※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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リ『NiaR』 A2☆

 私達ヨルハ型に限らず、作られたアンドロイドの全ては人類に対して愛おしいと思う様に出来ている。今だ嘗て見た事も無い人類。その存在の為に戦い、私達は破壊されては新しい身体にデータを移行する事で再び戦いに身を投じる。

 

『ハカイ! ハカイ!』

 

『ナゾノセイメイタイ!』

 

「……うるさいな」

 

 今や脱走兵となった私は、地上で只管に機械生命体を破壊し続けていた。私の仲間を殺した奴らだ、1体だって残すつもりは無い。バンカーに戻る事は不可能。繋がっているであろうレジスタンスキャンプに寄る事も簡単な話じゃ無い。補給は無く、修理も出来ないままに戦い続けるこの身体は所々傷が付き、内部が僅かに見えてもいた。

 

 人類の居ない地上。廃墟となった工場で自己修復を行っていた時、聞こえて来た機械生命体の声。奴らの言葉に意味なんかない。だがそこに機械生命体が居るなら、私が動くのに理由は十分だった。……そして上から奇襲する様に刃を集まっていた内の一対に突き刺す。

 

「……ぇ」

 

「……お前は……」

 

『アンドロイド!』

 

『キシュウ! キシュウ!』

 

 機能が停止したのを確認して、顔を上げた私の目に映ったのは他の機械生命体と……子供だった。機械生命体はその見た目からして即座に分かる。そして人間をモデルにして作られた私達アンドロイドも、相手が同じかどうか感覚で理解出来る。なのに、その子供は明らかに異様だった。

 

 気にするのは後だ。まずは騒ぎ出した奴らを始末する。「下がってろ」と言えば、子供は頷いてその場から離れて行った。他の何かに興味や関心を抱いたのは何時以来だろうか。何処へ逃げたのかを目視で確認して、私は1体残らず全ての機械生命体に刃を振り下ろした。

 

 

 壊れた奴らが転がる中、他に居ない事を確認した私は逃げた子供を追う。アンドロイドの反応は無い。だが、今まで認識した事の無い反応がそこにはある。

 

「生体反応……アンドロイドじゃ無いのか」

 

「……」

 

「お前……何だ」

 

 見つけた子供は私の姿に気付くと物陰から出て来て目の前に立つ。人類は地上に存在しない。生きている(・・・・・)と言えるのは、原生生物。鹿や猪といった生き物ばかりだ。しかし目の前の子供からはそれと同じ反応……生命の反応が感じられる。胸部には確かに鼓動するものが存在していて、データとして私はそれを知っていた。

 

「……ありがとう」

 

「?」

 

「……助けて、くれた」

 

 別にそんなつもりは無かった。破壊すべき機械生命体が居たから、破壊しただけだ。お礼を言われた事に驚き、嘗ての仲間を思い出す。最後に誰かとこうして話をしたのは何時だったか。司令部と繋がっていた頃の私なら、この子供に関する情報を送っていた筈だ。だがもうそんな事をする気はない。

 

「……」

 

「じゃあな」

 

 誰かと関わるつもりは無かった。だから私を見つめる子供から離れて、次に壊す機械生命体を探す。あれが何かを知ろうとは思わなかった。機械生命体で無いのなら、私にはどうでもいい存在、としか考えなかった。

 

 それから、私は今までと変わらずに見つけた機械生命体と戦い続ける。けれど一度出会っただけの子供の姿が、私の頭からはどれだけ経っても離れなかった。今アイツは何をしているのか、無事に生きているのか。心配する義理も無ければ、必要だって無いにも関わらず。

 

 いや……分かろうとしていないだけで、本当は理解している。あれは私達が本来機械生命体と戦う理由、地上を追われた人類に酷似している。このままではずっとアイツの事を考えてしまって、煩わしい。アイツがあの後どうなったのか、確認する事でこの思考から自身を解放する必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時折バンカーから降りて来るヨルハ部隊から身を隠しつつ、私は廃工場へ訪れる。あれから数日は経った。何時までもここに居るとは思えないが、他に探す当てがない。死体でも見つかれば、考える事は無くなるだろう。そんな事を思いながら、何処かでそれが見つからないで欲しいと望む自分が居る様な気もした。

 

「これは……羽根か? 見覚えの無い鳥のだな」

 

 出会った場所に到着した私は、そこに知らない生物の羽根が落ちているのに気付いて拾い上げる。白く透き通った羽根。この周辺に居る原生生物の鳥に、こんな羽根をした奴は存在しなかった筈だ。よく見れば少し離れた場所にもそれは落ちている。道標とは言えないが、少し歩けば何処かにそれは落ちていた。

 

 廃工場から出てやがて辿り着いたのは、廃墟都市にある廃ビル。1階や2階には何かを追い掛ける様に上へ上がろうとしては失敗し続ける機械生命体たちが集まっていた。一見しても、数日は上がろうとし続けていた様に見える。奴らが狙おうとした何かが、上には居るんだろう。そしてそれはきっと……。

 

「……」

 

「やっぱりな」

 

 そこに居た機械生命体を全て破壊してから上った廃ビルの屋上。その端に生きる気配を感じた私は、そこで目的の子供を見つける。固い床で横になって、寝苦しそうに眠っていた。私達のスリープモードの様に。だがそれは無駄を無くすための機能で、コイツの場合は違う。

 

 私はスキャナーモデルでは無い。だから詳しく相手を解析する事は出来ないが、それでも分かる。やはりコイツは生きていて、中に金属系の部品は1つも存在しない。代わりにあるのは血液や臓器といった、人類の特徴。いや、人類に羽が生えているという情報は無いが。

 

「ぅ……ん……?」

 

「起きたか」

 

「!」

 

 起こさない様、触れずに出来る解析をしていたが、どうやら目を覚ましてしまったらしい。私の存在に気付いて驚いた様に目を見開いた子供。その顔には『どうして』という言葉が浮かんでいる様にも見えた。表情は殆ど変わっていないが、何となくそんな気がしたんだ。

 

 この前の様に別れる事はしない。生きていると分かった以上、今後の事を考えて知る必要がある。コイツが何者で、何をしようとしているのかを。

 

 

 話をする事で分かった事。それはやはり目の前の子供……ハクが私達とは全く無関係の存在であり、人類と呼んで相違ない存在であるという事だ。私がアンドロイドであると知ったハクは驚きながらも、一瞬ふらついてから理解したらしい。その後、私が復讐している事を知っていた事には警戒した。なんでも、見える(・・・)らしい。私の望みが。

 

 互いの事を知った。ハクは私の事を、私はハクの事を。知ってどうする事も無いが、これから守るとなれば意味はあるだろう。……待て、何で私がハクを守らなきゃならないんだ?

 

 考えていて気付いた。私の知らぬ間に、私の思考はハクを守る為に行動しようとしていた事に。私がやる事は、機械生命体共をぶっ殺す事だ。コイツに構っている暇はない。だがここで前の様に別れれば、また気にしてしまうんだろう。人類と殆ど同じであるハクを守ろうとしてしまうのは、アンドロイドに植え付けられた感情なんだ。感情を持たない様に言われ続けていたが、1人で行動する様になってからは感情のままに動いていた。そのせいで、強く感じてしまっているらしい。

 

「お前、これからどうするつもりだ?」

 

「……ついて行く……駄目?」

 

「……私は機械生命体と戦う。命の保証は出来ないからな」

 

「ん……分かった」

 

 これが私と同じアンドロイドなら、断っていただろう。でも私が断る気になれないのは、ハクが人類だからだ。自分でも分かっている。もしハクに危険が及びそうになれば、私はきっと身を挺してでも守ろうとするんだろう。そうする様に、出来ているから。

 

 

 それから、私の復讐する日々には1人の人類がついて来る様になった。ハクは基本的に戦いの時は身を隠し、時には謎の力で戦う事もある。危ない事は何度かあったが、守る事は造作もない場面ばかり。それだけでも大きな違いだが、特に変わったのは非戦闘時の過ごし方だ。

 

「……美味しい」

 

「人類は不便だな。定期的に食わなきゃ生命活動を維持出来ないんだろ?」

 

「ん……私は、平気。……でも、美味しいから……食べる……食べる?」

 

「私達に消化器官は無い。食って飲み込んだ瞬間、故障まっしぐらだ」

 

 今まで一切を無視して来た原生動物を狩るという行為が日常に追加された。食べなくても生きていけるらしいが、食べたがるハクの為にそれをする様になったんだ。食事をするハクを眺めている時間も出来て、ハクが寝ている間は戦闘に出る事はなく、1人の時に比べて明らかに不便な日々になった。にも関わらず、それを嫌だと思えないのはやはり……。

 

「そうだ。人類だから、そう思う様に作られているからだ」

 

「? ……A2?」

 

「それを食べたら寝ろ。明日も奴らを探しに歩くからな」

 

「……ん。分かった……はむっ」

 

 私達は人類を愛おしいと思う様に作られている。

 

 私がハクを守ろうと思うのは、一緒に居るべきだと思うのは私の感情じゃない筈なんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハクと行動を共にする様になって、どれだけの月日が経ったのか。夜を超えた回数なら優に30は超えた。

 

 私は知ってしまった。人類とは仄かに温かい生き物らしい。私達の身体は何時だって冷たい鋼鉄の様で、ハクの身体は常に熱を発している。痛覚や触覚といった機能が存在する私の身体はそれに触れると安心するらしい。心情としては認めたくないが、それでコンディションが上がっている分には利用するつもりだ。

 

「……雰囲気……少し、変わった」

 

「そうか? だとしたら、お前の影響だろうな」

 

 水没都市。その名の通り海に沈んだ建物が並ぶその一角で、私はハクと共に休息を取っていた。私はまだ戦える。だが朝から夕方まで、機械生命体をぶっ殺す事しかしていなかったせいでハクは疲労困憊だ。寝ずに戦い続けていた事もあったが、今ではハクが夜に眠れる様にと暗くなったら戦いを止めるのが当然になっていた。

 

「お前は……暖かいな」

 

「……A2は……冷たい」

 

 壁に背を預けて、胡坐を掻く私の上にハクが座っている。私に背を預けて安心している姿を見ていると、そんな筈も無いのに破損した部位が治っている様な錯覚があった。人類は感情によって力の差異が生まれたらしい。アンドロイドである私達にそれがあるかは分からないが、悪くない気分だ。

 

「……ひんやり……気持ちいい…………」

 

「……寝たのか」

 

 私の腕を枕の様にして、そのままハクは眠っていた。少し汚れてしまっているが、嫌な臭いはしない。私達が例え人類を愛する様に出来ていたとしても、この小さな命を守りたいと思うのは私の感情の筈だ。ただ守りたいと思っている訳じゃない。ハクだから守りたいと、そう思っているんだ……。

 

 ふと、ハクの頬を撫でた時。何かが私の中で湧き上がった様な気がした。ハクを守りたいと思う感情とは違う、得体のしれない何かを。だがそれが何なのかは分からない。ハクに対して害する事をするつもりは無いが、何かをしたいと思っているのは間違い無い。何だ? 私は、この姿を見て何をしたいと思っているんだ?

 

 

 翌日になり、目を覚ましたハクと共に私は外へ出る。目的は変わらない。戦えないハクは基本的に隠れているか、私の身体にしがみ付いて居る様になった。その方が安全な時もあるんだ。

 

 昨日の夜に感じた謎の衝動。それはハクが私に触れている時、常に感じ続けていた。離れていると今まで以上に気にする様になり、このままじゃ何時かの様に戦いに集中出来なくなりそうだ。早急になんとかする必要がある。そう思い、再び夜を迎えて安全な場所に到着したと同時にハクへ打ち明けた。

 

「分かるか?」

 

「……多分……でも……」

 

 私が感じている衝動。それを出来る限り言葉にしてハクへ伝えた時、衝撃を受けたかの様に驚いたハクが言葉を濁し始める。今後に関わる事だからと、ハクに言う様に促した時。少し目を閉じて考えたハクは意を決した様子で私の腕を取り……自身の胸にそれを押し付けた。

 

「っ!?」

 

「……ど、う?」

 

 手に伝わるのは柔らかい肉肌の感触。私達アンドロイドは人類をモデルとして作られており、私の場合は女性の身体を模している。胸部にも膨らみはあるが、こんなに柔らかいものじゃない。軽く握ってみると、その弾力で微かに指が跳ね返される。本気で握ってしまえば潰れてしまう筈だ。だから壊さない様に優しくする事を意識して、その感触を味わい続ける。……気付いた時には、ハクが頬を染めて力無く座り込んでしまっていた。

 

「何が……」

 

 訳が分からなかった。いや、理解する事を拒否していたんだろう。人類とアンドロイドには決定的に違う事が幾つか存在し、その中には繁殖行為の有無もある。私達は繁殖しない。する必要が無いからだ。増やそうと思えば技術で増やせる。一方、人類は増える為に交尾を行う必要がある。

 

「私は、お前を抱きたいのか」

 

「……」

 

 女性型の私が女性であるハクに対して、愛情を通り越した想いを抱いている。ありえないと一蹴する事は簡単だが、それを認めると全てが繋がる気がした。人類の中には同性と結ばれた者も存在していたとデータにはあった。繁殖する事は出来ないが、愛してしまったのが同じ性別だっただけ。……私もそれと同じ、という事か。

 

「……どう、する……?」

 

「それを私が決めて良いのか? すると言えば、お前は……」

 

「ん……大丈夫」

 

 小さな身体で、少し荒い呼吸をしながら告げたハクはまるで全てを受け入れる様に両手を広げる。衝動の原因は理解した。感情を持ってはいけないと言われていたのはもう過去の事だ。仲間達の復讐が感情から来るモノなら、ハクを愛してしまったのも感情から来るモノ。そう作られた訳だからでは無い。なら私は人類と同じ、感情のままに行動しよう。

 

「床は固い。我慢しろ。出来る限り、優しくしてやる」

 

「……良いよ……来て」

 

 ハクの身体を優しく押し倒す様にして、覆い被さる。小さくも慈愛に溢れる様なその姿に、私は身を委ねた。

 

 

 

 

 

 私が普段通りの力でハクの身体を触れてしまえば、痛みを与えてしまう可能性が高い。だからこそ、今まで気にした事もない様な優しさを交えた手でハクの肌に触れる。小さな身体の腰へ手を回し、潰さない様に自身の身体に力を入れながら覆い被さる。頬に触れれば普段以上に暖かな肌の温度と染まった赤に胸の中で震える何かを感じる。

 

「お前は……柔らかいな」

 

「……A2も」

 

「私の身体は……いや、そうだな。お前で温めてもらおうか」

 

「ん……」

 

 以前は『ひんやりして気持ちが良い』と言っていた。私の身体は人間の様に体温が無い鋼鉄だからな。だが、だからこそ熱に触れていれば暖まり易くもある。真っ赤な瞳に映る私は何処か、知らない自分の様にも見えた。まるで吸い込まれる様に顔が降りていき、そのままハクの唇に私は自身の唇で触れる。

 

「は、むっ……」

 

「んっ……」

 

 口付け、キス、接吻。色々な呼び方があったこの行為は人間同士が互いの愛を確かめ合う際に多く用いられた行為でもあるらしい。私達にこの行為をする知識があっても全くもって無意味だと思っていたが、こうしてする機会が巡って来る事になるとは思いもしなかった。……悪くない。味、なんてものは殆ど分からない。食事の必要が無い私達に味覚は無意味なものだ。しかし不思議と思考が朧気になり、頭に刺激が走る様な気がした。

 

「こういう行為の時、人間は裸になるんだったな」

 

「……脱ぐ?」

 

「待て、私がやる」

 

 これまでの日々でボロボロになったハクの服に手を掛ける。真っ白だった筈の生地が所々汚れてしまっているが、その下にある肌は綺麗なままだ。時折、ハクは水辺で身体を洗っているからな。元々は服の下にもう1枚、下着を上下で付けていたんだ。だがそれも戦いもある日々の中で付けては居られない程に壊れてしまったらしい。

 

「なるほど、こんな風になっているのか。柔らかいな」

 

「ん、ぁ……」

 

「そして敏感でもあるのか。つまり不慣れな私でも絶頂させる事はそう難しくは無さそうだな」

 

 下着は他人に見られるのを防ぐ事よりも、身体に対する補助としての意味合いが強い代物だったと知識にある。私達の様な女性型のアンドロイドには確かに乳房があるが、人間のいう『肩こり』等は起こり得ない事だ。ハクの乳房は彼女自身の姿と比較して少し大きい様に見える。無いと、大変かもしれないな。

 

 徐に揉んだ胸はとても柔らかい感触だった。そしてハクの反応を見て少し安心もする。愛し合う行為とは言葉通りの目的であり、その最後は絶頂を迎える事だ。だが私に果たしてハクを絶頂させる事が出来るのか。それが少し不安だったが……気にする必要は無いらしい。

 

「ここが乳頭、乳首か。特に敏感な部分の1つだな」

 

「……」

 

「そう物欲し気に見るな。言われなくても弄る」

 

「……いじわる。ひぁ!」

 

 無表情なのに、何処かハクの考えている事が私には分かる気がした。乳房を撫でる様に触れながら、その先端を弄らずに観察する私を見て欲しがっている様に見えたんだ。それを指摘すれば顔を背けながら呟く姿が、私の中でハクを喘がせたいという欲求に変わる。思わず指先で摘んでしまうと、ハクは普段聞く事の無い大きな声を上げた。それをもっと聞きたいと反射的に思った時、私は乳首を見て思いついた。

 

「舐めてみるか」

 

「っ! 待って……んぁ!」

 

まふぁん(待たん)

 

 指で摘む事で刺激になるのなら、柔らかい舌で舐め転がす様にするとかなりの刺激になる。そう思った私はハクの制止する声を無視して考えていた事を実行する。ハクとのキスで少しだけ暖かくなっていた私の口内に入り込む小さな突起。そこもやはり暖かみがあり、舌で触れると私自身も心地良い感触がした。ハクには少し冷たいかもしれないが、それはそれで良い刺激になるだろう。現に気持ち良さそうに聞き心地の良い喘ぎ声を出している。

 

 さて、上ばかりに気を取られていたが……人間の女にとって快感を最も得られる場所は乳房ではない。確かにここも刺激するには適しているが、最も気持ち良くなれるのは下腹部。秘部や陰部等とここも呼び方は多いらしい。

 

「ぁ……」

 

「ん? 濡れているのか? なるほど、愛液か」

 

「……」

 

「顔を逸らすな。私を見ろ」

 

「んぁ!」

 

 ゆっくりと下へ移動させた手でハクの秘部に触れると、そこは確かに濡れていた。人間の女は快感を得る等して、ここを濡らす。本来、この行為の最目的は子供を作る事だ。男にある陰茎を陰部に差し込む事で、身体の中に子種を注ぐ。その際、痛みを緩和して行為をしやすくする潤滑油の役割を担うのが愛液だ。つまり、ハクの身体は今までの行為で私との子供を作る準備を始めていた訳か。残念ながら、私に陰茎は無いがな。

 

「指の一本なら入りそうだな。入れるぞ?」

 

「ひぅ! 優、しく……」

 

「あぁ」

 

 ハクの秘部に指を挿入する。今まで以上の熱と一定の感覚で脈動する様に締めつけて来る感触は指先だけにも関わらず、私自身にも刺激を与える。さっきもそうだ。私が触れられている訳でも無いのに、身体に刺激が走る。メンテナンスなんか出来ないからな。不調があるなら、不味いが……恐らくそういう事では無いんだろう。

 

 秘部の中、膣内は女の身体で特に敏感な部分だ。膣壁を擦るだけで相当な快感が走るらしい。入れた陰茎を抽挿する事で男女共に快感を得る。つまり、入れた指を出し入れする事でハクは気持ち良くなれる訳か。

 

「……悪い、顔」

 

「ふっ。お前がそう言うなら、そうなのかもな。行くぞ」

 

「っ! ~~~~~っ!」

 

 自分で自分の表情を見る事は出来ないが、ハクの言う通りなんだろう。私はハクに一言告げてから、本格的に快感を与える為に指を陰茎に見立てて抽挿させる。今までのは小手調べという程に。勿論、やり過ぎれば快感以前に痛みを与えてしまう。ここはそう言う危ない場所だからな。

 

「私の指は人間とは違って固いからな。明確な刺激だろう?」

 

「ひっ、あぁ! 本物、入って、る……みたい……っ!」

 

「本物? まるでシタ事があるみたいな言い方だな」

 

「な、いぃ! んぁあぁぁ!」

 

「ふっ、だろうな。処女膜がある時点で分かってた事だ」

 

 女が男と交尾をする際、破かれる初めての証・処女膜。それが見えている時点でハクが誰にも抱かれていないのは間違い無い事だ。……いや、私の様に身体を弄ぶ様な奴と出会っている可能性はあるか。そう考えると少し苛立ちを感じ始めた自分がいる。ハク(こいつ)はもう、私のモノだ。

 

「ハク。んっ!」

 

「んんっ! ん、じゅる……んぐっ!?」

 

「ん、はぁ……このまま、絶頂させてやる」

 

 最初の様にキスをする。だが最初と違って優しさを意識しながらも、かなり強引よりなキスになっているだろう。喘ぐハクの口を塞ぐ様に唇を塞いで、舌を入れながら指による膣内への刺激は止めない。ハクの身体が跳ねる様に反応するのを見て、絶頂が近い事は何となく分かる。このまま最後まで。そう思う私の行為は無意識に激しさを増しているんだろう。

 

「んっ! んんっ! んん~~~~っ!」

 

 一際大きな反応。それはハクが絶頂した瞬間だった。指は噴き出た愛液で濡れ、ハクの反応も徐々に弱々しくなっていく。別に命に別状はないが、それでも少しだけ心配にはなった。

 

「はぁ……はぁ……A2」

 

「大丈夫か?」

 

「ん……でも、疲れ……た…………」

 

「!?……寝た、のか」

 

 ゆっくりと目を閉じてから、静かな寝息を立て始めるハクの姿を前に私は終わったのだと実感する。行為自体は成功したと言って良いのだろう。ハクに快感を与え続け、その頂点である絶頂を迎えさせた。私自身にも感じるものはあったが、それはとても微弱なものだ。今度はハクに……というのは何か違うな。この場合、攻め方を変えるべきなのか?

 

「まだまだ、これから何度でも可愛がってやる」

 

 眠るハクの横に転がって、私はハクの身体を抱いた。潰れない様に、彼女の柔らかさを堪能する様に。この人間(ハク)の暖かみを、私はもう手放せそうにない。




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