リ【アズレン】 ラフィー&ユニコーン
その港に指揮官は居ない。既に着任予定の指揮官はこの世に存在せず、その理由ごと揉み消されてしまった事で放置された港。しかし同時期に現れたハクと、初期艦として待機していた綾波によって徐々に活動出来る様になっていった。
ハクは土地の拡大や拡張、仲間を建造する方法などを一切知らなかった。そしてそれは戦う為に生まれた綾波も同様であり、彼女達は必然的に他の存在を頼らざる負えない。そしてその相手となったのが、どの港にも最初に派遣といった形で現れる艦船……プリンツ・オイゲンだった。
プリンツ・オイゲンは最初、指揮官の居ない港に戸惑っていた。だが小さな猫と小さな艦船を放っておけず、彼女達を仕方なしに手伝う様になる。実質、彼女こそが指揮官と言える程に。
「ふぅ……大本営とやらは、本当に干渉しないつもりなのね」
本来は指揮官が使う筈だった部屋の椅子に座り、代わりとなって港に起こった出来事などを纏めた資料を机に置いたプリンツ・オイゲンは窓の外を眺めながら呟いた。
指揮する筈だった指揮官は死亡。しかしその事件を無かった事にされてしまったため、大本営の一部は知らぬままに港を放置していた。放って置けば勝手に潰れるだろう、と最初は見なされて。だが実際には潰れず、それどころか戦力も増強されつつある。指揮官が居ない筈の港で一体どんな事が起きているのか……その事実を知る事を恐れた彼らがした選択は、放置であった。触らぬ神に祟りなし、とでも思ったのだろう。物資の支給はせず、だが問題にも干渉しないのだ。
「さて、終わりね……」
本来指揮官の行う作業が無い事で、代わりと言える立場になっても仕事量は少ない。午前中には解放され、執務室は無人となった。
プリンツ・オイゲンの向かった先は寮舎だった。彼女の目的は唯1つ。寮舎で寛ぐ艦船達を尻目に、目的の場所についた彼女は視界に映る少女の寝顔を前に不敵な笑みを浮かべた。
「私は朝から仕事をしているっていうのに、貴女は良い御身分ね」
「すぅ……すぅ……」
寮舎でハクが寝ている時、その眠りを妨げる事は艦船達の中でご法度であった。だが港で一番の権限を持っているとも言えるプリンツ・オイゲンにそれは通用しない。寧ろ彼女を頼っている節が目立つハクや綾波は出来る限り彼女の望む事を受け入れる様にしていた。
「ぅ、ん……ん……?」
身体が揺れる感覚と、何かに包まれる様な感覚にゆっくりとハクは目を開く。最初に彼女の目に映ったのはプリンツ・オイゲンの微笑む顔。そして身体が後ろから抱きしめられる体勢になり、座る形で寝ていた事にハクは気付いた。
「プリンツ……?」
「今からは私の時間よ。まずはタップリ、貴女の温もりを堪能するわ」
「……んっ」
まだ眠気に支配されていたハクは囁かれる様に言われた言葉を静かに頷いて受け入れ、ゆっくりとまた目を閉じ始める。プリンツ・オイゲンはハクの身体をしっかりと抱きしめたまま横になり始め、そのままハクを抱き枕に同じく目を閉じ始めた。
「ここが私のこれから守るべき場所ね……随分と寂れているわね。それに全く人気が無い」
見渡す限り殺風景な港。まだ建物も殆ど無いその場所に私は派遣された。新人の指揮官を補佐し、戦力となる為に数多くの私が港へやって来る。私もその例に漏れずにやって来た訳だけれど……予想以上に何もなくて流石に場所を間違えたのかと思ってしまったわ。
「あら?」
『……』
殺風景な景色を眺めながら歩いていると、私の前に小さな白い猫が鎮座していた。真っ赤な瞳で私をジッと見つめる姿に不思議と惹かれて、私はその猫と見つめ合う。本来なら、ここの指揮官に挨拶をする為にも知っていそうな艦船を探さなければいけないのだけれど……何故かこうするべきだと思ったのよね。
「あ、もう着任していたのです」
「貴女……ここの艦船ね?」
「はい。綾波なのです」
そして私を迎える為にやって来たというこの港の艦船、綾波と出会った後、私はここがどの様な状況であるのかを知らされる事になった。
曰く、指揮官が一向に現れない。だが艦船では無い存在が現れていて、他にどうしようも無いので2人だけで回しているとの事。道理で殺風景な場所だと私は納得したわ。要は人手が足りなくて拡張も何も出来ないって事ね。
「それで、艦船では無い存在って?」
「ハクなのです」
「ハク? それは、何処に居るのかしら?」
「? ここに居るのです」
「…………」
そう言って猫へ視線を向ける綾波の姿を前に、正直頭の可笑しい子だと思って訝し気な視線を向けてしまったのは仕方の無い事だと思うわ。でも彼女の言った言葉の意味を、私は即座に知る事となった。だって、綾波に視線を向けていた間に猫は姿を変えていたのだから。
「ぇ……」
「……よろしく」
さっきと変わらない真っ赤な瞳で私を見つめて、無表情のまま耳に心地よい声で話をする子供の姿を前に私は固まってしまった。猫が人に成った事に対する事実を受け入れられなかった事も確かにあったわ。でもそれ以上に、私は彼女の姿を前に衝撃を受けた様な気分になっていたの。
「?」
「……貴女が、ハク……なのね?」
「ん……」
「そう……良いわ、私が貴女達を。貴女を支えてあげる」
私達艦船は決して人では無いけれど、人と同じ様に感情があるわ。だから私が彼女の姿を見て抱いた思いも、決しておかしなものでは無い。
それから始まった生活は決して楽なものでは無かったわ。何しろ、私達の生活を支える基盤すら殆ど出来ていないのだから。物資は最初から用意されたものだけ。大本営とは連絡が付かない上に、私達を指揮出来る者が居ない。自然と私がその役割を担う事になって、代わりに艦船では無いハクが綾波と共に出撃する事もあったわね。
時折フラっと物資を持って現れる艦船、明石に港の現状を話せば適当に商売をしてくれると約束を取りつけたりもしたわ。思った以上に値段が高くてどうしようも無いと頭を悩ませた時にハクが現れて、私の知らないところで何かしらの会話をした後に値段が安くなった時には色々と察しもしたわ。必ずハクを連れて来るのが商売の条件になったけれどね。
キューブを使って新たな艦船を建造して、徐々に港が賑やかになれば建物も建つ様になって……私が指揮官の代わりとして担う仕事内容に関する補佐を任せられる艦船も増え、何時の間にか殆どが艦船達だけで過ごす港は活気づいて行った。
「……ぅ、ん……」
目を覚ました私は暖かく心地よい温もりを感じながら懐かしい夢の内容を思い出す。初めてこの港に来た時、正直私は色々な希望を捨てたわ。楽しい艦生は送れないと、そう思った。けれどハクと出会ってその思いは一変したのよ。
「……ふふ」
「ん……」
小さな身体。微かに聞こえる寝息。その全てを感じるだけで、私は幸せを確かに感じている。
「こうして情眠を貪るのも良いけれど、やっぱり一番は貴女を味わう事ね」
私は眠るハクの姿を見つめながら、その柔肌に手を伸ばす。これから始めるのは、大人の時間。他の艦船の殆どが出来ず、この港を大きくした立役者である私には許される時間。誰にも邪魔されず、誰も邪魔しようとしない至福と時を……私は堪能するの。
滑々な柔い肌を撫で上げる。私の片腕に収まったハクはその場から動けないまま、微かに眠ったまま身悶えする。あぁ、この小さな身体が愛おしくて堪らない。私を魅了したんだから、その責任は果たして貰わないとね。
「は、ぁ……んむっ。ちゅ」
「んっ、ふふ。気持ち良いわね」
半開きになったハクの口元に手を伸ばして、指先を入れてみる。案の定、ハクは私の指を銜えてしゃぶり始めたわ。ちゅっちゅと可愛らしい音を立てながら舐める姿には胸が高鳴るけれど、ついそれ以上に弄りたくもなってしまうのよね。例えば、こうして指を動かしてハクの舌を撫でてみたり。
「ん、ぁ……ぁ、ぅ……」
唾液が私の指を伝って床に零れるのが見える。あれ、勿体無いわね。流石に床へ落ちたのを舐め取るつもりは無いけれど、適当に零れない様に手の平まで垂らして……。
「ん、ちゅ……甘いわ」
私は本当に心の底からハクという存在に魅了されている。この行為が常軌を逸しているのは理解しているけれど、仕方ないじゃない。シタイと思ったのだから。
ハクの視線に映り、反対にハクを視界の中に入れ続けるだけで幸せを感じる時がある。共に同じ空間で過ごして、こうして触れ合いながら眠れると感じるだけで生まれて良かったと思える。確かに寂れた港と、何をして良いかも分からない子供2人を見て見ぬ振りは出来なかったけれど……それでハクの力になれるならと、ハクが私に好い感情を抱いてくれるのなら、それだけでやる価値はあったの。
「……」
「好きよ。貴女の事が、ね」
私が唾液を舐める姿をしっかりと目を開いてジトッとした目で見つめるハクの姿を前に、私は思うままに告げる。別にこれが初めてって訳では無いわ。何度だって私はハクに対して告白をしてきているのだから。そして、その答えも何時だって変わらない。
身体を起こしたハクが自身の口元についた唾液を拭う。そして微かに濡れた腕を見つめてから、私を見る。
「……美味しい?」
「えぇ、とってもね」
きっとこの味は私を含めた極一部の艦船にしか分からないでしょうね。訝し気に私を見るハクの姿に私は正直に答えて、起き上がった彼女の後ろに手を回す。今度はお互いに向かい合う形で、私はそのままハクに向かって体重を掛けた。彼女は全く抵抗する事無く私を受け入れて、そのまま私はハクを押し倒す。
「分かってるわよね?」
「……ん」
「ふふ、なら良いわ。……ん、ちゅ。はむっ」
私を受け入れるハクの姿を見て、そのまま口付けを始める。指についた唾液を舐めたのとは全く違う、直接感じる彼女の口は比にならない程甘く蕩ける様な味わい。自然と伸ばした手がハクの手と触れ合えば、また自然と指を絡み合わせる。両手共にね。所謂恋人繋ぎと呼ばれるこの握り方はとてもハクを感じられるのよ。
傍から見ればハクの両手を顔の横に押さえつけ、恋人繋ぎをしながら私は強引に口付けをしている様にも見えるでしょうね。でもハクから一切の抵抗を私はされていない。したところで無意味と言えばそうかもしれないれど、そもそも拒絶をされていないのだから全て合意の上という事になるわ。
「ん、はぁ……脱がすわよ」
「……」
恋人繋ぎを片手だけ解いてから、私はハクの服に手を掛ける。既にこれを脱がすのも手慣れてしまったわ。最初は人の服を脱がすのが大変だとは思わずに少し苦戦したけれど、今では10秒もあれば脱がす事が出来る。露わになる胸部に小さなお臍。全てを味わい、舐め回したくなる程に惹かれる。
「それじゃあ、味合わせてもらうわよ」
「……優しく……お願い」
脆く儚げな様子で不安の籠った目をしながらも、私を拒絶せず受け入れるハクの言葉。それが寧ろ私の感情を更に掻き立てて優しく出来なくなってしまうなんて、分からないんでしょうね。……あぁ、もう我慢出来ないわ。
小さな身体の背に片腕を回し、覆い被さる様にして床に全身で身体を押さえ付ける様にしながら、私はハクの唇を貪る様に堪能する。空いた手で身体の隅から隅までを思うままに撫で回せば、微かに口元から漏れる喘ぎ声を感じて私の頭の中は余計に彼女を欲する様になる。……何時まで経っても興奮が収まらないわね。
徐に手を彼女の秘部に近づける。私と彼女の体温による熱さとは明らかに違う熱気があったわ。無意識なのか閉じようとする足の間に膝を入れて閉じられない様にしてから、私は彼女に目で『触るわよ』と告げてから指を這わせる。僅かな水音は、静かなこの場所で確かに響いたわね。つまり、ハクの耳にも届いたって事よ。
「私に味わって貰いたくて準備していたのかしら?」
「……」
「ふふ、可愛いわね」
微かに頬を染めて恥ずかしさから顔を逸らすその姿が愛らしくて堪らない。思わずその背けた顔を強引に戻してまた口付けをしながら、その表情を見ていたくなる程にね。這わせた指で入り口を何度かなぞる様に刺激すると、ハクの身体は水を得た魚の様に跳ねる。快感に弱いのは何時になっても変わらない。
まずは指を一本ゆっくりと挿入すれば、柔らかく脈打つ様に締めつける膣肉の感触が心地良い。初めての証は未だ健在だけれど、何時か私が破ってみせるわ。でも指で奪ってしまっては面白く無い。私達艦船が純粋な人間とは違う存在であるなら、人間には出来ない事を出来る可能性が十分に存在するのだから。
「前は二本までだったわね。……今日は更に一本増やしてみる?」
「ひぁ! 無、理……っ!」
「……そうね、これ以上は苦しいかもしれないわ。なら今回も二本で我慢してあげる」
「っ! ひっ、ああぁぁぁぁ!」
「あら? ふふっ、イっちゃったのね」
二本目の指を挿入した時、ハクは明らかな絶頂の声と共に身体を震わせ始める。全身で感じる痙攣と膣内が余計に締め付ける刺激に指だけで私は少し感じてしまったわ。……例えばここで膣内に入れた指を動かしたら、一体どれ程乱れるのか。一度気になったら、試してみたくなるじゃない?
「ひっ! んあぁぁ!」
「……ふふ」
「待っ、て……ひあぁ! 止め、てっ! あぁぁぁぁ!」
普段の物静かな彼女からは想像出来ない程の乱れっぷりね。今の短期間で何度イったのか分からないけれど、流石に嬌声が悲鳴に変わって来ると可哀想になるわね。
「ぅ、ぁ……はぁ……はぁ……優しく……って、言った……のに……」
「そうね。少しやり過ぎたわ」
でも後悔はしていないし謝るつもりも無い。楽しかったもの。
連続で絶頂したせいで、ハクは身体に力が入らない様子。だけどまだ私は満足していないわ。もっと味わって、もっとこの時間を楽しみたいの。だから、そのまま眠るなんて許さない。
「もっと気持ち良くしてあげるわ」
「……プリンツ……」
彼女を味わう甘美で楽しい時間はまだまだ終わらない。
「貴女も一緒に楽しみましょう、ハク……ふふっ」