広い平原の真ん中で、揺れる風を感じながらハクはジッとその景色を眺めていた。視界の彼方此方に映るのは、自分が現在身を置く場所で共に過ごす騎空団の仲間達。男女問わず様々な特徴を持つ者達が居るこの世界で、猫に成れるハクは大して驚かれる異端な存在では無かった。
ふと、ハクの視界に1人の少女が大きく手を振る姿が映り込む。それは騎空団の団長でもある少女、ジータ。彼女の声はハクの耳に届かないものの、自分を呼んでいると分かった事でハクはジータの元へ。その傍には別の少女や小さな生き物が居り、近づいたハクに気付いて笑顔で迎え始める。
「ねぇハク。この後、皆で稽古って事で模擬戦をする事になったの」
「お前、確か剣を使えたよな? えっと確か……あぁ、そうだ! ひょういしょうかん!」
「でも、あの力は凄く疲れるんですよね? だったら無理しない方が……」
「ルリア、大丈夫! 倒れたら私達が看病するから。ね? 一緒にどうかな?」
「……ん。やる」
この世界にも危険がある。過去に別の世界を渡って来たハクにとって、自分の力を高める事は大事だと当然理解していた。故にジータの提案に応じて頷けば、模擬戦に誘ったジータは笑顔で。ルリアと呼ばれた少女は心配そうにハクへ「無茶しちゃ駄目ですよ」と告げた。
「そうと決まったら準備しないと! ビィは他の皆を集めてくれる? ハクは私達と一緒に!」
「任せとけ!」
ジータの言葉に小さな生き物、ビィは宙を舞いながらその場を離れる。するとハクの手を自然とジータが握り、反対の手をルリアが握り始めた。身長に差がある事で2人の少女に連れられる子供の様な構図が出来上がる。それはジータが率いる騎空団の団員達にとって見慣れた光景であり、一部の者達が誰とは言わずとも羨ましそうな視線を向けていた。
今から行われようとしている模擬戦は基本的には1対1での戦い。ビィに呼ばれて1人、また1人と集まって行く団員達。やがて誰と誰が戦うのかを決める時間になった時、その説明の最中にルリアがハクの参加と彼女の待遇について告げる。……剣を使って戦う事は出来るものの、時間制限がある為に連続で戦えない事への配慮であった。
「ハクと稽古したい人は挙手してください。立候補者から選びますので」
「はいはい!」
「おいジータ! 少しは団員の皆に譲れって! いつもお前ばっかじゃねぇか!」
「だって、ハクとしたいんだもん」
「あ、あはは……ジータさん。私もちゃんと公平に決めた方が良いと思います」
ルリアの言葉に多くの女性団員の手が上がる中、団長であるジータが大きく前に出た事でビィは叱る様に。ルリアは諭す様に告げる。少し不満そうにしながらも、仕方ないと手を降ろしたジータ。その後、適当に戦いの組み合わせが決まって行く中。当の本人であるハクは、とある女性の膝上でその様子を眺め続けていた。
「ナルメア……重い」
「あぁ~、白猫ちゃんはやっぱり癒されるわ。団長ちゃん達も楽しそう。でも忙しいと思うから、もう少しお姉さんと一緒に居ましょうね?」
「……」
頭の上に乗るのは、大きな胸。ナルメアと言う名の女性はハクの言葉が届いていない様で、腹部に両腕を回しながら更に強くその身体を抱きしめ始める。何を言っても離れそうに無い彼女の様子にハクが遠い目をする中、模擬戦の準備は着々と進み続けていた。
「なぁ、ジータ。折角だし、やる気を出す為にも何かあると良いんじゃないか?」
「何か? う~ん……確かにそれも良いかも知れないけど、何が良いんだろう」
「うふふ。ねぇ、ジータ。どうせなら、あの子の夜。立候補者限定で賭けてみない?」
「! よ、夜って……」
「ハレンチ姉ちゃん、夜って何の事だ?」
「さぁ、何の事かしらねぇ?」
「???」
ビィが首を傾げるが、ジータには言われた言葉の意味がしっかりと理解出来ていた。まだそれを了承した訳では無いにも関わらず、一部の面々が模擬戦への勝利へ向けた更なる闘志を燃やし始める。瞬く間に広がる雰囲気を前に、駄目と言える状況では無くなって困惑してしまうジータ。ナルメアの膝上で様子を見守るハクを見た後、彼女は一度目を閉じてから決意する。引き返せない雰囲気になってしまったのなら、引き返さずに自分が勝ち残れば良いと。ジータにとって、この模擬戦は一瞬にして負けられない戦いとなった。
跳躍したジータ振るった剣は途轍もない破壊力を誇り、容易く相手の守りを突破して勝負を決める。勝利が決まった事で心底安心した様子で剣をしまい、ジータは現在力を使った事で倒れているハクの元へ。既に敗北が決まってしまった女性達に囲まれながら、ルリアの膝で寝かされたハクは静かな吐息を立てて眠っていた。
「もう、私凄く頑張ったのに。気持ち良さそうに寝てるんだもん」
「仕方ないですよ。カタリナ相手に頑張ってましたから。結局負けちゃいましたけど。……ジータ、格好良かったですよ」
「えへへ、ありがとう。取り敢えず、団長の威厳は守れたかな?」
「お前の威厳なんて、元からあってない様なものだろ? それよりカリオストロ、ジータさんがハクちゃんと今日の夜に何をするのか気になる☆」
「何を……って、何もしないよ! 本当にしないから!」
「あっはは☆ 振りにしちゃ下手くそだぜ? まぁ、お前が何をしようがどうでも良いけどよ……あんまりうるさくすると、怒っちゃうぞ☆!」
顔を真っ赤にして否定するジータは更なる追い打ちの様な言葉に、到頭何も言わずに下を向いてしまう。模擬戦とは言え、戦いの上で決まった正当な権利故に誰もジータへそれ以上口出しをする事は無かった。もしも自分が勝っていれば。あの時あの様に動いていれば。そんな反省と後悔を複数の女性陣が抱きながら、模擬戦は終了する。
夕日が沈むまでには後片付けも済ませ、騎空艇へ戻ったジータ達。時間が進み、夜を迎えた頃。ジータとルリアが共に使う部屋にノックの音が響いた。誰かの来訪は決して珍しい事では無い。だが、開けた先に立って居たのがハクだった事でジータは昼間の戦いで得た権利を当然思い出した。
「今日は……ジータの部屋。……皆、そう言うから」
大きな騎空艇と言えど、団員が多い故に1人1部屋が与えられている訳では無い。中には相部屋もある中、ハクは自分の部屋を持っていなかった。基本的に毎日別の誰かの部屋で寝る事が多く、普段であれば誰かしらに誘われるが……今回は模擬戦の結果もあり、全員が口を揃えてジータの部屋へ行く様に告げたのだ。
ジータはハクを部屋へ迎え入れる。中では様子を見ていたルリアが出迎え、今日は一緒に夜を過ごせる事に笑顔を見せた。そして同じベッドへ座る2人の姿を前に、ジータは胸のドキドキを感じて徐に手を当てた。
「ね、ねぇ。ハク。……その……」
「…………したい、の?」
「っ!」
「えっ。で、でも昼間は何もしないって……ジータ?」
様子の可笑しいジータの姿にハクは察する事が出来た。大きく肩を揺らして反応を示すジータの姿にルリアが困惑しながらも声を掛ける中、更に感じる胸の鼓動と内から溢れる様な感覚にジータの身体は無意識に動き始める。一気に2人の元へ近づき、遂にその両手がハクの両肩へ触れた。
「ごめん。……我慢、出来ないかも」
「……ん」
「ぁ……」
受け入れる様にハクが頷いた途端、ジータはその身体を押し倒す形で共にベッドへ倒れる。重なった2人の身体を前にルリアが小さな声を漏らす中、2人の部屋は一気に淫靡な雰囲気に包まれる事となった。
ルリアが見ている中、タガが外れた様にジータは押し倒したハクへ溢れる欲望をぶつけ始めていた。足をベッドの外へ出しながら横になったハクの上に覆い被さり、ジータは口付けをし続ける。ハクは目立った抵抗を見せず、ただジータの向けて来る情欲を受け入れ続けていた。
「はぁ……はぁ……ハクの口、やっぱり甘いね」
「……そう」
「ねぇ、ハク。こんな事して今更かも知れないけど、その……私とするの、嫌じゃ、無い?」
「……本当に、今更……ん」
「っ! ぁ……んっ」
顔を上げて不安げな瞳で質問するジータの姿に、ハクはジト目で答えながら身体を起こした。そして今度は自らキスをすれば、その事実にジータは目を見開いて驚きながらも嬉しそうに再び口付けを開始する。同じベッドの上で置いてけぼりになってしまっていたルリアは恥ずかし気に両手で顔を覆うも、その指の隙間からしっかりと2人の行為を覗き見ていた。
「ちゅ……んっ、ふぅ……脱がすよ」
「ん……」
ジータの言葉に頷き返せば、ゆっくりとハクの着ていた服は彼女の手によって脱がされ始める。やがて下半身の下着1枚だけとなったハクは、恥ずかし気に両手で胸を。両足を閉じて秘部を隠す。脱がす際に外へ出ていた足も完全にベッドの上に乗り、ジータは興奮気味に自分の着ていた寝間着も脱ぎ捨てる。そして下着も全て外した上で、再度ハクの身体に近づいたジータは彼女の秘部を守る最後の1枚に手を掛けた。
「よい、しょ……ぁ。ハク、もう濡らしてくれてるんだ」
「……」
「実は私もなんだ。御揃い、だね」
ハクの秘部を守っていた下着を脱がし終えたジータは、手に持つ下着の中心が僅かに湿っているのを見て少し嬉しそうに。その後続けて恥ずかしそうに告げる。そして話しながらも下着をベッドの脇へ放ったジータは、閉じているハクの足を開かせる為に両膝へ手を掛けた。そして優しく開かせれば。僅かに愛液で濡れた茂みの無い綺麗な秘部がその目には映り込んだ。
「うわぁ……えっと、舐めて良い?」
「……好きに……して」
「うん。それじゃあ、好きにするね……はぁむっ」
「んっ!」
ジータはハクの言葉に容赦無く秘部へ顔を近づけると、舌を伸ばしてその入り口を舐め始めた。強い刺激を受けて反射的に両足を閉じてしまい、ハクの太腿に挟まれる事となったジータ。だがそれに驚きながらもジータは抗議するどころか頬や首周りを擦りつけて、その柔らかさを寧ろ堪能し始める。当然舐める行為は継続しており、ハクは思わずジータの頭に両手を置いて強すぎる刺激から逃れようとする。
「んぐっ、むっ? だ~めぇ!」
「んぁ! もう、少し……優しく……んんっ!」
ハクの懇願も聞かず、ジータは容赦無く秘部を直接貪り始める。気付けばハクの両足を力強く腕で囲み、ジータは絶対に離れない姿勢を見せていた。頭を押さえ続けたところで意味は無く、それでもハクは片手でジータの頭を押さえながらもう片方の手で自らの口を塞ぎ始める。強すぎる快感に頭の中が真っ白になりながらも、大きな喘ぎ声を出すのだけは無意識の内に避けようとしていたのだ。
ジータの舌はハクの膣内へ入り込み、奥へ奥へと伸ばされ続ける。滑る舌に中を好き放題舐められ続けたハクの身体は遂に限界へ。……だが絶頂を迎える寸前で、ジータはその攻めを停止した。
「今、イきそうだった?」
「っ! ……」
「でもまだ駄目。イク時は、一緒が良いから。ね?」
腕でしがみ付いた太腿を解放して、秘部の目の前から離れたジータは口周りに付着した愛液を舐めながら笑顔で告げる。恥ずかしさから顔を反らしたハク。その姿を愛おしそうに見つめたジータは、ハクの両足を今一度広げて今度は自分の秘部をハクの秘部に宛がい始める。ハクの秘部は愛液と唾液で十分に濡れ、ジータの秘部は今までの行為で愛液を溢れさせていた。故に互いの部位が触れ合った瞬間、生暖かい粘液の感触に2人は同時に反応する。
「んっあ……ハク、動くよ?」
「ジータ……」
片足を跨いだまま、片足を大きく上げさせて動ける体勢を取ったジータの言葉にハクは受け入れる様に両手を伸ばした。ジータはその手に自分の手を重ねると、指と指を絡ませる様に繋いでベッドへ押し付ける。そして僅かに腰を浮かせると、擦りつける様に動かし始めた。
「んっ、あぁ! 凄い! 気持ち、良い!」
「あ、ぁ! ……ジー、タ……!」
「まだ、イっちゃ駄目、だよ……!」
互いの一番敏感な部分が擦れ合う事で、部屋には2人の嬌声が響き渡る。大量の粘液がぶつかり合う事で卑猥にも聞こえる水音がその声に交じる中、互いに握り合う手は更に強くなる。……そして遂に、その時は訪れた。
「イク、よ! ハクも、一緒に!」
「ジータ……来るっ……っ! ん、あぁぁぁぁ!」
ハクが声を上げて絶頂すると同時に、ジータも背筋を伸ばしながら絶頂を迎える。やがて力無く身体を倒したジータはハクを潰さない様にその横へ倒れ、絶頂の余韻を感じながらもハクの身体を抱きしめて口付けをした。
「はぁ……はぁ……すっごい、良かった……」
「……疲れ、た」
頭がボーとする感覚に襲われながらも、幸福感に包まれて話をする2人。……だがそんな2人の耳には何故か未だに水音が聞こえていた。既に行為を終えた2人から音が出る筈も無く、2人は同時にその音の発生源へ視線を向ける。
「はぁ、はぁ……んっ! あ、んんっ!」
そこにはワンピースを着たまま、自分の秘部や胸に手を当てて弄るルリアの姿があった。2人の情事やハクの体質に当てられて、彼女も魅了状態となってしまったのだ。切なげにハクとジータを見て自慰をするルリアの姿に2人は顔を見合わせ、やがてジータは優しい笑みを浮かべた。
「私だけは不公平、だよね。ねぇ、ハク。ルリアともしてあげてくれないかな?」
「……」
「ん、ぁ! あ!」
「…………分かった」
既に疲労感に襲われた現状、ジータの言葉に押し黙ってしまったハク。だが弱々しく聞こえるルリアの喘ぎを聞き、やがて静かに頷いて了承する。ハクが許可を出した事でジータは身体に力を入れて起き上がると、ルリアの元へ近づいた。
「ルリア」
「んっ! ジータ……私」
「分かってる。ごめんね、私達だけ気持ち良くなっちゃって。今度はルリアも一緒に」
「は、はい……お願い、します」
ジータに声を掛けられ、弱々しい声で名前を呼ぶルリア。続けられたジータの誘いにルリアは躊躇する様子も無く乗り、ジータに手を引かれてハクの傍へ移動し始める。目の前に近づくハクの裸体。隣にはジータの裸体がある状況で、ルリアは何も言わずに自分の着ていたワンピースをベッドの外へ脱ぎ捨てた。そしてハクの傍で添い寝をする様にルリアは隣で横になり始める。
「気持ち良く、なりたいです。だから私も、ハクを気持ち良くしてあげます!」
「うん。3人で一緒に気持ち良くなろ?」
「……」
やる気を出すルリアと先程の疲れなど忘れたかの様に楽しそうな笑顔で告げるジータの姿に、これから襲い来る快感の嵐を察してハクは遠い目で天井を見上げ続ける。……3人の夜はここからが本番と言っても過言では無かった。