してやる」

 

 束は画面を見ながら料理を作ったであろう侵入者を探し始める。しかし沢山映し出された画面の中に人の姿は一切存在していなかった。だが束が必死に人を探している中、クロエはふと自分の部屋にハクの姿が無い事に気が付いた。研究の際には邪魔をしない様、部屋で大人しくして居る様ハクに言い聞かせ続けていたクロエ。しかし今そのハクはそこに存在して居ない。

 

「……まさか」

 

 クロエが画面越しで必死に探し続けるも、ハクの姿は何処にも映らない。束は侵入者を探すことに夢中になっている為、自分に関心を現在向けていない。それに気付いたクロエは急いで部屋を出ると、カメラに映らない場所を移動しながらハクの存在を探し始めた。……だが自分の部屋は勿論、他の部屋にもハクの姿は無い。

 

 徐々に心がざわつき始め、焦り始めるクロエ。やがて地下から飛び出て地上へと上がると、ハクを探すために走り始める。唯の猫が1匹。しかしその存在はクロエの中でかなり大きくなっていたのだろう。絶対に見つけようと必死で走り続けた時、ふと砂浜に見た事のある光景が映る。

 

「足跡……あの時と同じ」

 

 クロエはずっと気になっていた事があった。初めてハクを見つけた時、人の子供と思われる足跡を追った事でその存在を見つける事になったのだ。……クロエの中で嫌な可能性が浮かび上がる。もし、その誰かが侵入者でハクを攫って行ってしまったら。と。

 

 先程よりも更に足を速く動かしてそれを追い始めたクロエ。やがてたどり着いた時、そこは少し岩に隠れた海辺であった。その先に道があるとは思えず、だが足跡はその先へと続いている。もしも犯人が居るのであれば、その岩の向こうに存在して居る可能性が高い事はすぐにクロエには理解出来た。

 

 気配を殺し、静かに岩場へとクロエは近づき始める。そして岩の向こう側を見るためにゆっくりと顔を覗かせた時、クロエの視界には予想外の光景が広がっていた。人間が猫を抱えて居る光景やハクが苦しんでいる光景があると何処かで思っていたクロエ。しかし目の前に広がるのはそんな恐ろしい物では無く、幻想的とも言える光景であった。

 

『クェェ!』

 

「……順番」

 

『クェェ!!』

 

「!?」

 

 何時か見た鳥たちが1人の少女に集まり、餌を求める。少女はそんな鳥たちへ順番にパンの欠片を渡して行き、もっと欲しいと前に出る鳥へ手を前に出して止め乍ら順番を守らせようとしたいた。が、やがて痺れを切らした鳥の一匹が強引に少女の手にあったパンの塊を加えれば、喧嘩が始まってしまう。そしてそれを持っていた少女はその喧嘩に巻き込まれてしまう。

 

 鳥たちの羽ばたきの渦に巻き込まれ続けた少女は、やがて鳥たちが去って行くことで解放される。不思議と髪は乱れておらず、去って行った鳥たちを唯優しく見守り続ける少女。……そんな少女の存在に気付けば気を抜いていたのか、クロエが足を動かしたと同時に水音が響いた。海の水に足を触れさせてしまったのだろう。そしてその音に少女はすぐさまクロエへと振り返る。

 

「あ……」

 

「……」

 

 気付かれてしまった事に声が漏れるが、少女はクロエの姿を見ても何も言う事は無い。やがて少しずつ冷静になって行く思考の中で、クロエは目の前の少女の存在を考える。自分達以外に居る筈の無い人。足跡の持ち主である事はまず間違い無く、それはつまり数日前からずっとこの島に居たと言う事。そして……ハクを知っているかも知れない存在。

 

「貴女は……!?」

 

 クロエは少女に聞こうと気付けば伏せていた顔を上げて話しかける。だが、お互いの目と目が会った時。クロエはその瞳に見覚えがあった。少し疲れたりすればその姿に癒され、気付けば可愛くて仕方が無いと思う様になっていた存在。……ハクとまるで同じ瞳。

 

「ハク……何ですか?」

 

「……クロエ」

 

「!?」

 

 名乗っていないにも関わらず、自分の名前を知っている少女。自分の言葉に頷き、初対面の筈なのに『何時もと変わらない』と思える表情をしている少女。クロエは目の前で起きている事に絶句し、静かに1歩。また1歩と少女……ハクに近づき始める。クロエの頭の中で、すぐに全ての答えは出来上がっていた。足跡の持ち主はハクで、目の前の存在はハクである。侵入者等最初から居らず、自分達の生活を傍で見て居たからこそ食事を作ってくれた。全て、分かってしまったのだ。

 

 気付けばクロエはハクの目の前に立ち、その身体に手を伸ばす。柔らかな頬に振れ、サラサラな髪の心地よい感覚を手を伝って感じる。クロエはそれ以上言及する事も無く、目の前の少女がハクである事を不思議と素直に受け止める事が出来ていた。そして、その存在を知っても尚手放すと言う考えは想像すら出来ない。既にハクの存在はクロエの中で束同様、絶対の者となっていたのである。

 

「帰りましょう」

 

「ん……」

 

 クロエがハクの手を握り、言う。ハクはその言葉に静かに頷き、歩み始めたクロエの足に着いて行く為に自分もまた歩き始めた。……そうしてクロエはハクの正体を知り、それでも一緒に居る事となる。地下への入り口に近づけば、ハクに猫の姿になって貰って何食わぬ顔で中へ。その後、自分の部屋に再びハクを置いて束の元へと帰る。侵入者の確認は終わったのか、束は研究に戻っていた。

 

「戻りました」

 

「あ、お帰りクーちゃん。何処に行ってたの?」

 

 クロエが声を出したことで、束は顔を向けて質問。それにクロエは「少し部屋に戻っていました」と告げれば、「そっか」とだけ返答して会話をお終いにしてしまう束。クロエは妙な違和感を感じ乍ら、再び研究作業を再開するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真夜中、クロエも眠っているであろう時間に研究室ではとある映像が流れていた。それは出入り口を焦った様子で出て行くクロエの姿。そしてそんなクロエを追う様に【海や木などの有る方角から】視点が変わって行き、最終的に一カ所の岩場が映る。と、やがてそこからクロエはハクの手を引っ張って来た道を戻り始めた。

 

「クーちゃんも意外に抜けてるんだね。監視してる時に出て行ったらすぐ分かるのに。……それにしても」

 

 束の視線は映る映像をジッと見つめていた。出入り口に近くなったところでクロエが何かを言い、光に包まれたハクが普段束も稀に見掛ける白猫の姿となる。そしてクロエは猫になったハクを抱え、地下へと入って行った。……そこで映像は終了する。

 

「あの白猫……ハクだっけ? ふふ、面白そうだね♪」

 

 人ならざる存在であり、唯の猫でも無い不思議な存在。天災である篠ノ之 束が気になるには、十分な要素であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クロエに飼われ、無人島で過ごす様になってしばらく。束はハクの正体を知りながらもその事を教えずに何も知らぬ様子で今まで通りの扱いを行っていた。しかしやはり興味の対象となった為か、何処と無く気にかける頻度が多くなっていた。が、クロエもハクも気付けない程の僅かな差故にそれは束の中だけでの話である。……そんなある日、束は遂にハクと言う存在を対象に行動を起こした。

 

 ハクは突然浴びた明るい光に眠っていた故にぼやけた思考のままゆっくりと瞳を開く。そしてすぐに気付いたのは自分の身体に関する違和感であった。常に猫の姿で寝て居たハク。しかし、目が覚めて起きた時の自分の身体は人の姿となっていたのだ。その事に困惑しながらも、ハクは周りを見る。見えたのは白く明るい自分を照らすライトが数個と、謎の機械が並ぶ銀色の棚。

 

「あ、起きた? 意外に早かったね!」

 

 周りを確認していた時、ハクは聞き慣れた声にその方角へ視線を向ける。そこに立って居たのはこの世界に来て以降、ほぼ毎日猫の姿で顔を合わせていた束の姿であった。普段と変わらずに童話の中に存在する人物を想像させる恰好をし、頭の上に付いている兎の耳を大きく立たせて笑みを浮かべていた。

 

「驚いてる? 驚いてるよね。実は束さんは知っていたのでしたー!」

 

「……」

 

「クーちゃんが大事にしてるって事もあって少し悩んだんだけど、やっぱり気になったら知りたくなるよね? 束さんは研究者だもん。だ・か・ら、色々調べさせてね!」

 

「!」

 

 驚いているハクの姿を見ながら只管喋り続ける束。その光景にハクはやがて逃げようとする。しかし気付けば片足に何かの輪っかが付けられており、その輪っかからは鎖が繋がっていた。それは部屋の片隅に存在してする壁の出っ張りに繋がっており、立つ事も歩く事も可能だが、逃げる事だけは出来ない様に拘束されていると言う事であった。ハクはそれに気付くと鎖を鳴らしながら引っ張る。が、ハクの弱い力では鎖を取る事等不可能である。

 

 怯えるハクの姿。そんな姿が束にどう映ったのかは分からない。だが更に笑みを深めると、ハクを尻目に部屋の中で何かの準備を始める。用意しているのは人が横になれる程の大きな台であり、台の足に付いているキャスターを転がしながらハクの鎖が届く位置にまで移動。その他にも存在してする機械や、他の部屋から持ってきたであろう機械を銀色の棚へと並べ始める。

 

「流石に解剖しちゃったら戻せないし、そうするとクーちゃんが悲しんじゃうからそう言うのは無しだね。でも色々知りたいこともあるから、とりあえずは気になる事から!」

 

 準備を終えた束は怯えるハクの元へ1歩ずつ近づき始める。鎖は少し余裕が出来る様に調整されており、近づいて来る束から必死に逃げる様に下がり続けたハク。しかしやがてその背は鎖の繋がる根元へと辿り着いてしまい、目の前には束の姿が大きく映ってしまっていた。ゆっくりと伸びる束の手がハクの腕を掴む。と、一気に引っ張られる様な力と共にハクは強制的に束の用意した寝台へと横にされてしまう。そして素早くハクの両手を左右に広げさせると、ベルトの様な物で固定し始めた。抵抗は全て無意味に終わり、ハクは只管音を鳴らすことしか出来なかった。

 

「とりあえずまずは血から。あ、痛いけど我慢してね?」

 

「! い……や……!」

 

「ほら、暴れない! もっと痛くなるよ? と言うよりも痛くするよ?」

 

 束は1本の注射器を手にハクの身体を服の上からではあるが、上手く血を抜ける場所を探す為に触れ始める。最初から痛いと言われれば恐怖は更に強くなり、しかし束の言葉にハクはどうすることも出来ずにそれが終わるのを待ち続けた。やがて刺す場所を決めた束は容赦なく注射針をハクへと挿入。ハクがチクリとした痛みを感じると共に、注射官の中に赤い血が溜まり始める。

 

「へぇ~、血はちゃんと赤いんだ。人と変わらないって事かな? これの検査は後にして、じゃあ次は身体の構造だね」

 

 ハクから針を抜き、取り出した血を別の場所に保管した束はそう言ってハクの身体を再び触り始める。目を開かせ、耳を覗き、口を開かせて中を見る。頭の先から足の先まで余すところなく調べた束はその全てを記録しながら気になった事に関してを一時後回しにして整理する。そしてそれが終わり次第、使っていた機械を置いてハクの身体を舐める様に見始めた。

 

「人と殆ど変わらないんだね~。あ、でもこの羽は確実に違うかな? つんつん」

 

「ひぅ!」

 

「あれ? もしかして……へぇ~」

 

 束に取って気になっていた事の1つがハクの背中に生える小さな羽であった。束はハクの身体を強制的に寝かせ、その羽を弄る様に突く。当然その羽がすさまじく敏感であったハクは不意打ちに似た攻撃に思わず声を上げ、束はそんなハクの姿に面白そうに笑みを浮かべると羽を調べると同時に容赦なく触り始めた。軽く触れられるだけでも声の出る様な場所を情け容赦なく触られれば、ハクには溜まった物では無い。

 

「! 止め、てっ……ひぁぁ!」

 

「凄い反応だね。ここは性感帯っと。……う~ん、こうなるとやっぱり気になるよね。猫だけど人で、身体は女の子か~」

 

 声を上げて止めて欲しいと伝えても束には無意味であり、彼女が満足するその時までそれは続いた。やがて置いた機械に分かった事を記載し、束は目の前で息を上げて横たわるハクの姿を見ながら唸る様に首を傾げる。束が気になっていたのはハクと言う存在が猫であるのか、人であるのか? と言う事であった。そしてそれと同時に同じ性別だからこそ気になる性についての疑問も存在している。

 

 束はどうしようかと悩み続ける。すると束がハクを調べる為に閉じた部屋の扉が勢いよく開け放たれた。謎の部屋ではあるが、場所は変わらず無人島。そんな場所に存在するのは束とハク以外に1人しか存在して居ない。

 

「束様、何をやって……!?」

 

「あ、クーちゃん! ちょっとこの子借りてるよ!」

 

「ハ……ク……ど、どうして束様が」

 

「ん? むふふ~、それはね~? 束さんだからだよ!」

 

 入って来たのは他でも無いクロエであり、彼女は入って見えた光景に絶句してしまう。当然だろう。自分が飼っていた存在であり、その秘密を隠してまで大事にしていたにも関わらず、自分が敬愛する存在がそんな存在を拘束して研究をしているのだ。どうして知っているのかを聞いたクロエだが、束の答えは理由にもならない理由。しかし篠ノ之 束と言う存在を知っているクロエからすれば、それで嫌でも納得出来てしまう。と同時にどうやってハクを束から解放できるのかを必死に考え始めた。

 

「ねぇ、クーちゃん。一緒に調べない?」

 

「! どう言う……ことですか?」

 

「クーちゃんがこの子を大事にしてるのは知ってるよ。だから、一緒に調べようよ。クーちゃんも知りたいでしょ?」

 

「……」

 

 必死に考え続けるクロエに突然束が提案する。一体どの様な意図があるのかを把握出来ず、敬愛する相手でありながらも少しの警戒を混ぜながら聞き返したクロエは続けられたその言葉に間違い無く心が揺れ始めていた。声を出すこと無く助けを求める様に視線を向けるハクの姿、束から持ちかけられるハクの事を知ると言うその提案。どちらもクロエに取って選択したい事であった。

 

「クーちゃんはこの子の事が好きでしょ? 今から気になる事もあるし、攻めて見たいと思ってるんだよね~」

 

「! 攻め……る……」

 

「そ。ほら、こんなのからこんな物まで。どうどう? 一緒にやらない? この子の鳴く姿、見たく無い? 【繋がりたく無い?】」

 

「……クロ……エ」

 

 束の言葉に更に揺れたクロエの心。そんなクロエの感情に気付いていたのか、束は鳥の羽と思わしき道具やピンク色の小さな機械などをクロエに見せる。そして最後に行ったその言葉がクロエの心に止めを刺した。弱々しく自分の名前を呼ぶハクの姿が儚く見え、その儚い存在に自分を強く刻み込む光景や自分を求める様になったハクの光景を想像し始めたクロエ。自然にその首は束の誘いを受け入れ、その手は束が持っていた羽を受け取っていた。

 

「……クロエ……止めて」

 

「……ごめんなさい。私は……我慢出来そうにありません」

 

「さぁ! 今度は感度の調査に女性器が意味を成しているかの検査と、何となく昔作っちゃった道具の使用具合を調べて見よう!」

 

 既にクロエは束と共に自分を襲う存在になってしまった。そう理解したハクは首を必死に動かし、身体を動かして止めて欲しいと訴える。しかしクロエはそんなハクの姿すら愛おしく見えてしまい、少し俯いた後に答えたその表情は薄らと赤みを増していた。そうして告げられる束の言葉を最後に、ハクの本当の地獄が始まるのである。

 

 

 

 

 

 ハクの横たわる寝台を挟み、束とクロエは立つ。クロエの手には鳥の羽と思われる物があり、束へと視線を向けると静かに頷いた。

 

「じゃ、まずは脱がせないとね?」

 

 クロエの行動を見て束はそう言うと何かを取りに行く。ハクは脱がせようとする2人に焦りながらも希望を一瞬見出した。現状、腕や足を拘束されている為に脱がせるのならば恐らくその拘束を解かれる時が来る筈であり、その時に隙を見て逃げだす事が出来れば。そう考えて。しかし、束が持ってきたのは1本の鋏。最初からハクの拘束を外すことは無く、着ている物をバラバラにするつもりだったのだろう。自分に近づいて来るそれにハクは再び恐れ、絶望する。

 

 ゆっくりとハクの来ている服、その袖部分に開いた鋏の刃が触れる。そして身体を傷つけない様に一応乍ら気を付け、束は容赦なく鋏で布を切り裂き始めた。拘束具は外さずに無理矢理その間を袖から首へ、首から袖へ。綺麗に切られてしまった服はそのまま捲れる様になってしまい、クロエはその布に触れるとゆっくり捲り上げた。そうして見える様になった白い肌とその体型にしては大きめの胸が曝け出され、クロエは手を震えさせる。

 

 クロエは震える手を動かしながらハクの首筋を優しく撫でる。普段可愛がっている大事な存在を、今から普段とは違う形で可愛がろうとしている事をその身で実感し、やがて持っていた羽で撫でる様にハクの肌を攻め始める。柔らかく、ふわふわとしたその羽は快感よりもくすぐったさを感じさせ、思わず身を捩ったハク。束が下半身の布を切る最中でもあった為、下手に動けば危ない。クロエはハクの敏感さに少し驚きながら、束が終わるのを待った。

 

「よし。うーん、中々に官能的だね!」

 

「……」

 

「綺麗な肌です、ハク」

 

 切り裂いた布を取り、背中に残骸を残して前を全て解放されてしまったハクは束の言葉と先程の羽の行為を受けて少し赤みを増した頬のまま目を瞑って顔を反らす。しかし両側にどちらかが居る為、下手に左右を向く事は出来なかった。そして、そんなハクの姿を見てクロエはお腹の部分を優しく撫でながら告げる。と、束は笑みを浮かべてクロエをあだ名で呼ぶ。

 

「クーちゃん、感度の検査から始めるよ」

 

「了解しました。どうやりますか?」

 

「うーん。普通にしても良いんだけど、やっぱりこれとか使おうか?」

 

 束はそう言ってクロエと同じ様に鳥の羽を持つ。クロエはそれを見て首を傾げた。最初から鳥の羽を持っていたクロエだが、それでハクを感じさせる方法と言うのが今一分かっていなかった。擽る様に身悶えさせることは簡単だが、感じさせるのとはまた別なのだ。クロエの反応を見て束は手本を見せる様に「こうすれば良いよ」と言って羽をハクに近づける。場所は首筋などでは無く、胸の頂点にある場所1択であった。

 

「んっ!」

 

「ほら、ね?」

 

「なるほど。わかりました」

 

 くすぐったいだけの羽で敏感な場所を攻めれば反応は良くなるだろう。しかしそれを快感を感じやすい場所で行えば、感じるのは間違い無く快感である。束は持っていた羽をクロエに渡し、機械を動かして目の前の光景を【記録】し始める。そして羽を渡されたクロエは「行きます」と言うと、ハクの両胸を羽で攻め始めた。最初は突く様にしながらも、やがてその全体で擦る様に。

 

「ん……ぁ……あ」

 

 摘まれる訳でも揉まれる訳でも無く、乱暴にされる訳でも無い。淡く自分を襲う快感にハクは我慢する様に声を抑えるが、それでも稀に漏れ出すそれにクロエは内心で更に興奮する。そして記録する束に視線を一度向ければ、彼女からの指示が始まった。胸を中心に脇の下や脇腹。首筋なども稀に混ぜながら、くすぐったさと快感を行き来する様に攻める。クロエは束に言われた箇所を的確に攻め、それでいて自分が気になった場所や攻めたい場所なども時折寄り道しながらそれを続けた。

 

「……ん、くっ……クロ……エ……」

 

「可愛いですよ。ハク……束様」

 

「ん? むふふ~、クーちゃんもせっかちだね。じゃあ次、行ってみる?」

 

 羽での攻めを続けたクロエはハクの姿に何かを感じた様に束を見る。そして見られた束はクロエのその顔を見て察したように質問。考える間もなく頷いたクロエの姿を見て束はクロエの持っていた羽を回収する。そうして次に取り出されたのは小さなピンク色の丸い何か。ハクはそれを使ったことは無くとも、存在だけは知っていた。故に次に来るであろう事も理解出来てしまう。今までのが遊びとするならば、ここからが本番と言った所なのだろう。

 

 クロエがそれを受け取る。と同時にその小さな機械は微弱な振動を始める。束の手には何時の間にかピンク色の四角い小さなリモコンがあり、クロエはそれを確認すると持っていたそれをハクの右胸に当て始める。微弱な振動はハクの胸に刺激を与え、今までの様な淡い快感とは違う明確な快感をその身に受ける事となった。

 

「ひっ……あ……ぁ、あ」

 

 羽は1度の行動で1回ずつ快感を受ける物。しかし今現在振動するそれは触れ始めれば最後、止まる事無く継続的にハクに快感を与え続ける。と、束が持っていたリモコンを操作し始めた。そしてそれと同時に微弱だった振動は徐々に激しくなり始める。

 

「ん! あ、あぁ!」

 

「あ、もう一個あるけど使う?」

 

「使います」

 

 徐々に声を強くするハクの姿にクロエは息を荒くし始め、束の言葉に間も置かずに答えると出された使っているのとまったく同じ物を受け取る。リモコンは同じなのか、振動の強さは現在ハクに触れている物と同じ。クロエはそれを見つめた後、未だ攻めていない左胸にそれも当て始める。右胸だけであった快感は左からも来るようになり、ハクはそれに首を横に振って嫌がる様に身体を動かす。……が、当然動く事は不可能であった。

 

「い、やぁ……あぁ!」

 

「感度は良好っと。うん。クーちゃん、そろそろ胸は良いよ」

 

「そうですか……では」

 

「だね。あ、ちょっとあれ取って来るから待っててね!」

 

 ハクの姿に何かを記す束。やがてそれを終えるとクロエに告げ、クロエは少し残念そうに震えるその機械をハクの胸から外す。と、その視線を既に生理現象のせいで濡れ始めているハクの秘部へと向けた後に束を見る。束は何も言わずに理解して要るクロエに満足げに頷くと、何かを取りに行くと言い残して部屋から外へと一度出て行った。

 

「……もうすぐです」

 

「……クロ……エ……」

 

「束様が以前開発されたあれならば、私はハクと繋がる事が出来る……その先も……」

 

 弱るハクの姿を見て呟き続けるクロエ。ハクはそんな彼女の言葉に困惑する事しか出来なかった。そもそも繋がる事等、クロエが女である以上出来る筈が無いのだ。しかしクロエは繋がれると断言している。そしてその時、ハクの中で1つの可能性が思い浮かんだ。もし、もしも束が男性という存在の構造などに関して少しでも気になった事があったなら。もしも男に成れる何かを開発していたら……彼女になら不可能な話では決して無いだろう。それを理解出来たからこそ、ハクは必死に身体を捻った。

 

「……!」

 

 ハクの力では決して剥がれないベルトの様な拘束具だが、鋏を通した際に強引にした結果少しだけ緩んだのかも知れない。微かにではあるが片手が動かせる様になっていた。それに気付いたハクはクロエに気付かれない様に注意しながら何時でも外せる様に待機する。今すぐ外しても逃げ切る事は不可能。束が居ない事もあり、道具の確認を行うクロエは稀にハクから視線を外していた。そしてそんな彼女が視線を外した隙に外せる箇所を外し、ハクは逃げる機会を伺い続ける。

 

「おっまたせー!」

 

「!」

 

「ハク!?」

 

 束が入って来たことでクロエが反射的にその方向に視線を向ける。一度部屋から出ていた束は当然部屋を出入りする際に扉を開き、ハクはその開いた扉に向けて出せる力の全てを持って寝台から瞬時に降り、駆け出す。突然逃げだしたことにクロエは驚き、扉を開けて居た束は……笑みを浮かべていた。束が持っていたのは見た事の無い機械と、【青いリモコン】。ハクが横を通り抜けようとした時、束はそのリモコンのスイッチを押した。

 

「!? ひ、あぁぁぁぁ!!」

 

 その瞬間。ハクは突然感じた下腹部からの振動とそれに伴って襲い掛かる快感に走り続ける事が出来ず、その場で大声を上げて膝から崩れ落ちてしまう。クロエは何が起きたのか分からない様にその光景を見ていたが、それを引き起こした張本人は何食わぬ顔でリモコンを操作していた。

 

「こう言う事も考えて、ローターを1個【中に】入れてあったのでした! 束さんに掛かればこれぐらいの予想なんて簡単、簡単♪」

 

「あぁぁ! 止め、て! いやぁぁぁ!」

 

 今までとは違うピンポイントに来る容赦のない快感に、先程の攻めとは比べ物にならない程に乱れるハク。しかしそんなハクの言葉に束は「駄目だね」と言うと、スイッチを入れたままそれをしまってハクの身体を片手で持ち上げる。そして再び寝台へと横にさせた。既に強すぎる快感に拘束する必要もなく、束は目の前に立つクロエを視界に捉えると悶えるハクを見降ろす。

 

「これが何か分かる? 分かんないよね?」

 

 束がハクに見せたのは持って来ていた機械。それは大型の銃の様な形をしているが、砲身の部分は異常な程に大きな筒状になっていた。そこから弾丸が飛び出るとするならば、かなり大きな物となるだろう。……が、そもそもそれは銃では無い。

 

「束さんは生まれた時から女だから男の事が分からなかったんだよね~。で、だったら成って見よう! と思って開発したのがこれ。これを使えば、その場所の細胞を逆転させられるって訳。男なら女に、女なら男に。ってね」

 

 その機械の説明をし乍ら束はクロエにそれを手渡す。人間でありながら男性と女性の違いが存在する構造の中で、束が作りだしたそれは彼女の言う通りに狙った箇所の性別を反転させることが出来るのだろう。そしてそれは今この場に女性しか居ない故に安心出来ていたハクの守りたい物を脅かすこととなる。言葉を返す余裕も無く、下腹部から来る震えに必死に耐えながらその恐怖を感じた時。クロエは迷わずに渡されたそれを使用する為に脱ぎ始めた。

 

「正直男の快感って射精の時が一番だけど、普通に1度出したら終わりで詰まらなかったんだよね。だから1回使って後はしまってあったんだけど……ここで役に立つのは流石に作った当初、私も想像して無かったかな~」

 

「束様。使い方を教えてください」

 

「あ、そうだった。て行っても簡単だよ。筒があるでしょ? そこを変えたい場所に当てて引き金を引くだけ。後は強制的に細胞を変えてくれるから。結構痛いけど我慢してね?」

 

 束が喋っているとクロエが裸になった状態で束に機械の使い方について質問する。ハクを見ていなくても既に逃げる事は無理だろうと束は確信し、クロエの傍に移動するとその機械の使い方について説明。痛いと聞いても迷う事無くクロエは説明通りに自分の下腹部にそれを宛がい始めた。ハク程では無いにしろ、幼げな少女が自分の下腹部に銃を宛がうなど異常としか思えない光景。やがて引き金が引かれると、筒の中で何かが起きたのだろう。銃を放り投げてクロエは苦しみ始める。

 

「ぐっ! 束、様……」

 

「頑張ってクーちゃん! 68秒の我慢だから!」

 

 撃った場所を抑え、苦しむクロエを応援する束。やがて時間が経ち、クロエは少し【盛り上がった】抑える場所から手を離す。そうして解放されたそこには見紛うこと無き男性の肉棒が生えていた。束はそれに「おぉ~!」と感嘆の声を上げ、クロエは自分から生えるそれに怯える様な表情を浮かべる。基本的に女性に取ってそれは綺麗や可愛いといった物では断じて無い。悍ましいと言う感情を感じる者も当然居り、そもそも本物を見た事すら無いクロエに取って自分から生えるそれは恐ろしい物であった。……が、それでもそれが無ければ繋がる事は出来ない。

 

「んんんっ! クロ、エ……」

 

「これが……これが男性器。これをハクの女性器に入れれば……」

 

「そう。それを女の子のあそこに入れて中で射精すると、確率で受精する。で、赤ちゃんが出来るんだね」

 

「赤ちゃん……ハクと、私の……!」

 

 女性器が意味を成しているかの確認。その方法を調べるのに一番良いのは他でも無い、妊娠する事であった。そもそも性器とは新しい生命を生むために存在する場所。女性の場合、確かめるのならばそれが一番分かりやすいのだ。そして、繋がりたいと願うクロエが居れば束の中で既にハクを孕ませることは決定していた。クロエは束からの言葉を受けて自分とハクとの間に子供が出来るかも知れないと言う現実を感じ、悍ましく存在するそれを揺らしながらハクへと近づく。

 

「ハク……ハク! 繋がりましょう、私と!」

 

「んんっ! いや、いやぁ!」

 

 寝台に快感に悶えて蹲るハクの身体を仰向けに広げ、その股下に近づいたクロエは既に濡れ過ぎていると言っても良いハクの秘部に男性器を宛がう。唯一守れると思っていたそれの危機に必死で抵抗を見せるハクだが、休まず続く振動からの快感と、クロエの力の前に成す術も無くそれは触れる。そして……クロエは愛しきハクと繋がる事への欲求に身を任せ、腰を突きだした。入って行く毎にズブズブと音が響き、やがてハクの中はクロエの物で一杯になってしまう。

 

「入り……ました。ハクと、繋がって……ます」

 

「あ、あぁ……犯……された……」

 

 普段は存在しない部位から感じるハクの膣内の感覚を受けてクロエは恍惚とした表情を浮かべ、対するハクは続く振動の快感と自分の中に入る異物の感覚に絶望の涙を流す。と、クロエは何も言わずに動き始めた事でハクは強制的に最悪な現実へと引き戻されてしまう。

 

「これが性行為なんだ。私した事無いからな~……ってあれ? 羽が無くなってるね?」

 

「そう、なん、です、か!」

 

「ひぁ! 動かない……で、あぁ!」

 

「無理、です! 気持ち、良すぎて! ハクの中……凄い!」

 

 快楽を求めて腰を振るクロエの傍らで束は2人の行為を興味深げに見つめて居た。が、途中でハクの羽が無くなっている事に気付く。それはハクの力が失われたと言う事であり、ハク自身もそれを知る事は無い故に束がその意味を知る事も当然無い。しかしハクの羽が無くなろうと今のクロエには何の関係も無かった。自分のモノを締め付けるハクの膣内が余りにも気持ちよく、それを貪る事で頭が一杯になっているのだから。既にそこに意思は何も残って居ないのかも知れない。唯本能のままに身体を動かし、ハクの中を行き来する。

 

 ハクはクロエが動く事によって抉られる様に快感を受ける。初めて故に流れる鮮血はあれども、痛みを感じる事はほぼ無かった。それどころか今現在、クロエの入れているハクの膣内の奥には束が先に入れていたローターが1つ入ったままなのだ。自分の中を出入りするそれが中を擦ると同時にその遥か奥……子宮へと追いやられた小さな機械が振動を続ける。終わる事の無い強すぎる快感はハクの限界が来ようとも構う事無く続いていた。

 

「はぁ! はぁ! 来ます! 何か、熱い物が……!」

 

「あ、外は駄目だよ。ちゃんと中でね」

 

「! 駄目っ! 中は……子供……出来、る!」

 

「それが目的だもん。ちゃんと孕んでもらわないと、ね?」

 

 クロエの言葉に束が告げれば、必死に訴えるハク。しかしそんな彼女に非情にも告げた束はそのまま記録している機械を再び取り出す。クロエを止められる唯一の存在はきっと束だけなのだろう。そんな束が既に記録に入ってしまって居る以上、ハクに訪れる結果は決まってしまった。更に激しくなり、最奥へと打ちつける肉棒の感覚にハクもクロエもやがて絶頂へと辿り着く。……そして

 

「くっ! 出ます!」

 

「ひあぁぁぁぁぁ!」

 

 クロエの絶頂によって弾ける様に放出された精液はハクの膣内を満たし、やがて溢れる様に2人の繋がる僅かな間から流れ出す。間違い無く出された事を熱で感じ乍らハクは絶頂と共に意識を失い始める、そしてそのままゆっくりと目を閉じた。……しかしクロエはまだ興奮が収まらず、意識を失ったハクの身体に再び欲望をぶつけ始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハクの実験が行われてから数か月。隠れ家を変える事無く未だに無人島に住んでいた束は画面の前に座り、目の前にキーボードを置いた状態で頭を悩ませていた。傍に立って居たクロエはその姿を見つめ乍ら、稀に束が見つめる画面の中を覗きこむ。そこに映るのは複数の島のデータであり、それは束が隠れ家を移動する際に候補に上げていた場所であった。

 

「そろそろここも潮時かな~?」

 

「研究のデータは移動出来る様、常に管理してあります。指示さえあれば、何時でも。何処でも移動出来ますよ」

 

「流石クーちゃん、準備が良いね! じゃ、ここに行こっか? 明日」

 

 画面を見ながら唸る様に言った束の言葉にクロエが告げれば、笑顔で称賛しながら映っていた島の1つを画面にアップで映し始める。どうやらそこもまた、誰の手も入っていない無人島。隠れるにはある意味打ってつけの場所と言えるだろう。今の場所も隠れる場所では最適であるが、同じ場所に長期で留まるのは平気でも安心出来る訳では無い。クロエは束の言葉に「了解しました」と答えた後、「今日はどうしますか?」と質問。それに束は先程とは違う笑みを浮かべる。

 

「とりあえず荷物は纏めて、余ったら何時もの時間」

 

「! 分かりました。すぐに終わらせます」

 

 束の答えに驚く様に身体を動かし、素早く行動を開始し始めるクロエ。そんな姿に束は楽しそうに頷きながらも、「じゃ、私も」と言って行動を開始する。そもそも束とクロエに取って、移動の際に必要となる荷物はそれ程多く無い。データなどは先程クロエが言う様に管理され、そんな物は小さい道具の中にでも収まるだろう。着替えなどは全く同じ服という変わった揃えをしているが、それも多いと言う程では無い。そもそも束に取って、荷物の量が例え沢山あろうと簡単に解決出来てしまうのだ。

 

 部屋の中は綺麗とは言えない物の、汚い訳でも無かった。必要な物は何処にあるのか把握出来る程度には揃えてあり、束は鞄1つに収まる様に周りの物を掻き集める。と、同じ様に行動を先に開始していたクロエが束の傍に近寄った。

 

「出来ました」

 

「え、もう!? 流石の束さんもビックリの速さだね、クーちゃん」

 

「? そうですか?」

 

「うん。……まぁ、良っか。先に行ってて良いよ? 私も後から行くからね?」

 

「分かりました。では、お先に行ってきます」

 

 つい先程準備を始めたにも関わらず、終わったと言うクロエに思わず驚いた束。しかしそう思って見たクロエの姿が何処と無く世話しなさを感じさせ、その理由が分かった束はクロエに何処かへと行く許しを出す。それを聞き、クロエは用意してあった鞄をその部屋の隅へと移動させると、束よりも先に部屋を出る。向かう場所は既に決まっており、早足に近い速度で辿り着いた部屋には……束とクロエの生活に新たに加わった者、ハクが存在して居た。

 

「! クロエ……」

 

 入って来たクロエに驚き、1歩下がるハク。既に長い時が経過しているが、それでもハクはクロエという存在に恐怖を感じる様になってしまっていた。無理矢理犯され、剰え強制的に中出しした相手だ。当然だろう。……しかし、ハクはもうこの島から。2人から離れる事は出来なくなってしまっていた。初めてを奪われ、全てを失った彼女に出来る事はもう何も無い。元の世界に帰る事も、誰かの欲を満たすために別の場所へ飛ぶことも、既に彼女には出来なくなっていた。唯一出来るとすれば、それは2人に捨てられない様にしてこの世界で生きて行くことのみである。

 

「ハク」

 

 目の前に映る白い少女の姿にクロエは心の何かが満たされる様な感覚を感じ乍ら近づき始める。最初、クロエから1歩後ろに下がったハクはそんなクロエの行動に身体を震わせ始めるものの逃げようとはしない。いや、逃げられないのだ。

 

 クロエとハクは繋がり、束はそれを見て居た。そんな出来事があって以降、ハクは束に改めてその立場を決められた。束にとってハクは未知の存在であり、気になるのは当然。クロエにとってハクは愛すべき存在。しかしハクにとって2人は恐ろしい存在である。そして、そんな関係の中で束が決めたハクの立場。それは『何か要求された時、必ずそれを受け入れる』と言う約束の元に、生活等の面倒を見る。と言う物であった。少なくとも今の場所から何処かへ出れば、そこは安全では無い。しかし束の元に居れば、命の安全は確かだろう。が、その代償としてハクはその身を捧げる事となった。

 

「キス、してください」

 

「! ……っん!」

 

 ハクという存在を自分達の者に、自分の者に出来た幸福感を毎日の様に感じ乍らクロエは今日もハクに要求する。そして断る事の出来ないハクはそれを受け入れ、言われた通りにキスをしようと目の前に立つクロエの口に背伸びして口を届かせようとする。しかしそれが届くよりも早く、求めたクロエはハクの後頭部を抑えて自分からキスを開始し始めた。実は既に何回も行われている行為であるが、それでも何の準備も無く入り込み始めた舌にハクは驚く他無い。

 

「ん……明日、ここを引っ越します。準備も終わりましたから、今日はこれからします。時期に束様も来ますよ」

 

「! ……分かっ……た」

 

 口を離し、告げたクロエの言葉に目を見開いて驚くハク。普段なら研究を終えた後、寝る前までの短くは無いが長くも無い時間しか行われない行為であった。稀に研究の内容故にしない日すら存在した。が、告げられた言葉は今から夜までされると言う物。研究の時間が無い結果、まだ時間は昼に近く、普段よりも倍以上の時間を攻められると言う事実に恐怖を抱きながらも了承する事しか出来ないハク。静かに顔を伏せ、僅かに流れた涙は今の状況を示す様に存在する黒い首輪へと流れ落ちるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……んぐっ……」

 

「大分慣れて来たね。ほら、もうちょっと強く」

 

「ん! ……んんっ!」

 

 ハクの口中に存在するのは束の発明した道具によって生えた束本人の男性器。必死に顔を動かして、それに奉仕をし続けるハクの姿に束は笑みを浮かべて頷きながら呟くと、その頭を撫でる様にしながらも前後に動かし始める。自分の意思とは関係なく頭が動き、口の中のモノが出入りすることに不快感を感じ乍ら、それでもハクは束を満足させる為に奉仕を続けるしか無かった。

 

 クロエとの交わり以降、束もまたこうして生やすことを稀にする様になった。それは2人の行為を見ていた事で惹かれたのか、ハクという存在に惹かれたのかは定かでは無い。だがクロエの幸せに満ちた感想を聞き、試して見た事が始まり。かつて試したと言う行為もあくまで自慰だけだったのだろう。ハクという相手が居る上での行為は束の想像を遥かに上回る程の気持ちよさであり、それにすっかり嵌ってしまった彼女はクロエ同様にこうしてハクを使う様になっていた。研究者としての興味から始まった行為は、束の生活(性活)を一変させたのだ。

 

 初めは口に含む事に戸惑い、嫌がったハク。しかしそれも自分の立場故に最後まで拒否することが出来ず、ほぼ強制的にされ続けていれば嫌でも慣れるしか無かった。やがてハクも当然上手くなって行くこととなり、出来る限り早く満足させることを目的に今ではする事に嫌悪感はあれど、拒否感は無くなっていた。が、毎回同じ事を続ければ飽きるのは良くある事。稀にこうして無理矢理に動かされたりする事等には未だに慣れておらず、口の中を出入りするそれや奥に入って来る苦しみに涙が零れ始める。

 

「束様。苦しがってます」

 

「あ、ごめんね? はい、続けて」

 

 ハクの姿を背後から覗き見ながら、束に伝えたクロエ。最初に比べ、束のハクに対する扱いも今ではクロエの様に優しい物へと変わっていた。比較的クロエに比べれば、厳しい面もあるが、それでもハクという存在に魅了されたのは間違い無いだろう。動かすのを止め、それでも抜かずに頭を撫でて続ける様に指示を出す。その言葉にハクは断る事等出来ないと知っている為、奉仕を再開した。

 

「……そろそろこっちも行けます」

 

「!」

 

「あ、入れちゃう? じゃあ抑えてないとね!」

 

 ハクと束の姿を見ながら徐に告げたクロエ。すると束は前屈みになり、ハクの腰より少し上の部分をがっしりと抑え始める。何をされるのか分かったハクは口に入っているそれをそのままに、目を強く瞑って目に溜まっていた涙を落としながら来るであろうそれに備え始めた。……やがて、クロエはハクのお尻を抑えて持ち上げ乍ら自分の秘部のあるべき場所に存在する男性器を宛がい始める。

 

「入れますよ、ハク」

 

「んんっ!」

 

「いつ見ても凄いよね。こんな大きいのが入っちゃうんだもん」

 

 クロエの言葉と共にハクの秘部へ先端から徐々に入り始めた男性器は、やがてその全てをハクの中へと納める事になる。口の中と秘部の中に入って来る違和感に苦しみながらも、ハクはその体制のまま成すがままになるしか無かった。挿入される光景を目の前で見つめ、不思議そうな顔をし乍ら言った束もやがて抑える事を止めるとハクに奉仕を再開する様に指示する。

 

 背後から入れられた事で四つん這いにならざる終えなくなったハク。人の姿になって居ながら、まるで獣の様に犯される現実に否定したいと思いながらも出入りする2つの男性器がハクに現実を突きつける。気付けば束はハクの奉仕では無く、腰を振る様になっており、クロエも夢中で動かしていた。……やがて両方が共に限界を迎える。

 

「出るよ!」

 

「出します!」

 

「!?」

 

 2人の言葉と共に口内と膣内の両方に熱い物が流し込まれるのを感じたハク。しかし2人とも出しながらそれを抜く様子は無く、喉の中へと流れて来るそれを出すことの出来ないハクは不快感を取り払う為に飲み込むしか無かった。……普段ならここで終わりの筈である。しかし、この日は普段とは違って速い時間。本来なら男性は1度の射精で終わるものだが、束の発明で男性になった女性の場合、それは違う。1度出しても2度、3度と出すことが出来るのだ。束曰く、『絶頂の概念は女性同様に何度も出来る』との事である。

 

 まるで最初から決めてあったかの様に2人は今の位置を入れ替え、クロエは口へ。束は膣内へ挿入を開始する。既に膣内の中はハクの愛液とクロエの精液で満タンに近い状態であったが、それでもお構いなしに入り込む男性器に中に入っていた混ざり物が溢れだす。と、先程とは違い体制を変え始めた束。後ろから入れる事は変わらず、しかし胡坐をかく様にして座り込んだその上にハクを乗せた束はそのまま後ろからハクの大きな胸を鷲掴みにする。

 

「クーちゃんはこの方がやりやすいでしょ?」

 

「そうですね。……では」

 

「ひぁ、ん、んぐっ! ……ん、んっ」 

 

 背の順番で言えば束・クロエ・ハクの順で高い3人。背の高い束の上にハクを座らせれば、クロエの腰の前には丁度ハクの口が位置する様になる。それは行う上で束とクロエがお互いに丁度良い位置であり、束は腰を動かしながら胸を。クロエはハクの頭を撫で、時折動かしながらハクを攻め始める。休みなく始まった2回戦に驚く事も再開した攻めに声を上げる事も出来ないハク。……2人が満足し、終わりの時間が来た時。ハクのその白い身体の至るところには濁った違う白い物が付着しているのであった。

 

「ふふ……あ、そうそう。結果が1つ出たんだった! お目出度だよ、良かったね!」

 

「……お目……出度……?」

 

 全てを終え、スッキリとした表情で突然告げた束の言葉にハクは心の最後の何かが壊れた様な、そんな何かを感じる。傍では「どちらの子でしょう?」と会話をするクロエと束の姿を見ながらも、その光景が褪せて自分の世界が壊れて行く様な感覚を感じ続けるハク。その時やがて、分かりきっていた事実が再びハクに現実を突きつけた。

 

 

 

 

「……もう……私は……【戻れない】……」




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