「さて、ついにやってきたけど……」
目の前にはバラバラになった青い木がそこらじゅうに散らばってる。
細かい欠片は雨が押し流してしまったのか、落ちているそれだけで元の木の形は作れそうになかった。
「見事に超巨大回転刃草は着弾したようね。」
何処となくホッとした気分になる。
よく解らないが、取り合えず破壊することはできたのだ。
辺りに散らばっている残骸は、前に見た木より青の色が薄くなっている気もしたが、いざというときは破壊してやれば良いだろう。
早速散らばってる青木の残骸に対して鑑定を行う。
いつの間にか鑑定能力もLv上がっていたから今度こそ見れるはずだ。
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空間樹(壊)
全てが空間を越えて繋がっていた空間樹の一部
効果:失われている
副作用:失われている。
備考:砕かれて魔力を奪われたため力を失っている。
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……何か凄い木だった。もしかしたらとても貴重なものを破壊し尽くしてしまったのではないか。
思わずエリアを覗き見るが、破壊の跡はかなり奥の方まで続いていた。
取り合えず残骸を指でつんつんしても何も起きなかったので奥に進むことにした。
「酷い有り様ね……」
あたりはインド象がブレイクダンスでもしたのかと言いたくなるほどの惨状だった。
まぁ原因はほぼあたしなのだが。
バラバラになった空間樹の欠片を避けながら移動していると、目の前の空間が紫電を散らしながらバチバチと羽音のような異音をたて始めた。
「な、なにやら穏やかじゃないわね。」
あわててティラスの両手剣を抜きつつ、空に上がる。
――グオン。
何かが通りすぎる音が聞こえ空気が引き裂かれた。
見てみると青い茨でできた、ボールのような植物が虚空から表れ、先程まであたしが立っていた場所を木の残骸や地面ごと抉っていた。
「まぁ、よくあることよね。」
目の前の異常に対していちいち突っ込んでいたら疲れてしまう。あたしはティラスの両手剣に魔力を流しながら鑑定能力を作動させた。
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空間回游刃青草
膨大な空間属性の魔力を吸収することで変質を起し、空間魔法を発動するようになった回転刃草。
より魔力の強い生命体の血管内に種を植え付けるようプログラムされている。
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「これ、枯れてるのよねっ」
鑑定を発動させている間にも、また虚空から表れて来たので身体を捻り、なんとかかわす。
一応虚空から表れるときにバチバチと音が鳴るのでなんとか避けられている。
かわし続けること数分。
「そろそろ見切ったわ!」
羽音のような異音を聞き、真下から削り取ろうとしてくる青い弾丸をかわしながらエルシズロッドで斬りつける。
―ティラスの両手剣は壊れそうだから止めておいた。
深紅の長剣と猛烈に回転している青い弾丸が鍔迫り合いになる。魔力同士が干渉しあってるのかバチバチとした異音がさらに煩くなり、顔をしかめる。
「あ、やばっ」
魔装精製で作った深紅の長剣に皹が入り始める。慌てて魔力をさらに流しこむが、皹はどんどんと大きくなっていく。
「し、
空中で踏ん張るための足場を消しながら全身の力を抜き、自分から弾き飛ばされると同時にエルシズロッドが砕け散る。
「あ、危なかったー!この世界のものは死後が恐ろしすぎるわね!」
弾き飛ばされながら腰に挿しているエルシズロッドを引抜き、再び深紅の長剣を造りだし空中で構える。
するとあの耳に障る音がまた鳴り始め、振り向くと同時に虚空から表れて襲ってくる。
「もう、しつこいわね」
今度は深紅の剣にちゃんと魔力を纏わせながら叩きつけると、赤と青が衝突し紫色の火花が散り始める。
何度か打ち合っていると、あたしの手に少しだけかかる圧力が減ったのを感じ、刃草を見ると纏っていた青色の魔力が段々と削れていくのが見えた。
「どうやら魔力勝負のようね!」
刃草が纏う魔力を削るのと同じ速度で深紅の長剣も削られていくが、あたしには予備の深紅の長剣に魔力がたくさんある。
大体魔力を3000ほど使うことでようやく刃草は魔力を使い切ったのか、地に落ちた。
どうやら総魔力勝負はアタシの勝ちのようだった。
近づいて見てみると、地に落ちた刃草は大量の魔力を使った反動か、灰に成りつつ崩壊していった。
「全くとんでもない植物だったわね……あら?」
崩れていった刃草の中にキラリと輝くものが落ちているのが見えた。
ドロップアイテムですね間違いない……。
念のため近寄らないで鑑定を行う。
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最高品質の魔導石(空)
膨大な魔力が圧縮された後、別属性の魔力によってさらに圧縮されたときにできる石
レア度:SSS
効果:その属性で変質させる。装備限定
備考:魔力で起動し、装備に重ねることで使用する。一度使ったら消滅する。空間属性である。
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鑑定結果を見終わった瞬間に魔導石を拾い上げる。
「なんだか、スッゴいすごそうね。」
思わず頭の悪い感想が漏れる。空間属性で変質させた後のことを考えると、この魔導石はとても素晴らしいものだった。
恐らくあたしの魔力は、これまでの鑑定結果的に性魔力とかエロ魔力とかそんな感じのネタ魔力であり、そのために魔力で変質させると変な能力がついていたのだろう。黄金の貞操帯の時は神が介入したお陰か変な機能はつかなかったが、あのときは本体が変だった。
ソレに比べてこの魔導石に含まれているのは空間魔力である!絶対強い(確信)
「ところで何に使おうかしら?」
今のあたしの装備品を確認してみる。
かわいい服、両手剣、たくさんの杖、貞操帯、ネックレス。
「まぁエルシズロッド達は無いわね……。」
ほぼ消耗品として使い潰している杖に貴重そうな魔導石を使いたくはない。
それにティラスの両手剣にも使う気はしない。もし魔力を込めるほど斬れる能力がなくなったら、脆いだけのゴミである。
「変質後の鑑定結果とか見えたりしないのかしら」
魔導石をネックレスに重ねて鑑定を発動してみる。
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空間の鍵のチェーンネックレス
とある錠を開けるための鍵がついた黄金のネックレス
レア度:SSS
効果:自己再生Lv9 空間倉庫Lv9
備考:金なので壊れやすいが、壊れても直る。ついでに装備者にも再生能力を授ける。空に挿すことでアイテムボックスが使えるようになる
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通常の鑑定結果を上書きするように、恐らく魔導石使用後の鑑定結果が浮かんできた。
「ってアイテムボックスじゃない!」
皆大好き空間倉庫。取り合えず詰め込めちゃう最強倉庫。たまに剣を射出させたりする人もいる空間倉庫。
「もうこれで良いんじゃないかしら?」
それに空間に突き刺す鍵なんてロマンが有って格好良い感じがする。
「ま、まだよ。他の装備も見てみなきゃ……」
もう9割ほど鍵のネックレスに魔導石を使う気分だが、もっと良い機能が付くかもしれないので取り合えず見てみる。
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祝福されたクリューソスの空間貞操帯(女)
宇宙の力を宿した貞操帯。破空の性質をもち、空間ゲートで遠隔オナホにされなくなるだろう。非常に柔らかい未知の物質で出来ているため肌は傷付かない。処女専用装備。
レア度:SSSSSS
効果:清潔 俊足付与 自慰防止 空間挿入防止 魅了
防御力:150
許容魔力:0
備考:穢れ無き者がした己の純潔を守りたいという祈りに処女神が応えて産み出したものに空間魔力を込めた。
装備者に身体を清潔にし保つ効果と悪しき者から逃れるための俊足の能力が授けられる。
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――なんだこの出オチは。
「……はい却下。次っ!」
お腹に当てていた魔導石を両手剣に重ねて鑑定を行う。
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ティラスの断空剣
刀身に魔力を注ぎ込むとによって、切れ味が増していく特殊な性質を持つ。最大まで込めると空間ごと切れるようになった。魔力の消耗が激しいため並みの生物は扱えない。また刀身は魔力を帯びていなければ非常に脆いため、簡単に砕け散る。
レア度:SSS
攻撃力:50~43000
許容魔力:5000~42950
備考:5000以上魔力を込めるとき、雑に魔力を流し込むと砕け散る。また限界を越えて魔力を込めても同様に砕け散る。砕け散ると付近に空間異常が生じ、ブラックホールが精製される。
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「こんなもの作れませんわぁ!!!」
かわいらしい声が森に響き渡る。思わず言葉使いがお嬢様と化してしまった。空間も斬れるのは中々にロマンだが砕けちったらあたしが死んでしまう。
「後はこの服かしら?」
そういえば、この服はまだ鑑定してなかったような気がする。
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エルシーの衣装
エルシーイステアリのために作られたドレスのような防具。破損しても魔力を込めると直る。
レア度:S
防御力:15
備考:コサージュの部分に魔力を込めると、
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どうやら原作では別の装備だったものを無理矢理一つにしたようだ。ついでにダンジョンパートで使っていた服を直す魔道具も。
「でもこれに空間魔力を付与してもしょうがないわね」
防具に空間魔力をつけても強くなるイメージがわかない。武器につけたら強くなりすぎたが。
「やっぱりネックレスにつけましょう。」
これでやっと木のウロに木の実を貯める栗鼠生活を終わらせることができる。そう思うとやはりネックレスに付与したかった。
黄金の鍵のネックレスを外し、魔力で起動した魔導石を重ねる。
するとネックレスと魔導石が紫色に耀きはじめ、すごい勢いで魔力を吸い取られていく。
「な、なんか嫌な予感が……」
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桃色空間の鍵のチェーンネックレス
とある錠を開けるための鍵がついた未知の物質でできたネックレス
レア度:SSSSSS
効果:自己再生Lv9 空間倉庫Lv9 発情付与Lv9
備考:装備者に再生能力を授け、空に挿すことでアイテムボックスが使えるようになる。中に保存したものは、性魔力によって発情スキルをLv1~Lv8からランダムで付与される。
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やっぱり駄目だったよ。
性魔力なんて原作に無かったのにどうして……。
いや、落ち着こう。良いところだってある筈。
「す、スキル付与が幾らでも出来るなんてすごいじゃない……」
震える声で良い所を考えても思わず鍵を砕きたくなるが、砕いたら貞操帯が外せなくなるので必死に押さえる。
「はぁ……、これもよくあることよね。」
あたしはため息と共に冷静を取り戻した。