それは深夜の事だった。とある屋敷でお世話になっていたハクは美味しい夕食を食べて眠りについた。危険も多いこの世界だが、少なくともこの屋敷で過ごしている内は安全で楽しい日々を送っている。満たすべき欲望の相手も既に見つかっており、時間を掛けてしっかり行動して行けば近い内にまた新しい世界へ行ける。……だからこそ、彼女はこの世界が比較的簡単に済む世界だと油断して、自分の身に起きていた事実に気付かなかった。
「はぁ……はぁ……」
ハクの眠っているその部屋には、ハクとは違う別の人物が居た。ベッドで眠る彼女の布団を起きない様にゆっくりと捲り、この世界で貰ったパジャマ姿のハクを前にその人物の息は荒くなり始める。前面がボタンで留められたパジャマは微かに寝相で着崩れており、多少腹部が露出している。だが殆ど肌は隠されており、入り込んだ人物はハクの胸元にあるボタンを外し始めた。1つ、2つ。上から順番に外されれば、やがて現れたハクの下着と肌を前に唾を飲み込む音が部屋に響き渡る。
「ごめんなさい、ハクちゃん。レムは今から、とってもいけない事をします……でも、もう抑えられません……!」
窓から差し込む月明かりに照らされて、髪に隠れた少女の青い瞳にはハクが映る。……彼女はこの屋敷でメイドをしている双子の妹であり、ハクとの関係を一言で表せば同僚と言える存在であった。拾った人物こそ違えど、同じ屋敷で世話になる身。ハクも自分を拾った女性を通してここでお手伝いをする事で住まわせてもらっており、そんなハクと少女は当然毎日の様に顔を合わせていた。
「あぁ……可愛い、可愛いです。この肌も、その顔も。全部、全部……私で染めてあげますから」
少女、レムは自分達と同じ様に屋敷でお世話になる事となったハクに最初は戸惑った。しかし仕事を少し任せてみれば、まるで何処かで経験した事があるかの様な仕事ぶり。同じ屋敷で住むという事もあり、自然と仲が深まって行く中でハクに対する感情は徐々に変わり始めた。
最初はいわば新人、世話する相手が増えただけ。だが何時しか同じ仕事をする仲間となり、姉とは別に信頼出来る相手となった。そして彼女を拾った女性が暇な時間にハクを可愛がる姿を見て、レムは自分も愛でたいと思う様になり始める。やがてその思いは膨れ上がり、遂には想う様になってしまう。
『彼女を誰よりも愛しているのは、レムです』
ハクはどんな相手にも同じだった。本物の猫の様に気まぐれで、気付けば何処かへ居なくなってしまう。しかし傍に居て欲しい時や、暇な時にはフラっと姿を見せる。そんな彼女を愛でる内に、レムの中には確かな
夕食を作るのはレムだ。だからこそ、ハクの食べる物にのみ薬を仕込むのは造作も無い事だった。身体に害の無い、安全な睡眠導入剤。深い眠りに落ちる頃を見計らって、彼女はハクの部屋へ侵入した。……そして、今に至るのである。
「っ! ……はぁ……はぁ」
ハクの胸を覆う下着に手を伸ばして、レムは起こさない様に気を付けながらそれを外す。薬の効果で簡単には起きず、レムは無事に外せると同時に見える様になったハクの上半身全体を見て、更に呼吸が荒くなるのを感じ始めた。
レムは荒くなった呼吸をそのままに、ゆっくりとハクの露出された胸へ顔を近づけ始める。息が肌に当たる事で、ハクは微かに身動ぎをするも目覚める様子はない。それが分かっていたレムは戸惑う様子も見せずに胸へ触れると、その暖かさをまずは頬で感じ始める。
「んっ、ふぅ……暖かい、です」
暖かさを感じる手段など、世の中にはいくらでも存在する。だがそれが愛しく想う相手の体温ならば、そこに感じる幸せは誰にも言い表せないものだった。レムは幸せそうに目を閉じて、自身の頭を完全にハクの胸に乗せる様にして頬擦りを始める。起きない事を確信して、徐々に彼女の行為は激しくなった。
「ふぅ、ふぅ……はむっ」
「んっ……」
暖かく滑らかな質感の肌へ舌を這わせる。一瞬小さな声を出して反応したハクの姿に、レムは胸の中で燻る興奮が更に高まるのを感じながらも更に舐め始めた。……愛しい人の肌の味はレムにとって甘美であり、それと同時に自分が好きにその肌を穢している支配感にも満たされる。
「もっと、もっと……じゅる」
「んぁ……んっ……ぁ」
舐める度に感じる興奮を抑える事も止めて、レムは思いのままにハクの肌を貪るように舐め始めた。もう起きてしまっても気にはしないとばかりに。胸は何時しか彼女の唾液に塗れ、腹部や首元も同様。しかし食事に盛られた睡眠導入剤は非常に優秀だったのか、ハクは反応をする事はあっても目覚める気配が一切無かった。
「……」
再びレムは緊張した様子で息を飲んで、ハクの下半身へ視線を向ける。そして腰元から下のパジャマへ手を掛けると、下へ降ろして脱がせ始めた。時折足首や膝に引っ掛かりながらも綺麗に脱がせ終わった時、レムは下半身にのみ残されたハクの下着を見る。綺麗な白の下着には、僅かながら確かな染みが存在していた。
「……ふふ♪」
それを見た瞬間、レムは思わず笑みを浮かべてしまう。それがどんな意味を持つのか、彼女には分かったからだ。……ハクは感じている。他でもない、自分の手で。それがレムは嬉しくて堪らなかった。
「もっと、気持ち良くしてあげますから」
例え今ハクが目を覚ましたとしても、レムはもう止まらないだろう。同じベッドへ乗り込んでハクの上へ覆い被さる様にして横になったレムは、肘をハクの横に突きながらその下半身へ手を伸ばす。既に濡れていたその場所に感じる愛液の滑りを広げる様にして、レムはハクの秘部を弄り始めた。
「ふふっ、クチュクチュって音、聞こえますか?」
「ふぁ、あ……んんっ」
静寂の中で響く水音にレムは楽しくなりながらも続ける。明確に声を上げて感じ始めているハクの微かに赤い顔をジッと見つめて笑みを浮かべながら。
「ドンドン溢れてますよ。気持ち良いんですね」
「ひぅ! ぁ! ん、ぁ……」
「身体が震えて……イっちゃいますか? 良いですよ。レムの手で、イってください……!」
「ひ、ぁ! んんっ! ぁ……~~~~っ!」
膣内へ挿入した指を優しくかき混ぜる様に動かしながら、ハクの身体に刺激を与え続けていたレムはハクの絶頂を予感する。そして絶頂する姿を見逃さない様に、目を細めながらもしっかりとハクの顔を眺め続けた。無意識に手を口元へ当てて堪える様な仕草をしたハクだが、やがてレムの手によってそのまま彼女は絶頂へと導かれる。
微かに震え続けるハクの身体。そんな姿を前にレムは嬉しそうに微笑むと、ハクの腕を退かしてその唇に自身の唇を宛がった。弱った事で半開きだったハクの口内へ舌が入り込めば、再びハクの秘部を弄るレムの手が動き始める。当然快感に身体が震え……ハクの目が微かに開いた。
「んっ、ぁ……んんっ!!」
「はむっ、じゅる……ハク……ちゅ」
しかし目が覚めたところで彼女に言葉を話す余裕は無かった。レムに口を塞がれたまま口内を貪られて、下半身から来る刺激に頭の中が即座に真っ白となる。どうしてレムがこんな事をしているのか、一体自分に何が起きているのか。ハクにはそれを考える暇も与えられなかった。
「っ! ~~~~っ!」
2度目の絶頂。だがそれを迎えたハクへ休みを与える事もせず、レムは攻め続ける。口付けも止めず、3度目4度目とそのまま絶頂へ導かれたハクは再び意識を失う事になった。……だが、それでもレムは行為を止めない。彼女が抱いたハクへの
朝、目を覚ましたハクは身体に怠さを感じながらも布団を捲り上げる。寝る前に来ていた服は元通りとなっており、特にシーツや身体に濡れた様子は見られない。身体の怠さだけはどうしても残っているが、まるでそれ以外は
『ハクちゃん、起きていますか?』
「っ!」
ノックの音と共に扉越しで突然聞こえて来た声は、レムのものだった。ハクの返事はとても小さく、故にレムも他の者もノックをして少ししてから許しが無くてもその扉を開いてしまう。結果、彼女はベッドの上で上半身を起こすハクと目を合わせた。
「もう朝食の準備は終わってますから、食堂に来てください。寝坊なんて、珍しいですね?」
「……」
「? どうかしました?」
「……ん。なんでも、ない」
ハクは朧気ながら、レムに襲われていた記憶があった。だが目の前で当たり前の様に告げるレムの姿を見て、それが現実に起きていた出来事なのか分からなくなってしまう。夢だったかも知れない。そう思ったハクは、彼女へ何も言う事はせずに首を横に振ってからベッドを降りる。そして念のために着替えを済ませてから、差し出された手を握ってレムと共に食堂へ向かった。
至って普通の朝食を済ませて、自分を拾った女性の元で少しの間を過ごしたハクはお昼前からレムと共に屋敷の作業を手伝う。そしてその後も変わらぬ1日を終えて異常に眠い目を擦りながら、ハクは倒れる様に眠りへ落ちる。
彼女がその日見た夢もまた、レムに襲われるものだった。