※この作品はR-18です。

愛され過ぎた少女達   作:ウルハーツ

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【プラエデ】 フランチェスカ★

 知識は宝だ。本は知識を与えてくれる。だから、分からない事は全て本が教えてくれる。

 

 私は生まれた頃からずっと、この大図書館で過ごして来た。ここを守り続ける事が、私の役目。だけどある日、大図書館に侵入者が現れた。

 

「何だ、お前は」

 

『……』

 

 それは動物。私の様なレッドとは違う、純粋な動物。見た事は今まで1度も無かったけれど、知識にはしっかりと存在する。……猫だ。これは猫。背中に翼が生えている以外は特に可笑しな様子の無い、唯の動物。人より知性の低いこの動物に言葉は通用しない。なら、大図書館が荒される前に追い出さなくてはならない。

 

『!』

 

「逃げるな」

 

 私は猫を捕まえようと手を伸ばした。けれども猫は身軽に跳ねて私の手から逃れる。思わず追い掛けてしまったけれど、普段から本ばかりを読んでいた私は少し走っただけで疲れてしまった。猫はジッと私の事を見つめながら、この場所を荒さずに私から距離を取るばかり。流石に可笑しい、そう思わずにはいられない。

 

「お前、何がしたい?」

 

『……』

 

 まるで私の言葉を理解した様に、ゆっくりと近づいて来た猫は私の足元へやって来た。逃げる様子の無いその身体を持ち上げた時、手から伝わる毛の柔らかさにちょっと驚く。もふもふは素晴らしいものだと、本で読んだ事がある。これがそのもふもふだとするなら、確かにその通りなんだろう。

 

「ここを出て行け」

 

『……』

 

 猫は答える様に首を横に振った。明らかに私の言葉がしっかりと伝わっている。知性は人以下だと思っていたけれど、どうやら考え直す必要があるらしい。これはそこらの馬鹿よりよっぽど利口なのだと。……この大図書館には基本、私しか居ない。本来であればこのまま追い出すべきだが、少し興味が湧いてしまった。

 

「荒さない事。それがここに居て良い条件だ。分かったな?」

 

『……』

 

 今度は頷いて、猫は私の手から飛び出した。そして周囲を見回してからテーブルの上へ飛び乗る。約束通り置かれていた本には触れない様、何も無い場所へ上手く着地しながら。……自分でも不思議だが、どうしてかこいつは追い出す必要が無い様に思えてしまう。今まで変な客が来た事は無い訳では無いけれど、これ程興味を抱く相手は初めてだ。

 

 

 それからそいつは大図書館に住み着いた。時には私の傍へやって来て、時には何処かへフラっと消えてしまう。そんな本で知る猫らしい、気ままな奴だった。

 

 不思議な気分だった。今まで他の誰かに、何かに対して感情を強く抱いた事は殆ど無い。けれどあの猫だけは私の中で確かに存在していた。どうでも良い有象無象と違う、私の求める知識とは別の『あれ』を知りたいと思う感情。本を読んでいたとしても、膝へ近づいて来る姿を見てしまえば、読むのを中断して撫でてしまう程度には大きな存在に変わっていた。

 

 だからだろう。『あれ』が唯の猫では無いと知った時、人に成る事が出来、話をする事が出来ると知った時。私は確かに嬉しい(・・・)と感じた。誰かと話したいなどと思った事は無い。でも彼女となら、それも悪く無い。……そんな気がした。

 

 

 その後、ある日を境に私の世界は一変した。大図書館へ現れたうるさい奴らとの出会いが切っ掛けとなり、私はレッド達の集まりであるプライドへ加入する事になった。大図書館から外へ出る事になり、私は本だけでは得られない様々な知識を得る様になった。最初は面倒で、嫌だった。でも何時の間にか、それも悪くないと思っていた。……私は確かに、満たされていたんだ。

 

「……お別れ」

 

「ふざけるな」

 

 だから共に大図書館から出た私の猫(ペット)が、勝手に私の元を離れようとする事実を私は受け入れられなかった。気付けば心の支えになっていた。不安な時も、危ない時も、私は彼女と共に乗り越えて来た。それがいきなり居なくなる? 元の世界へ帰るため? ふざけるな。お前はもう、私のものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 プライドに所属してから、大図書館以外の本を読む機会は多々あった。その中には私の知らない、見た事の無い世界が存在していた。

 

 最初は関係ない話だと思い、興味すら湧かなかった。だが『あれ』を意識する様になって初めて、私はその知識を知りたいと思う様になった。書いている奴に少々強引だったかもしれないが許可を取って、私はそれを読んだ。……女同士が裸で何かをしている本。何か分からず書いた本人に聞いても、口籠って中々教えてくれない。だから私は調べた。それが何を意味するのか、それをするとどうなるのか。それをするのが、果たしてどの様な関係の者達なのかを。

 

「逃げるな」

 

「!?」

 

 『あれ』は元々私がプライドに入る様になってから、私以外の奴と一緒に居る事が多くなった。それが気に入らないと思った事は、沢山あったと言える。だから改めて私との関係を確かめさせる為に、その知識は大事だった。だがそれも今では違う。『あれ』は私の前から、この世界から消えてしまう。ならそれを止める為に、私はこの知識を使う。

 

「……何、を……?」

 

「お前に教え込む。お前が誰の者なのかを」

 

 今、私達が居るこの部屋には他に誰も居ない。この世界から数日後には消えると告げられてから、急いで準備はした。正直気に食わないが、私以外にも消えて欲しくないと願う奴は大勢いる。そいつらに頼んで、『私ならどうにか出来るかも知れない』と説得した。……嘘は言っていない。本当に、私は居なくならない様にするつもりだ。他の奴はどうでも良い。私の傍から離れなければ、それで良い。

 

「フラ、んっ!?」

 

「ん……ちゅ……はむっ」

 

 猫の時とは違い、人の姿なら簡単に捕まえる事は出来た。私は捕まえた彼女に本でやっていた様に、自分の唇を相手の唇へ宛がった。柔らかな感触。不思議と次の行動も思い出せて、私は彼女の口内に舌を入れる。そしてそのまま自らの体重を彼女に掛けて、背後にあったベッドへ倒れ込んだ。私よりも小さな身体だ。私が体重を掛ければ、もう逃げる事は出来ない筈。多少の抵抗をされても部屋からは絶対に出られない様にしてある。その内、策が尽きる。

 

「ふぁ、ら……ん……」

 

「否定してるのか? それとも、私を受け入れるのか? どっちか、選べ」

 

「……」

 

「答えられない。それが答えなら、それでも良い。こっちも色々考えて来ている」

 

「っ!」

 

 私が読んだ本は数冊あった。当然その内容は1冊毎に全て違う。だけど種類で分けようとすれば、2種類に分かれる。相手の合意を得るか、相手の意思を無視するか。この場合、私はやるべき事は恐らく後者だろう。少なくとも今、『こいつ』は私の行為を受け入れてはいない。前者ならお互いを求め合うが、後者の場合は……多少手荒になる。

 

「止め、て……」

 

「黙れ」

 

 布の引き裂かれる音が私の手から齎される。準備の段階で手に入れてあったナイフで、彼女の着ている服を私はビリビリに切り裂き続けた。これを手に入れるのは少し苦労した。子供だから、危ないからと取り上げられそうになったりもした。だけどこれは上下関係を明確にする為に大事な道具だ。そう、『こいつ』に私がお前よりも上だと分からせる為に。

 

「これで良い」

 

「……ぅ、ぁ……」

 

 既に残った布切れに肌を隠す用途は満たせていない。下着まで全て、引き裂いた。これでもう、『こいつ』は私に逆らわない。私に逆らえばどうなるか、嫌でも想像した筈だからだ。

 

 ナイフをベッドの外へ放り投げる。これはもう、必要の無いものだ。恐怖を与え、立場を分からせるには確かに有効な道具だが、実際に『こいつ』を傷つける様な事はしない。それだけは、絶対にしてはいけない。『こいつ』の肌も、心も、全て私のもの。それを分からせる為に不必要なものは、もうここにあってはならない。

 

 小さな身体の上に跨った状態で、私は着ていた衣服を脱ぐ。今の私達はきっと、本に映っていた絵と酷似しているのだろう。1人の女を分からせる為に、これから私は『こいつ』を……犯す。

 

 

 

 

 

 私を抱きしめて嬉しがる奴がいる。何が嬉しくて、何が楽しいのか私には全く分からなかった。だが今の私なら、あの時何が良かったのかを理解出来るだろう。目の前で横たわりながら怯える彼女の身体に手を回して、私は自身の肌で彼女の肌を感じた。暖かい人間の体温と感じる滑らかな肌の感触が、私の心を満たしていく。

 

 小さな身体に存在する確かな膨らみへ顔を近づけ、擦り寄る。顔が暖かく心地良い感触に包まれ、微かな声が頭上から聞こえた。続いて胸の間に顔を埋めて、呼吸をする。彼女の匂いが私の中を満たし、僅かに彼女が身を捩った。最後に本で見た様に、舌を伸ばして胸を舐めてみる。とても甘い様で感じた事の無い、言葉にならない不思議な味。もっと欲しい、もっと味わいたい……もっと、もっと……。

 

「フ、ラ……ン……んぁ!」

 

「……」

 

 私を呼ぶ声がする。彼女の耐える様な声。でもそれが痛みや不快感から来る苦しみの齎す声では無い事が、その声音で分かる。何かを堪える様に、恥ずかしがる様な声音。それを聞くだけで彼女が私を感じていると理解出来た。だから、止めない。私を感じて、私で満たしてやる為に。自分が誰の者なのか、分からせる為に。

 

 それから私は彼女の胸を無心で舐め続けていた。まるで私が猫の様になった気分だが、悪く無い。気付けば彼女の上半身は私の唾液塗れ。微かに身体を震わせて彼女が呆けているのを見ると、かなり時間を舐め続けていたらしい。

 

「確かこの先は……こうだ」

 

 本で見た行為を真似して、私は彼女の下半身へ移動する。そして彼女の足を広げ、その間に入り込んだ。呆けていた彼女も私が行動した事で我に返った様で、不安そうに此方を見続ける。最初の行為がかなり効いたらしい。抵抗する意思は無さそうだ。

 

「こうして……これで、良い筈」

 

「……」

 

 入り込んだ体勢で膝を立てて彼女の膝を曲げる。そして身体を彼女の上半身に近づければ、自然と膝から曲がった足が私の身体と共に持ち上がった。本を書いた奴曰く、まんぐり返しという姿勢らしい。ただあれと違うのは、私と彼女の身体が同じ部分で触れ合っている事。今まで自分で触った事なんて無かったが、本の通りなら……これからする行為はかなり気持ちが良い事らしい。なにせ嫌がっていた女が最終的に『もっと、もっと!』と強請る様になっていたのだから。

 

「痛くないな?」

 

「……ん」

 

 一応、確認はしておく。今からする行為に苦痛は必要ない。彼女が素直に頷いて答えたのを確認して、私は自分の股と彼女の股をくっ付けた。ここは排尿する場所であって、こうする事に何の意味があるかは知らない。だが読んだ本の数多くがこれをやっていた。……少し位置が違う様な気もするが、取り敢えずは……!?

 

「ん、ぁ!」

 

「ふぁ!」

 

 頭の中が一瞬で真っ白になった。一体、何があった? ただ真似をしてくっ付けて、そしたら上手く体勢が維持出来なくて身体がずれて……股が擦れた。排尿する場所とは少し違う場所から、物凄い痺れの様な感覚が襲った。あれは、何処だった? 今のが、この行為の目的なのか? 試してみる必要がある。

 

「ここ、か……? んっ」

 

「ん……ぁ……」

 

「ここ、だ、な……ひぅ!」

 

 再び頭の中に電気が走った様な感覚が襲い、視界が真っ白になる。それが良い感覚かと聞かれれば、よく分からなかった。だが何故かもう1度したくなって、私は三度股を宛がった。今度は何度も出来る様に体勢をしっかり維持するつもりで。そして身体を揺する様に動かせば、真っ白になる頭の中で確かに私は感じた。『気持ち良い』と。

 

 流石にもう、この感覚を得る事が本でやっていた行為の目的だと分かる。そして私の様に欲しがる様になれば、互いを求め合う様になる訳だ。今、私はもっと彼女とこの感覚を共有したいと思っている。果たして彼女が私と同じ事を思っているかは分からないが……今はとにかく続けよう。何か、この先にありそうな気もするから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もっと……もっと……!」

 

「フラ、ン……んぁ! 待っ、て……ひぁ!」

 

 気持ち良い。気持ち良い。彼女と一緒にこうして身体を擦り合わせて、何度も痺れる様な感覚に襲われて……そして最後に感じたあの頭がおかしくなる様な強い感覚が欲しくて堪らない。股だけじゃ無い。胸を擦り合わせても似た様な感覚がある。キスをしたって、ちょっと感じる。もう何回繰り返したか分からないが、まだ足りない。

 

 気付けば身体中が互いの体液に濡れていた。何時の間にか尿を漏らしたみたいに股や周りが濡れているが、少なくともこれが尿じゃないのは分かる。嫌な臭いも色も無い。ヌルっとしていて、私の求める動きをしやすくするには丁度良い潤滑油。

 

「ま、た……来ちゃ、う……! イ、クっ!」

 

「はぁはぁ、来る。来る。うあぁぁぁぁ!」

 

 身体が痙攣する。彼女の上で何度か痺れる様に震えた私は、そのまま足に力が入らなくなって彼女の上へ倒れてしまった。足の固定も解けて、両足を広げて倒れる彼女の上に寝転がった私は、それでも満足出来なかった。1度この感覚を得る度に、もう1度もう1度と繰り返し欲してしまう。……これは、良く無い事なのかもしれない。

 

「でも、悪くない……」

 

 彼女も私と同じ感覚を得ているのなら、思いはきっと一緒の筈。このまま共におかしくなるというなら、それも悪くないと思う私がいた。

 

「お前も溺れろ。私と一緒に、これからずっと」

 

「フラ、んっ……!?]

 

 キスをしたまま私はもう1度姿勢を起こして、彼女の胸と股に自分の同じ部分を合わせる。弱々しい彼女の手が私の動きを止めようとするが、そんな行為は無意味だ。確かに私も力は入らないが、それは彼女も同じ。そして元々の力で考えれば、私の方が多少なりとも強い。つまり、彼女に私を止められる力は無い。

 

 それから何度も、私は彼女と共にこの不思議で癖になる感覚を味わい続けた。その内意識が遠くなり、気付けば窓に昇り始めた太陽の光が差し込む。だが結局彼女が私のものであると自ら認める事も、あの感覚に溺れる事も無かった。……それならそれで、仕方が無い。ならそうなるまで、何度だって繰り返すだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今までプライドに入ってから、互いの事を知って行く中で彼女の事を知る者達は沢山居た。だから彼女の意思が強いのは私以外の誰もが知っている事だ。『簡単には意思を曲げない』と言えば、それでそれぞれが納得した。中には自分も説得したいと立候補する奴もいたが、私はそれを断った。他の奴の手を借りてでは意味が無い。

 

「今日もする」

 

「……」

 

 前と同じ様に出られない部屋の中で、私は彼女と2人きり。もう服を破られる事を怖がってか、彼女は服を脱いだ状態だった。最初に言われた通りなら、彼女がこの世界から消えてしまう日は刻々と近づいている。それまでに彼女を完全に私のものとしなければ、終わりだ。

 

「お前が私無しでは生きられなくなるまで、何度だってやってやる」

 

「……私は、元の世界に……帰る」

 

 彼女の意思が勝つか、私の意思が勝つか。これから始めるのは、お互いの意思を試す為の行為だ。前みたいに気持ち良さで自身が溺れない様に、気を付けなくてはならない。私が溺れては意味が無い。溺れさせるのは、彼女だから。




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