うげっ…
何とか息を整え木上から下の様子をうかがってみると、あたりを徘徊するバケモノが見え、思わず心の中で舌打ちする。
何とかふりきったけど、しつこいわね。どうしてあたしが…。
ほっとしたら急激な怒りがわいてくる。そもそも死んだのなら大人しくあの世に行けば良いのだ。魔力を瞳に込めながら睨み鑑定能力を作動させる。
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種族:死四豚鬼異形亜種
氏名:NONAME
性別:雄
Lv:32
年齢:0
称号:新種
パラメータ
体力:∞
持久力:∞
筋力:320
技量:250
敏捷:7500
攻撃力:22500
防御力:300
魔力:1000
耐久度:500
死体スキル
敵討ちLv4
不浄絶倫Lv99
生命汚染Lv99
腐毒催淫Lv99
戦闘スキル
こん棒Lv48
怪力Lv32
再生Lv50
戦槌Lv4
双頭観測Lv2
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よし、逃げよう。あたしは今日から北の山で暮らすんだ。ティラスの両手剣を使い潰しても勝てるかどうかあやしい相手に挑むわけがない。
情報収集の一環として見たことの無い項目の鑑定をしたらとっとと逃げてしまおう。瞳に魔力を込めて鑑定を重ねる。
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新種
効果:再生Lv+15
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耐久度
アンデッドの体力のようなもの。0にすると土に帰る。
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敵討ち
生前の敵の居場所が大体わかる。
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やばい、逃げられない。どうやってもふりきれなかったのはこのスキルのせいだったのか。ついでにこの近くに隠れているのもわかっているからあたりを探して彷徨いている…と。
頭を抱えて叫びたくなるのを抑えて、とっとと戦うことを決意する。どうせ戦うならこの巨木エリアが良いに決まってる。そのために引き込んだのだから。
ししとんきーだが知らんが、バケモノを見ていてまず目につくのは6m以上ある巨大な身体にお似合いの太くて黒い戦槌である。
あれを食らったらまず即死に違いない。もちろん鑑定をする。
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デッドブラックウォーハンマー
オークズクラブウッドに膨大な死の魔力を流し込み変質させた黒い戦槌。死者専用
レア度 A
攻撃力:25000
許容魔力:1000
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やけに性能がいいな。同じ原材料から作られたのに随分と性能に差がある気がする。
やっぱり排卵日誘発なんて意味不明な機能が着いた分性能が落ちたりしたのだろうか。あぁ、込めた魔力がピンクだから変な能力がついたのか。
無い物ねだりをしていてもしょうがない。ティラスの両手剣が有るから武器性能は勝っているのだ。
次に残存魔力を確認する。予想以上に低かったら拠点の巨木まで逃げてスペルの実を一気食いしなければいけない。
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魔力:84076/99999
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まぁボチボチである。1000魔力を使っただけで埒外の魔力をとか言われるのであたしの魔力のヤバさがよくわかる。早速腰のエルシズロッドに限界まで魔力を流すと、腰の回りが日緋色に輝きはじめ慌ててしゃがむ。
バ、バレて無いわよね…?
匍匐前進で前に進み下の様子を伺うが、バケモノは気付かないで当たりを彷徨ってる。いきなりの戦闘はごめんである。初撃は絶対此方から与えたい主義なのだ。気を取りなおすと立上がり全身に覚悟を巡らせる。
さて、いい加減戦いますか。脚に魔力を込め、巨木を蹴り下に向かって飛びだった。
そしてあたしは…
速戦即決!ティラスに4万の魔力を注ぎ込んだ。
まずは様子見!ティラスに2万の魔力を注いだ。
➡速戦即決!ティラスに4万の魔力を注ぎ込んだ。
両手にあるティラスの剣が物凄い勢いで震えはじめる。これなら行ける!あたしはバケモノに向かって、輝きがどんどん強くなるティラスの剣を叩きつけた。
「ーーーーーーッ!?」
バケモノにティラスの両手剣が当たる瞬間、剣が不意に崩れ去る。突然の事に僅かだが身体の動きが固まる。黒い戦槌が風切り音と共にやって来る。
皮を、肉を、そして骨を貫かれる衝撃。
「ガハッ!」
死があたしを捕らえた
自分の身体が飛び散るのを感じながら、電源を切るように意識が熔けた。
冷たいまどろみの中、徐々に意識が覚醒していく。
「ここは…?バケモノは!?どうなったの!?」
慌てて飛び起きて剣を構えようとするが、身に何も着いてなかった。
「何よここ…何で裸にされてんのよ…」
辺りを見渡しても、見覚えのない岩肌が四方を囲んでいる。どうやら岩の洞窟にいるようだ。
「そういえば傷ッ!」
慌てて木端微塵になったお腹を押さえるが、傷ひとつついていない滑らかな肌があった。
「一体どうなってるのよ…」
何時もの癖で鑑定を発動させる。
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氏名:NONAME
性別:雌
Lv:1
SP:0
年齢:0
肉体状況:汚染(極大)隷属中
肉体開発度:360
パラメータ
体力:∞
持久力:∞
筋力:50
技量:35000
敏捷:11000
攻撃力:50
防御力:75
魔力:1000
死体スキル
鑑定Lv4
戦闘スキル
剣術Lv99
両手剣術Lv99
体術Lv04
疾走Lv65
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鑑定結果が突然読めなくなる。
「な、何が…あ、あたし…」
頭が痛みはじめ視界がぐるぐる回りはじめる。鑑定結果を読みたくない。息苦しくなってきて、思わず胸を押さえる。
「こんな…うぅ…」
―――心臓が動いてなかった。
ぐちゃり。ぐちゃり。ぐちゃり。
あたしの声に反応したのか、暗がりの中からバケモノが現れる。異形の見た目をした豚の化け物。その下半身には何故か人間サイズの生殖器が反り立っていた。
「あたし用に調整したってわけ」
声が震えるのを抑えてファイティングポーズを取る。無抵抗で犯されるなんてごめんだった。
だけど
『う゛ぁ は は は は 』
黒い瘴気を纏ったバケモノはファイティングポーズをとるあたしを見て嗤った。
腕を組み、性器を硬くしながら、見ているだけだった。
…何を考えているか分からないけど、痛い目を見せてやる。
「ハアァァァ!」
拳と脚に魔力を込め、滑らかな風のように距離を詰める。そしてそのまま勢いのまま拳を叩きつけようとして、
「な、どうなってんのよ!」
神の像にすがるように、膝を付きながら化け物の下半身を抱き締めてしまう。
「い、嫌、身体が勝手に…」
腕を降り下ろそうとしても、勝手に優しくバケモノのそれを擦り初め、そっとキスを落とす。更に大きくなる生殖器を見て、愛おしいという感情がわいてくる。
「じ、冗談じゃない。あたしに…何をした…」
せめて噛み千切ってやろうとするが、口に受け入れた瞬間幸福感に包まれる。そして口の中で溢れだしたもの飲み干してしまう。
――駄目だ。
気絶している間に何かをされたのか。あたしの身体の所有権はいつの間にか、あたしのものでは無くなったようだった。
絶望し、諦めるとそれを感じ取ったのかバケモノは更に笑う。
日の光は二度と見れなかった。
END4 アンデッドエンド
➡まずは様子見!ティラスに2万の魔力を注いだ。
今まで流したことのない量の魔力を流し込まれたティラスの刀身は鮮血のように鮮やかに輝きはじめる。目の前の敵で切れないところは無いと確信する。
あたしは右手と左手でティラスの両手剣を握りしめると、大きく振りかぶると、
「また縦に割ってあげるわ!」
巨木の上から飛び降りたスピードも合わせたほぼ全力の一撃は、バケモノの上半身を深く抉る。
「 う゛ ぃ ひ ひ ひ ぃ ぃ 」
泥沼に棒を突っ込んだような、纏わりつくようなネバつく感覚。即座にティラスの両手剣を手放すと、エルシズロッドを深紅の長剣に変え、右腕を切り飛ばす。
ようやく体勢を整えたのか、左手で戦槌を振るってくるのを見て、更に内側に踏み込み二本のエルシズロッドをスローイングナイフに変え、
「「プギィイイ」」
更に魔力を込め両肩の上に投げつける。
オークの頭二つ、それぞれにナイフが突き刺さり切り飛ばされるのを見送りながら、股の下を潜り抜け戦槌を交わす。
「再生される前に破壊しきる。様子見なんて必要ない」
――あたしは荒れ狂うタンブルウィードになった。
触れるものを切り刻む草原の回転草のように、バケモノの部位を切り飛ばす。振り回される戦槌を交わしては足をえぐり、姿勢が崩れて届くようになった部位を槍で貫き、砕き、粉砕する。
気が付くとあたしの目の前に超巨大ユッケ黒の戦槌添えが出来上がっていた。