※この作品はR-18です。

転生者の涙   作:私の矢が貴方を貫く

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 「ハァ、死ぬかと思ったわ」

 

 疲れた身体に鞭を撃ち、巨大な肉塊を四つほどに分けて、それぞれを別の場所に埋め終わると思わず座り込んでしまう。

 

 「全くアンデッド化って、一夜くらい待ちなさいよ」

 

 行きに倒して、その日の帰りにアンデッドが誕生していたらこの世はアンデッドで埋め尽くされてしまう。

 

 「あーもうめちゃくちゃよ。大損害よ」

 

 七本あったエルシズロッドも酷使し過ぎたのか、戦闘が終わると同時に全て砕け散ってしまった。

 ティラスの両手剣は、結局最初の一撃にしか使わなかったためか無傷だったが。

 

 「ドロップアイテムはこれぐらいかしらね」

 

 足元に落ちている黒い戦槌をみつめる。戦っているときは巨大に見えた戦槌も、持ち主がいなくなったためか、どこか小さく見えた。

 

 手に拾うと紫電を放ち、戦槌が手から逃れようとする。そう言えば死者専用だったか。でもエルシズロッドが全滅してしまったので問答無用とばかりに魔力を流し込む。

 

 しばらくバチバチ言いながら抵抗していたが、ビクンビクンとはねあがるとゆっくりと姿を変えていった。

 

―――――――――――

エクスタシスヴェスタロッド

死者の魔力と性者の魔力が混ざりあって出来たこの世ならざる者の棒。一定確率で相手を昇天させる。

また、素早く三度魔力を込めることで、持主が排卵日になる。

レア度:SS

攻撃力:500

許容魔力:10000

持主:エルシオーネ・イル・ステアリート・エキュ

―――――――――――

 

 うわぁティラスの両手剣よりレア度高くなっちゃった。ネタっぽいのに普通に強そうな武器ができて、少し顔が引き攣る。だがティラスの両手剣のほうがやはり強そうだ。引続きティラスの両手剣は強敵にしか使わないことにするが、何だかエクスタシスロッドも普段使いしたくない性能がついている。

 

 「あー…今日はなんか疲れたわね。」

 

 タンブルウィードに殺されかけ、なんかやばいバケモノに追いかけられ、手に入れた武器は殆どこわれて。手に入れた武器は変な機能がついている。

 

 「今日はもう寝ましょう。」

 

 これ以上の探索は無理だ。そう判断したあたしはすごすごと拠点に引き返す。まーた今日の晩御飯もスペルの実である。

 

 ボロボロの身体を引きずり、拠点の巨木まで戻ると、辺りの環境は激変していた。まるで台風でも来たのかと聞きたくなるぐらい、そこらじゅうには枝が散乱していて、木は傷だらけになっており、酷いものだと裂けている木まであった。

 

 一体何があったのか、辺りを見渡していると直ぐに原因が見つかった。あたしが拠点に使っている巨木を覆うように、巨大な棘の生えた蔦の塊がまとわりついている。

 …昼頃東の空に消えていった超巨大タンブルウィードだ。

念のため鑑定してみるが、やはりあの枯れた草で間違いないようだ。近付いても襲われたりしないだろう。

 

 木を登りながら何回かタンブルウィードの蔦を切り裂き、道を作る。靴から魔力の刃を出して垂直歩行をすることで、両手を自由にすることができ、比較的快適に登ることが出来た。

 

 何時もの簡易ベットはタンブルウィードの当たった衝撃で跡形も無くなっており、ウロの中ではスペルの実が潰れて大変なことになっていた。

 

 「……今日は厄日ね。」

 

 しょうがないので、目の前で揺れているタンブルウィードの種子を切り取って鑑定してみる。

――――――― 

回転刃草の実

切りつけられた動物の血管内に入り込んで発芽する。鉄っぽい味がする。栄養は満点。

効果:一定時間魔装精製で作った刃が少し鋭くなる

副作用:体液に欲情するようになる

備考:アンデッドを除くと、もっとも死骸の状態で生命を破壊するのに適している。

―――――――

 

 「全部の説明が物騒ね。」

 

 なんというか、本当にろくでもない植物だ。絶滅推奨危惧種って感じである。試しに一粒食べてみる。

 

 「鉄っぽいというか、諸に血の味ね!」

 

 まともな食料はこの世界には無いのだろうか。段々否定する要素が無くなり不安になる。何個か回転刃草の実を食べていると

 

 ピロリン♪

 

 と脳内で音が鳴り響いた。レベルアップである。もしかして食事をするだけでも経験値が入っているのだろうか。疑問に思いつつも自分に鑑定をかける。

 

―――――――――

 氏名:エルシオーネ・イル・ステアリート・エキュ

 性別:女性【処女】

 Lv:16➡17

 SP:1➡2

パラメータ

 体力:35/50

 魔力:7300/99999

――――――――――

 

 やたら怠いと思っていたら、魔力がかなり減っていた。魔力が0になったら気絶したりするのだろうか。

 

 「それよりも、スキルポイントが2貯まったわね」

 

 それでこそおぞましいアンデッドを倒したかいがあったというものだ。早速スキルポイントを捧げ天使の加護のレベルを上げる。

―――――――

 天使の加護:Lv2➡Lv3

 効果2:天使の小羽を授ける。天使の小羽は魔力を込めることで空を走れるようになる。

 副作用2:天使の小羽によって性的魅力に聖の性質が加わる。穢れを好むものや悪魔に襲われやすくなる。

 備考2:脚に天使の紋章が刻まれるため、悪魔と敵対しやすくなる。

―――――――

 

 「便利そうな機能は増えたけど…呪いを抑える内容じゃないわね。」

 

 それにちゃんと副作用まで増えてやがる。というかこの世界悪魔とか居るんだ…

 

 「ちょっと聖女っぽいオーラが出てるから穢したくなるのかしら。」

 

 むしろ呪いの悪化を招きかねない状態になったような気もする。

 

 「でも空を駆けるのは楽しそうね。」

 

 エルシーちゃんは素早い速度と膨大な魔力と魔剣の火力がうりだった。あたしも二日この森を生きて、それが大事だと知った。空も走れるようになればその戦力は確実に広がるだろう。

 

 試しに足の紋章に魔力を込めると、くるぶし辺りにピンクの可愛らしい小さな羽根が生える。

 

 「なんか、さっき手に入れたピンクの杖とあわせて魔法少女めいてきたわね…」

 

 そろそろマスコットキャラでも出てくるのだろうか?適当に想像するが、何故かデフォルメ状態のゴブリンがギンギンになったものを見せつけながら飛んでくるイメージが浮かんできて慌てて思考を止める。

 

 「はぁ、何なの今のイメージは。」

 

 気を取り直して、ジャンプしてみると空中でもう一度ジャンプできそうな感覚が伝わってくる。

 次に空に向かって駆け上がるようなイメージで足を動かすと、そこに透明な階段があるかのように駆け上がることが出来た。

 

 「空中を蹴ることが出来るようになる能力と言ったところね」

 

 思いきり空中に踏み込んで、エクスタシスロッドで剣を創り虚空を切りつけてみる。

 地に居るときと同じように動くことが出来た。あたしにだけ透明な地面が用意されたようなものである。

 

 「これはきっとあらゆる場面で役に立つわね。」

 

 新能力を手に入れたときは呪いを押さえられず少しがっかりしたが、これなら大歓迎である。

 

 新能力の検査で残されていた魔力がほぼ無くなり、寝床に戻ることにした。

 

 「今日はやけに月が明るいわね。」

 

 蔦の枕と巨木の葉っぱをまるごと一枚使った掛け布団しか作れなかった寝床で空を見上げると、満天の星空とそれを遮るタンブルウィードの結界だけがみえた。

 

 あたしは……

 もう寝ることにした。

 もう少し拠点を見て回ることにした。

 

 

 ➡もう寝ることにした。

 

 魔力も尽きかけて、すっかり疲れてしまった。明日は拠点がタンブルウィードで覆われてしまったから、内側にツリーハウスを作ってもいいかもしれない。

 

 それとも天使の小羽で遠くまで出掛けてみようか。空からなら、安全に探索が出来るかもしれない。でも夜中に飛んでいた奴が昼も現れないとは限らない。

 

 やっぱり食料を探しに行こうか……

 つらつらと考えていくうちに目蓋が重くなり、気が付くと眠りについていた。

 

 

 

 

 ➡もう少し拠点を見て回ることにした。

 

 疲れすぎたのか、逆に目が冴えてしまって寝れない。寝床から立ち上がり、伸びをする。

 

 「明日は何をしようかしら」

 

 巨木の枝を歩き回りながら考えていると、巨木のウロの所まで来ていた。

 

 「あれ…?」

 

 あたしの鼻に、芳醇な匂いが引っ掛かる。

 

 あの中はスペルの実の汁で一杯だったはず。

 

 不思議に思い近付いてみるが、確かにウロの中から匂いが漂ってくる。

 

 あたしは指を差しこみ、中のものを掬い取って舐めてみる。

 

 「苦い。」

 

 やっぱり完全にアレの味である。

 

 どうして匂いがしてくるのか気になり覗き込んでみると、ウロの縁ギリギリにまでスペルの実の汁が貯まっていた。

 

 むせかえるような精液の臭いで涙が出てくる。

 

 「ケホッケホッ……」

 

 そう言えばここ二日ほどお風呂に入ってなかった。なぜこのウロをみてその発想が浮かんだのかは解らない。気が付くとあたしは全身の服を脱ぎ捨てていた。

 

 「うわ…生暖かい。」

 

 爪先でスペルのお風呂に触れてみると、ねっとりと熱を持っていた。今からでも止めた方が良いのではないか。理性がそう言い続けるが、

 

 「あー。結構良いお湯かもー。」

 

 肩までずっぷりとつかってしまった。

でも一応エクスタシスロッドを持ってきているから大丈夫な筈だ。まだ何かが起こると決まったわけではない。

 

 液体を掬って顔を洗う。

 

 「あー。くっさい♡」

 

 暖かい液体のなかで疲れが溶けていく。リラックスしてここ2日間であったことを思い出していくと、あることをあたしは思い出してしまった。

 

―――――――――

生殖力アップの呪い(+10)Lv1

効果:獣や魔物の精子でさえ受胎するようになる

――――――――――

 

 あたしはどんな生物の精子でも受け入れてしまうのだった。

 

 それなのに、無防備にも、性器を精子の海にさらけだしている。

 

 それを自覚してしまった瞬間、下半身がジュンと熱を帯始める。

 

 「イヤァァァ!」

 

 慌ててウロの中から出ようとする。

 

 でも外に出るためには足を思いきり開かないといけない。

―――そしたら、入ってきてしまうかも知れないのだ。

 外に浮かぶ精液を求め、子宮がキュンキュン言い始める。

 

(どうすればいいのよ!?)

 

 絶望的な気分で、ウロの外を見上げると、エクスタシスロッドが立て掛けてある。何とかして取ると魔力を込め始める。

 

 「お願い、どうにかして!」

 

 エクスタシスロッドに魔力を込めようとするが、焦って武器のイメージが作れない。

 

 「はやく!」

 

 再度魔力を込めると微かに武器が出来上がるが、直ぐに霧散してしまう。

 

 「今度こそ!」

 残る全ての魔力を込め斧を精製すると、

 

 「ひゃあっ!お腹がっ!」

 

 突如エクスタシスロッドから不可視の力が解き放たれ、あたしの女性としての機能を強制作動させるが、その前に全ての魔力を使いきったあたしは意識を失いスペルの液の底に沈んだ。

 

ED5 木上溺死

 

 

 





特に考えないで書いてたら溺死してたわ
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