その日、ハクは猫の姿のままアスナのマイホームで静かに時間を潰していた。内装は大きく変わっており、見える景色も全く違う。それは今までいた世界とこの世界が人物は同じでも、違う事が理由であった。世界が変われば当然行く場所としてそこがあってもおかしくは無い。結果的に、ハクはまたアスナの飼い猫として過ごす様になったのである。そして現在アスナはこの家の中には居らず、その代りに居たのはこの世界で初めて出会った1人の少女。
「……」
「えへへ、可愛いな~」
何もせずに唯ボーっとして居るハクの姿を見つめながら微笑み、稀にその毛並みに手を伸ばして撫でる等を繰り返す少女。ハクは少女の行動を拒否することも無く受け入れ、手が離れれば再び特に何も考えずに時間を潰し続けていた。
突然ハクはその身体を持ち上げられる。上げたのは唯一ここに居た少女であり、自分の膝の上にハクを移動させると今度は抱えながら撫で始めた。何かをしていた訳でも無く、こうされる事は初めてでは無かったハクは抵抗する等はせずにそれを受け入れた。
「ただいま。ふふっ、楽しそうだね? ユウキ」
「あ、お帰りアスナ。うん、楽しいよ。ハクとまたこうして居られるって、幸せだよね」
ユウキがハクを愛でて居ると、アスナが帰宅する。そして入って来て最初に見えたハクを撫でている少女……ユウキの姿を見て、微笑みながら話しかける。アスナの姿事態は基本的に変わらない。しかし世界の変化故に耳が尖り、髪の色が綺麗な水色に変化していた。
ユウキは帰って来たアスナに気付いた後、言葉を返した後に少し表情を暗くしながら噛み締める様に呟く。そんなユウキの姿にアスナも同じ様に口を閉ざすが、やがて笑顔を浮かべながら「もう平気だよ」とユウキに告げる。その言葉にユウキは暗くした顔を上げ、笑顔で頷くとハクを再び愛で始めた。「君のお蔭だよ」と続けて。
ユウキと言う少女は本来、この世界から途中で居なくなってしまう存在であった。とある病気を患い、アスナと出会った後にその生を終える。それが本来の形であり、結末であった。……しかしそれは【その存在に取って危険となる害を例外なく取り除く】力を持つ1匹の翼猫が居なければ、の話である。
ハクはアスナとユウキが出会ったその時にその場に居り、アスナの傍に常日頃から居る生活を送っていたハクは自然とユウキとも接する様になっていた。そしてある日アスナがユウキの事実を知った時、それを解決できる手段としてすぐに思いついたのはハクの存在。結果的にその考えは成功し、ユウキは世界から退場すること無く残る様になる。……そして現在、ユウキは基本的にハクの傍に居る様になっていた。それは感謝の気持ちからなのか、別の理由なのか、当の本人にしか理解出来ない事だろう。
「ユウキはこの後、どうするの?」
「この後? う~ん……ハクとの留守番も終わったし、そろそろ僕は帰ろうかな? 皆居ると思うし」
「そっか。じゃあまた明日、だね?」
「うん。ハクもまた明日ね」
アスナの言葉にユウキは考えた後、帰る事を告げる。ユウキの知り合いや友達は当然乍らアスナだけでは無い。アスナもその1人と言うだけであり、まだまだ彼女と親しい人物は大勢居るのだ。ずっとこの場で長居するのは流石に悪いと思ったのだろう。去り際にハクにも声を掛ければ、ハクはユウキに鳴いて返事を返した。そうしてユウキはマイホームの中から姿を消し、残ったのはアスナとハク。過去、アスナはハクの存在を求めすぎると言う事が起きていた。そしてそれは現状、今もそう変わっては居ない。しかしユウキと2人きりにさせる辺り、少しは緩和されたのだろう。だが、それでもハクと自分だけの環境となればアスナの行動は早かった。
「ハク、ユウキとは何かした?」
「……」
突然の質問を予想していたのか、ハクは静かに首を横に振る。アスナの言う『何か』と言うのが何を意味するのかは分からない。だがそれでも撫でられる等しかしていない為、何もされていないのは確かである。……だがそれはハクの中での見解であり、アスナの中での考えとは違う様子であった。
「抱きしめられて撫でられてたよね。嘘ついちゃ駄目だよ?」
アスナはそう言うと同時にハクの身体を持ち上げる。そしてその身体を片手で抱き、メニューを開くと迷いなく見つけた【変化】をタッチする。当然それによって起きるのはハクの変化。ハクは腹部を片手で抱えられたまま、人の姿に変化する。
「それじゃあ嘘ついたお仕置き、しよっか?」
「……」
そう言って笑みを浮かべるアスナの言葉にハクは何の反応もしない。例え今ここで断ったとしても、意味など無いからである。飼い猫に拒否権など、無いのだ。
ハクがお仕置きを受けているその頃、ユウキは広大な空を飛んでいた。その身に受ける風と見える光景はゲームの世界である事を忘れさせるには十分な物。ユウキは目を瞑ってその風を受け、深く息を吸いこむ。気付かぬうちに火照った身体は心地よい風と共に冷めて行き、ユウキの心を穏やかに変えて行った。……今の今まで、ユウキは心の何処かで落ち着かぬ感情を抱いていたのだ。
どうして自分が落ち着けない感情を抱くのか、その心当たりは決まってある出来事である。かなり前の事。自分の病気を知ったアスナに連れられてたどり着いた先に待って居たのは、アスナが飼っていたハクの姿。普段からアスナと共にその姿を愛でたりしながら過ごして居たが、その日ユウキはハクに助けられる事になる。その際、ハクが唯の猫では無い事や人の姿になれる事等を知ったユウキはハクの願いからその正体などに関して誰にも口外しない事等を約束した。
「あの時から……かな」
その日を境にハクが唯の猫では無いと理解した上で何時もの様に過ごして居たユウキ。ハクは普段と変わらず、ユウキはハクの姿に稀に人の姿を重ねながら過ごして居た。だが、ユウキの中で感じる心は確実に変化していた。相手は唯の猫では無く、人に成れる猫。それはつまり、意思疎通だけでは無く他の事も出来るという事。アスナの様に、友達として。
「友達……なれるよね、きっと。……にしても」
「可愛かったな~」。そう呟いて猫の姿と人の姿の両方を思い出すユウキであった。
数日後、ハクは何時もの様にアスナの頭の上に乗った状態で移動していた。そしてそんなアスナとハクの背後には微笑みながら少し上に居るハクを見つめるユウキの姿。今居る場所は薄暗い森の中であり、そこは所謂ダンジョンの1つであった。そしてそこに居る理由はアスナとユウキが偶然一緒に求めているアイテムの入手手段をユウキが見つけたからである。
そもそもこの世界はゲームの世界であり、戦う事やアイテムを集める事は大事な目的。【HP0=死】と言う概念から解放された者達は、思い思いにその内容を楽しんでいた。そしてそれはアスナとユウキも同じ事。強くなるためにダンジョンに入り、アイテムなどを入手するのはごく自然な事である。ユウキが手に入れた情報では、この森の何処かに【2人以上でなければ承諾できないクエスト】が存在するという物。それを見つけ、クリアすることが出来れば目的のアイテムが手に入る。と言う物であった。
森のダンジョンは奥に進めば進むほどに薄暗くなっていく。最初は明るかったものの、現在ではお互いの存在がギリギリ見える程にしか明かりを確保することが出来なかった。っと、そこで流石に暗すぎると感じたのかアスナがメニューを開き、明かりを確保できる道具を取り出した。それはランタンであり、片手の塞がったアスナを見てユウキはその片手の横に並ぶように位置を移動する。もしもモンスターなどに襲われた時、何時でもアスナの代わりに応戦出来る様にと考えたのだろう。アスナはユウキの行動に「ありがとう」と笑顔で言えば、ユウキも笑顔で頷き返した。
「それにしても、こんな場所に本当にあるのかな?」
「その筈だよ。結構深い所らしいけど……多分もうすぐだと思う」
「どんな内容のクエスト何だろう? まぁ私とユウキ、それにハクが居ればどんな内容でも大丈夫よね?」
アスナはユウキの言葉に考え始めるが、すぐに顔を上げるとハクの頭を撫でながら言う。ユウキもそれに同意するために頷き、再び前へと視線を向けた時。2人と1匹の目の前に微かだが青い光が一瞬見える。ユウキはそれに驚き、アスナは火の玉なのかと1歩後ろに下がった。っと、一瞬だった光は継続へと変わり、ゆっくりとその明かりを強くし始める。それは光の根源が近づいてきていると言う意味に他ならなかった。……そして。
「おや? この様な場所に人とは珍しいの」
現れたのは髭を生やし、その素顔が見えないお爺さんであった。見えていた光はアスナ同様に持っていたランタンであり、中では青い炎が周りを照らし続けている。恐らく先程付けたばかりなのだろう。アスナは安易して深く息を吐き、そんな姿を見ながらユウキはお爺さんの頭の上に視線を向ける。そしてしばらく見た後、アスナに告げた。
「アスナ。多分この人がクエストの」
「え? あ、そうだったんだ……」
「ふぉっふぉっふぉっ。この様な場所まで来てしまうとは……すぐに引き返しなさい。生贄の対象にされてしまうかもしれんぞ」
「生贄? それって……!?」
「ユウキ!?」
『!』
ユウキがお爺さんの言葉に聞き返したその時、突然その足元が光始めてしまう。気付いた時には既にその光は強くなっており、アスナは急いで手を伸ばすものの強い力で弾き飛ばされてしまう。そしてアスナの上に乗っていたハクは飛ばされた拍子で落ちてしまい、ユウキの足元に転がってしまった。ハクはプレイヤーでは無かったが故にアスナの様に弾き飛ばされる事は無く、強い光に包まれたユウキとハクはその場から姿を消してしまうのであった。
「う、うぅん……あれ?」
「……起きた」
ユウキが目を覚ました時、最初に見えたのは過去に数回だけ見た事のあるハクの人型であった。自分の顔を覗き込むその瞳に驚きながらも、ユウキは身体を起こして周りを見渡す。壁は全て鉄で、一角だけが鉄格子の様になっている。部屋の中にあるのは寝心地の悪そうなベッドが1つだけ。そう、今現在ユウキとハクが居るのは正しく【牢屋】であった。そして今さっきまでユウキが寝ていたのはベッドの上であり、枕等は一切無いにも関わらずユウキは頭に温もりを感じていた。
「あ……膝枕、してくれてたんだ……ありがとう、ハク」
「ん」
ユウキは至った答えに内心で少し動揺しながらも、お礼を言う。ハクはそれに静かに頷いて返し、ユウキを見つめ始めた。突然見られ始める現状にユウキは戸惑い、思わず「な、何かな?」と質問。ハクはそんなユウキの感情に気付く事無く告げる。
「……クエスト……出てる?」
「え? あ、そっか。見て見るね」
ハクの言葉でようやく我に返ったユウキ。元々クエストを受けに来ていて、突然この様な場所に飛ばされたのだ。お爺さんがクエストの関係者である可能性はあの現状ではかなり高く、プレイヤーでは無いハクがそれを確認することは出来ない。となれば確認出来るのはユウキのみであり、これがクエストならばどうにかする手段が必ず見つかる筈。ハクはそれを分かっていたが故に、ユウキに聞いたのだ。そして聞かれたユウキもすぐに理解し終えると、クエストのメニューを開く。そしてそこにはまず間違いなく自分がこの場に居るであろう理由となるクエストが追加されていた。そして、その達成条件は……
「【囚われたプレイヤーを救い出す】……2人以上で無ければ入手出来ないって言うのはこの事だったんだ」
ユウキはクエストを受ける際の最低条件の意味を理解し、この後の事を考える。しかし内容は囚われたプレイヤーを救い出す事。現状を見ればどう考えても囚われているのは自分であり、助け出すのはあの場で光に包まれなかったアスナの方。内容がそのままだとするならば、ユウキはアスナが来るまでこの場で待たなければいけないと言う事であった。つまり、何もする事は無いのだ。
ユウキはクエストの内容についてハクに説明する。非常に幼い見た目とは裏腹に内容をすぐに理解出来たハクは、待つ現状を理解すると同時にベッドの上に座ったまま目を閉じ始める。ユウキもずっと立って居る気は無かった為、ハクと並ぶようにしてベッドの上に座り込んだ……が、その心は穏やかでは決してなかった。それもその筈、普段なら猫の姿で一緒に居るハクが今は人の姿で並んで傍に居るのだ。親しい相手である事には変わりないものの、慣れていないのも間違いない事である。
「ごめんね」
「?」
「僕と一緒に待つ、何て事になっちゃって。やっぱりアスナとの方が良かったよね」
ユウキはそう言って顔を伏せてしまう。だがハクはそんなユウキの姿に開けた目をもう1度閉じると、ユウキの手に自分の手を伸ばし始めた。そうして繋がれた手に驚き、顔を上げたユウキ。ハクは無表情のまま、でもしっかりとした目をしてユウキに向けて口を開く。
「……一緒に居たいと思える……それが友達」
「!?」
「……ユウキと一緒……嫌じゃない」
そう言って両手でユウキの片手を握り、胸の前へ近づけて告げるハクの姿にユウキは嬉しさと同時に自分が勝手にまだ友達では無いと決めつけをしていた事に呆れてしまう。ハクとは友達になりたいどころか既になっていたのだと。だがそれと同時にもう1つ、ユウキの中に感じる思いがあった。それは『友達』とハクの言葉に何かが足りない、と。何かが満たされないと感じる様な、そんな思いを感じていた。
「ハクは……さ、アスナの事。どう思ってるの?」
「?」
ユウキの突然の質問にハクは首を傾げてしまう。ユウキ自身、今の質問がどうして出て来たのか内心分からなかった。ハクに取って自分が友達だという喜びがある筈にも関わらず、感じるのは何かが足りないと言う気持ち。それを理解出来ないが故にどうにかして出した言葉は、結果的に今の質問へと繋がってしまったのだ。どうしてこの場でアスナが出てしまったのかは分からない。が、今放った質問の答えを聞きたいと思っている自分が居る事にユウキは気付く。
「アスナはハクに取って飼い主なのは分かってる。でもやっぱりそれ以外でも思いはあるのかな? って気になって」
「……」
ハクはユウキの言葉を聞き、考える様に斜め上へと視線を向ける。ハクとしてはアスナの存在がどのような者なのかと聞かれれば、答えずらいものであった。そもそも出会ったのは偶然だが、欲を満たす対象として近づいたのが始まり。別の世界にまた行くとなれば当然離れる事になり、悲しいとも思うが止めると言う選択肢は無いのがハクだ。関係としては飼い主と飼い猫の関係で、稀にお仕置きと称して様々な事をされる事はあるが特別な感情がある訳では無い。
答えずに考え続けるハクの姿にユウキは何処か落ち着けず、周りを見渡す。窓も何も無い空間。鉄格子の向こうには壁があり、自分達が居る部屋の中にはベッドが1つだけ。そこに座るのは思案し続けるハクの姿。……自分とハク以外、誰も居ない2人だけの状況。
「!?」
ユウキはすぐに何も無い壁へ顔を向ける。その頬は自然と赤くなり、今自分とハクだけだと言う現状を改めて理解してしまったユウキ。理由は不明だが、気になっていた存在との2人だけの空間は緊張や恥ずかしさを感じざる負えない。故にユウキはハクの顔を見る事が出来ず、必死に顔を反らして不審がられない様に気を付けようとする。その行動が不審に見えてしまっている事には気付かずに。
徐々に心を落ち着かせ、ゆっくりと顔を戻したユウキ。ずっとアスナとの関係について思案していたであろうハクに視線を向ければ……ハクは座ったまま眠気に負けそうになる様に船を漕いでいた。その姿にユウキは考えていた事を止め、微笑ましい光景を目に納める。と、完全に眠りに入りそうになってしまったハクの身体がゆっくりと倒れ始めた。そのまま倒れれば衝撃で目を覚ます可能性もあり、それに気付いたユウキはすぐにハクの傍に近づくと後ろから支える様にしてベッドに座り込む。
ハクは完全に寝入ってしまった様で、ユウキはそんなハクの頭を撫でると寝難くない様に体制を変えさせる事にした。まず自分の足を開き、ハクをその間にすっぽりと入れる。その後自分の背中が壁にぶつかる位置まで移動し、ハクの身体をゆっくりと後ろに倒させた。ユウキの身体がクッションとなり、背中は暖かいだろう。前側も牢屋の中故に寒くない様にとお腹周りに手を回し、優しく抱きしめる。
「ハクって柔らかくて暖かいな~。……アスナは何時もハクと一緒なんだよね……」
腕の中に居るハクの存在に感動すると同時に、アスナが今の様な感覚を常に感じられるという事実にユウキは少しモヤモヤとし始める。が、やがて腕の中に居るハクの暖かさと心地良さにユウキもまた眠気に襲われ始める。今この瞬間、アスナは自分達を助けようとどこかで戦っているかもしれない。そう感じながらも、何処か抗い難いその感覚にユウキは気付けば身を委ねてしまうのであった。
「……ん……ぅん……あ、れ? 僕……」
ゆっくりと目を覚ましたユウキが最初に見たのは鉄格子だった。すぐに自分が眠っていた事と牢屋に入っていた事を思い出したユウキ。自分の腕の中には柔らかい感触と暖かい温度があり、視線を下に向ければ……無表情のまま自分を静かに見つめて来るハクの姿が存在していた。真っ赤な瞳で見つめるその姿に一瞬怖くも感じるが、すぐにその相手がハクだと分かればその思いは安心に切り替わる。
「……おはよう」
「うん、おはよう。……どれくらい寝てたんだろう?」
ハクからの言葉に返答し、ユウキはメニューを開く。あれから時間は既に30分が経過しており、ユウキは大きく両手を上げて身体を伸ばす。その結果、お腹周りにあった腕が無くなった事で自由になったハク。立ち上がろうとするが、急激に温もりが無くなる事にユウキは何処か不安になり、ハクの服の端を少しだけ引っ張る事でそれを止めた。
「?」
「……もう少し、抱きしめさせて」
「……ん」
突然の事に振り返ってユウキに視線を向けるハク。ユウキは不安そうな表情でハクにお願いをし、ハクはその姿を見て少し黙った後に先程と同じ位置に座り込む。すぐにユウキは先程同様、ハクの身体に腕を回して再度その身体を抱きしめる。先程と違ってハクはユウキに凭れ掛かっていない為、その髪の毛がギリギリユウキの口元に触れる触れないの位置を行き来していた。結果、ユウキはサラサラの髪が傍にある事に少しだけドギマギしながらその体制を維持する。そして落ち着く為にと大きく息を吸いこんだ。
「!」
その瞬間、ユウキの身体の中を駆け巡ったのは甘すぎず爽やかなハクの香り。まるで思考を溶かす様なその香りを大きく吸い込んでしまったユウキはすぐさま頭がボーっとしてしまう。そしてユウキがそんな状態になっている事等まるで気付かないハクは突然固まったユウキを不思議に思い、顔だけを横にしてユウキの姿を見ようとする。だが、その顔がユウキの方に向くよりも早く。ユウキは動きだしていた。
「ハ……ク……ハク!」
「!?」
今まで抱きしめていただけだったその力が突然強くなり、ハクは抱きしめから一転、拘束されてしまう。まるで一度吸ったその香りをもう一度吸いたいとでも言う様にユウキはハクの首元に顔を入れ、大きく息を吸いこみ始めた。動く風がハクの肌を刺激し、少しだけ声が出そうになるのを我慢したハク。しかしユウキは感情が暴走する様に行動を開始してしまう。本人も気付かなかったその感情は、ハクが無意識に出していた【魅了】によって無理矢理表に出されてしまったのだろう。既にそこにあるのはハクを欲する感情のみ。
「アスナばっかりずるいよ……僕だってハクの事、好きなんだから……」
「……何を……!」
普段のユウキならばその様な行動を起こすことは無いだろう。しかし元々持っていた気持ちを最大限にまでハクの体質によって引き上げられてしまった結果、ユウキは迷うことなくその手を動かし始めた。抱きしめていた腕の片方を外し、片腕でハクの身体を拘束。開いた片手を真っ直ぐにハクの太腿へと伸ばし始める。普段何かと理由を付けられてアスナに弄られているハクは元々の感度もあり、その行為だけで身体が一瞬震えてしまう。そして抱きしめているユウキはそれをしっかりと感じ取っていた。
「やっぱり。された事、あるんだ……なら僕も良いよね?」
「だって友達だから」。ユウキはそう告げると同時にハクの顔を自分の方へと引き寄せ始める。それは不意打ちに近く、この様な状況では普段のせいもあってされるがままになる事が一番である事をハクの身体が理解していた。そうして近づき触れ合った唇が、ユウキの口元から伸びる舌によってハクの口の中を侵食し始めるところから事は始まる。既に口が繋がった事でハクの顔を寄せた手は再び下へと降り、今度は太腿を触れるでは無く撫で始める。ハクは太ももから来る刺激に身を捩るが、腕は身体ごとユウキの片手で拘束されている為に唯ユウキの腕の中で悶え続ける事しか出来ずにいた。
ゆっくりと繋がっていた口元からユウキは離れる。既にハクは身体に力が殆ど入らない様で、ユウキが拘束する腕の力を解放してもその身体はユウキに凭れ掛かるのみ。そんなハクの姿を受け入れてくれたと判断し、ユウキは更にハクを攻める為に体制を変え始める。
「これならもっと気持ちよくしてあげられるよ」
「!」
ユウキはまずハクの身体を軽々と持ち上げると、背中を壁から離してベッドの端に移動し始める。そしてベッドの横から足を出し、両膝をピッタリくっつけるとその上にハクを座らせる。元々大きく無いハクはユウキの膝の上に綺麗に収まり、ユウキはハクの両足を自分の両膝から外に出る様に開かせる。そうして準備を終えたユウキはハクの耳元で囁き、その言葉ですぐに理解することが出来たハク。しかし理解が出来たところで時既に遅く、ユウキはハクへの攻めを開始した。
「んっ!」
「もう濡れてる……もしかして少し期待してたりする?」
「……違う……ひぁ!」
ユウキは真っ直ぐにハクの秘部へと手を伸ばし始め、そこに触れると共に少し驚いた様な表情を見せる。が、すぐにハクに笑みを浮かべ乍ら質問。ハクは首を横に振るが、その否定がユウキには気に入らなかった様子で触れていた秘部へ突然指を挿入してしまう。再びの不意打ちに大きな声を出すハクだが、その声がユウキを更に興奮させる。自らの膝の上で乱れる大好きな少女……興奮しない訳が無いだろう。今度は服の中にも片手を入れ、ハクの身長に会わない胸も同時に攻め始める。
「僕がアスナよりも気持ちよくしてあげる」
再びハクに耳元で囁くと、今度は舌を伸ばしてハクの耳の中を刺激し始める。ハクは耳、胸、秘部の3カ所から来る刺激にどうにかして緩和しようと身体を動かす。だが無理に動けばユウキの指が入っている為、更に強い刺激を受ける事になってしまう。顔を横に移動して舌を避けようとしても、ユウキが少しだけ前かがみになる事でそれは無駄に。既に服の中に手が入っている現状、それを抜く事も不可能。つまり、ハクはユウキの攻めから逃れる事は出来ない。
濡れていると言ってもそれは多少と言える程であったハクの秘部は既にユウキの攻めによってその量を増し、ユウキの足をその暖かい水が伝って固く冷たい床へと垂れて行く。結果、ユウキの足元にはハクの愛液によって小さく徐々に水が溜まりつつあった。
「んん! ユウ……キ……!」
「そろそろイっちゃいそう? なら……」
ハクは上り詰める手前まで来たところでユウキに声を掛ける。それは止めて欲しいと言う思いなのか、導いて欲しいと言う願いなのか。少なくともユウキには後者に映ったのだろう。そしてユウキは胸に伸ばしていた手を離すと、今度は両手でハクの秘部を弄り始める。片方の手で秘部を開くと同時に中を弄り、もう片方の手で秘部の上にある小さな突起を摘み上げ始める。そこを弄られればハクだけでなく、女性ならば誰でも声を上げずには居られないだろう。余りにも強い刺激にハクは前かがみになり、無意識に手を伸ばしてユウキの手を止めようとする。が、既に力の入っていないハクの抵抗などユウキには意味の無い物であった。
「何時でもイって良いからね。ほら、ほら!」
「んあぁ、もう、駄……目……!?」
ハクはユウキの攻めで絶頂へと上るその瞬間、普段の様に口を閉じようと必死に口元に力を入れていた。だがユウキはハクが絶頂するそのタイミングを見計らい、突起を強く摘んで動かしてしまう。その結果ハクの閉じていた口は強制的に開かれてしまい、そこから出るのは普段のくぐもった絶頂の声では無く、
「ひあぁぁぁぁぁぁ! あ、ぁ…………はぁ……はぁ」
何時ものハクでは想像もつかない大きな声を上げてしまう。身体を痙攣させて秘部から大量の愛液を流しながら力尽きる様に前へと倒れそうになるその身体。ユウキは素早くハクを支えて自分に寄りかからせ、息を乱すハクの顔を見る。頬は紅潮し、儚げな様子で自分を見つめるその瞳。ユウキはハクがイったことで我に返り、自分がしたことを思い出して同じ様に紅潮してしまう。
「あの、その……僕は……」
「……」
慌ててどうにか弁明しようとするユウキ。しかしハクの瞳はゆっくりと閉じて行き、そのまま眠りについてしまう。先程の刺激で体力を全て失ったのだろう。ユウキは眠ってしまったハクに一時の安心と、これからどのように接していけば良いのかと言う不安を感じる。が、そんな事を考える暇などすぐに無くしてしまうのであった。
「必死で助けに来たのに……何やってるの? ねぇ、ユウキ?」
「!? あ、アスナ……ひっ!」
突然聞こえて来た声に顔を上げたユウキ。檻の向こう側で立つアスナは服が少し汚れており、急いで来たのか髪が乱れている。そして髪が乱れた結果、アスナの顔は一部隠れてしまっていた。だがその光の無い瞳はユウキを見つめ、その光景の余りの恐ろしさにユウキは思わず声を上げて怯えてしまう。
アスナは怯えるユウキを無視すると、無言でアイテムを使用する。それは鍵であり、閉じていた鉄格子はアスナが触れる事も無く勝手に開き始める。そしてアスナは牢屋の中に足を踏み入れると、見えるのは怯えるユウキの姿。膝の上には乱れた服装のまま眠るハクが存在し、その秘部は曝け出されている。足元には水溜まりが出来ており、誰が見てもユウキがした事を理解できるだろう。
「僕は……ごめん、アスナ。僕はハクを……」
「……」
唯静かに自分を見つめて来る冷ややかなその瞳にユウキは自分がどうなるのかを一瞬考える。だが、途端にその心全てが満たされた気分へと変化する。例え何をしてもハクという存在を自分の手で乱させ、絶頂へと導いた事実は変わらない。もしもアスナに絶交されたとすれば、それは当然ショックではあるが自分が受ける罰の様な物なのだろう。と。そうして開き直る様にアスナへと視線を返したユウキ。その瞬間、アスナの表情は微笑みへと変化するのであった。
アスナのマイホーム。そこには3人の人影があった。1人は部屋の主であるアスナ。1人はその親友であるユウキ。そして最後の1人は未だ眠りに付いているハク。
寝室に居た3人。ハクは未だに強すぎる快感から気絶しており、ベッドの上に人の姿で横に。そしてそんなハクをベッドの両側で並びながらアスナとユウキは見つめていた。と、ゆっくりアスナがハクの頬に手を伸ばす。柔らかい弾力と何時までも触って居たいと思わせるその肉感の虜になりながら、アスナは口を開いた。
「ハクはね、何時か私達の元を去ってしまうかも知れないんだって」
「え……そ、そんな……嫌だよ。僕、ハクと離れたく無い! アスナだってそうでしょ!」
「うん。だから私は決めたの。ハクが何処にも行かない様にするって。その為にはハクが【ずっとここに居たい】と思う必要があるの」
嘗て、首輪を付けてハクを拘束した事のあるアスナ。しかし結果的にハクはアスナの元を離れ、別の世界へと行ってしまった。しかしこうして今傍に居るのはハクが自分の意思でここに戻って来たから。一度居なくなった理由などを聞いたアスナはハクの現状を知った。が、それでも離れたく無いと考えたアスナは【ハクの意思】で残りたいと思わせる事を決意する。自分の世界があり、そこに帰りたいと言う思い。それを過去の出来事から痛いほどに理解する事が出来るアスナは、ハクをどうやって世界に……自分に縛る事が出来るかを考え続けた。飼い主と言うだけでは逃げてしまった例がある故に弱く、恋人と言うにはハクその者に気は無い。ハクの中にあるのはあくまで欲を満たし、帰る事のみ。だからこそアスナは考え、調べ、あらゆる方法を模索した。そして
「もしかしてアスナがハクを攻めてるのって……」
「私がしたいって言うのも当然あるけど、うん。ユウキの思ってる通り」
家族としての関係、飼い主としての関係。友達としての関係、恋人としての関係。全てが不可能だと悟った時、アスナは調べた中で1つの方法を見つける。本人に強い意志があるのであれば、その意思を堕とす事。破壊させるのではなく、溶かして再び固めると言う方法であった。そしてそれが出来る一番の方法として思いついた内容、それこそがアスナのハクに対する【お仕置き】である。
「もうずっと続けてる。でもハクの意思も強いの。帰りたいって気持ち、私も良く分かるから……でも、諦めたく無い。ううん、諦めない。ハクがこの世界に残るなら、この子が私の者で居てくれるなら、私は何でもする」
ハクの頬に添えていた手をゆっくりと離し、ユウキに視線を向けた後に「ユウキはどうしたい?」と聞くアスナ。その瞳は何時になく真剣で、ユウキはアスナのその瞳と表情に思わず生唾を飲んだ。そして一度アスナから視線を離し、ハクへとその視線を移す。未だにベッドの上で穏やかな呼吸を立てて眠るその姿は幻想的と言っても過言では無く、それを見たユウキはその光景を手放すか? と聞かれれば迷いなく答える事が出来るであろう。『嫌だ』と。
「僕はハクと居たい。勿論アスナとも一緒に居たいよ? だけどハクは特別なんだ……僕を助けてくれて、何時も無表情だから最初は分からなかったけど実は凄い可愛いって知って、友達だけじゃ……満足出来ないと思った。だから!」
アスナに視線を戻し、瞳と表情で最後の答えを伝えたユウキ。アスナはそれに「そっか」と言って微笑むと片手を出す。それは正しく握手をしようとしている物であり、ユウキはそれを見て一瞬驚くもすぐにその手を握る。今ここに、親友と言う関係と共に同じ志を持つ者として2人は協力関係に立つのであった。……そして、それは今も眠る小さい少女の未来を大きく変える事となる。
金属がぶつかる様な高い音が響き、ハクは微睡みの中瞳を開く。最初に映ったのは見慣れた天井の光景。しかしその両端には青と紫の何かが揺れ動いていた。すぐにそれがアスナとユウキの髪であると理解したハク。起き上がろうと身体を起こそうとしたが、突然何かに引っ張られた様な感覚を受けて身体を再び横にしてしまう。元凶は自分の手首にあり、見上げたハクの視界に映ったのは【手錠】。ベッドの上部分に間を通されている為、そこから動く事が出来ない状態である。
目を開けただけでは起きた事に気付かないが、動いてしまえば話は別。ハクの行動にアスナとユウキは同時に起きた事に気付くと、その身体をハクに近づける。ベッドの上にハクを挟む形で座り込み、その顔を覗きこんだ。
「……アスナ……ユウキ」
「おはよう、ハク。良く寝てたね? ううん、気絶してたの間違いかな?」
「ごめんね? 僕、気付いたら夢中になっちゃって……」
ハクに呼ばれた事で口を開いた2人。アスナは微笑み、ユウキは少し申し訳なさそうな表情をしてハクを見つめる。と、ハクは再び両手を動かして起き上がろうとした。が、当然ながら手錠によって拘束されている現状でそれは無意味に終わる。ハクは業と音を鳴らした後、アスナに視線を向けて無言のまま問う。『これは何?』と。
「私以外の人と勝手にイチャイチャしちゃうんだもん、ハクにはお仕置きしなくちゃ。あ、でもこれからユウキは特別って事になったんだよ?」
「僕、ハクが気持ちよくなる様に頑張るから! これからよろしくね!」
アスナの言葉に思わずユウキに視線を向けたハク。ユウキは先程の表情から一変、笑みを浮かべてハクに告げる。普段なら良い決意の表れと受け取れる言葉だが、この現状ではハクに取って良い言葉とは到底思う事等出来はしない。ましてや『お仕置きをする』と言っているアスナと一緒に居る現状だ、ハクには恐怖しか感じる事が出来なかった。
「何時もは私とだから手が2本だけど、ユウキも居るから倍。口も使えば6か所かな、覚悟してね?」
「!」
その言葉に思わず身体を動かして必死に移動しようとするハク。しかし無情にもそれで起こるのは手錠が金属とぶつかる事で発生する高い音のみ。アスナとユウキはハクの行動に止めるどころか嬉しそうな表情を浮かべて手を伸ばし始める。そしてまず最初に身体の半分ほどを隠していた掛け布団を大きく取り払ってしまう。ユウキとの行為で濡れてしまった下着は既に脱がされており、それ以外をそのまま着用していたハク。スカートが風に煽られて少し浮けば、一瞬だが2人には見えた。
逃げようと動くハクの身体に最初に手を付けたのはアスナだった。動く身体を軽くではあるもののハクが動けない程の力で押さえつけ、上から順番にYシャツのボタンを外していくアスナ。その鼻息は少し荒くなり、見ていたユウキもその光景に興奮を隠しきれていなかった。そうして上半身を下着のみ残して解放されてしまったハク。アスナは一度微笑むと、ハクの脇腹を優しくなぞり始める。
「ほら、ユウキも」
「う、うん……」
アスナの行動を見ていたユウキは誘われた事で意を決し、ハクに近づく。アスナは既に無理でもユウキならと視線を送るハク。だが、決意を固めたユウキにそれは逆効果であった。2人に取っては『止めて欲しい』と言うハクの感情が『もっとして欲しい』になった時、初めて目的が達成されるのだ。目的があれば、やる気と言うのは起きるもの。それはこの場面でも例外では無い。
「ん!」
「ふにふにしてる……気持ちいい」
「ハクの肌って前にも言ったけど、女性なら憧れる肌だよね。いくら触っても私、飽きないもん」
ハクの肌に夢中になるユウキの姿にアスナはハクの肌に触れながら呟き、やがてその指を上へと移動する。唯一残されている下着は前で外すことのできるフロントホックと呼ばれる物であり、アスナは片手でそれを弾く様にして外してしまう。そして身体には不釣り合いの大きな胸の谷間に指を通す様にしてなぞり始める。何度も往復させるように。そしてそれを見たユウキはアスナとは反対に、下へと手の動かし始めた。
「体制、変えよっか?」
「そうだね」
アスナはハクの右側に、ユウキはハクの左側に横になる様にして位置を変更する。そしてアスナは右手をハクの身体の下に差し込み、左手で胸を。ユウキもアスナ同様に左手をハクの下に差し込み、右手を秘部へと伸ばした。両手を上げる様にして拘束されているハクを挟み、包む様にしての体制となった2人。お互いに視線を合わせて頷くと、行動を起こす。
「はむっ」
「んんっ!」
「んむっ」
「ひぁ!」
アスナは揉んでいた胸を離すとハクの左の胸の、ユウキは右手が秘部にたどり着くとそこで一度止まって右の胸の、それぞれ突起を口に含んだ。そして空かさずその突起を口の中で舌を使って舐め転がし始める。今まで一度に2カ所を舐められる行為を受けた事の無かったハクは1度目は我慢するも、2度目で大きな声を上げてしまう。が、まだその攻めは始まったばかりである。
ユウキは止めていた秘部に向けた手を動かす。しかし指を中に入れるのではなく、何と秘部の両端を広げ始める。下には誰も居ないが、もしも覗きこめば中が見えてしまうだろう。と、今度はユウキがアスナに視線を向けるとお互いに無言で通じあった様に今度はアスナが開いた左手を秘部に向ける。そして開かれたその中にゆっくりと指を挿入し始めた。
「っ! そこ……は……!」
「もう濡れてる……ふふ」
「じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるからね」
広げられた中を掻き回され、胸を同時に舐められる。2人だからこそ出来る攻めは余りにもハクには強すぎた。元々高すぎる感度のハクがその様な攻めを受ければ、絶頂する事等すぐ。急激に高められた快感は一瞬にして上り詰め、やがて身体を痙攣させ始める。しかしユウキの時と違い、ハクは必死に口を閉じて声を上げない様に抑え続けた。無意識に閉じてしまうのだろう。が、絶頂を迎えた事等攻めていた2人には丸分かりである。
「イったんだね、ハク。でも気絶はしなかったみたい」
「はぁ……はぁ……もう、終わり……に」
「終わりに何てしないよ。これから取って置きで攻めてあげるんだから、ね? アスナ」
「……取って……置き?」
ユウキの言葉に荒い息のまま聞き返したハク。しかし2人は微笑むのみで答えず、代わりに行動で示し始めた。まず最初にハクの片足をお互いに1本ずつ両足で絡め、広げてしまう。そして身体を少し上にあげてハクの耳元に口を近づけ、ハクの下に回していた手で互いに反対の胸を掴み始める。アスナはハクの右側から左を、ユウキはハクの左側から右を、と言った形で。そして最後に先程同様、秘部を攻めていた手を同じ位置に近づければ2人の体制は完成する。両耳、両胸、秘部。身体の中で特に感じると思われる場所全てが今、2人の手中に収まってしまったのだ。
「天国に連れて行ってあげる」
「きっと凄く気持ちが良いよ」
「!?」
2人の声を聞くと共にハクは身体のほぼ全カ所から電気が走る様な快感を受ける事となる。耳には中まで舌を入れられ、両胸は同時に揉みし抱かれ、秘部には中へ入って行くアスナの指とその上にある小さな豆を弄るユウキの指。閉じたくても両足は強引に外へと絡められ、襲い掛かる快感にハクは声を我慢する事等到底出来なかった。
「あっ! んんっ! ひぅ! 来、る。来ちゃ……う……!」
「イっちゃえ、ハク」
「イって、ハク」
耳元で囁かれた2人の声と共にハクは再び絶頂へと導かれる。が、そこですぐにハクは天国とは程遠い地獄を感じる事となった。
「!? イって……る、イ……ってる、から……ひぃ!」
「今日はとことんイかせてあげる」
「ハク、覚悟してね」
「んっ!! ひあぁぁぁぁぁ!」
それからしばらくの間、ハクは連続で絶頂し続けると言う地獄の様な快感の波に襲われる事となる。ハクがもう止めて欲しいと思っても、アスナとユウキがお互いに満足しない限り終わる事は無い。そして2人とも、そう簡単に満足する事等無かった。ハクを気持ちよくさせたい。自分達の手で普段無表情なハクを乱れさせ、堕とす事で自分達だけの者にしたい。ハクを求めるその思いが満たされるその時まで、何時までもハクは喘ぎ続ける事となるのであった。