【もしもの話】
ノーネームでハクに宛がわれた部屋で、飛鳥にベッドへ押し倒されたハクは彼女の手が頬や喉元を撫でる感触に自然と目を閉じていた。すると飛鳥の手はハクの胸元へ移動し、やがて衣服を押し上げるその乳房を布越しに触り始める。
「大浴場でした時にも思ったけれど、貴女意外とあるのよね」
「んっ……」
飛鳥は下から持ちあげ、揺する様にして僅かの時間ハクの胸を弄ぶ。そして満足した様にその手を離した時、彼女は少し姿勢を上げてハクを見下ろしながら告げた。
「『脱ぎなさい』」
「!」
飛鳥の力が込められた命令は格上の相手には効かないと、数時間前の出来事でハクは知っている。だがハクの意思に関係なく動き始める身体。それは自分が飛鳥よりも格下である何よりの証明であった。……唯一戦いに役立つ剣を失い、自分には分からない能力の名だけを知っているだけの現状。当たり前の事である。
白夜叉によって用意された白い甘ロリの衣装がベッドの脇へ落ちる。飛鳥の命令が達成された事で身体が解放されたハクは恥ずかしそうに胸元の前に片腕を回し、股の間に片腕を挟んで隠す。幼げな少女の恥じらう姿は、飛鳥の心を更に強く魅了した。
「良いわ。とっても良い。……貴女はただ、私に身を委ねていなさい」
その言葉に今度は強制する力は込められていない。だがハクは彼女の言う通りに身を委ね始めた。ゆっくりと近づいて来るその顔が口付けをしようとしていると分かれば、目を閉じてそれを受け入れる。やがて唇が重なり合えば、自然と飛鳥はハクの腕に手を置いて隠す行為を止めさせた。
「ふふっ」
「……」
口付けを止めた時、お互いに開いた瞳が合う。飛鳥はハクへ微笑み、ハクは無表情ながらも少し恥ずかしそうに視線を外す。すると飛鳥は少し顔の位置を下げ、ハクの首元やうなじに舌を這わせ始める。
「んぁ!」
「少し、しょっぱいわね。汗の味かしら?」
「……帰って来てまだ、お風呂……入って無い」
「なら納得ね。美味しいわよ、貴女の汗は」
「……そんな訳……無、ぁ!」
話の途中で不意打ちする様に飛鳥の舌が動いた事で、ハクは反射的に大きな声を出してしまう。その様子に飛鳥はスッと目を細めて、ハクの身体に乗りかかり始める。自分よりも小さな身体故に、全ての体重を掛ければ苦しめてしまう。故に苦しまない程度に配慮して、飛鳥はハクの身体に覆い被さった。
「んっ、ドレスが邪魔ね」
ハクの上で自分の着ていたドレスに煩わしさを感じた飛鳥。服の一部を掴んで一気に放れば、瞬く間に飛鳥の着ていたドレスは脱げてベッドの隅へゆっくりと落ち始める。下着も放られ、互いに生まれたままの姿となった2人。再び飛鳥がハクに口付けを始めれば、同時進行で彼女の手がハクの秘部へ近づいた。
「んっ! ちゅ。あす、か……ん」
「ちゅ。ふふっ。可愛いわよ、ハク」
飛鳥が耳元で囁く声に、その吐息によってハクの身体をゾクゾクとした快感が駆け巡った。優しくハクの太腿に触れる飛鳥の手が、閉じていた足を開かせる。そして毛の一本も生えていない大事な場所に、飛鳥の手が触れるか触れないの位置で止まる。直接的な刺激は与えられず、感じるのは飛鳥の手から伝わる暖かい温もり。
「どうして欲しいか、言ってみなさい。ちゃんと言えたら、してあげるわ」
「……」
「それまで、『イっては駄目よ』」
「!」
勝手に身体が動く事は無い。だが、ハクは自身の身体に何かが起きたと確信した。そしてそれは命令した飛鳥も同様で、遂に彼女は直接ハクの秘部に触れ始めた。とても優しい手付きで入り口周りを撫でながら、指が1本秘部の中へ。じれったい快感が直接的になるにつれて、当然ハクの反応も激しくならざるを得なかった。
「んっ! んぁ! ゃ! あっ!」
何度も口付けをされながら、与えられる快感にハクは身動ぎを繰り返す。このまま飛鳥の手に溺れていれば、その内絶頂に至るだろう。だが、その瞬間が近づいた時。ハクの身体に飛鳥によって与えられた言葉の力が現れる。
「やっ、ぱり……イケ、なぃ……!」
絶頂を寸前になった時、ハクの身体は絶頂を迎えず寸前のまま留まり始めてしまう。予想していた事であり、だが実際に感じるその言葉に出来ないもどかしさはハクの頭の中を一瞬で真っ白にした。嘗て何度も何度も寸止めをされた挙句、恥ずかしい事を自白させられた記憶が蘇る。……ハクの目に飛鳥の顔と、彼女の顔が重なった気がした。
「……ィか……せて……」
「聞こえないわ。もっと、私に聞こえる様に言いなさい」
「んぃ! イか、せて……!」
「……ふふっ。良く出来ました。『イきなさい』」
「っ!」
飛鳥の言葉と同時に、ハクの身体は強制的に絶頂を迎えた。せき止められた水が流れ出す様に、強い絶頂を迎えて身体を震わせるハク。だが、そんな彼女の耳元で飛鳥は無情にも告げる。
「『イきなさい』」
「っ! ゃっ、ああぁぁぁ!」
「『イけ』」
「っ~~~~~!」
「『イけ』『イケ』『イケ』」
飛鳥の言葉による強制力は、弱いハクにとって絶対のもの。彼女が絶頂する様に告げる度、ハクの身体は強制的にそれを迎えさせられる。最初の絶頂から間を置かずに絶頂を迎えた身体へ、何度も繰り返される飛鳥の言葉。声にならない声がハクの口元で消え去り、その身体は痙攣し続ける。……やがてそれが終わった時、息も絶え絶えにハクは飛鳥へ弱々しく視線を向ける。視線に気付いた飛鳥は優しい笑みを浮かべた。
「『イき続けなさい』」
「や……もう、無理……っ!!!」
無情な命令。ハクの身体が再び絶頂を始める中、絶頂を繰り返すその光景を飛鳥は満足げに眺め続けていた。
ハクの部屋。度重なる絶頂の末に意識を失ったハクは、時折まだその身体を震わせていた。そしてそんな光景を飛鳥は満足げに見下ろす。
「壊れる寸前ね。軽くと言ったのだから、今回はここまでよ。もしもまた質問されて答えなかったら……ふふっ、その時はもっと凄い事してあげるわ。私から離れられない身体にしてあげる」
そう言ってベッドから立ち上がった飛鳥は、ハクをそのままに部屋を後にする。……後日、十六夜の行動でペルセウスへの挑戦権を手に入れたノーネーム。共にギフトゲームへ参加する事になったハクは、数日経っても残る疲労をそのままに挑む事となった。